映画通信シネマッシモ


映画通信シネマッシモは、2018年4月をもって、終了しました。

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長い間のご愛顧に心より感謝いたします。

レニー・ゼルウィガー

ブリジット・ジョーンズの日記 ダメな私の最後のモテ期

ブリジット・ジョーンズの日記 ダメな私の最後のモテ期 ブルーレイ+DVDセット [Blu-ray]
恋に仕事に奮闘するブリジットもアラフォーになり、テレビ局の敏腕プロデューサーとして活躍中。でも、なぜかいまだに独身で、愛した男ダニエルは事故で他界し、友人たちもそれぞれの道へと進む中、ひとりぼっちで誕生日を祝っていた。ある日彼女は、野外音楽フェスで、IT企業の社長で、ハンサムで優しいアメリカ人のジャックと出会い、勢いで一夜を共にしてしまう。一方で、元カレで現在離婚調停中の弁護士マークとも再会する。二人の男性の間で心が揺れるブリジットだったが…。

アラサー独身女性の本音と飾らない日常を描き大ヒットした「ブリジット・ジョーンズの日記」シリーズ第3弾で約10年ぶりの新作「ブリジット・ジョーンズの日記 ダメな私の最後のモテ期」。アラフォーに突入したブリジットは、仕事ではキャリアップしているが、恋愛は相変わらずだ。ドジで天然、ダサくてだらしないのに、可愛らしく立ち直りが早いところは変わらない。40歳を超えたのに、まったく学んでないじゃないか!と激しくツッコミたくなるが、これがブリジットなのだ。ここを否定してしまうと、もはやブリジットではなくなるので、文句はご法度というものである。だがひとつだけ言いたいのは、主演のレニー・ゼルウィガーの劣化ぶりがあまりにヒドい。ブリジット・ジョーンズは彼女の代表作で、他のキャストは考えられないが、それでもラブコメをやるルックスでは、もはやない。これでイケメン二人が夢中になるヒロインという設定は、いくら何でも無理があるだろう。今回の原題の意味は「ブリジット・ジョーンズの赤ちゃん」なので、何が起こるかは予想がつく。ほぼ同時期にベッドインしてしまった二人の男性のどちらが父親?というのが最大の“ミステリー”で、それにどう決着をつけるのかが見所だろう。今回のブリジットの行動にはまったく共感できないのだが、このラスト、もしかして次もあるの?!これ以上老けたブリジットはかんべんしてほしい。
【50点】
(原題「BRIDGET JONES’S BABY」)
(イギリス/シャロン・マグワイア監督/レニー・ゼルウィガー、コリン・ファース、パトリック・デンプシー、他)
(モテモテ度:★★★★☆)
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砂上の法廷

砂上の法廷 [Blu-ray]
巨額の資産を持つある大物弁護士が自宅で殺害される事件が発生。容疑者は17歳の息子マイクだった。逮捕され拘留後、誰にも心を開かず完全黙秘を続ける少年の弁護を引き受けたのは、一家と交流がある敏腕弁護士ラムゼイ。開廷された裁判では、マイクの有罪を裏付ける証言が次々に繰り広げられる。被害者の妻であり容疑者の母という複雑な立場のロレッタや、ラムゼイの助手を務める女性弁護士ジャネルらが見守る中、裁判は進むが、証言する誰もが嘘をついていた。有罪が確定するかに見えた矢先、ついに被告人のマイクが沈黙を破って衝撃的な告白をはじめるが…。

真実のみを語るべき法廷で次々に繰り出される嘘に敏腕弁護士が挑む法廷ミステリー「砂上の法廷」。少しわかりにくい邦題がついているが、原題「THE WHOLE TRUTH」の意味は「すべての真実」。邦題は、真実のみを述べる法廷でさえもその正義はもろいものだという意味だろうか。見終わると、原題、邦題の両方とも納得できる内容だ。本作では、全員が嘘をついているという設定で、証言台に立つ人間の言葉と、そこに挿入される映像の差異によって、嘘を表現している。嘘の理由は、保身もあれば、思いやりの場合もあり、少しばかりの利益のこともある。理由はさまざまだが、終盤になるにつれて、嘘が大掛かりになっていく仕掛けだ。そのためラムゼイは、嘘を見抜く鋭い観察眼を持つジャネルを雇い「証人は誰もが嘘をつく。そして僕も…」と言って、自分より経験の浅いジャネルに、法廷での駆け引きというテクニックを教えていくのだ。マイクの衝撃の告白とその先に待つさらなる驚愕の事実は、少々唐突すぎて面食らうのだが、法廷に一人座るラムゼイの独白で始まるこの物語では、勘のいい観客には、予想可能かもしれない。映画の性質上、ネタバレはできないが、何よりも“驚愕の事実”は、容疑者の母ロレッタを演じるレニー・ゼルウィガーの容姿の変貌ぶりだ。正直言うと、映画の途中まで、この人がゼルウィガーだと気づかなかったほど、すっかり老け込み、激痩せで顔はしわだらけ。どんでん返しにも影響するロレッタが、こんなにも地味で魅力に欠けるキャラクターでいいのか?!と強く問いたい。
【50点】
(原題「THE WHOLE TRUTH」)
(アメリカ/コートニー・ハント監督/キアヌ・リーヴス、レニー・ゼルウィガー、ググ・ンバータ=ロー、他)
(どんでん返し度:★★★★☆)
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映画レビュー「かけひきは、恋のはじまり」

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◆プチレビュー◆
クルーニーが監督・主演した大人のスクリューボール・コメディ。丁々発止のやりとりが楽しい。 【65点】

 1920年代の米国。引退間近の選手ドッジは落ち目のアメフト・チームを何とか立て直そうと学生アメフトの花形スターをスカウトする。そこに、ある目的でチームを取材する美人敏腕記者レクシーが登場。最初は反発し合う二人だったが…。

 邦題から受ける印象はあくまでロマンチックなラブ・コメディだが、実はこれ、アメフト草創期を描く物語でもある。映画の中で跳ねるのは二つのボールだ。アメリカンフット“ボール”とスクリュー“ボール”コメディ。両方のボールが試合と恋愛の間で勢いよく弾めば、古き良きアメリカのコメディが輝きだす。

 スクリューボール・コメディとは、さまざまな要素で対立する男女の恋愛模様を、小気味よい会話と笑いで描くものだ。最悪の出会いやケンカを経て惹かれあい、最後にはめでたし、めでたしがお約束である。このテの作品の第一号は「或る夜の出来事」だが、そう言えばクルーニーは、どこかクラーク・ゲーブルを意識したような役作りだ。ならば相手役のゼルウィガーは、さしずめゲーブル夫人だった美女キャロル・ロンバートと言えば褒めすぎだろうか。

 ベテラン選手ドッジは、若手実力選手カーターの人気でチーム再建を目論むが、女性記者レクシーはカーターのスキャンダルを暴こうとする。互いに惹かれるドッジとレクシー二人の立場もビミョーなら、レクシーに想いを寄せるカーターがからむ三人の関係はもっと複雑だ。だがひとつ問題がある。仮にも三角関係もどきだというのに、クルーニーに対してカーター役のジョン・クラシンスキーがあまりに魅力が薄いのだ。ここはもっと華のある若手スターがほしかった。クルーニーの魅力炸裂が大前提の作品とはいえ、ライバルがこう地味では寂しすぎる。これではレクシーでなくとも、女はドッジを選ぶに決まっているではないか。

 そんなドッジとレクシーは自信過剰で勝気な似た者同士だ。二人は出会った時から互いにパンチを効かせて応戦する。美人のレクシーを一目見て気に入ったドッジは果敢に近づくが、男勝りの彼女は「私の前から消えて!」とピシャリと拒絶。だが、心の中では、粋で楽しいマシンガン・トークを繰り広げながらアプローチしてくる伊達男に悪い気はしない。また、寝台列車で同室になる場面は、安易にエロチックな展開にはならず会話で笑わせる。かつての米映画には性描写に厳しい規制があり、それが逆に洗練された演出を生み出してきた。その良き伝統がちゃんと活かされているのが嬉しい。今やライバルチームの一員となったカーターの所属するチームと決戦の試合を迎えた時、荒っぽいプレーでならしたドッジのチームは新時代の到来を知る。同時に主人公たちの恋の行方も見えてこよう。

 原題のレザーヘッズとは、20年代、アメフトの試合中にかぶった皮製のヘッドギアを指す。映画は、アメフトが本格的なプロ・スポーツリーグへと変わる瞬間を描くが、米国ほどアメフトの人気がない日本では、邦題からスポーツの香りは抜け落ちた。本作の魅力はやはりスリリングな恋愛のかけひきと言いたいのだろう。そして、アメリカ製ラブ・コメディのウィットは、クルーニーのようなカリスマ・スターが引き継いでこそ本物の伝統になるのだということも。

(シネマッシモ評価:★5つが満点)クラシック度:★★★★★

□2008年 アメリカ映画 原題「LEATHERHEADS」
□監督:ジョージ・クルーニー
□出演:ジョージ・クルーニー、レニー・ゼルウィガー、ジョン・クラシンスキー、他

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ビー・ムービー

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ハチミツを搾取する人間に挑戦するミツバチたちの奮闘を描くアニメーションは、ハチが生態系にいかに大切な役割を果たしているかがよく分かる。テーマは働く喜びと環境問題だが、残念ながらお話がまったくダメだ。主人公のミツバチが言葉を話し、花屋の女性と心を通わせるまでは許せても、人間相手の裁判や飛行機着陸の場面は苦笑するばかり。ドリームワークスらしからぬトホホな出来栄えに哀愁が漂う。楽しい音楽がせめてもの救い。
【35点】
(原題「BEE MOVIE」)
(アメリカ/サイモン・J・スミス、スティーヴ・ヒックナー 監督/(声)ジェリー・サインフェルド、レニー・ゼルウィガー、マシュー・ブロデリック、他)
(B級映画(ビー・ムービー)度:★★★★★)

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映画レビュー「ミス・ポター」

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◆プチレビュー◆
ピーターラビットの作者の半生を描く伝記。湖水地方の美しい風景に癒される。CGで動く動物たちが最高に可愛い。70点】

20世紀初頭のロンドン。上流階級の女性ビアトリクス・ポターは母が勧める結婚より絵本作家として生きることを切望していた。新人編集者ノーマンの助けで、絵本を出版し、大成功を収めるビアトリクス。いつしかノーマンと愛し合うようになるが…。

いつの時代もどんな分野でも、先駆者という存在は偉大だ。上流階級の女性が働くなど論外だった時代に、ビアトリクスは、得意の絵で社会に進出した働く女性“キャリア・ウーマン”。同時に偉大なナチュラリストでもあり、自然保護を実行する行動力と先見性も持っていた。彼女の作品の可愛らしい絵柄とは対照的に、力強くて自立した女性というイメージが沸いてくる。だが、ポターという人物は、アーティストとしての誇り、夢見がちな性格、意外と長けた理財の才などが同居する、複雑な才能の持ち主だったようだ。世界一有名な青い上着を着たウサギ「ピーターラビット」は、そんな女性から生まれた魅力あふれる芸術品である。

この映画は良くも悪くも静かで控えめだ。ビアトリクスとノーマンとのビジネス上での二人三脚は、やがて恋へと発展するが、愛する人の病死によって、幸せは突然手からこぼれ落ちる。昨今の純愛メロドラマならどれほどでも劇的な演出をほどこせるこの悲劇を、さらりと描くのが印象的だ。人間の死も、大自然の大切な一部なのだと言い聞かせるように、喧騒のロンドンから一人田舎に移り住み、悲しみを癒すポター。傷ついた心を抱えながら、愛する自然の中で静かに暮らすたたずまいが、どこか素朴な印象のゼルウィガーにとても似合っていて、好感が持てる。一方、控えめな演出に物足りなさを感じるのは、ポターの持つ精神性の基礎となる部分だ。彼女は、私生活でも仕事の上でも、決して妥協しない。それはポターが、自然保護と歴史的建造物保全のナショナル・トラスト運動の基盤を作ったことにも現われるが、この意思の強さがどこから来たのかが分かりにくい。おそらくは理解のある父親、おそらくは湖水地方への特別な愛着。予想はできるが、彼女の傑出した芯の強さの源をより深く描けば、現代に生きる私たちは、ポターという女性にもっと近づけただろう。

目まぐるしく変化する時代のむなしさと、現実にあふれる悲しみを、ポターは本能的に知っていた。だからこそ、才能ある原作者の特権で、自作の中の世界に遊ぶ喜びを満喫していたのではなかろうか。映画は、ポターのそんな感情を、現代ならではのCG技術で絶妙に表現している。絵本の動物たちを生き生きと動かして、ゼルウィガーと“共演”させたのだ。ウサギ、ネコ、ガチョウ、キツネ。ポターの本の世界そのままに動き回るおなじみのキャラクターたちがほほえましい。動物たちとのデジタル共演の時間は短いが、この演出が映画を格段に魅力的にしている。何よりも、孤独な性格だったと伝えられることが多いビアトリクス・ポターを、ユーモラスで愛すべき女性としてイメージさせてくれたのが嬉しかった。

(シネマッシモ評価:★5つが満点)キャリアウーマン度:★★★★☆

□2006年 アメリカ・イギリス合作映画 原題「MISS POTTER」
□監督:クリス・ヌーナン
□出演:レニー・ゼルウィガー、ユアン・マクレガー、エミリー・ワトソン、他

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シカゴ

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◆プチレビュー◆
キャサゼタ姐御のド迫力には恐れ入った。さすがはM.ダグラスのヨメさんなだけある。このお話はなんと実話がベースで、過去に2度ほど映画化されている。チョイ役で特別出演するルーシー・リューが大暴れするのが楽しい。

1920年代のシカゴ。スキャンダル好きで飽きっぽいこの街で、またしても殺人が。舞台スターを夢見るロキシーが不倫相手を殺して逮捕されたのだ。獄中の先客で大スターのヴェルマも同じく殺人罪だが、敏腕かつ金権弁護士のビリーを雇って刑務所の中で脚光を浴びている。彼女を見て刺激されたロキシーは、同じくビリーと手を組んで一躍スターダムにのしあがろうとするが、世間の注目を奪われたヴェルマが黙っているはずはない…。

元は75年に故ボブ・フォッシーが手がけた大ヒット舞台劇。映画「キャバレー」でも有名なフォッシーの演出なだけあって、当然テイストはダークで退廃的だ。スキャンダルを利用してショウビジネス界でのしあがろうとする二人の歌姫と、名声を操るやり手の弁護士の思惑が交錯する物語は、家族愛や人間愛というモラルとはいっさい無縁の世界。しかし、この映画にはそんなものはなくとも圧倒的な魅力がある。

大きな目のアップの導入部から、階段を駆け上るスピーディなショット。名曲「オール・ザット・ジャズ」で始まるオープニングは、文句なくかっこいい。粋なステージを最初からたっぷり見せられたら、もう誰もがこの作品のとりこになってしまう。舞台でキャリアを積んだR.マーシャルは本作が初監督ながら、その手腕は非常に高い。エネルギッシュなパワーが大スクリーンに炸裂、ゴージャスなドラマの幕開けだ。

唐突に歌いだし、不自然に明るいミュージカルを苦手とする人は案外多い。しかし、本作の演出の特徴は、登場人物の空想部分をショウ形式で表現していること。本来、留置所という地味な場所ながら、心象風景を歌と踊りで華麗に演出、華やかなステージとサスペンスフルな裁判を同時進行させる。不自然さは皆無で、その切り替えが実に巧みなのだ。更にこの映画の最大の魅力はブラックさ。なにしろ素材は“美人妻の不倫殺人”。獄中にいる人物が茶番劇の裁判で時代の寵児になり代わるというから、相当にクレージーではないか。さぁ、最後に笑うのはいったい誰か。

出演俳優の達者なパフォーマンスも見逃せない。聞けばキャサリンとギアは経験者。初挑戦のレニーは、二人に比べてやはりちょっと拙い。舌たらずな歌い方はハラハラさせられるが、それが、少し頭は弱いがしたたかでコずるいロキシーというキャラにピッタリ合っていて、結果的に成功しているからたいしたものだ。ギアはタップがもっぱら話題だが、腹話術で人形を操るシーンがアイロニカルで出色の出来。グラミー賞歌手Q.ラティファの上手さは言うまでもないが、気弱で哀れな、ロキシーの夫役のジョン.C.ライリーの歌の意外な味わい深さも捨て難い。

ミュージカル映画のオスカー受賞は60年代の「オリバー!」以来の快挙だ。全員が悪いヤツ。したたかに生き抜く彼らの姿は、なんと痛快なことか。悪の魅力に満ちた男女の原動力は、名声への欲望だ。きらびやかで猥雑、甘美な陶酔感がたまらない。久しぶりに“極上”という言葉が思い浮ぶ、大人のためのエンターテイメント映画の誕生だ。

□2002年 アメリカ映画  原題「CHICAGO」
□監督:ロブ・マーシャル
□出演:レニー・ゼルウィガー、キャサリン・ゼタ=ジョーンズ、リチャード・ギア、他

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母の眠り

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◆プチレビュー◆
あまり好きなタイプの作品じゃないのに泣かされた。やっぱり名女優メリルのせい?

エレンの母の死には、謎があった。検事に証言をするエレンの疲れた表情から映画は始まる。NYでジャーナリストとして多忙な日々を送るエレンは、末期ガンに倒れた母の看病のために、仕方なく帰郷。美人で頭もよく、仕事にも野心的なエレンにとって、大学教授で作家の父は常に偉大な存在だが、母は平凡な専業主婦、小さな町の婦人会がつきあいの全てという、軽い嫌悪さえ感じる存在だ。にわか主婦業と慣れぬ介護に四苦八苦して暮らす日々。都会から取り残される焦燥感。そんな娘の姿を静かに見つめる母。最初は全てに不満だったエレンだが、やがて平凡な専業主婦に見えた母の生き方を改めて見直すことに。母が今まで、報われることのない家事労働を、ただ愛する家族のために行ってきたことに初めて気付く自分。あこがれだった父の身勝手。その父も母を失うことを思って苦しんでいる。父を非難する娘に対して、結婚とは、夫婦とは何かを訴える母。その言葉は、幸せになるには、ないものねだりではなく今を愛せばよいのだと告げていた…。

街のクリスマスツリーは、婦人クラブの一員として母も飾付けに参加したもので、母の人生のささやかな栄光の輝き。そして皆、知っているのだ。これが家族で迎える最後のクリスマスになるということを。遂に衰弱しきった母は、この苦しみに耐えられないと訴える…。

家族という身近なテーマを扱いながら、ストーリーを奥深いものにしているのは、やはりメリル・ストリープの上手さだろう。冒頭で「オズの魔法使い」の仮装で登場するのには正直驚いたが、たとえ、こんなナリをしていても貫禄があるのは大女優ならでは。豊かな愛で家族を包む母親の優しさと繊細さを演じて、本作でアカデミー賞にノミネートされている。

理想通りではないけれど、それら全てを受け入れて新しい人生の一歩を踏み出すエレンの成長がうれしい。家族、親子、夫婦、そして介護など、テーマ的にも見所あり。こういう映画はちょっと苦手なのだが、意外にも良くできた作品だ。

タイトルは、劇中の字幕では“わが心の真実”と訳されていた。

□1998年アメリカ映画 原題「One True Thing」
□監督:カール・フランクリン
□出演:メリル・ストリープ、レニー・ゼルウィガー、ウィリアム・ハート、他

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