映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評


【本音で語る新作映画レビュー】
シネマッシモでは、映画レビューはネタバレなしのヒントあり。映画を見る前と見た後と、2度読んで楽しめます。
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(点数は100点が、★は5つが満点)
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◎ 今週末の公開映画から オススメの1本! ◎
英・仏合作映画「パディントン2」

大林宣彦

花筐 HANAGATAMI

花 筐 (光文社文庫)
1941年、春。佐賀県唐津に暮らす美しい叔母の元に身を寄せる17歳の俊彦は、美少年の鵜飼、虚無的な吉良、お調子者の阿蘇ら学友と共に“勇気を試す冒険”に熱中している。肺病を患う従妹の美那に恋する一方で、他の女友達とも仲が良く、青春を謳歌していた。しかし彼らの純粋で自由な日常は、次第に戦争の荒波に飲み込まれていく…。

唐津を舞台に太平洋戦争勃発前夜を生きる若者たちの青春群像を描く「花筐 HANAGATAMI」。原作は檀一雄の純文学で、大林宣彦監督が商業映画デビュー作である「HOUSE/ハウス」(1977年)より前に本作の脚本を書いていたというから、念願の映画化ということになる。ガンで余命を宣告されながらも渾身の思いで作り上げた169分の力作は、「この空の花」「野のなななのか」に続く、戦争3部作の最終章。だが、社会派の反戦映画というよりは、昭和カラーが色濃い夢物語のようである。怪奇趣味の幻想ホラー「HOUSE/ハウス」を彷彿とさせる演出が多く見られる本作は、実験的な映像詩のような印象を受けるはずだ。

あえて人工的な特撮や、死や血を意識した鮮烈な色彩は、昭和初期を生きる若者たちの刹那の青春と呼応しているのだろうか。俳優たちの演技も、リアルというより様式美に貫かれていて、観客の好みは分かれそうだ。しかし、どこか受け身の俊彦が叫ぶ「殺されないぞ、戦争なんかに!」や「青春が戦争の消耗品だなんてまっぴらだ」などの台詞を聞けば、まるでセルフオマージュのようなこの幻想絵巻が、実は現代社会をしっかりと照射していることに気付くのだ。「HOUSE/ハウス」で描いた狂乱のブラックユーモアはさすがに封印されているが、その分、豪華な曳山で知られる祭・唐津くんちによって、時代がどれほどきな臭くとも、生きることに執着する人間を肯定するメッセージが焼き付けられている。死を描きながら生をみつめる、まぎれもない“大林ワールド”だ。
【65点】
(原題「花筐 HANAGATAMI」)
(日本/大林宣彦監督/窪塚俊介、満島真之介、矢作穂香、他)
(原点回帰度:★★★★☆)
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カリーナの林檎〜チェルノブイリの森〜

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チェルノブイリ原子力発電所事故がもたらした悲劇を描く「カリーナの林檎〜チェルノブイリの森〜」。少女の可愛らしさ、ピュアな願いが涙を誘う。

ベラルーシに住む少女カリーナは、おばあちゃんの住む村で夏休みを過ごしていた。だがそこは、チェルノブイリ原発事故による居住禁止区域に近く、放射能汚染の危険が高い場所だ。カリーナには、空や川や森、庭のりんごは、いつもと変わらずきれいに見えるのに。ママは発病して入院、パパはロシアに出稼ぎで、家族はバラバラに。やがて、カリーナ自身も発病してしまう。カリーナは、入院先の病院で、友達が病魔に苦しんだ末に亡くなったのを知り、ある決断を下すことに…。

もともとは、今関あきよし監督が入念な現地取材を行い、2004年に「少女カリーナに捧ぐ」として完成していた作品だ。だが当時の日本では、チェルノブイリや原子力発電への関心が低かったために、公開に至らなかった。東日本大震災を経た今、その関心が大いに高まったのは複雑な思いがするが、ともあれ映画は、再編集の後に、劇場公開されることとなった。映画の前半、カリーナが大好きなおばあちゃんの家で過ごす様子は、牧歌的な風景と素朴な暮らしぶりがほほえましく、気持ちがなごむ。だがそこは紛れもない放射能汚染区域。極めて危険な土地なのだ。親戚の家に預けられ、都会生活になじめず、いつも寂しそうなカリーナが痛々しい。ママが言う「チェルノブイリには悪魔のお城があって、悪魔が毒を撒き散らしている」という説明と、おばあちゃんの「悪魔なんか神様がやっつけてくれるさ」という言葉は、やがてカリーナに悲痛な決意を促すことになる。それはいわば神の不在への抗議ともとれる行為だ。原発事故から25年も経った今も、チェルノブイリでは強い放射能が観測され続けている。人類が起こした大きすぎる過ちを、一人で背負うかのような幼い少女の運命に、胸が締め付けられるようだ。撮影当時8歳で演技未経験だったナスチャ・セリョギナの愛らしい姿が忘れがたい。
【60点】
(原題「カリーナの林檎〜チェルノブイリの森〜」)
(日本/今関あきよし監督/ナスチャ・セリョギナ、タチアナ・マルヘリ、リュディミラ・シドルケヴィッチ、他 日本語ナレーション:大林宣彦)
(訴求力度:★★★★☆)
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カリーナの林檎〜チェルノブイリの森〜@ぴあ映画生活

その日のまえに

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大林作品に死はつきもの。だか今回は感動を演出する方法に誤りがある。物語は、余命わずかと宣告された妻と、彼女を見守る夫や子供たちの最後の日々をつづるものだ。たたみかけるようなセリフやカット割は、残り少ない人生を静かに大切に生きる人物の描写には不適切。モチーフとして多用する宮沢賢治の世界観もフィットせず、いきなり素人芝居が入り込んだように見える。この物語はストレートな家族愛だけで十分なはず。美しい詩や音楽は小道具としてさりげなく使うべきだ。過剰なノスタルジーや叙情性が、習慣化した作家性としか映らないようでは才人・大林宣彦の名がすたる。
【35点】
(日本/大林宣彦監督/南原清隆、永作博美、筧利夫、他)
(感動度:★★☆☆☆)

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転校生 さよならあなた

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最近の日本映画の流行なのがセルフ・リメイク。ほとんどの場合失敗だが、この作品も同じだ。設定を変えるのはいいとしても、セリフや感覚がまるで時代おくれ。韓国ドラマじゃあるまいし、難病ものまで加えるとはまったく話にならない。オリジナルが秀作だけに、この出来には怒りさえ覚える。
【20点】
(日本/大林宣彦監督/蓮佛美沙子、森田直幸、清水美砂、他)
(今どきないだろ!度:★★★★)

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22才の別れ Lycoris 葉見ず花見ず物語

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伊勢正三の名曲をモチーフにした恋愛ドラマ。昔の恋人の娘と出会う中年男の心情を細やかな演出で描く。過去と現在の交差、亡くなった人の影などが、大林チック。新味はないが、彼岸花の映像やラストの竹田の祭りの描写など、美しい映像にハッとする。
【30点】
(日本/大林宣彦監督/筧利夫、鈴木聖奈、中村美玲、他)
(映像美度:★★★☆☆)

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◆ペンネーム:渡まち子
◆映画ライター、映画評論家
◆こんなお仕事やってます:
新聞、雑誌、インターネットで、映画評、映画コラム、DVD紹介などを執筆。他にも、映画コメンテーターとしてラジオ出演、大学での公開講座や企業主催の映画セミナーなど、映画に関する幅広い仕事をこなしながら活動中です。
◆青山学院文学部史学科卒業。西洋史が専攻で、卒業論文はベネチア史。学んだことを生きている間に有効に活かせるのだろうか…と、かなり心配。
◆エトセトラ:
古今東西の映画をこよなく愛す、自他ともに認めるシネフィル(映画狂)です。時に苦言を呈すこともあるその映画批評の基本は、映画へのあふれる愛情と自負しています。どんなダメ映画でも必ずひとつはあるイイところを発見するのが得意技。大のサッカー好きで、欧州リーグからJリーグまでTPOに合わせて楽しんでます。
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