ツレがうつになりまして。 スタンダード・エディション [DVD]クチコミを見る
シリアスな題材をあえて軽やかに描く、ハートウォーミング・ストーリー「ツレがうつになりまして。」。“篤姫”コンビが絶妙だ。
売れない漫画家の晴子と夫の幹男(通称ツレ)は、結婚5年目の仲の良い夫婦。外資系の会社のクレーム処理係のツレは、真面目で几帳面な性格だが、ある日突然、会社に行けなくなり、うつ病と診断される。夫の病気の原因が仕事にあると知った晴子は「会社を辞めなければ離婚する」と宣言し、ツレの療養に専念しつつ、家計を支えるため真剣に漫画に取り組むようになる…。
うつ病というシリアスな題材を、壮絶な闘病記にはせず、ある夫婦が困難を乗り越えていく絆の物語にしたのは、人間の善の側面を見つめてきた佐々部清監督らしい演出だ。もちろん細川貂々(てんてん)の原作にコミカルな味や自虐ネタが満載なのもあるが、大河ドラマ「篤姫」でも夫婦役を演じた主演の二人の相性の良さもあり、ハートウォーミングな物語になっている。実際に画面に登場するユーモラスなイラストの効果も大きい。ツレの経済力に頼りきりで、漫画に対してもどこか“甘え”があった晴子が、世間に対して「ツレがうつになったので、自分が家計を佐支えねばならない。仕事が欲しい!」と宣言し編集者に直訴する場面は、この夫婦の大きなターニングポイントだ。うつという心の病が、計らずも晴子自身を本物の漫画家にする起爆剤となるだけでなく、支え合うという対等な立場になることで、二人を真の夫婦に変えていく。この映画では、心因性うつ病を“宇宙かぜ”と呼ぶ。現代の社会問題であるうつ病には、実際にはより重い側面もあろう。だが、あえて深刻ぶらずに描き、上手な付き合い方をエッセイ風に指南する軽やかさが心地よかった。
【65点】
(原題「ツレがうつになりまして。」)
(日本/佐々部清監督/宮崎あおい、堺雅人、吹越満、他)
(ほのぼの度:★★★★☆)
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