映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評


【本音で語る新作映画レビュー】
シネマッシモでは、映画レビューはネタバレなしのヒントあり。映画を見る前と見た後と、2度読んで楽しめます。
映画評サイトもこのブログで4代目になりました。すべての映画好きを歓迎します!
(点数は100点が、★は5つが満点)
シネマッシモとは、シネマ(映画)とマッシモ(イタリア語でmax,最大)とを組み合わせた造語。
どうぞゆっくり楽しんでください \(^▽^)/

◎ 今週末の公開映画から オススメの1本! ◎
チリ他合作映画「ナチュラルウーマン」

ロジャー・ドナルドソン

スパイ・レジェンド

スパイ・レジェンド [Blu-ray]
伝説的スパイがかつての組織と対峙するサスペンス・アクション「スパイ・レジェンド」。硬派なスパイ映画好きにはおすすめ。

ザ・ノヴェンバー・マンというコードネームで呼ばれた伝説的CIAエージェントのピーター・デヴェローは、スイスで引退生活を送っていたが、かつての仲間が次々に殺されているのを知る。デヴェローは彼らの救助に向かうが、元同僚で愛していた女性を目の前で殺されてしまう。しかもその犯人は自分が所属していたCIAだった。自ら教育した現役最強のスパイと激しい攻防を繰り広げながら、事件の全貌をつかもうとするデヴェローだったが、やがてロシア大統領選をめぐる国際的陰謀にたどりつく…。

原作はビル・グレンジャーの小説「ノヴェンバー・マン」。ジェームズ・ボンド役で知られるピアース・ブロスナンが久々のスパイ役を演じることが話題だが、娯楽満載の007シリーズとは対極の、古典的なスパイ映画の香りを漂わせる硬派なサスペンス映画に仕上がっている。とはいえ、爆発、カーチェイスなど、見せ場はたっぷり用意されていて、知的要素とアクションが上手くミックスされているのだ。映画は、おそらく現実に起こったリトビネンコ事件をヒントにしているのだろう、CIAの裏切りやロシアのチェチェン侵攻など、描かれる背景がやけに生々しい。ピーター・デヴェローは、冷徹と言えるほどクールで無駄な動きなどないプロ中のプロ。かつて自分が育てた若手エージェントを相手に、自分の中の正義に従って挑んでいく。元ボンドガールのオルガ・キュリレンコが事件の鍵を握る女性役で出演するが、彼女には実は秘密があって…というサスペンス要素もまた緊迫感を醸し出している。CIA側の二重スパイ、チェチェン侵攻の黒幕、謎の女性ミラ。ほとんど味方がいない状態で、孤軍奮闘するニヒルな男デヴェローは、ピアーズ・ブロスナンの新たな当たり役になるかも。決して派手さはないが、リアリズム重視の硬派なスパイ映画が好きなファンにはおすすめの作品だ。
【65点】
(原題「The November Man」)
(アメリカ/ロジャー・ドナルドソン監督/ピアース・ブロスナン、オルガ・キュリレンコ、ルーク・ブレイシー、他)
(硬派度:★★★★☆)
チケットぴあ

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スパイ・レジェンド@ぴあ映画生活

バンク・ジョブ

バンク・ジョブ デラックス版 [DVD]バンク・ジョブ デラックス版 [DVD]
パンチの効いたクライム・サスペンスで、すこぶる面白い。しかもウォーキートーキー強盗として知られる実話というから驚く。70年代のロンドン。テリーは旧知の美女マルティーヌから銀行強盗を持ちかけられる。貸金庫を狙った大胆な計画は成功するがそこには現金や宝石類と共に、王室のスキャンダルに係わる秘密が預けられていた。強盗団、彼らを操る政府高官、裏社会の悪人どもに汚職警官と、複雑に絡み合う人間関係をテンポ良くみせる演出がさすが。最高機密を素人強盗に委ねる政府高官にあきれるが、これが70年代ののどかさか。ステイサムの男気と終盤の展開に胸がすく。
【75点】
(原題「The Bank Job」)
(イギリス/ロジャー・ドナルドソン監督/ジェイソン・ステイサム、サフロン・バロウズ、スティーヴン・キャンベル・ムーア、他)
(ハラハラ度:★★★★☆)

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映画レビュー「世界最速のインディアン」

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◆プチレビュー◆
元気じいさんが最高にカッコいい。他者とその好意を素直に受け入れ、自分の中で生かしていく姿に、人生のベテランの知恵と余裕が見えた。勇気をもらう実話。 【60点】

ニュージーランドの田舎町に住む老人バート・マンローはバイク狂。国内では数々の記録を保持しているが、自ら改造したバイクを駆って、米国ボンヌヴィルの大会で行われるレースの世界記録に挑戦することに。NZからLA、ユタ州と無謀な旅をする。様々なトラブルに見舞われながら、ついにライダーの聖地に立つのだが…。

世は高齢化社会。年寄りは少々のことでは枯れず、元気で生意気だ。多少健康状態に問題はあれど気合で突っ走る。バート・マンローはそんな“元気じいさん”のチャンピオン。何しろ、60歳を越えてからバイクの世界最速記録を作る年寄りなど、なかなかいない。名優のアンソニー・ホプキンスが、ユーモアたっぷりに老ライダーを演じてみせた。

インディアンとは伝説的なバイクの名称だ。魚に似た流線型のフォルムは、ちょっとレトロなSFのよう。バートは実生活ではかなりの変人だし、言動もムチャが多い。だが、自由な精神を持ち、自分の夢を信じてあきらめない彼の姿勢が、いつのまにか周囲をも動かし、困難を乗り越えていく。「ゆずれない、絶対的に好きなもの」がある人間は強いのだ。

そんな男を主人公に持つこの映画には、悪い人が登場しない。徹底的に性善説なのだ。なぜなら、バートじいさんのように生きたいと皆、心の中で思っているから。おとぎ話のような物語だが、40年以上も愛車を改造しスピードに挑み続ける彼の努力は本物。バイク乗りではなくとも、生涯現役で頑張らねばならない!と、本気で思う。見終われば、塩の平原ソルトフラッツを駆け抜けるバートの姿が、目に焼き付いていた。

(シネマッシモ評価:★5つが満点)老人パワー度:★★★★★

□2005年 ニュージーランド・アメリカ合作映画 
□原題「THE WORLD'S FASTEST INDIAN」
□監督:ロジャー・ドナルドソン
□出演:アンソニー・ホプキンス、ダイアン・ラッド、ポール・ロドリゲス、他

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◆ペンネーム:渡まち子
◆映画ライター、映画評論家
◆こんなお仕事やってます:
新聞、雑誌、インターネットで、映画評、映画コラム、DVD紹介などを執筆。他にも、映画コメンテーターとしてラジオ出演、大学での公開講座や企業主催の映画セミナーなど、映画に関する幅広い仕事をこなしながら活動中です。
◆青山学院文学部史学科卒業。西洋史が専攻で、卒業論文はベネチア史。学んだことを生きている間に有効に活かせるのだろうか…と、かなり心配。
◆エトセトラ:
古今東西の映画をこよなく愛す、自他ともに認めるシネフィル(映画狂)です。時に苦言を呈すこともあるその映画批評の基本は、映画へのあふれる愛情と自負しています。どんなダメ映画でも必ずひとつはあるイイところを発見するのが得意技。大のサッカー好きで、欧州リーグからJリーグまでTPOに合わせて楽しんでます。
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