映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評


【本音で語る新作映画レビュー】
シネマッシモでは、映画レビューはネタバレなしのヒントあり。映画を見る前と見た後と、2度読んで楽しめます。
映画評サイトもこのブログで4代目になりました。すべての映画好きを歓迎します!
(点数は100点が、★は5つが満点)
シネマッシモとは、シネマ(映画)とマッシモ(イタリア語でmax,最大)とを組み合わせた造語。
どうぞゆっくり楽しんでください \(^▽^)/

◎ 今週の気になる映画 ◎
「パッセンジャー」「キングコング 髑髏島の巨神」etc.

岡田将生

秘密 THE TOP SECRET

秘密 THE TOP SECRET 豪華版(初回限定生産) [Blu-ray]
近未来の日本。死者の脳をスキャンし、生前の記憶を映像化するMRIスキャナーを捜査に導入し、迷宮事件を解決する科学警察研究所法医第九研究室、通称、第九。室長で若き天才、薪剛や、新しく第九に配属された新人捜査官の青木一行らは、家族を惨殺した罪で死刑になった男・露口の記憶を映像化するミッションに挑む。だが男の脳をスキャンすると事件を根底から覆す真犯人が映っていた。さらに、事件は次々に連鎖し、決して触れてはならない第九の闇、貝沼事件へとつながっていく。薪の親友で元・第九メンバー、今は亡き鈴木が自分の命と引き換えにしてまで守ろうとした、第九最大の秘密がそこに隠されていた…。

清水玲子の人気コミックを実写化したサスペンスミステリー「秘密 THE TOP SECRET」。死者の記憶を映像化できるMRIスキャナーを駆使した科学捜査という設定が、まるでアメリカのTVドラマのようでユニークだが、ここには大きな問題がある。目に映ったものは個人の感情が受け止めるため、事実が記憶に変化する際に、情報を受け取った人が持つ主観や視点に左右されてしまうのだ。歪められた記憶が、この奇想天外なサスペンスを複雑、かつ、人間臭くしている。第九の室長・薪と、彼の親友の今は亡き鈴木が共有しているのは、人の人生を狂わせる凶悪犯・貝沼の脳の映像だ。禁断の貝沼事件へと導く入り口となるのは、露口一家殺人事件にかかわる謎の少女・絹子である。モデル出身の織田梨沙が演じるサイコな少女は、一般的な意味の美少女とは少し違うのに、圧倒的な存在感と目力で強烈な印象を残す。絹子に翻弄されながら、青木や薪がたどり着くその先には、ある秘密が。絹子が登場するシーンのほとんどが、夢と現実が混濁する残酷なファンタジーのような映像美に彩られていて、幻想的だ。死者の脳を使って行う捜査は他人の記憶や秘密を覗き見ること。明るみにしてはいけない真実もあり、自分自身の深淵を見ることにもつながる、禁断の行為だ。そこには、死者のプライバシーの侵害という、決して小さくない問題が浮かび上がる。映像は斬新なセンスでビジュアル化されていて、引きこまれる。どこか無国籍な世界観や、科学という理詰めの中に怒涛の感情が流れ込む矛盾した設定など、不思議な手触りの作品に仕上がっている。
【60点】
(原題「秘密 THE TOP SECRET」)
(日本/大友啓史監督/生田斗真、岡田将生、吉川晃司、他)
(映像美度:★★★★☆)
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ストレイヤーズ・クロニクル

ストレイヤーズ・クロニクル Blu-ray
悲しい宿命を背負った異能力者たちの戦いを描くSFアクション「ストレイヤーズ・クロニクル」。まるでX-MENの劣化版。

1990年代の初めに極秘実験によって生まれた異能力者たちがいた。その実験とは、一方のグループには両親に強いストレスを与え子供に突然変異を促し、もう一方のグループには遺伝子操作によって子供に動物や昆虫の能力を持たせるというもの。やがて彼らは大人になるが、特殊能力ゆえに悲しい宿命を背負っていた。視力・聴力・筋力などを異常発達させられた昴とその仲間たちは、外務副大臣・渡瀬の命令で、やむを得ずさまざまな裏の仕事を遂行していたが、同じ異能力者である学が率いる暗殺者集団が現れ、激しく対立することになる…。

原作は本多孝好の同名小説。瀬々敬久監督とアクション映画の組み合わせが、まず違和感大だが、原作通りとはいえ、あまりにも“X-MEN”的な設定に苦笑いする。ご丁寧にチーム・アゲハのリーダーの学は車椅子に乗っているときたモンだ。それぞれの個性的な能力は、内輪の喧嘩で威力を発揮するレベルで迫力は皆無。若手中心のキャスティングは“ファースト・ジェネレーション”チックだが、無論、X-MEN的な壮大な展開は望めない。そもそも彼らを生みだした黒幕の、人類滅亡を切望する理由があまりに個人レベルすぎやしないか。若者たちの悲しい宿命とは、特殊能力を得たがゆえに若くして精神崩壊を起こす“破城”が運命付けられていること。この映画そのものが“破城”じゃないのか?!とつっこみたくなるのは、私だけではないと思うゾ。異能力のひとつである昆虫の特性をよりデフォルメすれば往年の少年マンガのような奇抜な面白さがうまれたかも。残念だ。
【20点】
(原題「ストレイヤーズ・クロニクル」)
(日本/瀬々敬久監督/岡田将生、染谷将太、成海璃子、他)
(残念度:★★★★★)
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エイプリルフールズ

1年に一度だけ嘘をついても許される日、エイプリルフール。対人恐怖症の清掃員・あゆみは一晩だけ関係をもった天才外科医・亘に妊娠を告白するが、亘はエイプリルフールの冗談だと思い本気にしない。あゆみは、美人CAとランチデート中の亘がいるイタリアンレストランに向かう。同じ頃、さまざまな人がついた、七つの小さな嘘がからみあい、思いもよらない大騒動が巻き起こっていた…。

大ヒットドラマ「リーガルハイ」の脚本・監督コンビによる群像劇だが、ユルすぎる内容に脱力。特に脚本の古沢良太は、快作映画「キサラギ」が素晴らしかっただけに、ひさびさのオリジナル・ストーリーに期待していたのだ、私は! 物語は、レストランでの籠城事件「イタリアンレストランでの大惨事」を中心に、「ロイヤル夫妻の休日」「不器用な誘拐犯」「占い老婆の真実」「42年ぶり涙の生還」「僕は宇宙人」「ある大学生の行末」の7つのエピソードが描かれ、少しずつからみあうというお決まりのスタイル。コメディーなのだからディテールが甘く、からみも強引なのはある程度仕方がないとはいえ、笑いも涙も中途半端では、観客は気持ちの持っていきようがない。総勢27人の豪華キャストは1人ひとりが主役クラスでホントに豪華。対人恐怖症やSEX依存症という、今までにない役に挑んでいる俳優陣の頑張りがかえって哀愁を誘う。プレス資料によると、監督は「バカ映画だと思ってほしい」と書いている。ウン、そう思ったゾ、あらゆる意味で!
【40点】
(原題「エイプリルフールズ」)
(日本/石川淳一監督/戸田恵梨香、松坂桃李、ユースケ・サンタマリア、他)
(豪華キャスト無駄使い度:★★★★☆)
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映画 ST赤と白の捜査ファイル

【早期購入特典あり】ST赤と白の捜査ファイル Blu-ray BOX (赤と白のクリアファイル特典付)
異色刑事ドラマの劇場版「映画 ST赤と白の捜査ファイル」。赤城と百合根VS生意気な子供という構図が楽しい。

天才ハッカーによる囚人脱獄事件が発生。犯人の鏑木が焼死体で発見される。殺人の容疑者として逮捕されたのは、なんと警視庁科学特捜班“ST”のリーダー、赤城左門。赤城はあっさり罪を認め、リーダー逮捕によりSTは解散となった。だが赤城の脱獄により彼を追跡するため再びSTが招集されることに。一方、赤城の無実を信じる百合根は、独自の捜査で、世界中のあらゆるパスコードを突破できるサイバーウイルス“フギン”が事件の鍵であることを突き止める…。

原作は、今野敏の小説「ST 警視庁科学特捜班」シリーズ。それをベースにしたテレビドラマの劇場版だが、キャッチコピーにある通り、超・早い映画化だ。いわゆる警察バディもので、それぞれ特殊能力を持つ科学捜査班のメンバーの個性、とりわけオレ様キャラの赤城と“良識派”キャップの百合根の夫婦漫才的な掛け合いの面白さがウリ。初の劇場版では、全員の見せ場をバランスよく配しているが、特に物言わぬ黒崎は、アクションをたっぷり披露している。全体的にユルい作りであることは否めないが、特徴的なタイポグラフィーが効いていて、随所にカウントダウンが示されるので、ダレることはない。謎のウイルスを巡りその黒幕と目的を追ってSTが活躍するストーリーだが、本作で描きたいのは謎解きよりもSTのメンバーの強い絆だ。殺人容疑をかけられた赤城の真の目的を知れば、ファンなら胸が熱くなるはず。映画としては、正直、TVのスペシャル版のレベルで同窓会的なノリではあるが、サービス精神満載なので、ドラマファンには見逃せない1本だ。
【55点】
(原題「映画 ST赤と白の捜査ファイル」)
(日本/佐藤東弥監督/藤原竜也、岡田将生、志田未来、他)
(仲間の絆度:★★★★☆)
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映画 ST赤と白の捜査ファイル@ぴあ映画生活

想いのこし

想いのこし [DVD]
金目当てに死者の願いを叶える青年の心の成長を描くファンタジー・ドラマ「想いのこし」。岡田将生のコスプレ大会か?!

金と女に目がないダフ屋のガジロウは、ある日、交通事故に遭遇。その事故で命を落としたユウコら、3人のポールダンサーと運転手の幽霊の姿が見えるようになる。ガジロウにしか見えない4人はそれぞれ成仏できない事情を抱えていて、大金と引き換えに想いを届けてくれるよう、ガジロウに懇願する。金目当てで引き受けたガジロウだったが、次第に彼の心に変化が起こる…。

原作は岡本貴也の小説「彼女との上手な別れ方」。金と女にしか興味がないお気楽な29歳の主人公に、なぜか幽霊たちが頼み事をするという設定はユニークだが、幽霊たちの生前の恋や仕事、幼い息子への愛情や、自分の姿が見えない人の横に寄り添いながら見守るなどの設定は、さして目新しいものではない。むしろ何かに対して一生懸命になったり、他人と真剣に向き合うことがなかった、いいかげん男のガジロウが、初めて人(相手は幽霊だが)と真摯な関係性を持つことで成長してい過程が興味深い。身代わりで結婚式を挙げたり、野球部員を励ましたり、地味な作業で仕事に貢献したり。すべてはガジロウにとって今まで知らなかった人生の側面なのだ。彼らは想いをとげたら成仏していくが、その別れを悲しむガジロウの心は明らかに変化している。とりわけヒロコと、ヒロコの息子でしっかりもののコウタロウの深い思いを知ったときは損得抜きで動いてしまうのだ。それにしても物語のディティールはかなりいいかげん。高校生がポールダンサー? 素人が火事の現場で大活躍? まぁ、ファンタジーだし、ウェディングドレス姿やポールダンスまで披露する岡田将生の熱演に免じて、固いことは言わないでおこう。ラスト、幼いコウタロウをベタに愛したりせず、自分なりのやり方でドライにサポートするガジロウの姿は、しめっぽさを払しょくしてくれた。
【60点】
(原題「想いのこし」)
(日本/平川雄一朗監督/岡田将生、広末涼子、木南晴夏、他)
(ファンタジック度:★★★★☆)
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想いのこし@ぴあ映画生活

オー!ファーザー

オー!ファーザー [Blu-ray]
4人の父親を持つ高校生が謎の拉致事件に巻き込まれるサスペンス・コメディ「オー!ファーザー」。このテンポの悪さはいったい何?!

高校生の由紀夫は、自分こそが父親だと自称する4人の男と同居している。風変りな生活だが、それでも4人の父は息子に精一杯の愛情を注いでいた。ある日、由紀夫はサラリーマン風の男が鞄をすり替えられるのを目撃し、それをきっかけに何者かに拉致されてしまう。不登校の同級生、地元のヤクザ、街を二分する知事選挙…。すべてが繋がっていた。由紀夫から助けを求められた4人の父親たちは、一致団結して息子の救出作戦を練るのだが…。

原作は次々に作品が映画化される伊坂幸太郎。井坂作品の映画を既見の人なら、バラバラだったエピソードがやがてひとつにつながっていく展開は容易に想像できるだろう。本作もそのセオリー通りに進むのだが、今回は何ともテンポが悪い。4人の父親が、それぞれ大学教師の悟、チョイ悪でギャンブラーの鷹、ケンカ指南もする体育教師の勲、女たらしの元ホストの葵と、キャラが立っているのはいいとしても、やっぱり仲良く暮らす父親4人という設定はあまりに突飛だ。事件の展開や救出作戦も、偶然に頼りすぎているし、何と言ってもクライマックスの救出劇がショボすぎていただけない。由紀夫のガールフレンド多美子のキャラにまったく魅力がないのも見ていてツラいところだ。要するにサスペンスとしてはほとんど見どころがないのだが、4人の父親たちが人生の先輩として、知識やケンカのコツ、女とのつきあいや世渡りのノウハウを教え、それが節々で活かされるのは、ちょっと楽しい。この作品は、風変りな家庭環境で育つ主人公が、大人の愛でちょっとだけ成長するお話なのだ。
【55点】
(原題「オー!ファーザー」)
(日本/藤井道人監督/岡田将生、忽那汐里、佐野史郎、他)
(父子愛度:★★★★☆)
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偉大なる、しゅららぼん

偉大なる、しゅららぼん プレミアム・エディション [Blu-ray]
琵琶湖のほとりを舞台に不思議な力を持つ一族とそのライバルが繰り広げる騒動を描く「偉大なる、しゅららぼん」。ユルい笑いと摩訶不思議な世界観を楽しみたい。

琵琶湖畔の街・石走のお城に住む日出一族は、先祖代々不思議な力を継承してきた。本家の跡取り息子で最強の力を持つ淡十郎のもとに、分家の涼介が修行のため居候することになる。涼介は淡十郎と同じ高校に入学するが、淡十郎とお揃いの真っ赤な学生服を着せられ、いつしか殿とお供の関係に。淡十郎は、同じ高校に通う、1300年にわたり日出家とライバル関係にある棗(なつめ)一族の跡取り息子・広海とは何かといがみあっていた。淡十郎が恋した美少女・速水沙月が広海に思いを寄せていることが分かると、この小さな失恋が、やがて両家の対立を深めるだけでなく、世界を滅ぼしかねない大騒動を巻き起こすことになる…。

タイトルからして不思議系の本作は、「鴨川ホルモー」や「プリンセス・トヨトミ」が映画化され、摩訶不思議な世界観が持ち味の万城目学の同名小説を原作とする“パワースポット・アドベンチャー”だ。ライバル同士の争いや思いもよらない敵との対峙を経て、琵琶湖を真っ二つに割る神がかり的激闘へとなだれ込む…と説明すると、一大アクション大作に聞こえてしまうが、実情は、マキメ・ワールドと呼ばれて親しまれるユルユルの笑いの世界で繰り広げられる若者の成長物語だ。日本最大のパワースポット琵琶湖には、数々の言い伝えがあるが、ここでは、日出家と棗家が不思議な力を持つ一族としていがみあっているという設定だ。とにかく登場するキャラが激しく立っている。浮世離れした殿の淡十郎、淡十郎の姉で最強の力を持つグレート清子、涼介の師匠でマイペースの濤子、物忘れが激しい船頭の源次郎にどこか怪しい校長先生と、奇怪なキャラが次々に登場し、飽きさせない。だが物語の根底のテーマは、不思議な力に対する葛藤と、本当の力とその意義を問うものだから、案外真面目な作品なのだ。終盤の、琵琶湖の底に眠る“あるもの”を探しに行くシークエンスは、怒涛のファンタジー世界。非日常とは、日常のすぐそばに同居するものなのかもしれない。濱田岳と岡田将生がW主演となるが、この二人の掛け合いの面白さが見所。琵琶湖周辺の彦根城や竹生島などのパワースポット系ロケ地も楽しみたい。エンドロールの後に明かされる“しゅららぼん”の意味には、激しく脱力だ。
【65点】
(原題「偉大なる、しゅららぼん」)
(日本/水落豊監督/濱田岳、岡田将生、深田恭子、他)
(摩訶不思議度:★★★★☆)
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偉大なる、しゅららぼん@ぴあ映画生活

潔く柔く きよくやわく

潔く柔く (2枚組 本編BD+特典DVD) [Blu-ray]
過去にとらわれる男女が新しい恋に踏み出す姿を描く「潔く柔く きよくやわく」。どこかで見たことがある設定ばかりだが、後味は悪くない。

瀬戸カンナは、10代の頃に、幼馴染のハルタを事故で失ってしまう。カンナは、ハルタが自分に恋心を抱いていた事実に気付かなかったことに責任を感じ、大人になっても恋愛に踏み出せないでいた。ある日、仕事先で赤沢禄(ロク)に出会い、ズケズケとものを言う彼にとまどい憤慨するが、実はロクも幼い頃に喪失の罪悪感を抱えていたことを知る。カンナとロクはやがて互いに惹かれあっていくのだが…。

原作はいくえみ綾の大ベストセラーコミック。何でも“いくえみ男子”という言葉があるほど、この原作者が描く男子キャラは人気があるらしい。イケメン、傷ついた過去、ぶっきらぼうな中に隠された優しさ。女子なら誰でもツボにはまるのも頷ける男子像だ。物語は不幸を内包する男女の切ない恋愛もので、ひとつひとつの設定は既視感がある。カンナは恋愛と友情の狭間にいたハルタの自分への恋心を知らず、他の男子とのデートの最中にハルタを事故で亡くしたことで、罪悪感を感じている。一方、悩みなど何もなさそうに見えるロクもまた、実は小学生の頃、同級生の女の子と一緒に事故に遭い、自分だけ生き残ってしまったというつらい過去があった。そんな二人が最悪の出会いから、互いに惹かれあい、やがて最愛の人へと変わるという、これまた恋愛映画のセオリー通りの展開は、女子の心を否が応でもときめかせるものである。長澤まさみを始め、主要キャストが、15歳という少々無理な年齢から大人になるまでを一人で演じる。見る前はいくらなんでも無理があると感じたのだが“自然”とまではいかなくても、思ったよりOKだったのは、映画全体を包むまっすぐな純愛ムードのおかげだろうか。実際キャストは皆好演で、特に最近では悪役やおバカな役など、個性的で多彩な役柄に挑んでいる岡田将生が、表面は明るくふるまうが、心に重荷を抱えた難しい役柄を上手く演じている。最初は“イヤなヤツ”だったロクがやがて好青年に変わる頃、映画には胸キュンのラストが待っているのだ。
【55点】
(原題「潔く柔く」)
(日本/新城毅彦監督/長澤まさみ、岡田将生、波瑠、他)
(切なさ度:★★★★☆)
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潔く柔く@ぴあ映画生活

謝罪の王様

謝罪の王様 [Blu-ray]
架空の職業“謝罪師”がさまざまなトラブルを解決するハイテンションなドタバタコメディ「謝罪の王様」。おバカな笑いと感動エピソードのさじかげんがいい。

帰国子女の典子はヤクザ相手に追突事故を起こすが謝り方を知らずに事態をこじらせてしまう。そこでプロの謝罪師で「東京謝罪センター」所長の黒島に依頼したことがきっかけで彼のアシスタントになる。二人は、セクハラで訴えられた下着メーカーの社員や、息子の不祥事で謝罪会見を開く大物俳優、ついには国家間に発生した外交問題までも、あらゆる謝罪テクニックを使って、解決していくが…。

脚本・宮藤官九郎、監督・水田伸生、主演・阿部サダヲ。「舞妓 Haaaan!!!」「なくもんか」を手掛けた最強トリオの新作は、謝罪がテーマだ。謝罪師とはもちろん架空の職業だが、謝りたおして何でも解決してしまうというアイデアは、まずは謝っておこうという“日本人気質”を突いていて面白い。クドカンらしさは、ハイテンションのギャグとデフォルメしたキャラクターだが、それは本作でも健在だ。エピソードは6つ。それぞれバラバラのようで、実は少しずつ重なる部分がある。「東京謝罪センター」という名で勝手に呼んでいる喫茶店「泣きねいり」で、登場人物たちがすれ違っていく様と、ある程度の年齢の人間なら謝った過去のひとつやふたつはあるだろうという経験値が、一見バラバラのエピソードが重なるたびに、少しずつ共感を呼ぶ。6つのエピソードがラストで一気につながる展開は、上手くできているなぁと思わず感心。もっとも「わき毛ボーボー、自由の女神!」がキーワードというのは、いくらなんでもおふざけが過ぎる気がして苦笑してしまうが。「土下座を超える謝罪」や「謝るとき、人は誰でも主人公」などの名言(迷言?)には不思議な説得力がある。最後には祝祭的なハッピーエンドへとなだれ込んで、観客のテンションをあげてくれるのも楽しい。バカバカしい謝罪もあれば、本当に人の心をくんで頭を下げるケースも。主人公の黒島がなぜ謝罪師になったのかというエピソードにこそ、その謝罪のエッセンスが詰まっていた。ラストの謝罪ダンス・パフォーマンスまで、たっぷりと楽しもう。
【60点】
(原題「謝罪の王様」)
(日本/水田伸生監督/阿部サダヲ、井上真央、岡田将生、他)
(お笑い度:★★★★☆)
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映画 ひみつのアッコちゃん

映画 ひみつのアッコちゃん(本編BD1枚+特典DVD1枚) [Blu-ray]映画 ひみつのアッコちゃん(本編BD1枚+特典DVD1枚) [Blu-ray]
赤塚不二夫の国民的マンガを実写映画化した「映画 ひみつのアッコちゃん」。綾瀬はるかのコスプレがなんとも楽しい。

10歳の小学生・加賀見あつ子、通称アッコちゃんは、ある日、鏡の精から魔法のコンパクトをもらう。テクマクマヤコン…と呪文をとなえるとどんな人にも変身できるそのコンパクトで、アッコは22歳の大学生に大変身。偶然出会った、大手化粧品会社の社員・早瀬尚人に気に入られ、企画開発室でバイトすることになる。大人の世界を満喫するアッコだが、その会社は実は買収の危機にさらされていた。見た目は大人でも心は小学生のアッコは、子供らしいアイデアとコンパクトの魔法で、淡い恋心を抱く尚人と、会社を助けようと奮闘するのだが…。

原作は、故・赤塚不二夫が1960年代に少女マンガ誌で連載した名作漫画。いつの時代にも乙女心を刺激する変身願望と、今や不動の人気ジャンル“魔法少女”ものの原点ともいえるアイデアは、常に人々を魅了してきた。過去にもTVアニメ化はされたが、今回は誕生50周年ということで、まさかの実写映画化である。綾瀬はるかと岡田将生という美男美女を得たものの、基本的にはキワモノすれすれのこのお話、ポップでカラフルな映像と徹底した明るさで、スラップスティック・コメディ路線で楽しむのが良さそうだ。アッコちゃんは、最初は大好きなおしゃれやメイクのし放題で「大人ってサイコー!」とはしゃぐが、やがて真の大人に必要なのは、責任感と努力で、仕事とは地道な作業の積み重ねだということを理解していくから、なかなかまっとうな筋である。企業買収の裏側にある陰謀を、子供らしい“正論”で論破するあたりなど、正しい行いとは?と、思わず襟を正したくなるはずだ。まぁ、そんな真面目なテーマはさておき、綾瀬はるか演じるアッコちゃんの変身ぶりが実に楽しい。似合うか似合わないかは問題外のコスプレと、さまざまな人の内面にアッコちゃんがいる楽しさ。演じるベテラン俳優たちも、小学生になりきってコミカルな名演技を披露する。10歳のヒロインが大人の世界に紛れ込むことで、社会というのも所詮は子供の世界の延長線上にあることを教えられた。モラルや正直な生き方など、大人は言いたくても言えないときがあるが、それを真正面から言ってくれるのがアッコちゃんだ。映画では人気のジャンルで、人の中身が入れ替わる“入れ替わりもの”のパワーの源は、願うということなのかもしれない。
【50点】
(原題「映画 ひみつのアッコちゃん」)
(日本/川村奏祐監督/綾瀬はるか、岡田将生、香川照之、他)
(キュート度:★★★★☆)
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映画 ひみつのアッコちゃん@ぴあ映画生活
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プロフィール
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◆ペンネーム:渡まち子
◆映画ライター、映画評論家
◆こんなお仕事やってます:
新聞、雑誌、インターネットで、映画評、映画コラム、DVD紹介などを執筆。他にも、映画コメンテーターとしてラジオ出演、大学での公開講座や企業主催の映画セミナーなど、映画に関する幅広い仕事をこなしながら活動中です。
◆青山学院文学部史学科卒業。西洋史が専攻で、卒業論文はベネチア史。学んだことを生きている間に有効に活かせるのだろうか…と、かなり心配。
◆エトセトラ:
古今東西の映画をこよなく愛す、自他ともに認めるシネフィル(映画狂)です。時に苦言を呈すこともあるその映画批評の基本は、映画へのあふれる愛情と自負しています。どんなダメ映画でも必ずひとつはあるイイところを発見するのが得意技。大のサッカー好きで、欧州リーグからJリーグまでTPOに合わせて楽しんでます。
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