映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評


【本音で語る新作映画レビュー】
シネマッシモでは、映画レビューはネタバレなしのヒントあり。映画を見る前と見た後と、2度読んで楽しめます。
映画評サイトもこのブログで4代目になりました。すべての映画好きを歓迎します!
(点数は100点が、★は5つが満点)
シネマッシモとは、シネマ(映画)とマッシモ(イタリア語でmax,最大)とを組み合わせた造語。
どうぞゆっくり楽しんでください \(^▽^)/

◎ 今週の気になる映画 ◎
「あさひなぐ」「ナミヤ雑貨店の奇蹟」「プラネタリウム」「ユリゴコロ」etc.

工藤夕貴

カラカラ



沖縄を舞台に少し風変わりな男女の友情と心の旅を描く「カラカラ」。癒し系のユルい物語かと思いきや、思いがけない展開になる。

カナダ人で元大学教授のピエールは、気功クラスの合宿のため沖縄を訪れている。滞在期間の残りの1週間をかけて島を旅する計画だったが、東京からの移住者で、流暢な英語を話す主婦の純子と出会い、意気投合する。二人の関係は、“旅の思い出”で終わるはずだった。しかし翌日、夫の暴力に耐えかねて逃げてきた純子が同じホテルに泊まっており、ピエールの旅に通訳も兼ねて同行したいと申し出る。とまどうピエールだったが彼女をほっておくわけにもいかず、しぶしぶ受け入れることに。国籍、年齢、環境の異なる2人は、価値観の違いからしばしば衝突するが、次第に奇妙な友情が芽生える…。

カナダ人のクロード・ガニオン監督は「Keiko」や「KAMATAKI -窯焚-」など、日本にこだわった作品を作る映画作家。今回描くのは、複雑な歴史を内包しつつ、豊かな自然が美しい沖縄を舞台にした、風変わりな男女の触れ合いの旅だ。互いに問題を抱えるピエールと純子は、この旅によって自分を見つめ直すことになるが、決心や勇気、自立などといった大げさなものではなく、どこまでもさりげなく、人生の“迷走”の一場面をスケッチする。言葉が通じるということ以外、特に共通項もない2人だが、突如、男女の関係になったり、厚かましさや気弱さを平気でさらしながら、思いがけない旅をする。大人の家出のようなその旅は、緊張感とは無縁ののんびりしたものだが、先読み不能のスリルも。魅力的なのは映画のサウンドだ。風のざわめき、波の音、沖縄民謡などが、ドラマの中でとても繊細に響いている。冒頭の気功クラスの描写が美しいが、終盤に描かれる沖縄伝統の織物“芭蕉布”など、固有の文化を盛り込んだ演出も、味わい深い。タイトルの「カラカラ」とは、沖縄名物の泡盛を入れる酒器の名前。空になった泡盛の器は「満たしてください」と音を鳴らすのだそうだ。国際派女優の工藤夕貴が、少し情緒不安定ながら、言いたいことははっきりと言う、個性的なヒロインを好演している。
【55点】
(原題「KARAKARA」)
(日本・カナダ/クロード・ガニオン監督/ガブリエル・アルカン、工藤夕貴、富田めぐみ、他)
(癒し度:★★★★☆)
チケットぴあ

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カラカラ@ぴあ映画生活

リミッツ・オブ・コントロール

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映画は論文ではないのですべてを説明する必要はない。語られない部分に対して想像力を刺激してくれれば、その作品は十分に魅力がある。ジャームッシュのこの新作はまさにそんな1本だ。“孤独な男”というコードネームの殺し屋が、ある任務を遂行するためにスペイン中をさまよう。その任務とは「自分こそ偉大だと思う男を葬れ」というもの。そんな彼の前にさまざまな仲間たちが現れては消えてゆくが、彼らは一様に謎めいた言葉を残していく。

主人公はジャームッシュ作品の常連のイザック・ド・バンコレだが、彼の周囲をビル・マーレイ、ガエル・ガルシア・ベルナル、ティルダ・スウィントン、工藤夕貴ら、国際俳優たちが豪華に彩る。トレンチコートやカウボーイハットなどで、映画ジャンルを睨んだ演出を施しているので深読みしたくなるが、これはジャームッシュの遊び心だろう。物語は、暗殺という衝撃的な結果に向かって進むが、会話や行動は犯罪とはほとんど無関係。美術館の絵はヒントだが、それも決して答えではない。ストイックに任務を遂行した主人公は再び空港から旅立つが、宇宙には中心も端もないという映画冒頭のセリフのように、この物語も男の意識の流れの中のある部分を切り取ったにすぎない。決して分かりやすい映画ではないので誰にでもは勧められないが、物語として納得したいのなら、心の旅ととらえてみるのもいいだろう。現実と非現実が交差する光景を色彩豊かに写したクリストファー・ドイルの映像が魅力的。何より、不可思議な幻想世界を漂う感覚が、ジャームッシュ好きにはたまらなく快感なのである。
【70点】
(原題「The Limits of Control」)
(スペイン・アメリカ・日本/ジム・ジャームッシュ監督/イザック・ド・バンコレ、ティルダ・スウィントン、工藤夕貴、他)
(夢うつつ度:★★★★☆)

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BLOOD THE LAST VAMPIRE

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実写映画「ラスト・ブラッド」のオリジナルで、Production I.Gによる原作を基にフルデジタルで作られた短編アニメーション作品。企画協力は押井守、監督はプレステ版ゲーム「功殻機動隊」のアニメパートの監督で実力を認められた北久保弘之が務めている。48分と長さは短いが、そのクオリティの高さは、クエンティン・タランティーノらハリウッド映画界も注目したほどだ。ベトナム戦争のさなかの1966年を背景にするなど、ユニークな視点を盛り込み、少女と怪物が繰り広げる戦いを描くアクション・ホラーである。米軍横田基地内のアメリカンスクールが舞台のため、セリフの9割は英語。ヒロインの声は国際派女優の工藤夕貴が担当している。

人間界に潜む吸血鬼“翼手”を倒すため、吸血鬼退治を行う「組織」は、米軍・横田基地内のアメリカン・スクールに小夜(SAYA)という少女を送り込む。彼女は日本刀を武器に戦う、最強のヴァンパイア・ハンターだ。女生徒になりすました翼手の正体を見抜き、激戦の末に勝利するが、その戦いに保健医の女性を巻き込んでしまう…。

ヒロインの小夜は、鋭い目つきに厚い唇と、なかなか魅力的だ。無愛想だがそれは長い間孤独に生き、深い悲しみを背負っているため。3Dで作られた映像はリアルかつ美しく、地下鉄での死闘は実写版よりこちらの方が迫力を感じるほどだ。

アニメーション、映画、小説、漫画、コンピュータゲームとメディアミックスの典型的な作品で、後に、世界観を共有する続編「BLOOD+」が作られるなど、展開は幅広い。徹底してクールな物語、容赦ない残酷描写、音響やライティングにこだわりを見せるなど、手の込んだ秀作アニメーションだが、これ1本ではやはり物語の背景がつかみきれない。後に尾を引く“消化不良感”が残るあたり、逆にカルト映画らしさを感じさせる、隠れた逸品だ。

(声の出演:工藤夕貴、中村佐恵美、JOE ROMERSA、他)
(2000年/日本/北久保弘之監督/原題「BLOOD THE LAST VAMPIRE」)

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春よこい

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国際派女優の工藤夕貴主演の小品は佐賀の漁村が舞台。指名手配のポスターに写る父の写真を見つめる少年の姿を、新聞記者が“感動記事”にしたことから激変する一家の物語だ。田舎町ゆえの人情と偏見が親子を追いつめるが、同時に突破口にもなる。懸命に生きる親子の愛は心温まるものの、物語は古臭く、彼らを助ける周囲の人間の描写も中途半端。ただ、報道による暴力というマスコミ批判を含むなど、意外な鋭さがあった。
【50点】
(日本/三枝健起監督/工藤夕貴、西島秀俊、時任三郎、他)
(ご当地映画度:★★★★☆)

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◆ペンネーム:渡まち子
◆映画ライター、映画評論家
◆こんなお仕事やってます:
新聞、雑誌、インターネットで、映画評、映画コラム、DVD紹介などを執筆。他にも、映画コメンテーターとしてラジオ出演、大学での公開講座や企業主催の映画セミナーなど、映画に関する幅広い仕事をこなしながら活動中です。
◆青山学院文学部史学科卒業。西洋史が専攻で、卒業論文はベネチア史。学んだことを生きている間に有効に活かせるのだろうか…と、かなり心配。
◆エトセトラ:
古今東西の映画をこよなく愛す、自他ともに認めるシネフィル(映画狂)です。時に苦言を呈すこともあるその映画批評の基本は、映画へのあふれる愛情と自負しています。どんなダメ映画でも必ずひとつはあるイイところを発見するのが得意技。大のサッカー好きで、欧州リーグからJリーグまでTPOに合わせて楽しんでます。
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