映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評


【本音で語る新作映画レビュー】
シネマッシモでは、映画レビューはネタバレなしのヒントあり。映画を見る前と見た後と、2度読んで楽しめます。
映画評サイトもこのブログで4代目になりました。すべての映画好きを歓迎します!
(点数は100点が、★は5つが満点)
シネマッシモとは、シネマ(映画)とマッシモ(イタリア語でmax,最大)とを組み合わせた造語。
どうぞゆっくり楽しんでください \(^▽^)/

◎ 今週の気になる映画 ◎
「あさひなぐ」「ナミヤ雑貨店の奇蹟」「プラネタリウム」「ユリゴコロ」etc.

ロベルト・ベニーニ

ローマでアモーレ

ローマでアモーレ [Blu-ray]
4つのエピソードで綴るアレン流艶笑コメディ「ローマでアモーレ」。イタリア映画へのオマージュとラテンのノリにあふれた軽妙な1本だ。

娘が突然旅先で結婚を決めたため、アメリカからローマにやってきた元オペラ演出家は、葬儀屋の美声にほれ込んで、さっそくオペラを演出する。ある日突然パパラッチに追われるハメになった平凡なサラリーマンがいる一方で、田舎から出てきた新婚カップルは、成り行きでそれぞれ別の相手と恋に落ちる。恋人の親友で小悪魔的女優に惹かれる建築家の卵には、脇でベテラン建築家がツッコミを入れる。陽光きらめく古都ローマを舞台に、4つのエピソードが同時進行していく。

1935年生まれのウディ・アレンは、毎年1本の新作を発表する律儀な巨匠だ。近年はヨーロッパの“首都物語”がお気に入りのようで、今回は観光名所とオペラに彩られたイタリア・ローマが舞台である。互いに関連性のない4つのエピソードが同時進行するスタイルは、ローマの街を気ままにスケッチするかのよう。だがそのユーモラスな4つの物語、単純なハッピーエンドとは限らない。かといって暗い結末でもないところが、皮肉屋で才人のアレンらしいところだ。物語は、筋金入りの映画狂であるアレンらしく、随所にイタリア映画へのオマージュを感じさせる。パパラッチの描写は「甘い生活」を彷彿とさせるし、新婚カップルの恋愛騒動はピエトロ・ジェルミのコメディを思わせる。幻のような建築家が脇から意見を述べたり、舞台でシャワーを浴びながらオペラを歌ったり。珍妙な演出も登場し、笑いを誘う。実際この4つのエピソードは、どれもクセがあって、話がどう転ぶか先読みできない面白さがあるのだ。例によってオールスターで賑やかな作品に仕上げているが、中でもセクシーでノリがいい美人のコールガールを演じるペネロペ・クルスが絶品。たとえそれが不道徳であっても、本能に従って生きることが人生を豊かにし人間を成長させるという、楽天主義の象徴が彼女なのだ。演出は確信犯的にユルく、良くも悪くもワンパターン。それでも複雑で味わい深い人間模様を軽妙に描くタッチと、人の生活が息づく街を魅力的にみせる技は、冴えている。型が決まった「寅さん映画」にも似た、愛すべきアレン流マンネリズムと言えようか。
【65点】
(原題「TO ROME WITH LOVE」)
(米・伊・スペイン/ウディ・アレン監督/ウディ・アレン ロベルト・ベニーニ ペネロペ・クルス、他)
(軽妙度:★★★★☆)
チケットぴあ

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ←ランキング参加中です!

人気ブログランキング←この記事が気に入ったらポチッとクリックお願いします(^o^)

ローマでアモーレ@ぴあ映画生活

コーヒー&シガレッツ

コーヒー&シガレッツ [DVD]コーヒー&シガレッツ [DVD]
◆プチレビュー◆
まさに“おしゃれな映画”と形容したい。11編の中では「カリフォルニアのどこかで」と「いとこ同士」がお気に入り。

11本のオムニバス作品の共通のテーマは、タバコとコーヒー(時には紅茶)とさりげないおしゃべり。どこか居心地悪そうなロベルトとスティーブン。双子は変な店員に付きまとわれる。禁煙を破る勝手な説を唱えるイギーとトム。「問題なし」の押し問答や、ヘンテコな共鳴体の実験、カフェでバイト中のビル・マーレイ…。クセがあって、どこかかみ合わない会話が、多くの男女によってカフェで淡々と繰り返される。

モノクロ映像でつづる11編は“物語”と呼ぶのもためらわれるような、何気ないひとこまだ。特にオチがあるわけでもなく、教訓めいた含みがあるわけでもない。だが、これがオムニバスの名手のジム・ジャームッシュの手にかかると、何ともイイ感じにまとまってしまうから不思議。まったり、ゆったり、リラックス。カフェインとニコチン並みに、病みつきになる。

日本公開は05年だが、これらの作品はジャームッシュが18年かけて少しずつ撮り貯めていたもの。サイド・ワークとしてコツコツと築いてきた愛しい作品たちだ。中には世界の有名映画祭での受賞作もあり、短いながらにジャームッシュの美意識と実力が反映されている。ケイト・ブランシェットやアルフレッド・モリーナなど、出演俳優も豪華で、その俳優たちのほとんどが本人の役をやっているのが妙に笑える。

無関係なようでいて、11本がちょっとずつ係わりをもっていることや、過去の作品にも目配せしていることに、ファンならきっと気付くだろう。明確なストーリーらしきものがないので、時には退屈するかも。だが、このグルーヴ感がジャームッシュ独特の空気なのだ。人に勧めるのは難しい。でも自分さえこの映画の素晴らしさを堪能できればそれでいい。そんな身勝手な気持ちになるほど、最高に気に入っている。

□2004年 アメリカ映画  原題「Coffee & Cigarettes」
□監督:ジム・ジャームッシュ
□出演:ロベルト・ベニーニ、ケイト・ブランシェット、ビル・マーレイ、他

人気ブログランキング用バナー

←この記事が気に入ったら、ポチッとクリックしてもらえると嬉しいです\(^o^)/

ピノッキオ

ピノッキオ [DVD]ピノッキオ [DVD]
◆プチレビュー◆
「ウソをついてはいけません」のコピーは「ライフ・イズ・ビューティフル」と矛盾するが、いいのか?!感心したのは、妖精が乗る何百匹ものネズミにひかせた馬車の造形の美しさくらい。思い出のピノキオを返せ〜っ!

ジュゼッペじいさんが1本の丸太から作った人形の名はピノッキオ。青い妖精から命を吹き込まれるが、イタズラばかりしている。やがて自らがまいたタネで様々な災難に見舞われ、父親代わりのジュゼッペじいさんとも離れ離れになってしまう…。

カルロ・コッローディによって書かれたイタリアの童話「ピノッキオの冒険」を故フェリーニはいつか映画化したいと思っていたらしい。彼の遺作「ヴォイス・オブ・ムーン」に主演したR.ベニーニはその遺志を受け継ぎ、イタリア映画としては破格の予算をかけて映画化。巨匠へのオマージュとも言える作品を生み出した。ピノッキオの生誕120周年とも重なり、本国イタリアでは大ヒットを記録している。

物語はディスニー映画「ピノキオ」とは異なり、原作に忠実。けっこうシュールな場面があったりと、ピノッキオの物語はこう展開するのかとかなり驚かせてくれる。海のシーンや親友ルシーニョロの扱いにも注目だ。セットも見事で、芸術の国イタリアらしく色彩が素晴らしい。しかし、子供を演じる若作りの俳優たち、特にピノッキオ役のベニーニの存在が、観客をファンタジーの世界から大きく遠ざける。

冒頭にテロップで「私も50歳。ジュゼッペじいさんを演じられる歳になりました。」との一文が流れるが、じゃあ、どうして無理してピノッキオを演じるの。イタズラ好きのピノッキオの、いやベニーニのテンションは物語を通して限りなく高く、熱演というより怪演だ。頑張りは認めるがベニーニが大はしゃぎすればするほど、こちらは冷めていく。だいたい、ヒゲの剃りあとも青々とした薄らハゲのおっさんを、ピノッキオだと言われても夢も親しみも感じないし、今更、私は受け入れ難いのだ。

オリジナルなのだからしかたがないが、駄々っ子でわがまま放題のピノッキオを、青の妖精が何度も無条件に助けるのも疑問だ。「彼は優しい心を持っているの。私にはそれが分かる。」そりゃ、そうでしょう。演じるN.ブラスキはベニーニの女房だし。人間になりたがるピノッキオに“人間の資格”を説くのが妖精さんの役目だろうが!甘やかしてどうする。悪さをしてもすんでのところでいつも助けてもらえるのは、まるでドラえもんに迷惑をかけては泣いてすがるのび太君と同じじゃないか。それでいいのか、ピノッキオ。世の中そんなに甘くないゾ。

故フェリーニは虚構の世界が大好きだったが、そのファンタジックな世界感は、あくまでもシニカルでブラックなもの。作り物であることの残酷さと言い換えてもいい。名曲“星に願いを”のメロディと共に、ディズニーアニメのイメージが定着しているのも違和感を感じる大きな理由かもしれないが、どう考えてもフェリーニの意図とは違う気がする。派手な衣装を着て飛び跳ねながら騒いでいれば、子供の人形に見えると考えているのなら、我々観客も随分ナメられたもんだ。

□2002年 イタリア・アメリカ合作映画  原題「PINOCCHIO」
□監督:ロベルト・ベニーニ
□出演:ロベルト・ベニーニ、ニコレッタ・ブラスキ、キム・ロッシ・スチュワート、他

人気ブログランキング用バナー

←この記事が気に入ったら、ポチッとクリックしてもらえると嬉しいです\(^o^)/

ライフ・イズ・ビューティフル

ライフ・イズ・ビューティフル [DVD]ライフ・イズ・ビューティフル [DVD]
収容所に送られたユダヤ人の父親が、命がけの“嘘”で美しい人生を息子にプレゼントする。笑いと涙の感動作だ。

1937年イタリア・トスカーナ地方。明るく情熱的なユダヤ系イタリア人グイドは、美しい女性ドーラと運命的に出会い、結婚。可愛い息子ジョズエが生まれ幸せに暮らしていた。だがファシズム政権下のユダヤ人迫害の中、グイドとジョズエは強制収用所に送られる。非ユダヤ人だがド−ラも夫や息子の後を追って、自ら収容所に入った。グイドは幼いジョズエがおびえるのを見て、強制収用所生活は、すべてゲームなのだと教えていく…。

強制収用所の中でも、ユーモアや人間らしさを決して忘れないグイド。こっそり忍び込んだアナウンス室で、妻のドーラに聞こえるように流すのが、ジャック・オッフェンバック作曲の歌劇「ホフマン物語」の中の“ホフマンの舟歌”だ。主人公ホフマンが次々に恋をしては破れていく内容だが、未完成のまま作曲家が死去したため、さまざまなバージョンがあり、謎が多いオペラと言われる。ホフマンの舟歌はヴェネツィアの娼婦ジュリエッタとの恋の場面で歌われる名曲。グイドは、かつての思い出の曲であるこの曲を流すことで、妻に自分と息子は無事であると教えている。

悲痛な内容にもかかわらず、ユーモアと寓意性を持って生きる喜びを描いたこの名作は、アカデミー主演男優賞、脚本賞、 外国語映画賞を受賞。監督・主演のロベルト・ベニーニは90年代のチャップリンと称賛された。

(出演: ロベルト・ベニーニ、ニコレッタ・ブラスキ、ジョルジオ・カンタリーニ、他)
(1998年/イタリア/ロベルト・ベニーニ監督/原題「Life Is Beautiful/La Vita e Bella」)

人気ブログランキング用バナー

←この記事が気に入ったら、ポチッとクリックしてもらえると嬉しいです\(^o^)/

シネマッシモにようこそ
◇ シネマッシモについて ◇

このブログが気に入ったら、ポチッとクリックお願いします♪
にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ

映画レビュー用BRバナー
インフォメーション


映画ライター渡まち子が運営するセカンド・ブログ「映画の中に猫がいる」もよろしく!【猫目線】で語る映画評で、のんびり、まったり運営中です(笑)。 猫好きの方、映画好きの方、ぜひ遊びにきてください。相互リンクも募集中!
こちらからどうぞ!
おすすめ情報
作品検索はこちら
Google
WWW を検索
このブログ内を検索
コメント(承認済)
映画レビュー(長文)索引

    
    
    
    
    
    
    
  
    

A−Z
0−9
カテゴリ
お仕事受注
映画評やコラムの執筆、講演など、映画に関する仕事を承ります。連絡はメールでお気軽にどうぞ。

 メールはこちらから↓
cinemassimo555★jcom.home.ne.jp
(★を@に変更して下さい)

執筆やラジオ出演など、メールと電話で対応可能な場合は、全国から仕事を受注していますので、まずはお問合せください。
プロフィール
プロフィール more
◆ペンネーム:渡まち子
◆映画ライター、映画評論家
◆こんなお仕事やってます:
新聞、雑誌、インターネットで、映画評、映画コラム、DVD紹介などを執筆。他にも、映画コメンテーターとしてラジオ出演、大学での公開講座や企業主催の映画セミナーなど、映画に関する幅広い仕事をこなしながら活動中です。
◆青山学院文学部史学科卒業。西洋史が専攻で、卒業論文はベネチア史。学んだことを生きている間に有効に活かせるのだろうか…と、かなり心配。
◆エトセトラ:
古今東西の映画をこよなく愛す、自他ともに認めるシネフィル(映画狂)です。時に苦言を呈すこともあるその映画批評の基本は、映画へのあふれる愛情と自負しています。どんなダメ映画でも必ずひとつはあるイイところを発見するのが得意技。大のサッカー好きで、欧州リーグからJリーグまでTPOに合わせて楽しんでます。
おすすめ情報
おすすめ情報

おすすめ情報

楽天市場
おすすめ情報

Archives
相互リンクについて
相互リンクについて

  ↑ 必ずお読みください。
タグクラウド
  • ライブドアブログ