映画通信シネマッシモ


【本音で語る新作映画レビュー】
シネマッシモでは、映画レビューはネタバレなしのヒントあり。映画を見る前と見た後と、2度読んで楽しめます。
映画評サイトもこのブログで4代目になりました。すべての映画好きを歓迎します!
(点数は100点が、★は5つが満点)
シネマッシモとは、シネマ(映画)とマッシモ(イタリア語でmax,最大)とを組み合わせた造語。
どうぞゆっくり楽しんでください \(^▽^)/

伊坂幸太郎

グラスホッパー

【早期購入特典あり】グラスホッパー スペシャル・エディション(A4クリアファイル付き) [Blu-ray]
世界でも屈指の過密都市、東京・渋谷。この街で起こった事故で恋人を失った元中学校教師の鈴木は、犯人に復讐するために裏社会に潜入する。だが、鈴木が復讐を果たそうとしたその瞬間、彼の目の前で犯人が車にはねられて死亡。それは“押し屋”と呼ばれるプロの殺し屋の仕業だった。組織から追われ、おびえながらも真相を追う鈴木、人を絶望させる特殊な力で標的を自殺に追い込む自殺専門の殺し屋・鯨、鯨を殺すよう命じられたナイフ使いの殺し屋・蝉。出会うはずのなかった3人の運命が、この事件によって交錯する…。
人気作家・伊坂幸太郎のベストセラー小説を映画化した「グラスホッパー」は、闇の中でもがく3人の男たちの運命が交錯する様を描く物語だ。本来、裏社会などとは無縁の、気弱で心優しい草食系男・鈴木がビクビクしながら事件を追うが、彼はいつのまにか危険な事件の渦中に放り込まれ、犯人にされてしまうという典型的な巻き込まれ型サスペンスである。謎解きは映画を見て確かめてもらうとして、展開は二転三転、伊坂幸太郎らしい大掛かりな仕掛けがラストに向かって繋がっていく構成になっている。鈴木のパートと、心に闇を抱える凄腕の殺し屋2人のパートは、基本的には接点がないので、二つの別の映画が同居しているような印象は否めない。ラストにすれ違うことになるが、やや強引でとってつけたようだった。面白いのは自殺専門の憂える殺し屋・鯨のキャラ。彼はダークファンタジーのような存在だが、浅野忠信が演じると不思議としっくりくる。タイトルのグラスホッパー(トノサマバッタ)は、密集して育つと黒く変色し、凶暴になるそう。人間も同様だ。異様なまでに人が群がる渋谷・スクランブル交差点は、人間が黒く変貌する象徴なのだ。群衆の中から生まれる狂気は映画のテーマだが、鈴木、鯨、蝉の3人は決して群れることはない。群衆の中で浮いた人間もまた、結局は孤独という狂気に苛まされる運命なのかもしれない。実は私は、映画化された伊坂幸太郎作品とは相性が良くないのだが、本作には不思議と惹かれてしまった。
【65点】
(原題「グラスホッパー」)
(日本/瀧本智行監督/生田斗真、浅野忠信、山田涼介、他)
(疾走感度:★★★★☆)
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グラスホッパー@ぴあ映画生活

オー!ファーザー

オー!ファーザー [Blu-ray]
4人の父親を持つ高校生が謎の拉致事件に巻き込まれるサスペンス・コメディ「オー!ファーザー」。このテンポの悪さはいったい何?!

高校生の由紀夫は、自分こそが父親だと自称する4人の男と同居している。風変りな生活だが、それでも4人の父は息子に精一杯の愛情を注いでいた。ある日、由紀夫はサラリーマン風の男が鞄をすり替えられるのを目撃し、それをきっかけに何者かに拉致されてしまう。不登校の同級生、地元のヤクザ、街を二分する知事選挙…。すべてが繋がっていた。由紀夫から助けを求められた4人の父親たちは、一致団結して息子の救出作戦を練るのだが…。

原作は次々に作品が映画化される伊坂幸太郎。井坂作品の映画を既見の人なら、バラバラだったエピソードがやがてひとつにつながっていく展開は容易に想像できるだろう。本作もそのセオリー通りに進むのだが、今回は何ともテンポが悪い。4人の父親が、それぞれ大学教師の悟、チョイ悪でギャンブラーの鷹、ケンカ指南もする体育教師の勲、女たらしの元ホストの葵と、キャラが立っているのはいいとしても、やっぱり仲良く暮らす父親4人という設定はあまりに突飛だ。事件の展開や救出作戦も、偶然に頼りすぎているし、何と言ってもクライマックスの救出劇がショボすぎていただけない。由紀夫のガールフレンド多美子のキャラにまったく魅力がないのも見ていてツラいところだ。要するにサスペンスとしてはほとんど見どころがないのだが、4人の父親たちが人生の先輩として、知識やケンカのコツ、女とのつきあいや世渡りのノウハウを教え、それが節々で活かされるのは、ちょっと楽しい。この作品は、風変りな家庭環境で育つ主人公が、大人の愛でちょっとだけ成長するお話なのだ。
【55点】
(原題「オー!ファーザー」)
(日本/藤井道人監督/岡田将生、忽那汐里、佐野史郎、他)
(父子愛度:★★★★☆)
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オー!ファーザー@ぴあ映画生活

ポテチ

ポテチ〔初回限定仕様〕 [Blu-ray]ポテチ〔初回限定仕様〕 [Blu-ray]
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宮城県仙台市。空き巣を生業とする青年・今村は、同じ年、同じ日、同じ街で生まれたプロ野球のスター選手・尾崎の家に侵入する。今村の恋人・若葉は、さっさと金目のものを見つけて帰ろうと促すが、今村はなぜかテレビを見るばかりで動こうとしない。すると部屋に若い女性から、尾崎に助けを求める電話がかかってくる。ほっておけない今村は、その若い女性が待つ喫茶店へと向かうが…。

原作は、仙台市を拠点に活躍する人気作家・伊坂幸太郎の「フィッシュストーリー」に収録された同名中編小説。伊坂作品を過去にも多く映像化した中村義洋監督が、これまた伊坂作品には欠かせない俳優の濱田岳を主演に作った中編映画だ。空き巣の今村、おかしな縁で彼の恋人になった若葉、今村の先輩でクールな黒澤の3人を軸に、どこか奇妙な物語が展開する。何の関係もなさそうな物事、人物が、不思議な縁でつながっていくのは、伊坂作品でおなじみのモチーフだ。空き巣という悪事から始まり、無邪気な悪意、さらに出生の秘密までがからみ、筋書きは飽きさせない。若葉と今村の母・弓子のやりとりは唐突で、不自然に感じるのだが、クライマックスの野球の試合での、周到な“奇跡”へとつながる語り口は、絶妙だ。実は私は、伊坂幸太郎原作の映画は、根底にあるアンモラルな設定がどうにも性に合わないのだが、いつものスタッフ、キャストで、たった8日間で撮影されたというこの小品には、好感を持った。おそらく、無駄に冗長な映画ばかりが多い最近では珍しく、さっぱりとした味わいに仕上がっているからだろう。野球場のシーンでは、地元のボランティアのエキストラの方々が200名以上集まったという。多くの人に支えられた作品なのだ。
【50点】
(原題「ポテチ」)
(日本/中村義洋監督/濱田岳、木村文乃、大森南朋、他)
(さらり度:★★★★☆)
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ポテチ@ぴあ映画生活

ゴールデンスランバー

ゴールデンスランバー [DVD]ゴールデンスランバー [DVD]
伊坂幸太郎の同名小説を、人気絶頂の堺雅人主演で描く、巻き込まれ型サスペンスだ。仙台に住む宅配ドライバーの青柳は、久しぶりに再会した旧友の謎の言葉を聞いた直後から、首相暗殺事件の犯人にされ警察と犯罪組織から追われることになる。身に覚えがない青柳は、大学時代の仲間たちや偶然出会った人々の助けを借りて逃げ続けるが…。

主人公が、ワケもわからずとんでもない陰謀に巻き込まれるのはヒッチコックが得意としたスタイルだが、本作はまさにこの形。偶然による要素が大きいことと、アンモラルな人物が混在することがいかにも伊坂幸太郎テイストだ。首相暗殺事件というと、ハリウッド映画のようなスケールの大きな話に聞こえるが、権力による巨大な陰謀という部分は残念ながら迫力不足。だが権力側の描写がチャチなのは、この話がサスペンスである以上に、かつて同じ時間を共有した仲間たちが大人になってもう一度絆を確かめるために奮闘する物語だからだ。一緒にバイトした花火屋での思い出や、昔の恋人が古い車種の車でのデートを覚えていて助ける場面は、甘酸っぱい青春映画そのもの。平凡な一般市民が陰謀の罠から逃げ切るには、体力と知恵と運、何より自分の無実を信じてくれる人の存在が不可欠だ。「ゴールデンスランバー」とは、ビートルズの名曲のタイトル。当時バラバラだったメンバーの心をつなぎ止めようとしたポール・マッカートニーの思いは、主人公たちの学生時代の思い出と今に重なっていく。たび重なる見知らぬ人の親切は出来すぎだし、青柳の顛末は「それでいいのか?!」と問いたくなる。だが、仲間たちとの信頼を唯一の武器に走る主人公に、いつしか感情移入してしまい、あれよあれよの大逃亡劇も思いがけず楽しめた。「俺は犯人じゃない!」と叫びながら走り続けた主人公の持久力を“たいへんよくできました”と言ってほめてあげたい。
【60点】
(日本/中村義洋監督/堺雅人、竹内結子、香川照之、他)
(出来過ぎ度:★★★★★)

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重力ピエロ

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毎度のことだが私は伊坂幸太郎原作の映画とは相性が悪い。残念ながら今回も同じだ。一見関係のない出来事が最後にピタリと合致するのが伊坂ワールドの特徴で、本作もそれを踏襲し、ミステリーとしての完成度は高い。だが、この作者の魅力と言われる名台詞は、文字で読む分はいいが、声に出した途端に色褪せる。兄・泉水と弟・春は、街で発生する連続放火事件の謎を追うが、その事件は彼らにかかわる哀しい過去へと繋がっていた。

最強の家族ならどんなことも乗り越えられる。だからといって、どんなことでも許されるのか。「メチャクチャだよな」のセリフのとおり、作者自身も承知なのだが、これを優しさや切なさという言葉でありがたがるのが理解できない。つまりは、モラルを超越したところに価値を見出す物語なのだろう。春が、消されてにじむグラフィティアートを見つめる様子は不条理を象徴する映像で面白い。身勝手な理論で犯罪を正当化する渡部篤郎の不快な存在感は、印象的だ。
【45点】
(日本/森淳一監督/加瀬亮、岡田将生、小日向文世、他)
(家族愛度:★★★★☆)

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フィッシュストーリー

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私は伊坂幸太郎原作の映画とはどうにも相性が悪い。それを差し引いても、この映画はいただけない。70年代に活動した売れないパンクバンド“逆鱗”の楽曲「FISH STORY」を軸に、4つの時代の事件がバラバラに描かれ最終的には一つにつながって、2012年の地球滅亡の危機を救うという壮大な物語だ。フィッシュストーリーとはホラ話の意味。そう思うと都合が良すぎる展開もよしとしなければならないが、表層的になぞっただけの魅力に乏しいキャラたちには、最後まで感情移入できなかった。約2時間の映画にするなら、ストーリーをもっと刈り込んで登場人物を整理し、せめてバンドのメンバーの人間描写くらいはしっかりやってほしい。伊坂幸太郎の作品は続々と映画化されるが、この人が作る物語は元来、映像よりも活字向きなのではあるまいか。
【45点】
(日本/中村義洋監督/伊藤淳史、高良健吾、多部未華子、他)
(音楽映画度:★★☆☆☆)

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Sweet Rain 死神の精度

Sweet Rain 死神の精度 コレクターズ・エディション
話に甘さが目立つのはファンタジーなので許すとしても、花が灰色に変色して枯れる稚拙なCGが泣けてくる。物語はある女性と複数の時代で交流する死神チバが主人公だ。人間を監察し、死(実行)か生(見送り)かを決めるのだが、死をプロデュースする判断基準があいまいで、実行されても不安になる。この原作者が描く優しさはいつもちょっとズレている気がしてならない。ほぼスッピンで演じた小西真奈美が歌でも頑張っているので要チェック。
【60点】
(日本/筧昌也監督/金城武、小西真奈美、富司純子、石田卓也、他)
(ユーモアセンス度:★★☆☆☆)

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アヒルと鴨のコインロッカー

アヒルと鴨のコインロッカー [DVD]アヒルと鴨のコインロッカー [DVD]
ミステリアスな友情物語は、コメディ調の前半と異なり悲劇的な種明かしが仕込まれている。油断すると感動してしまいそうになるが「見なかったことにして」は解決策として疑問。ただ、神の声“ディラン”が誘う切なさは十分に表現されているし、伊坂幸太郎の原作の質の高さがうかがえる映画になった。
【60点】
(日本/中村義洋監督/濱田岳、瑛太、関めぐみ、松田龍平、他)
(やるせなさ度:★★★★☆)

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