映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評


【本音で語る新作映画レビュー】
シネマッシモでは、映画レビューはネタバレなしのヒントあり。映画を見る前と見た後と、2度読んで楽しめます。
映画評サイトもこのブログで4代目になりました。すべての映画好きを歓迎します!
(点数は100点が、★は5つが満点)
シネマッシモとは、シネマ(映画)とマッシモ(イタリア語でmax,最大)とを組み合わせた造語。
どうぞゆっくり楽しんでください \(^▽^)/

◎ 今週の気になる映画 ◎
「パッセンジャー」「キングコング 髑髏島の巨神」etc.

北川景子

破門 ふたりのヤクビョーガミ

破門 (角川文庫)
建設現場で暴力団対策の仕事、いわゆるサバキをしている建設コンサルタントの二宮は、仕事を通じて、二蝶会の強面ヤクザ・桑原と知り合って以来、何かとトラブルに巻き込まれている。ある時、二宮はうさんくさい映画プロデューサーの小清水がもってきた映画出資の話を二蝶会に紹介するが、小清水が大金を持って消えてしまう。出資詐欺師の小清水を追って、桑原と二宮は奔走するが…。

腐れ縁のヤクザと建設コンサルタントが、詐欺師を追いながら、次から次へとトラブルに巻き込まれていく様を描く「破門 ふたりのヤクビョーガミ」。原作は、黒川博行の直木賞受賞作で、原作小説の5作目を映画化している。キレたら手がつけられないインテリやくざの桑原と、サバキというグレーな仕事で何とか食いつないでいる、ぐうたらで貧乏性の建設コンサルタントの二宮は、互いを自分にとっての疫病神と思いながらも不思議な腐れ縁で結ばれている凸凹コンビだ。原作ファンやTVドラマファンにとってはおなじみのストーリーなのだろうが、なぜ初の映画化で第5作なのだろうか?二人の出会いを描くところから始めるべきなのではないのか??との疑問がよぎるのは私だけではないはずだ。まぁ、企画、その他の大人の事情があったであろう、そのことはひとまず脇に置いておく。全編がコミカルな大阪弁でテンポがいいのが本作の最大の魅力だ。キャストのほとんどが関西出身というだけあて、違和感がないところは、同じ黒川原作の映画化「後妻業の女」によく似ている。出資詐欺に遭い大金を持ち逃げされる、大組織のヤクザの組とトラブルに発展してしまう、など、状況は絶体絶命ながら、それを大阪弁で描くと、なんだか漫才を見ているよう。佐々木蔵之介、横山裕共に好演だが、何と言っても群を抜いて上手いのは、ベテランの橋爪功だ。うさん臭くて、嘘つきで、懲りない性格の映画プロデューサーをひょうひょうと演じていて、最高である。どんな手を使ってでも資金を集めて映画を作るそのド根性。これもまた映画愛!なのだ。
【60点】
(原題「破門 ふたりのヤクビョーガミ」)
(日本/小林聖太郎監督/佐々木蔵之介、横山裕、北川景子、他)
(腐れ縁度:★★★★☆)
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の・ようなもの のようなもの

の・ようなもの のようなもの [DVD]
東京の下町、谷中。師匠・出船亭志ん米の家に住み込みながら修業する若手落語家の志ん田(しんでん)は、真面目すぎて全然パッとしない。師匠の娘の夕美にひそかに想いを寄せているが、いつもイジられてばかり。そんなある日、志ん田は、師匠から、かつて一門にいた兄弟子の志ん魚(しんとと)を探し出すように命じられる。スポンサーのご機嫌をとるためお気に入りの志ん魚を落語に復帰させようとの魂胆だったが、志ん魚は落語とは無縁な世界で自由に生きていた…。
2011年12月に亡くなった森田芳光監督の劇場デビュー作「の・ようなもの」の35年後を描く続編「の・ようなもの のようなもの」は、全編、森田作品へのオマージュに満ち溢れている。小さなシーン、何気ないせりふ、主要キャスト、チョイ役で登場するまさかの大物俳優たち(そのほとんどが森田作品出演者)と、ファンサービスは過剰なほどだが、この続編の作り手が、いかに森田芳光という稀有な才能を愛していたかが伝わってきた。いつまでも前座の若手落語家・志ん田は、このまま落語を続けるべきか悩んでいたが、落語とは無縁の世界で自分らしく生きる兄弟子・志ん魚と接するうちに自分に何が足りないのかに気づいていく。一方、落語を捨てた志ん魚もまた、一途な志ん田の姿に若き日の自分を重ね、忘れていた落語への情熱を取り戻す。志ん田と志ん魚。年齢こそ異なるが、これは二人の落語家が、何者かになろうと自分を探す青春映画なのだ。恋愛も仕事も将来も、何もはっきりしていない“の・ようなもの”たちを、映画は決して否定しない。あらゆる世代がどこか途方にくれている現代社会には、昨日よりは今日、今日よりは明日の、小さな希望を信じるこんな映画が、心にじんわりしみてくる。
【55点】
(原題「の・ようなもの のようなもの」)
(日本/杉山泰一監督/松山ケンイチ、北川景子、伊藤克信、他)
(オマージュ度:★★★★★)
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HERO

HERO Blu-ray BOX (2014年7月放送)
型破りな検事と仲間たちの活躍を描く大ヒットドラマの劇場版第2弾「HERO」。お約束の並木道で久利生と雨宮の気持ちが通じあうのかを確かめよう。ネウストリア公国大使館付近の路上でパーティコンパニオンの女性が交通事故で死亡する。東京地検城西支部の久利生公平検事と事務官の麻木千佳が捜査にあたるが、かつて久利生の元で事務官を務め、現在は大阪地検難波支部で検事として活躍する雨宮舞子が現れ、被害者の女性は広域暴力団が絡んだ恐喝事件の重要な証人だったと告げる。久利生はネウストリア公国大使館が事件にからんでいると見て調べ始めるが、大使館は治外法権を盾に捜査の協力を拒否。やがて外務官僚・松葉からも圧力がかかり、捜査は暗礁に乗り上げるが…。

今回の劇場版第2弾は、続編だというのにタイトルは同じ。続や新もなければ副題もないというのは、異質だがちょっと潔い気がする。スーツを着ない型破りな検事・久利生公平は「事件に大小はない」がモットーで、捜査や情報集めも独自の価値観で動いていく。日本の法律が及ばない治外法権という大きな壁を前にしても、その姿勢は変わらない。このシリーズは、良くも悪くも“変わりばえしない”のが売りなのだ。久利生の“当たって砕けろ”的な捜査や、城西支部のメンバーたちのグダグダ感も相変わらずで、それはファンには懐かしさをもたらしてくれるのだろう。治外法権という大きな壁に阻まれたかにみえた事件は、久利生らの熱意によって、思いがけない突破口が開けるが、外交問題という大風呂敷を広げた割には、こじんまりとまとまっている。事件解決や国際的な陰謀などより、あくまでもサークルのようにユルく楽しい人間関係をベースにした物語こそ“HERO節”ということだ。正直、スペシャルドラマレベルのストーリーだが、これは贅沢なファンサービス。本作での久利生と雨宮の恋愛関係(?)も、いろんな意味でこのシリーズらしい。
【50点】
(原題「HERO」)
(日本/鈴木雅之監督/木村拓哉、北川景子、松たか子、他)
(懐かしさ度:★★★★☆)
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愛を積むひと

愛を積むひと Blu-ray スペシャル・エディション(特典DVD付)
不器用な夫と彼を支えた亡き妻の愛の軌跡を描く「愛を積むひと」。美しい風景の中で綴られる温かいストーリーが心にしみる。

第二の人生を自然豊かな北海道で過ごそうと、東京から北海道に移り住んだ篤史と良子の夫婦。仕事一筋だった篤史がヒマを持て余しているのをみかねた良子は、かねてからの夢だった石塀作りを篤史に依頼する。だが良子は長年患っていた心臓の病を悪化させ他界。悲しみにくれる篤史に、良子からの手紙が届く。夫を心配して良子はたくさんの手紙を残していたのだ。石塀作りを手伝う青年・徹との交流や、ずっと疎遠になっていた娘の聡子との再会。閉ざしていた心を少しずつ開きながら、亡き妻を思いつつ石を積み上げていく篤史だった…。

原作は、エドワード・ムーニー・Jr.の小説「石を積む人」。第二の人生、パートナーを失う悲しみ、そして再生と希望。明らかにシニア向けの作品だが、語り口がとても丁寧で、娘や若者世代の視点もあるので、親子揃っての鑑賞も良さそうだ。妻の良子は明るいしっかり者で何事にも前向き。一方、夫の篤史は不器用で女房依存症。こういう差異もあって、良子を亡くしてからの篤史の悲嘆が際立ってくる。人は一人では生きられないことを、良子は何より手紙で伝えたかったのだろう。石塀作りを手伝う徹のあやまちを許し自分から手を差し伸べ、不毛な恋愛によって断絶状態だった娘の聡子の生き方も肯定する気持ちになった篤史は「石塀は大きくて立派な石だけで出来ているんじゃない。小さくて不恰好な石もちゃんと役割を果たしている」という示唆に富んだ言葉を口にする。その時こそ亡き妻が言った「古い石がそのうえに積まれる新しい石を支えるように、私たちが毎日を精一杯積み上げていくことが、次の世代の生きる支えとなる」という言葉が感動的に響くのだ。タフでハードボイルドな役が多かった佐藤浩市が、珍しく弱さを露呈する普通の夫を好演。「日本で最も美しい村」連合第1号に認定された美瑛町でロケされた映像の美しさにも目を見張る。
【65点】
(原題「愛を積むひと」)
(日本/朝原雄三監督/佐藤浩市、樋口可南子、北川景子、他)
(夫婦愛度:★★★★☆)
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悪夢ちゃん The 夢ovie

悪夢ちゃん Blu-ray BOX
予知夢を見る少女と彼女の夢を読み解く女性教師の活躍を描く「悪夢ちゃん The 夢ovie」。ももクロの宣伝か?!

他人の未来に起こる災難を予知夢として見る“悪夢ちゃん”こと結衣子がいる明恵小学校6年2組に、完司という謎めいた転校生がやってくる。結衣子は彼のことを悪夢で見ていたが、夢の中で恋に落ちたことを、夢を読み解く担任教師の彩未に言えないでいた。やがて完司はクラスの中心人物になるが、彼に影響された児童たちの行動が大事件へと発展してしまう…。

原案は恩田陸の小説「夢違」。TVドラマで人気を博したそうだが、この映画、ほとんど映画の体をなしていない。北川景子は相変わらず美人だが演技力に欠け、子供たちの演技も拙い。何よりストーリーがワケがわからない。ハム入りパンケーキのエピソードはかなり悪質だし、転校生の完司の過去も穴だらけ。そもそも全員が同じ夢を見るという最高レベルの思想統制の設定に激しく違和感を覚える。いや…、この映画のテーマは夢である以上、どんな物語であろうともツッコンではいけないのだ。たとえどれほど話が破綻していようとも。劇場版の売りとしては、彩未の過去とも関係する佐藤隆太や本上まなみの出演、そして思春期を迎えた悪夢ちゃんの初恋の2つ。いやいや、本作の最大の売りは、ももいろクローバーとのコラボに他ならない。ももクロに北川景子が加わった“きもクロ”の、贅沢なプロモーションなのだ。映画評を書こうとした私が悪い。反省。
【20点】
(原題「悪夢ちゃん The 夢ovie」)
(日本/佐久間紀佳監督/北川景子、GACKT、優香、他)
(脱力度:★★★★☆)
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悪夢ちゃん The 夢ovie@ぴあ映画生活

抱きしめたい 真実の物語

抱きしめたい -真実の物語- メモリアル・エディション [Blu-ray]
障害に負けず愛を貫いた男女の実話「抱きしめたい 真実の物語」。思ったほどお涙頂戴じゃなかった。

北海道・網走。タクシー運転手の雅己は、バスケット・ボールが趣味の、ごく普通の青年。ある時彼は、市民体育館のコートで車椅子に乗った気が強い女性つかさと出会う。つかさは高校時代に壮絶な事故に遭い、その後遺症で左半身の自由と記憶する力を失っていた。過酷な状況にありながら明るく前向きに生きるつかさと、そんな彼女に恋した雅己は真剣に交際をはじめ結婚を考えるようになる。小さな命を授かり、両親の反対や多くの障害を乗り越え結ばれた二人だったが、彼らには非情な運命が待っていた…。

物語のベースになっているのは、ドキュメンタリー番組「記憶障害の花嫁・最期のほほえみ」として紹介された実話だ。ヒロインがすでにこの世にいないことは、映画冒頭で分かるのだが、そこには夫である雅己と愛らしい息子の幸せな姿がある。これは悲しい出来事を乗り越えた先にある、生きる希望を描いたストーリーなのだ。二人が出会い、愛し合い、最初は反対していた両親にも祝福されて結ばれる。ベタなお涙頂戴物語ではなく、また、死をクライマックスにせずに、喜びや優しさを盛り込んで描くスタンスは好感が持てる。北川景子と錦戸亮という若手人気俳優を起用したラブロマンスではあるが、ドキュメンタリーで紹介されたご本人やご家族は、網走という地方都市で今も生活する一般人。モデルとなった人々へのさりげない配慮が、大げさすぎない演出に表れているのだろう。ただ記憶障害は、ちょっとした物忘れ程度にしか思えないので、描き方の軽さが少々気になった。映画を見て号泣したいと望むファンには物足りないかもしれないが、平凡な男性と障害をものともしない強気な女性という構図の面白さ、二人の純愛、残された人々の心に宿した希望を感じ取りたい。
【50点】
(原題「抱きしめたい」)
(日本/塩田明彦監督/北川景子、錦戸亮、上地雄輔、他)
(泣ける度:★★☆☆☆)
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抱きしめたい−真実の物語−@ぴあ映画生活

ジャッジ!

ジャッジ! 豪華版 Blu-ray【初回限定生産】
CM業界を舞台にしたドタバタコメディ「ジャッジ!」。バカバカしい設定の中にふと紛れ込む名セリフに拍手。

落ちこぼれCMクリエーターの太田喜一郎は上司のムチャぶりによって国際広告祭の審査員を務めることに。同期で仕事が出来るひかりにニセ夫婦役を頼み、広告祭が開かれる米サンタモニカに向かうが、そこではライバル会社のエリートのはるかをはじめ、世界中のクセモノ揃いのクリエイターたちが激しい工作合戦を繰り広げていた。さらに太田は自社のちくわのCMがグランプリをとらなければクビになると知り、ショックを受ける…。

愛すべきダメ男を演じさせたら妻夫木聡は天下一品だ。くったくのない笑顔と困り顔のブレンド具合が絶妙なのだろう。物語はそんな妻夫木演じる落ちこぼれの広告マンがその人柄の良さとCMを愛する心意気で奮闘するというお話。だがストーリーは一筋縄ではいかず、正直、まったく先読みできない。それはお人よしの主人公の“読めない”行動とともに、無責任で変わり身の早い上司や謎の窓際社員など、CM業界ならではのクセモノたちの言動がまったく予想できないからなのだ。業界の人には内輪受けしそうな設定が満載だが、ペン回しやアニメオタクグッズ、怪しげな英語が思わぬ武器になる設定は、一般人が見ても十分に面白い。監督の永井聡はサントリーや大塚製薬などのCMを担当してきた有名CMディレクター。ギャンブル好きで仕事ができるツンデレ同期のひかりとの恋愛模様はちょっと物足りないが、人脈を生かしたキャスティングと、実体験に基づく裏話をデフォルメしてテンポよくストーリーを活写してくれた。「無茶と書いてチャンスと読む」という言葉は、劇中最大の名セリフだが、太田の「CMで人を幸せにしたい」との思いこそが強力な伏線になっていた。思いがけない役で登場する豪華キャストが楽しい、笑いと驚きの娯楽作で、大いに楽しめる快作に仕上がっている。
【70点】
(原題「ジャッジ!」)
(日本/永井聡監督/妻夫木聡、北川景子、リリー・フランキー、他)
(ハチャメチャ度:★★★★☆)
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ルームメイト

ルームメイト [Blu-ray]
ルームシェアした女性が恐ろしい素顔を持つことを知るサスペンス・スリラー「ルームメイト」。美女二人の競演が華やか。

派遣社員の春海は交通事故に遭い、頭を強く打って入院する。怪我を負って元気がない春海を優しく気遣ってくれたのは看護師の麗子だった。不思議なほど気が合った二人は春海の退院後、ルームシェアという形で一緒に暮らし始める。ずっと一緒にいたいと思うほど仲が良く、順調な生活に思えたが、ある日、春海は麗子の奇妙な行動を目にする。時折人が変わったようになる麗子におびえる春海だったが、やがて二人の周囲で不可解な事件が起こり始め、ついに殺人事件にまで発展。春海が麗子の中に別人格を感じた頃、麗子と見た目が瓜二つのマリが現れる…。

原作は今邑彩の同名小説だが、映画はオリジナルの展開を用意している。美貌の女性二人の心理戦が見ものなのだが、どうやら二重人格を思わせる相手の狂気にヒロインが翻弄され…という展開に、思いがけないどんでん返しが用意されている。目の前の女友達が豹変し、優しかった人格とは真逆の姿を見せる様を、深田恭子が怪演。おびえながらも健気に奮闘する北川景子は受けの演技に見えるが、実は北川演じる春海こそ攻めの演技を披露しているのだ。物語の終盤に明かされる驚愕の真実は、原作よりやや飛躍している感もあるが、美女二人のバトルは見応えたっぷり。謎解きの舞台のひとつである「アリアドネ」というクラブのセットが実に凝っていて、このミステリーのもうひとつの主役のようである。鏡を多用しさまざまに反射する薄暗い空間では、何が真実か分からないまま流血や暴力が繰り広げられる。アリアドネとはギリシャ神話に登場するクレタ王の娘の名。恋人が迷宮から脱出できるよう糸玉を渡して助けるが、この映画のヒロインははたして迷宮から出ることができたのだろうか。含みを持たせたラストは穏やかだが少し背筋が寒くなるものだ。初共演となる北川景子と深田恭子の女性陣の熱演に対し、男性陣の影が薄いのがちょっと残念だ。
【55点】
(原題「ルームメイト」)
(日本/古澤健監督/北川景子、深田恭子、高良健吾、他)
(心理バトル度:★★★★☆)
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ルームメイト@ぴあ映画生活

映画 謎解きはディナーのあとで

謎解きはディナーのあとで BD-BOX [Blu-ray]
毒舌執事と令嬢刑事コンビが殺人事件に挑む「謎解きはディナーのあとで」。初の劇場版ではアクティブな影山が新鮮だ。

世界的な財閥の令嬢で新人刑事の宝生麗子と、彼女に仕える毒舌執事の影山は、宝生家所有の豪華客船プリンセス・レイコ号に乗り、休暇を楽しんでいた。船内には、有名芸術家の作品の警護にあたる、麗子の上司・風祭京一郎警部の姿も。だが出航直後、船内で殺人事件が発生、姿なきシージャックに船内は混乱する。乗員乗客3,000人を乗せた船が目的地シンガポールに到着するまでの5日間で、事件を解決しようとする麗子と影山だったが、次々に事件が発生し、ついには麗子が犯人から狙われてしまう…。

原作は東川篤哉のベストセラー・ミステリー小説。TVドラマとスペシャル版を経て、初の映画化となった。お嬢様刑事と毒舌執事の凸凹コンビが、毎回難事件に取り組むのがパターンで、トゲのある口調ながらいつも名推理で麗子をサポートする影山の謎解きがお約束。今回の映画版では、いつも邸宅内にいながら謎を解き明かす冷静な影山が、麗子お嬢様を守るために、走り、声を荒げ、ときに変装までするという、熱いキャラクターに変身しているのが面白い。船内には怪しげな人物が山ほどいるが、中でも鍵を握るのが、麗子とは浅からぬ縁がある怪盗ソロスだ。海上の船内は、いわば開かれた密室。舞台設定は魅力的だが、事件の動機や詳細は、あまりに壮大な謎と因縁なので、サラサラと謎解きされると拍子抜けしてしまう。だが、そこはあくまでもコメディ系サスペンス、固いことを言うのはヤボというものだ。個人的には初の映画版ということで、毒舌度数をアップしてほしかったところだが、「お嬢様、今回の事件の真相、皆目、見当もつきません」と影山がまさかのギブアップ宣言をするセリフこそ最大の毒舌なのかもしれない。レギュラーメンバーに加え、宮沢りえ、中村雅俊、桜庭ななみなど豪華ゲスト俳優の出演で楽しい1本になった。
【55点】
(原題「謎解きはディナーのあとで」)
(日本/土方政人監督/櫻井翔、北川景子、椎名桔平、他)
(毒舌度:★★★☆☆)
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パラダイス・キス

パラダイス・キス [DVD]パラダイス・キス [DVD]
人気漫画家・矢沢あいの「NANA」と並ぶ代表作「パラダイス・キス」の映画化は、ファッションがテーマの青春ストーリー。すべてが表層的で、その“ありえなさ”に夢を込めているのだろうか。

有名進学校に通う紫(ゆかり)は、ある日、ファッション業界を目指す専門学校生から、学園祭のショーのモデルにスカウトされ、とまどいと反発を覚える。だが、親のいいなりで勉強を続けてきた紫には、服作りに打ち込む彼らの情熱はまぶしいほどだった。中でも、天才肌のデザイナー、ジョージに、次第に惹かれていく紫だったが…。

アパレル業界とその裾野には、こんな風に夢を追いかけて日々努力している若者が大勢いるのだろう。華やかで厳しいその世界は想像するしかないのだが、この物語のリアリティのなさは、いくらなんでも、あんまりだ。ヒロインの紫が、ショーモデルとして満足に歩けない様子がデフォルメなら、一流のモデルになると決心し、あっさり道が開けるのも唐突。漫画の原作というのは決して低レベルではなく魅力あるものが多いというのに、この物語の展開では「しょせん少女漫画」とバカにされても仕方がない。映画オリジナルと銘打った華々しいラストに至っては、どこまでご都合主義なんだ…とため息しか出ない。生活感も現実性もあまりに希薄な本作、イミテーションのキラキラのような夢のサクセス・ストーリーとして楽しむには、現実を忘れる能力が必要だ。若者向け人気ブランドが提供するコスチュームが個性的で、それぞれのキャラクターにフィットしたアイテムだったのは、楽しかった。
【30点】
(原題「パラダイス・キス」)
(日本/新城毅彦監督/北川景子、向井理、五十嵐隼士、他)
(リアル度:★☆☆☆☆)
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◆ペンネーム:渡まち子
◆映画ライター、映画評論家
◆こんなお仕事やってます:
新聞、雑誌、インターネットで、映画評、映画コラム、DVD紹介などを執筆。他にも、映画コメンテーターとしてラジオ出演、大学での公開講座や企業主催の映画セミナーなど、映画に関する幅広い仕事をこなしながら活動中です。
◆青山学院文学部史学科卒業。西洋史が専攻で、卒業論文はベネチア史。学んだことを生きている間に有効に活かせるのだろうか…と、かなり心配。
◆エトセトラ:
古今東西の映画をこよなく愛す、自他ともに認めるシネフィル(映画狂)です。時に苦言を呈すこともあるその映画批評の基本は、映画へのあふれる愛情と自負しています。どんなダメ映画でも必ずひとつはあるイイところを発見するのが得意技。大のサッカー好きで、欧州リーグからJリーグまでTPOに合わせて楽しんでます。
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