映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評


【本音で語る新作映画レビュー】
シネマッシモでは、映画レビューはネタバレなしのヒントあり。映画を見る前と見た後と、2度読んで楽しめます。
映画評サイトもこのブログで4代目になりました。すべての映画好きを歓迎します!
(点数は100点が、★は5つが満点)
シネマッシモとは、シネマ(映画)とマッシモ(イタリア語でmax,最大)とを組み合わせた造語。
どうぞゆっくり楽しんでください \(^▽^)/

◎ 今週の気になる映画 ◎
「ドリーム」「亜人」「僕のワンダフルライフ」etc.

北乃きい

先生と迷い猫

先生と迷い猫 豪華版 [Blu-ray]
妻に先立たれた元校長先生は、近所では偏屈で有名だ。校長先生のところを訪ねてくるのは、先生が撮りためた古い写真を資料として残したいという市役所職員と野良猫のミイぐらい。猫が好きではない先生は、なんとかミイを追い払おうとするが、ミイはどんなに追っ払っても毎日やってきて、妻の仏壇の前に座っていた。そんなある日、ミイが突然姿を消す。そうなると気になった先生が探し始めたところ、自分の他にもミイを探している人たちがいたことが判明。先生は、ミイを探すことで次第に地域の人々と触れ合っていく…。

木附千晶さんのノンフィクション「迷子のミーちゃん 地域猫と商店街再生のものがたり」を原案とする映画「先生と迷い猫」は、一匹の野良猫が巻き起こす小さな奇跡を描く物語だ。奇跡といっても大それたことではない。カタブツで偏屈な校長先生がミイを追い払うのは、亡き妻が可愛がっていたミイを見ると、妻の死と現在の寂しい自分を再認識してしまうから。ミイを可愛がっていた町の人々もそれぞれ悩みを抱えていて、ミイによって心を癒されていた人たちなのだ。ミイは、何かをするわけじゃないばかりか、途中からはその姿さえみせない。そんな気ままで自由な猫を通して人々がつながるというところが面白い。ミイを演じるのは“プロの女優”のドロップ。通常、動物が演技をする場合は、複数で演じることが多いが、このドロップは愛らしい姿からふてぶてしい表情、のんびりくつろぐ姿まで一人(一匹)で演じきっているというからたいしたものだ。物語は猫探しではなく、いわば人情探し。偏屈だけど味がある主人公を演じるイッセー尾形のひょうひょうとした味わいと、動物ものによくある“泣かせ”がないところがかえって粋だ。
【60点】
(原題「先生と迷い猫」)
(日本/深川栄洋監督/イッセー尾形、染谷将太、北乃きい、他)
(萌え度:★★★★☆)
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先生と迷い猫@ぴあ映画生活

僕は友達が少ない

僕は友達が少ない [DVD]
友達がいない高校生たちの残念な日常を描く青春ストーリー「僕は友達が少ない」。無駄に多いエロ描写に唖然。

聖クロニカ学園に転向してきた羽瀬川小鷹は、ハーフで目つきがよくないという外見や人見知りの性格のため、友達が全然出来ない。ある時、いつも一人でいる同級生の三日月夜空が友達作りを目的に“隣人部“を創設し、小鷹も強引に入部させられる。やがて隣人部には、巨乳で女王様体質の星奈や変人発明家の理科ら、同じように友達がいない、個性的な部員が集まるが、理科の発明したあるバーチャルゲームによって現実世界がバーチャルに侵食されてしまう…。

原作は平坂読の人気ライトノベルで“はがない”の愛称で親しまれる作品だが、映画はオリジナル・ストーリーとなる。個性が強すぎて友達ができない高校生たちの日常は、残念というより、妄想の世界だ。主人公の小鷹は実は最も常識的なキャラで、個性的すぎる隣人部の部員に振り回される。それにしてもこの作品全編にあふれるエロ描写はいったい何なのだろうか。ストーリー的な必然性は皆無なので、単なるギャグかもしれないが、舞台となる高校はまるで風俗店のようである。女の子の何人かは胸元も露にシャツをはだけ、ミニスカートからはパンチラという姿なのに、周囲はほとんど無関心。この設定に何の意味が?と首をかしげる。ほかにも、メイド服姿の美少年にアニメキャラになりきる妹、10才のシスターと、おかしなキャラをあげていくときりがないので、早い段階で気にするのはやめにした。ともあれ、隣人部の部員でもある星奈が、友達ができず、孤立した現実から逃避するためゲームの中に留まってしまったことから、世界が狂いはじめる、という展開だ。クライマックスは、忘れていた過去を思い出し、自分自身を見つめなおすという意外にもまっとうなオチになる。それにしても優しい顔つきの瀬戸康史が目つきが悪いキャラというのは無理がないか? さらに主要キャストの年齢から高校生役ってのも無理がないか? まぁ、このタガがはずれた世界観の中では、そんなことは些細なことなのだ。受け流す。これが本作を楽しむコツである。
【50点】
(原題「僕は友達が少ない」)
(日本/及川拓郎監督/瀬戸康史、北乃きい、大谷澪、他)
(エロい度:★★★☆☆)
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僕は友達が少ない@ぴあ映画生活

上京ものがたり

上京ものがたり [DVD]
人気漫画家・西原理恵子の自伝漫画を実写映画化した「上京ものがたり」。「女の子ものがたり」の前日譚で、ヒロイン役の北乃きいが好演。

美大に通うために田舎から上京した菜都美だが、暮らしは家賃を払うのに精一杯の極貧生活。生活のために始めたキャバクラのアルバイトも、慣れないホステスの仕事でセクハラを受けるなど、つらいものだった。やがて菜都美は、店で知り合った良介と一緒に暮らし始める。良介は優しいが、働かず毎日ぶらぶらしているプー太郎だった。子供の頃から大好きだった絵も美大での成績は最下位で、上京したことを後悔し始めていたが、ある日、先輩ホステスでシングルマザーの吹雪と彼女の娘の沙希が、菜都美の絵を好きだと言ってくれる。「最下位には最下位の戦い方がある」との吹雪の言葉に奮起した菜都美は、その日から毎日のように出版社へ自分の絵を売り込みに通いはじめる…。

叙情的で可愛らしい絵柄が特徴で、波乱万丈の人生を歩んできた漫画家の西原理恵子。この人の作品で映画化されるのは、自らの体験をつづった自伝的作品が多い。本作は、成功はしたがスランプ気味の漫画家が故郷での少女時代を回想する「女の子ものがたり」の、前日譚にあたり、西原自身を投影したヒロインが、上京し大学に通いながら漫画家としてデビューするまでと、さまざまな人との出会いと別れを通して、成長していく様を描いていく。アーティストには特有のこだわりがあるものだが、菜都美は生活していくのが精一杯で、「食べていける」仕事を目指している。そのことで友人からうっすらと軽蔑の目を向けられるが、成績最下位の彼女とは対極にいる大学でトップの成績の友人からは「ただ、ただ、描け、描け」と激励されるのが印象的だ。落ち込んでいた菜都美に「アンタの絵、好きだよ」と言ってくれるその一言で奮起する姿もいい。少数派の励ましは、やがて、自分のマンガを読んで、おちこんでいた人がちょっとだけ笑ってくれれば…という作者自身の願いにつながっていくのだ。プー太郎のくせに拾った子猫の治療費に大金を使う恋人に振り回されながらも、東京での暮らしで愚痴をこぼす自分のそばにずっといてくれた彼の優しさにも、最後にはちゃんと気付くのだから、このヒロインは人の痛みをきちんと受け取れる人物なのだ。めげずに出版社めぐりをする。他人が軽蔑するような仕事もちゃんとこなす。そして夢をあきらめない。いつしか主人公を応援してしまいたくなる。涙あり笑いありの、いつもの西原ワールドだが、人生それほど悪くないと思わせてくれる、ほろ苦い青春ストーリーだ。明るいのに、憂いをおびた表情の北乃きいのたたずまいがとてもいい。
【60点】
(原題「上京ものがたり」)
(日本/森岡利行監督/北乃きい、池松壮亮、谷花音、他)
(人生応援度:★★★★☆)
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上京ものがたり@ぴあ映画生活

爆心 長崎の空

爆心 長崎の空 DVD-BOX
被爆地・長崎を舞台に大切な人を亡くした二人の女性が出会い、再生していく物語「爆心 長崎の空」。高台からの景色が魅力の長崎の風景が心に残る。

大学3年生の門田清水は、ごく普通の生活を送っていたが、母が突然心臓発作で亡くなってしまう。母とケンカ別れしたままだったこと、母からの電話に出なかったこと、電話がかかったとき彼氏とホテルにいたことなどから、清水は深い罪悪感と後悔に苛まされていた。一方、高森砂織は幼い一人娘を亡くして1年が過ぎようとしていたが悲しみから立ち直れない。そんな時、妊娠していることが判明し精神を病んでしまう。そんな二人が長崎の町で偶然出会い、心を通わせるようになるのだが…。

原作は、長崎原爆資料館の館長で芥川賞作家でもある青来有一の同名小説。清水と砂織は、共に大切な人を突然亡くす悲劇に見舞われているが、それは突然の原爆投下で多くの人命が奪われた8月9日、生き残った人々が抱えた思いや罪悪感と呼応する。母や娘の死に責任を感じる彼女たちと、原爆を経験した砂織の両親。世代は異なるが、皆、被爆地、そしてキリシタンの土地という長崎に生を受けたものが感じる、記憶の積み重ねの中で生きる人たちだ。清水の幼馴染の青年・勇一のエピソードはややストーリーにそぐわない気もするが、砂織が妊娠したことで、新しい命の喜びを感じながらも、それを再び失ってしまったら…との恐怖から精神のバランスを失くしていくエピソードは、胸がつまるほど切実だ。砂織の家は代々カトリックで、人の死を“神の思し召し”ととらえて乗り越えようとする。映画はそのことの是非には言及しない。清水と砂織が、勇一が住む家が焼けるという“儀式”を経て、生命力を得るかのように再生していく姿は、悲しみの中からも未来への希望を見出すことができるというメッセージなのだろう。同時に長崎という土地には、新しい世代が原爆という過去の歴史を受け止めながら、前を向く力があるのだと訴えているように思える。とはいえ、最近では原爆とは関係のない地域の人々の中には、8月9日が長崎の原爆投下の日だということを、知らない世代が増えているのだという。この映画の最大の使命は、やはり“伝えること”なのだろう。若手から実力派まで個性的な俳優が揃ったが、皆、セリフを丁寧に発して演じているのが印象に残った。
【55点】
(原題「爆心 長崎の空」)
(日本/日向寺太郎監督/北乃きい、稲森いずみ、柳楽優弥、他)
(再生度:★★★★☆)
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爆心 長崎の空@ぴあ映画生活

犬とあなたの物語 いぬのえいが

犬とあなたの物語 いぬのえいが 通常版 [DVD]犬とあなたの物語 いぬのえいが 通常版 [DVD]
犬をテーマにしたハートウォーミングなオムニバス「いぬのえいが」の第2弾。6つのエピソードはそれぞれに工夫があるが、全体の構成がちょっと不自然だ。翻訳家の一郎は子供の頃に可愛がっていた柴犬ジローの死のショックで犬嫌いに。それなのに、妻の美里は、ある日、半ば強引にラブラドールレトリバーのラッキーを引きとって飼うと宣言する。在宅で仕事をする一郎を静かに見守るラッキー。一人と一匹はやがて心を通わせるが…。

6つの短編は、コメディタッチのものもあれば、皮肉めいたものや、感動の物語まで切り口はさまざま。中心になるのは、大森南朋と松嶋菜々子共演の「犬の名前」という物語で、若くして記憶障害になってしまう主人公を、もの言わぬ犬が静かに支えるストーリーには、子供の頃のエピソードも含めて泣かされる。ペットには人を癒す力があるが、ラブラドールレトリバーは特にその力が強いらしい。この物語のラストは楽観的すぎるのかもしれないが、ボロボロになった妻をもう一度笑顔にしたのは、飼い主に無償の愛を捧げる犬の存在。ラッキーは夫の一郎に寄り添った以上に、妻の美里を支えていたのだ。実際にセラピー・ドッグとして活躍する犬種だけに、説得力がある。その他のエピソードは、犬と同じ名前の“あきら”に降りかかる災難や、自宅に残した室内犬のことを過剰に心配する母親、誘拐した犬に情が移ってしまう誘拐犯の顛末、など。ただTVのペット紹介番組の面白エピソードを取材する「愛犬家をたずねて。」の扱いがマズい。短い4話で構成されているためか、全6話のエピソードの途中に挿入されるのだが、これがオムニバスのテンポを崩している。また、6話の長さがバラバラなのも気になった。奇をてらわず、1話それぞれを正攻法で見せる方が、観客は素直に感動を味わえるのではないか。ホロリとするのは、最後のエピソード「バニラのかけら」で、いわゆるペットロスの悲しみを描いている。ペットを飼ったことがある人ならグッとくる話だ。逝ってしまった愛するペットを忘れる必要などない、犬との楽しかった日々をずっと覚えていてあげたい。そんな物語で締めくくってくれたのは嬉しかった。登場する“主役”の犬たちは、全部で69犬種107頭。どのコも皆愛らしくてたまらない。
【50点】
(原題「犬とあなたの物語 いぬのえいが」)
(日本/長崎俊一、石井聡一、江藤尚志、川西純、中西尚人、水落豊監督/大森南朋、松嶋菜々子、堀内敬子、篠田麻里子、生瀬勝久、小倉智昭、中尾彬、内野聖陽、高畑淳子、北乃きい、他)
(犬好き必見度:★★★★☆)

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ラブコメ

ラブコメ [DVD]ラブコメ [DVD]
強気な女子と気弱な男子。今では特に珍しくもない組合せのラブ・ストーリーで、まるでTVドラマのようなユルさに脱力する。下町の生花店を切り盛りする真紀恵は、美人なのに豪快で勝気な性格のため、彼氏いない歴1年11ヶ月。恋するヒマもないほど忙しい。そんな真紀恵のことを初恋の相手としてずっと引きずって生きている草食系男子で、アニメ脚本家の美晴は、再会した彼女に再び一目ぼれ。ついに真紀恵に告白しようと決意するが、真紀恵はその前日に元カレとヨリを戻してしまう…。

美女に振り回される心優しい男子というと、すぐに韓国映画「猟奇的な彼女」が思い浮かぶが、韓国映画ほどハジケることも泣くこともできないのがこのドラマだ。そもそも本作のヒロインのやることはかなり残酷で、元カレと付き合い始めたのに、自分を好きだと告白した美晴を平気で呼び出しては遊ぶ。何となく彼女に付き合う美晴の心情には、友情と愛情の両方の思いがせめぎあっているはずだが、美晴のこの心の揺れがなかなか伝わってこない。まるで高校生のデートのような場面が延々と続くので、映画としても完全に中だるみ状態だ。自分の本当の気持ちに気付かない真紀恵と、はっきりとした態度がとれない美晴。もどかしい二人を応援するのが、真紀恵の店で働くキャバクラ嬢・涼子と、美晴の書いたアニメに声優として出演する、お調子者のバツいちタレント・西島だ。終盤、真紀恵の父や姉が美晴の子供時代のある行動を思い出すことで、二人の距離が近くなり、強引なハッピーエンドへ。設定の何もかもがご都合主義で、じっくりとスクリーンに向き合う映画というより、何かの片手間に見るTVドラマそのものだ。タイトルの「ラブコメ」とは、美晴が書いているアニメの題名。美晴の恋をそのまま投影しているとの設定なのに、劇中のこのアニメをなぜもっと活かさないのだろうか。現実と、時に平行し、時に交差し、まだ出来上がっていないラストに向かって進んでいけば説得力があっただろうに。ちなみにこの作品は、某携帯電話会社のキャンペーンの一環として製作、映画と携帯ドラマがコラボするという新しい試みで展開していることが注目だ。じっくりとしたドラマより、軽さを重視しているのは、携帯というツールを意識してのことかもしれない。
【30点】
(原題「ラブコメ」)
(日本/平川雄一朗監督/香里奈、北乃きい、田中圭、渡部篤郎、他)
(純愛度:★★★☆☆)

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武士道シックスティーン

武士道シックスティーン [DVD]武士道シックスティーン [DVD]
女の子だってやるときはやる!剣道を通して友情や人生を学んでいく二人の少女の青春物語は、若手実力派女優二人の演技合戦が魅力だ。剣道の中学チャンピオンの磯山香織は、大会で無名選手の甲本早苗にリズムを崩され敗戦を喫してしまう。甲本を倒すため同じ高校に進学するが、その選手は両親の離婚で名前は西荻に変わっていた。しかも彼女は“剣道は楽しむため”がモットーのお気楽少女で、強引に試合を申し込んでも逃げてばかり。拍子抜けしながらも悔しさが忘れられない香織は、早苗を鍛え直そうとするのだが…。

成海璃子と北乃きい。10代女優のエース的存在の二人はまったく個性が異なる。本作で演じる役も同様で、剣道一筋の香織は勝つことだけを目標にし、言葉は男言葉、弱い選手を見下し、昼休みには宮本武蔵の「五輪書」を読みふける。硬派というより女子高生として浮いた存在だ。一方、早苗は、無心で竹刀を握るものの、勝ちたいというより負けたくない気持ちが高じて逃げ足だけは絶妙で、フットワークが軽い。そんな二人が互いの影響で化学反応を起こし、変わっていくプロセスがいい。早苗の提案で剣道からしばし離れ、ケーキバイキングやゲーセン、プリクラを体験。可愛いサンダルをおそろいで履く二人のコミカルなシークエンスは、まるでデートのようで見ていて微笑ましい。香織は、武道は勝負だけではないことを悟り、早苗は真剣勝負の醍醐味に目覚めていく。剣道部の顧問が言う「折れる心」は香織だけが学ぶことではなく、早苗にも必要な生きるための極意だ。10代のまっすぐな少女たちが、剣道を通して、家庭の問題や友情に向き合い、剛と柔を学びながら成長する姿は、好感度大。何より、武士道という古風なスピリットをミニスカートの制服を着た美少女たちが体現するギャップが面白い。剣道については私は素人だが、すさまじい大声と一瞬の静の動作の美しさに驚いた。女の子の友情を“男らしく”描いたこの映画、女子高生なのに恋愛度が低いのはちょっぴり物足りないが、メン!ドウ!という掛け声もすがすがしいさわやかな作品になった。
【65点】
(原題「武士道シックスティーン」)
(日本/古厩智之監督/成海璃子、北乃きい、石黒英雄、他)
(闘魂度:★★★★☆)


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BANDAGE バンデイジ

BANDAGE バンデイジ 通常版DVD (本編DVDのみ)BANDAGE バンデイジ 通常版DVD (本編DVDのみ)
どうせアイドルものだろうとバカにしていたら、思いがけず繊細な味わいの青春映画だった。これだから映画は見てみないとわからない。90年代、空前のバンドブームが吹き荒れる中、友人に誘われてLANDSというバンドのライブに行った女子高生アサコは、ボーカルのナツに気に入られ、偶然からバンドのマネージャーになる。音楽に情熱を注ぐ若いメンバー、彼らに夢を託す大人、そしてアサコは、共に歩んでいくが…。

青春映画の演出に非凡な才能を見せる岩井俊二が脚本、音楽プロデューサーとして活躍する小林武史が初監督の本作は「スワロウテイル」のコンビの変形コラボだ。90年代のバンドブームの光と陰を、切ない恋物語の形を借りて振り返っている。物語はアサコとナツの不器用な恋と、バンドを構成するメンバーの友情や確執が中心。才能やコンプレックスからバンドに亀裂が生じるのはお決まりの描写だし、素人があっさりマネージャー業のプロになるなど、ご都合主義の部分はあるものの、アサコとナツの感情の揺れはリリカルで丁寧である。LANDSの音楽は大好きだがナツのことを好きかどうかわからないアサコのとまどいと、恋も音楽も真面目に向き合っているくせに、テレ隠しでわざと軽くふるまうナツの屈折。共に描写は、リアルで繊細だ。ふと視線を落とすなど、セリフ以外で感情を豊かに表す北乃きいがとてもいい。タイトルのバンデイジは、バンド世代と傷を包む包帯の二つの意味を兼ねる。ライトな青春群像だが、その軽さが欠点になっておらず、近過去独特の淡いノスタルジーにマッチしている。
【65点】
(日本/小林武史監督/赤西仁、北乃きい、高良健吾、他)
(みずみずしさ度:★★★★☆)

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ハルフウェイ

シンプルでみずみずしい作品だ。受験を控えて恋愛にとまどう高校生の男女のラブ・ストーリーは、大人たちに“あの頃”を思い出させて胸がキュンとなるだろう。ヒロは彼氏のシュウが北海道を離れて東京の大学へ行くと知り激しく動揺、わがままで矛盾した言動を繰り返してシュウを困らせる。淡い光を多用した色彩設計や微妙な距離感を保つ構図は、プロデューサーの岩井俊二の影響を強く感じさせるものだが、北川監督らしさは、コロコロと変わる女の子の気持ちを自然なセリフで見事にすくいとったこと。自分でももてあますほどの恋心を胸に、精一杯前を向く二人がまぶしい。
ハルフウェイ (幻冬舎文庫)【70点】
(日本/北川悦吏子監督/北乃きい、岡田将生、溝端淳平、他)
(切なさ度:★★★★☆)


ハルフウェイ (幻冬舎文庫)


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ラブファイト

ラブファイト プレミアム・エディション [DVD]ラブファイト プレミアム・エディション [DVD]
幼馴染の男女が、お互いを好きな気持ちに気付くツールがボクシングという設定がユニーク。いじめられっ子でヘタレ男子の稔はケンカが得意の美少女・亜紀に助けられてばかり。亜紀より強くなろうと内緒でボクシング・ジムに通うが、それを知った亜紀もまたボクシングの魅力に目覚めていく。スポ根としての迫力は希薄だが、その分、素直になれないティーンエイジャーの男女の初恋を、コメディタッチで描いて楽しい佳作となった。終盤、稔を好きな少女の意外な素顔が唐突で大爆笑。並行して描かれる大人の恋が、ややテンポを削いだが、それでも二人を見守る大沢たかおは好演だ。
【65点】
(日本/成島出監督/林遣都、北乃きい、大沢たかお、他)
(ガチンコ勝負度:★★★★☆)

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◆ペンネーム:渡まち子
◆映画ライター、映画評論家
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新聞、雑誌、インターネットで、映画評、映画コラム、DVD紹介などを執筆。他にも、映画コメンテーターとしてラジオ出演、大学での公開講座や企業主催の映画セミナーなど、映画に関する幅広い仕事をこなしながら活動中です。
◆青山学院文学部史学科卒業。西洋史が専攻で、卒業論文はベネチア史。学んだことを生きている間に有効に活かせるのだろうか…と、かなり心配。
◆エトセトラ:
古今東西の映画をこよなく愛す、自他ともに認めるシネフィル(映画狂)です。時に苦言を呈すこともあるその映画批評の基本は、映画へのあふれる愛情と自負しています。どんなダメ映画でも必ずひとつはあるイイところを発見するのが得意技。大のサッカー好きで、欧州リーグからJリーグまでTPOに合わせて楽しんでます。
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