映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評


【本音で語る新作映画レビュー】
シネマッシモでは、映画レビューはネタバレなしのヒントあり。映画を見る前と見た後と、2度読んで楽しめます。
映画評サイトもこのブログで4代目になりました。すべての映画好きを歓迎します!
(点数は100点が、★は5つが満点)
シネマッシモとは、シネマ(映画)とマッシモ(イタリア語でmax,最大)とを組み合わせた造語。
どうぞゆっくり楽しんでください \(^▽^)/

◎ 今週末の公開映画から オススメの1本! ◎
チリ他合作映画「ナチュラルウーマン」

人生

素晴らしきかな、人生

素晴らしきかな、人生 ブルーレイ&DVDセット(初回仕様/2枚組/デジタルコピー付) [Blu-ray]
ニューヨークでの広告代理店を経営するハワードは、最愛の娘を亡くして以来、深い喪失感から仕事もプライベートもままならない。やがて会社の業績も悪化し、ハワードの同僚たちも気が気ではない。そんな時、ハワードの前に3人の奇妙な舞台俳優たちが現れた。年齢も性別も異なる3人は、ハワードに次々に謎めいた言葉を投げかける。そんな3人との出会いでハワードの人生は少しずつ変化していくが…。

愛するものを失って絶望した男が、愛、死、時間などの抽象概念を演じる3人の舞台俳優たちとの交流によって再生していくヒューマン・ドラマ「素晴らしきかな、人生」。愛する娘の死で、心が壊れてしまったハワードを心配する仲間は、ハワードのことはもちろん、傾き続ける会社の心配もしている。そんな彼らが思いついた突拍子もない秘策が、ハワードを救うべく動き始める…というハートウォーミングなストーリーだ。主演のウィル・スミスをはじめ、オスカー俳優、ノミネート俳優たちが大挙して出演するなど、名優たちの競演が贅沢である。舞台となる大都会ニューヨークのおしゃれな風物も見所だ。傷ついた主人公の再生は、無論、いい話である。ハワードが何度も通うセラピーの主催者の女性との顛末にも感動するだろう。ただ、ハワードを救うプランが、あまりにも手が込んでいる上に、展開が都合が良すぎて、正直、引いてしまった。「プラダを着た悪魔」で鮮やかな手腕をみせたデヴィッド・フランケル監督だけに、笑いも感動も中途半端な出来栄えではがっかりさせられる。ちなみにジェームズ・スチュワート主演の名作クリスマス映画とはまったく関係ないので、ご注意を。…というか、本作にこの邦題って、どういうセンスなの?!何と言ってもこれだけの豪華キャストを集めておきながら、凡庸なお涙頂戴映画に成り下がったのが、あまりに惜しい。
【45点】
(原題「COLLATERAL BEAUTY」)
(アメリカ/デヴィッド・フランケル監督/ウィル・スミス、ケイト・ウィンスレット、ヘレン・ミレン、他)
(豪華キャスト度:★★★★★)
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人生、ブラボー!

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独身中年男が535人の父親になって人生を見つめ直す人情コメディ「人生、ブラボー!」。ダメ男の主人公がなぜかみんなに愛される理由が次第に分かってくる。

42歳のダヴィッドは、借金まみれ、仕事はいい加減、妊娠した恋人からは愛想を尽かされてしまうという、ろくでもない中年男だ。ある日、20年以上前のアルバイトで精子提供してできた子供たちから、訴訟を起こすと告げられた。533人の子供が誕生し、そのうち142人が父親の身元開示を求めて裁判を起こしたのだ。驚くダヴィッドは面倒はごめんとばかりに守秘義務を主張するが、子供の一人が自分が応援するサッカーチームの有名選手だと知り、好奇心にかられる…。

過去に行った693回の精子提供を通じて、知らない間に533人の子供の父親になっていた!あきれるほどバカバカしい設定ながら、このコメディは何とも憎めない。仕事も恋も人生も、ダメダメな主人公ダヴィッドが、なぜか人には愛される憎めないキャラなのと同じだ。遺伝子上の子供たちは、役者志望、プール監視員、ゲイ、薬物依存症から重度の障害を持つ子など、さまざま。ダヴィッドは、子供たちをこっそり訪問し、人生に悩む彼らを励ましたり、叱ったり、助けたりする。そして次第に、自分自身も変わり始める。ダヴィッド自身が半人前だからこそ、若者たちの悩みや挫折にそっと寄り添えるのかもしれない。だが、自分の借金、家族にかけた迷惑、やがて始まる裁判の行方と、問題は山積みだ。その中で明かされるのは、ダヴィッドがなぜ精子提供のバイトをし、それで得たお金をどう使ったかだ。これには正直、グッときた。いいヤツじゃないか、ダヴィッド!彼が悩んだ末に出した結論とラストは、親の側も子供たちの側も、甘すぎると言われそうだが、この笑いと涙のコメディは、あえて“ハッピー路線”で勝負する。人生とは、家族とは、そして大人になるとは?と考えさせてくれる本作は、世界中の映画祭で愛されて、大絶賛。ハリウッドリメイクや、歌と踊りのインド映画“ボリウッドバージョン”まで製作が進行中とか。主人公を演じるパトリック・ユアールの、ひょうひょうとした味がいい。
【70点】
(原題「STARBUCK」)
(カナダ/ケン・スコット監督/パトリック・ユアール、アントワーヌ・ベルトラン、ジュエリー・ルブルトン、他)
(ウェルメイド度:★★★★☆)
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人生、ブラボー!@ぴあ映画生活

人生、いろどり

人生、いろどり [DVD]
徳島県のシルバー世代の女性たちが新ビジネスを成功させた実話「人生、いろどり」。生きがいを見出し、美しく変化していくヒロインたちがまぶしい。

徳島県の山間にある上勝町。過疎化、高齢化と、勢いを失っていく町の苦境を何とかしようと、若い農協職員の江田は、葉っぱや道ばたの草を、料理の“つまもの”として販売するビジネスを発案する。誰もがバカにする中、雑貨店を営む花恵が「やります!」と手を上げる。花恵に引っ張られる形で親友の薫も参加。都会から戻った路子も加わり、幼なじみ3人による“葉っぱビジネス”がスタートする…。

何を始めるにも遅すぎるということはない。この驚きの実話は、何かをやる前からあきらめている人たちにそう教えているようだ。つまものとは、主に日本料理を美しく彩る季節の葉や花、山菜などのこと。山に行けばいくらでもある、仕入れ0円のその素材に目をつけるひらめきからスタートして、つまものの役割を研究し、苦労を重ねながらも、やがて売上高2億6,000万円をたたき出すしっかりとした事業に育て上げたのが、シルバー世代のおばあちゃんたちだったというから、実に痛快だ。誰もがバカにした葉っぱビジネスは、熱心なリサーチと、丁寧な手仕事がやがて評価され、少しずつ成果をあげていく。生きがいを見出して、ヒロインたち自身が生き生きと変化していくプロセスがとてもいい。雑貨屋の未亡人の花恵は竹を割ったような性格、封建的な亭主に口答えひとつできない薫は引っ込み思案だがいざという時は肝っ玉が据わっている。都会で教師をやっていた出世頭の路子は、ある秘密をかかえていて…と、3人のキャラがはっきりしているところもいい。3人が、自分の力で稼いだ利益で、髪を整え化粧して美しく変身するシーンは、彼女たちのときめきが伝わってくるようだ。吉行和子、富司純子、中尾ミエというベテラン女優たちが皆、好演だが、頑固者の薫の夫・輝雄を演じる藤竜也も味がある。輝雄が薫の仕事を快く思わないのは、おそらく自分に依存しなくなった妻が離れていくことが怖かったのだろう。だがそんな心配は無用。薫と輝雄が分かり合う泥んこのシーンは、長年連れ添った夫婦だけが持つ絆を感じてジンとくる。村(町?)おこしという地味なストーリーなのだが、ビジネスモデルとして学ぶべき点や、オール上勝町ロケで撮られた風景の美しさなど、見所が多い。エンドロールに登場する上勝町の老人たちの笑顔が最高だ。
【65点】
(原題「人生、いろどり」)
(日本/御法川修監督/吉行和子、富司純子、中尾ミエ、他)
(さわやか度:★★★★☆)
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人生、いろどり@ぴあ映画生活

人生、ここにあり!

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人は誰もが自分らしく生きる権利を持っている。精神病院を廃止したイタリアで起こった実話を元にした良作だ。

1983年、ミラノ。労働組合員のネッロは、法律の改定で廃止した精神病院を出され、行き場のない元患者たちが集まって地域活動をする職場「協同組合180」に配属される。正義感が強いネッロは、薬のせいで無気力な日々を送る患者たちのため、自らの力で仕事をしてカネを稼ごうじゃないかと持ちかける。はじめたのは寄木の床張りの仕事。ある時、芸術的素質があるジージョとルカが廃材で作った寄木細工で美しく床を仕上げると、大評判になり、注文が殺到する…。

1971年にイタリアで制定されたバザーリア法は、精神病院を使わずに患者を支えるシステムだそう。このテの問題には腫れものに触るように対処する日本からは夢物語に思える法律だ。この映画に登場する患者たちは、皆、心を病んではいるが、知能が劣っているわけではない。材料が足りなくて仕方なく廃材を利用して作った寄木細工の床は、すばらしくアーティスティックで、さすがは芸術の国イタリアだと感心する。この小さな木ぎれを巧みに組み合わせる行為こそ、本作のテーマだ。一つ一つは不恰好で小さく、取るに足らないが、集まると美しく力強い。力を合わせるのは、患者たちだけではなく、ネッロや周辺の人々も同じだ。もちろん話は単純ではなく、社会参加することで生まれる金銭の問題や性の悩みも。だがそこはイタリア映画、さらりとした筆致であくまでもポジティヴに描いていく。患者たちが薬漬けの無気力な日々から自立していくのはまるで奇跡のようだが、本当の奇跡は、取り返しのつかない悲劇が起こり挫折感と責任を感じて去ろうとしたネッロにこそ起こる。クライマックスには、感動と未来への希望が。精神疾患というデリケートなテーマを、思慮深く、かつ明るく描いたこの作品、イタリア映画の伝統のネオ・リアリズムの進化形かもしれない。原題は「やればできるさ!」の意味。希望に満ちた人間讃歌だ。
【75点】
(原題「SI PUO FARE」)
(イタリア/ジュリオ・マンフレドニア監督/クラウディオ・ビジオ、アニータ・カブリオーリ、アンドレア・ボスカ、他)
(アーティスト度:★★★★☆)
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素晴らしき哉、人生!

素晴らしき哉、人生!素晴らしき哉、人生!
 クリスマスに見る映画の定番といえば、やはりこの映画で決まりだ。ハート・ウォーミングなフランク・キャプラの演出は、いつの時代も人生に希望を与える。

 善良な主人公ジョージは大金を失って絶望し、自殺しようとする。だが、そこに天使が現れ、「もし君がいなかったら、世界はこうなったんだよ」と言いながら、ジョージを連れて“彼が存在しない世界”を見せる。思い通りの人生ではなかったと悔やんでいた自分の存在が、実は人々を幸福にしてきたと分かったジョージは思わず「元の世界に戻してくれ!」と叫ぶが…。

 古い作品なので最初は少しテンポが遅いと感じるだろう。白黒の画面は最新のデジタル映像に比べればいかにも地味だ。だが、それでもこの映画のストーリーの素晴らしさが損なわれることはないと私は確信している。アメリカでは、クリスマスの時期には必ずどこかのTV局で放映されているほど有名な映画で、「ホーム・アローン」や「グレムリン」でも劇中にさりげなく映っている。

 味わい深いのは、主人公ジョージの自殺を止める天使の演出。むさくるしい老人の姿の天使は、実はまだ羽根さえもらえない二級天使という設定が楽しい。ジョージに希望を取り戻させ、再び生きる喜びを与えることができれば、彼は「神さま」から昇格(栄転と呼ぶべきか)の恩恵にあずかるというワケだ。そんなオッサン天使の頑張りがユーモラスで、キャプラの笑いのセンスを感じる。

 フランク・キャプラ監督のフィルモグラフィーを見ると、楽観的なストーリーの作品が多い。それゆえ、社会派好みの映画評論家からやや侮蔑的に語られた時期もあった。だが、この名匠の映画の根底には、社会を鋭く分析した上でのエピュキリズムと、映画で希望を伝えたいという素朴な優しさが常にある。それは映画ファンが心の底で求めている温かさだ。だから、彼の作品は、オールド・ファッションでも決して“古く”はならない。

 自分の命は自分だけのものではない。この世に不必要な人などいない。「素晴らしき哉、人生!」は、そんなことを教えてくれるヒューマン・ドラマの名作にして、世界で一番愛されているクリスマス映画なのだ。

 出演は、ジェームズ・スチュアート、ドナ・リード、ライオネル・バリモア、他。

(1946年/フランク・キャプラ監督/原題「IT'S A WONDERFUL LIFE」)

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◆ペンネーム:渡まち子
◆映画ライター、映画評論家
◆こんなお仕事やってます:
新聞、雑誌、インターネットで、映画評、映画コラム、DVD紹介などを執筆。他にも、映画コメンテーターとしてラジオ出演、大学での公開講座や企業主催の映画セミナーなど、映画に関する幅広い仕事をこなしながら活動中です。
◆青山学院文学部史学科卒業。西洋史が専攻で、卒業論文はベネチア史。学んだことを生きている間に有効に活かせるのだろうか…と、かなり心配。
◆エトセトラ:
古今東西の映画をこよなく愛す、自他ともに認めるシネフィル(映画狂)です。時に苦言を呈すこともあるその映画批評の基本は、映画へのあふれる愛情と自負しています。どんなダメ映画でも必ずひとつはあるイイところを発見するのが得意技。大のサッカー好きで、欧州リーグからJリーグまでTPOに合わせて楽しんでます。
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