映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評


【本音で語る新作映画レビュー】
シネマッシモでは、映画レビューはネタバレなしのヒントあり。映画を見る前と見た後と、2度読んで楽しめます。
映画評サイトもこのブログで4代目になりました。すべての映画好きを歓迎します!
(点数は100点が、★は5つが満点)
シネマッシモとは、シネマ(映画)とマッシモ(イタリア語でmax,最大)とを組み合わせた造語。
どうぞゆっくり楽しんでください \(^▽^)/

◎ 今週の気になる映画 ◎
「ゲット・アウト」「ブレードランナー 2049」「先生」etc.

佐藤健

亜人

映画 亜人 オリジナル・サウンドトラック
2017年、東京。研修医の永井圭は、交通事故で死亡するが、直後に肉体が回復し生き返る。不死身の新人類“亜人”であることが発覚した圭は追われる身となり、亜人研究施設に軟禁されてからは、非人道的な実験のモルモットにされてしまう。そんな圭の前に、人類に牙をむく最凶の亜人テロリスト“佐藤”が現れ、ひとまず助けられる。だが、佐藤が計画する国家転覆計画に共感しなかった圭は、佐藤から敵視されることに。圭は、病気の妹を連れて逃亡しながら、佐藤の計画を阻止しようとする…。

不死身の新人類の終わりなき戦いを描くSFアクション「亜人」。原作は桜井画門による人気コミックで、TVアニメ化もされている。絶対に死なない亜人は、死にたくても死ねない悲劇的な存在だ。亜人であることを受け入れるかどうかで、命をリセットし続けるその後の生き方が大きく変わるというわけである。主人公の圭は、原作ではかなり非情なキャラクターなのだが、映画では見た目はクールでも共感できる部分を多くして好感度を上げている。

本作は、不死身という特性上、自殺、他殺を問わず、リセットしては復活するという繰り返しが多い。従ってバトルはエンドレスに思えるが、そこにはいろいろと裏技が。さらにIBM(インビジブル・ブラック・マター)と呼ばれる“人間には見えない分身的なもの”を使って戦うのが特徴だ。このCGのヴィジュアルとアクション感覚に優れた佐藤健らの生身のアクションとの相性はなかなか良い。ただ、圭が亜人であることを受け入れられない葛藤は薄味だし、意外な人物が亜人で、ある人物を助けている理由も説明不足で、ドラマ部分は全体的に不親切な印象が強い。人間対亜人、亜人対亜人、ループする命、とテーマはかなり深淵なのに、この作品からは深いメッセージ性が感じられなかったのが残念だ。娯楽作「踊る」シリーズの本広克行監督らしいエンタメ系アクション映画と割り切って楽しむべきなのだろう。
【55点】
(原題「亜人」)
(日本/本広克行監督/佐藤健、綾野剛、玉山鉄二、他)
(アクション映画度:★★★★☆)
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何者

何者 Blu-ray 豪華版
就活の情報交換のため集まった、大学生の拓人、光太郎、瑞月、理香、隆良の5人の22歳。演劇をやっていた拓人は冷静に分析するのが得意、バンドをやっていた天真爛漫な光太郎、地味だが実直な瑞月、海外ボランティア経験のある理香は意識高い系で、理香の同棲相手の隆良は社会の決めたルールには乗らないと就活を拒否している。それぞれが面接やSNSで発する言葉の奥に本心を隠しながら、共に励まし合っていた。だが、やがて内定をもらうものが現れると、抑えていた嫉妬や本音が噴出してくる…。

就職活動を通して5人の若者が自分自身をみつめていく「何者」。原作は直木賞を受賞した朝井リョウのベストセラー小説だ。言うまでもないが、就活のヒントや現実の就活をリアルに描く物語ではない。5人の登場人物は、ツイッターというごく短い言葉を発するSNSを通すことで、本音と建て前を使い分けながら、互いの距離感をはかっている。大学生で演劇サークルに所属していた拓人を中心に物語が展開するが、他人をいつも冷静に見ているはずの彼の分析や批判には、自分がどう見られたいかという願望が見え隠れする。では拓人自身の姿とは?面接で自分を表現する就活も、舞台の上で自分を表現する演劇も、“演じる”という共通点がある。どちらも、自分自身のことがわからないうちは表現することは不可能なのだ。天真爛漫な光太郎が「どうして拓人が内定をもらえないのか、本当にわからない」とつぶやくが、その答えを冷徹につきつけるのが、意識高い系の理香。これがこの就活心理ドラマの、一種のどんでん返しとなっている。スマホの小さな画面に向かって、わずか140文字で書く言葉に精一杯の思いを込める若者たちは、人と面と向かって話すことをどこかで恐れているのだろうか。それでもSNSの会話もまた彼らのリアルのひとつなのだ。佐藤健、有村架純、二階堂ふみ、菅田将暉、岡田将生、山田孝之ら、若手俳優のアンサンブルがうまく響き合っている。それにしても大学生活や社会人1年生ではなく、就活というごく短い間の青春模様に、人間ドラマのエッセンスを見出した原作者のまなざしの鋭さに感嘆する。
【75点】
(原題「何者」)
(日本/三浦大輔監督/佐藤健、有村架純、二階堂ふみ、他)
(リアル度:★★★★☆)
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何者|映画情報のぴあ映画生活

世界から猫が消えたなら

世界から猫が消えたなら Blu-ray 通常版
30歳の郵便配達員の僕は、ある日、余命わずかであることを宣言される。とまどう僕の前に、僕と同じ顔をした悪魔が現れ、僕に、身の回りものをひとつ消すたびに一日の命をくれると言った。この提案に乗ることにした僕のまわりで、電話、映画、時計などが消えていく。そして猫も。大切なものを失う中で、僕はかつての恋人に再会することに。恋人や親友、疎遠になっていた父の想いに触れ、亡き母の手紙を受け取った僕は、ある決断を下すことになる…。
余命わずかの青年が大切なものを失くすことで周囲の人々の想いを知るヒューマン・ファンタジー「世界から猫が消えたなら」。原作は「電車男」や「モテキ」などのヒット作で知られるプロデューサー、川村元気による同名小説だ。難病もの、空前の猫ブーム、泣けると評判の宣伝戦略…と、見る前からちょっとあざとさが気になる映画だったのだが、あえて先入観を捨てて見てみると、それほど悪くない。主人公の僕が失う、電話、映画、時計などのアイテムには、それぞれ恋人や親友や父親との大切な思い出がつまっている。それらが消えるということは、思い出や記憶を失うということなのだ。別れた恋人との思い出は、いっきに南米まで広がって、生きることを肯定する物語へと飛躍する。イグアスの滝の映像は壮観だが、どうにも話の流れが唐突すぎて、イメージ先行のような気がしてならない。ただ、この作品に登場するプロの俳優猫・パンプの名演は特筆だ。猫は、亡き母との思い出の象徴として描かれるが、動物の自然な演技は難しいのに、実にナチュラルで、このコが画面にいるだけで、ほっこりさせてくれる。劇中には、映画愛があふれていて、作品に対する物足りなさを感じつつも、映画好き、猫好きとしては、つい点数が甘くなってしまった。
【55点】
(原題「世界から猫が消えたなら」)
(日本/永井聡監督/佐藤健、宮崎あおい、濱田岳、他)
(親子愛度:★★★★☆)
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世界から猫が消えたなら@ぴあ映画生活

バクマン。

バクマン。Blu-ray 豪華版
天才的な画力を持ちながら将来の展望もなく毎日を過ごしていた高校生の真城最高(サイコー)は、同級生で漫画の原作者を目指す秀才・高木秋人(シュージン)に「漫画家になろう!」と誘われる。最初はとまどっていたサイコーだが、ひそかに憧れていたクラスメイトの亜豆美保への恋心をきっかけに、プロの漫画家を目指すことに。コンビを組んだ2人は週刊少年ジャンプ連載を目標に日々奮闘するが、彼らの前に、同じく高校生で天才漫画家の新妻エイジがたちはだかる…。

「デスノート」の原作者として知られる大場つぐみと小畑健のコンビが手がけた人気コミックを実写映画化した「バクマン。」は、週刊少年ジャンプでの連載を目指す漫画家志望の高校生たちの奮闘を描く物語だ。仕事、恋、友情、ライバルと、サイコーとシュージンが、悩みながら成長していくのは直球の青春映画。同時に、漫画家という特殊な職業のハウツーとしても面白くできている。「モテキ」の大根仁監督らしく、膨大な情報をテンポ良く描くのはさすがだが、キャラクターの内面の掘り下げが少々甘いのは、ちょっと気になる。サイコーの背景は、クドカン演じる叔父さんのエピソードでしっかりと伝わってくるが、シュージンに関してはほとんど描写がないのは残念。一方で、10年に一度の天才漫画家を演じる染谷将太の抜群の存在感には唸った。ブラック企業並に過酷な漫画家の生活と、そんな中でも持ち続ける漫画への情熱、そして漫画家同士のライバル関係と友情。ジャンプのキャッチフレーズ「友情・努力・勝利」という気恥ずかしくなるような言葉が、見終われば素直に納得できてしまうから不思議だ。トキワ荘とはまた別のまんが文化がここにある。実在の漫画作品や出版社が実名で登場するのも楽しいし、劇中使用される漫画の原稿を小畑自身が描いているのはファンにはお宝だろう。
【65点】
(原題「バクマン。」)
(日本/大根仁監督/佐藤健、神木隆之介、小松菜奈、他)
(直球青春映画度:★★★★☆)
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バクマン。@ぴあ映画生活

るろうに剣心 伝説の最期編

るろうに剣心 伝説の最期編 豪華版(本編Blu-ray+特典DVD+特典Blu-ray)(初回生産限定仕様)
大ヒットアクション2部作の完結編「るろうに剣心 伝説の最期編」。邦画のアクションレベルを一気に押し上げる完成度の高さだ。

不殺(ころさず)の誓いを立てた緋村剣心は、日本制圧を企てる志々雄真実に連れ去られた薫を追って海に飛び込む。意識を失い海岸で倒れた剣心を助けたのは、かつての師匠・比古清十郎だった。剣心は志々雄一派を倒すため、清十郎に、飛天御剣流(ひてんみつるぎりゅう)の奥義の伝授を請う。自分の剣に欠けているものを学び、ついに剣心は宿敵の志々雄と対峙する…。

前作の「京都大火編」でもその驚愕のスピードで活写されるアクションに驚いた。完結編である本作で、日本映画のアクションは、現時点での頂点を極めた感がある。師・清十郎が授ける奥義とは、平和な時代を虚無的に彷徨う弟子の剣心に“生への渇望”によって強さを得る術だ。このテーマは、実に深い。アクションの素晴らしさが目につく本作だが、後編になってドラマにもしっかりと軸足が置かれたことがよくわかる。瀬田宗次郎や四乃森蒼紫ら、脇キャラの説明不足は相変わらずだが、その分、剣心の心の揺れや宿敵の志々雄の哀しみさえ感じさせる心理描写は見事なものだ。明治政府の大芝居から甲鉄艦・煉獄の中での炎の大バトルへとなだれ込むクライマックスは、思わず息を呑む。4対1の場面はさすがに文句を言いたくなったが、終盤は、幕末の裏側で生きた剣心と志々雄の両方にふさわしい壮絶な運命が待っているのだ。ラストの敬礼は、何と言う皮肉!「明治という時代は軽くない」という清十郎の言葉が胸にしみる。歴史上実在した人物と架空の人物がからみあう本作は、時代を“どう生きるか”を問う普遍性が何より素晴らしい。日本映画にとってエポックメイキングな作品になるであろうこの大活劇、映画好きなら見逃し厳禁である。
【85点】
(原題「るろうに剣心 伝説の最期編」)
(日本/大友啓史監督/佐藤健、武井咲、藤原竜也、他)
(バトル度:★★★★★)
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るろうに剣心 伝説の最期編@ぴあ映画生活

るろうに剣心 京都大火編

るろうに剣心 京都大火編 豪華版(本編Blu-ray+特典DVD)(初回生産限定仕様) [Blu-ray]
大ヒットアクション映画の2部構成の続編の前編「るろうに剣心 京都大火編」。アクションのスピード感とストーリーの面白さがパワーアップしている。

激動の幕末に“人斬り抜刀斎”の名で恐れられた緋村剣心。彼は新時代に入り「二度と人を殺さない」と誓って、神谷薫ら、仲間と共に平穏な生活を送っていた。そんな彼のもとに、新政府から、剣心の「影の人斬り役」を引き継いだ男、志々雄真実を討つよう依頼される。剣の腕も頭脳も剣心と互角の志々雄は、政府から裏切られ、京都で戦闘集団を率いて、日本制圧を目論んでいた。必死で止める薫に別れを告げて、剣心は京都に向かうが、そこには志々雄以外にも敵が。しかも志々雄の京都大火の計画の先には、さらなる陰謀が隠されていた…。

和月伸宏の同名コミックの原作の中でも「京都編」はファンには大人気。「京都大火編」「伝説の最期編」の2作品に分けて映画化するのも、濃厚なその内容や激しいアクションをたっぷりと描きたいという意欲の表れだろう。今回は2部作の前編ながら、過去作で概略が分かっていることを前提に話が始まるので、スピード感あふれる展開で、とりわけアクションシーンが強化されている。明治新政府が内包するダークサイドを体現する、志々雄という人物は、見た目も中身もけれん味たっぷりで、冒頭の炎のシークエンスから、観客のテンションは上がりっぱなしになるはずだ。志々雄は究極の悪だが、思えば出自は剣心も同じ。彼らは、つまりはコインの裏と表のような存在なのかもしれないが、断言できないのは、これがまだ前編だから。とはいえ、このクオリティ、このスピード、このハイテンションなら、満足度は高いし、続く後編も大いに期待できる。剣心役の佐藤健を始め、主要キャストは続投だが、新キャラのキャスティングも魅力的だ。特に軸となる志々雄は、藤原竜也がさすがの演技力で熱演。この人は芝居のテンションが高すぎて周囲と合わないことが多いのだが、本作では全身包帯という異形の姿や壮絶な過去から、周囲とは違うオーラがとびきり効いている。重要な新キャラ宗次郎の過去の説明がまったくないことは少々疑問だが、後編への期待は高まるばかりだ。ラストに思わずびっくりの人気俳優が登場するので、最後まで席を立たずに見てほしい。
【80点】
(原題「るろうに剣心 京都大火編」)
(日本/大友啓史監督/佐藤健、武井咲、藤原竜也、他)
(アクション度:★★★★★)
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るろうに剣心 京都大火編@ぴあ映画生活

カノジョは嘘を愛しすぎてる

カノジョは嘘を愛しすぎてる Blu-rayプレミアム・エディション[本編BD1枚+特典BD1枚+特典DVD2枚]
音楽業界を舞台にした切ないラブストーリー「カノジョは嘘を愛しすぎてる。嘘が嘘を呼び、真実になる。

人気バンド「CRUDE PLAY」通称クリプレをデビュー直前に脱退した天才サウンドクリエイターの小笠原秋は、すべての楽曲を提供しつつも、音楽業界の商業主義に嫌気がさし、自分の立ち位置にも悩んでいた。そんな秋は、偶然出会った女子高生の小枝理子に気まぐれで声をかけ、クリプレの大ファンだという理子に自分の正体を告げぬまま付き合い始める。音楽とは違う場所で始まった交際だと思っていたが、実は理子も仲間とバンドを組み、歌うのが大好きな女の子だった。類いまれな歌声を持つ彼女を音楽プロデューサーの高樹がスカウトしデビューさせることになるが…。

原作は青木琴美の同名コミックで通称「カノ嘘」と呼ばれている人気作。典型的なボーイ・ミーツ・ガールのラブストーリーだが、音楽業界の光と闇の部分や音楽制作の裏事情を描くので、業界を少しでも知る人には興味深い内容かもしれない。口パクや楽器演奏の吹き替え、曲作りのゴーストにスキャンダルをも利用しての総合プロデュース。映画の世界もいろいろあるが、音楽業界も随分と大変な世界のようだ。音楽は売れてナンボというビジネス優先主義への嫌悪感と、不実な元恋人との関係などで、精神的に不安定だった秋が、純真な性格の年下の女の子・理子に声をかけたのは、ただの気まぐれにすぎない。物語は投げやりな気持ちと嘘で始まった交際が、いつしか本物の愛へと変わるプロセスを描いていく。秋が重ねる嘘は意外な形で明るみに出るのだが、理子は秋のすべてを受け止め彼を守ると言い切る。まだ高校生の理子がなぜ、母性のような愛で秋を受け止める度量があるのかが説得力不足だが、疑うことを知らない理子の愛は無償の愛ということだろう。人気俳優の佐藤健と、オーディションで選ばれたシンデレラ・ガールの大原櫻子の相性がよく、3回登場するキス・シーンは原作ファンならずともうっとりするはず。加えて、大原櫻子のびやかな歌声と素朴な笑顔が大きな魅力だ。
【55点】
(原題「カノジョは嘘を愛しすぎてる」)
(日本/小泉徳宏監督/佐藤健、大原櫻子、三浦翔平、他)
(切なさ度:★★★★☆)
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カノジョは嘘を愛しすぎてる@ぴあ映画生活

リアル 完全なる首長竜の日

リアル~完全なる首長竜の日~ スペシャル・エディション 【初回生産限定仕様】 [Blu-ray]
現実と仮想世界が交錯する「リアル 完全なる首長竜の日」。恋人同士の絆は過去のトラウマを共有することでもある。

幼馴染で恋人の浩市と淳美。浩市は、1年前に自殺未遂を図って以来、昏睡状態を続ける淳美を目覚めさせるために、患者と意思の疎通が可能となる先端医療・センシングを受けることにする。彼女の脳内に直接語りかけコンタクトをとることに成功するが、淳美は「小学生の頃に描いた首長竜の絵を探してきて」と頼むばかり。さらに浩市の目の前には、謎めいた少年の姿がたびたび出現する。二人は現実と仮想が入り乱れる意識の迷宮を彷徨い、かつて暮らした飛古根島へと向かうが、そこで二人は封印した記憶に向き合うことになる…。

原作は第9回「このミステリーがすごい!」大賞に輝いた、乾緑郎の小説。記憶をテーマに意識化に潜入し、封印された衝撃の事実へと行き着く物語だ。原作とは微妙に設定が変えてあるせいか、ラブストーリーの要素が強くなっている。漫画家の淳美はスランプのため自殺未遂。その原因は彼女の漫画内に出てくる殺人鬼なのか。センシングで出会う奇妙な光景の意味とは。そして謎の少年と淳美が探してほしいと願う首長竜の関係とは。ミステリーなので詳細は明かせないが、物語中盤に、ストーリーが大きく方向転換する仕掛けがある。センシングの最中に二人が対話すればするほど、世界がねじれていく光景は映画ならではの見所だ。部屋が浸水し身動きがとれなくなったり、人間の記憶を元に作られた“フィロソフィカル・ゾンビ”の造詣は、ゆがんだ精神世界を描くことを得意とする黒沢清監督ならではの世界観だ。今が旬の若手スターが共演するが、佐藤健と綾瀬はるかが笑顔を封印して静かに熱演。終盤のVFXのスペクタクルが迫力不足なのは残念だが、最終的に、意識化にある罪へとたどり着きながらも、愛を貫く男女のラブストーリーとして楽しめる。
【65点】
(原題「リアル 完全なる首長竜の日」)
(日本/黒沢清監督/佐藤健、綾瀬はるか、中谷美紀、他)
(幻想的度:★★★★☆)
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るろうに剣心

るろうに剣心 豪華版〔初回限定仕様〕 [Blu-ray]るろうに剣心 豪華版〔初回限定仕様〕 [Blu-ray]
斬れない刀で鋭い切れ味を出すアクション時代劇「るろうに剣心」。柔らかい笑顔の佐藤健が適役。

幕末に“人斬り抜刀斎”として恐れられていた伝説の剣客・緋村剣心は、明治維新後は“不殺(ころさず)”の誓いをたて、流浪人として旅を続けていた。剣心は、旅の途中、神谷道場の師範代で、父亡き後、道場を守る薫を助けたことから、彼女の道場に居候することに。その頃、巷では抜刀斎を語る偽者による連続人斬り事件が発生していた。それは、アヘン精製によって得た富で世界を支配しようとする実業家・武田観柳の陰謀につながるものだったのだが…。

原作は和月伸宏による大ベストセラーコミック。10年以上前の漫画が今、実写映画化されるのは、適役の役者を見出したことと、映像化するにふさわしいテクノロジーの発達を確認したからだろう。主人公の剣心は、優しく柔らかな笑顔と華奢な体の美少年だ。しかし彼の過去は、人斬り抜刀斎という伝説で血塗られている。この二面性が本作のポイントだ。それは逆刃刀(さかばとう)という、自分の方に刃が向いた斬れない刀で人を守ろうとする矛盾にも重なっている。新しい時代をどう生きればいいのかと、自分の生き方を懸命に模索する主人公の生き様が、何より現代につながるテーマだが、女性にも大人気のマイルドタイプのヒーローを得たことも、時代劇というクラシックな分野に現代性を注入してくれた。世界を支配しようとする悪を倒すことは、まずはそばにいる大切な人を守ることから始まる。常日頃はひょうひょうとし、斬り合いになれば修羅と化す剣心を演じる佐藤健は、原作者も認める適役。立場は異なるが、剣に生きるライバルたちを演じる吉川晃司や江口洋介の硬派なたたずまいもいい。さらにいつもとは違う妖艶さをみせる蒼井優には注目だ。映画ならではのカタルシスとして、やはりアクションシーンのスピード感ははずせないが、香港など海外で活躍しているアクション監督の谷垣健治が担当しているだけあり、切れ味鋭い動きは見応えがある。個人的には“ござる”を連発するセリフまわしに違和感があるが、けれん味たっぷりの次世代型アクション時代劇の勢いを感じる娯楽作だ。
【65点】
(原題「るろうに剣心」)
(日本/大友啓史監督/佐藤健、武井咲、吉川晃司、他)
(適材度:★★★★☆)
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◆ペンネーム:渡まち子
◆映画ライター、映画評論家
◆こんなお仕事やってます:
新聞、雑誌、インターネットで、映画評、映画コラム、DVD紹介などを執筆。他にも、映画コメンテーターとしてラジオ出演、大学での公開講座や企業主催の映画セミナーなど、映画に関する幅広い仕事をこなしながら活動中です。
◆青山学院文学部史学科卒業。西洋史が専攻で、卒業論文はベネチア史。学んだことを生きている間に有効に活かせるのだろうか…と、かなり心配。
◆エトセトラ:
古今東西の映画をこよなく愛す、自他ともに認めるシネフィル(映画狂)です。時に苦言を呈すこともあるその映画批評の基本は、映画へのあふれる愛情と自負しています。どんなダメ映画でも必ずひとつはあるイイところを発見するのが得意技。大のサッカー好きで、欧州リーグからJリーグまでTPOに合わせて楽しんでます。
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