映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評


【本音で語る新作映画レビュー】
シネマッシモでは、映画レビューはネタバレなしのヒントあり。映画を見る前と見た後と、2度読んで楽しめます。
映画評サイトもこのブログで4代目になりました。すべての映画好きを歓迎します!
(点数は100点が、★は5つが満点)
シネマッシモとは、シネマ(映画)とマッシモ(イタリア語でmax,最大)とを組み合わせた造語。
どうぞゆっくり楽しんでください \(^▽^)/

◎ 今週末の公開映画から オススメの1本! ◎
チリ他合作映画「ナチュラルウーマン」

忽那汐里

海難1890

海難1890 [Blu-ray]
1890年。オスマン帝国から日本へ派遣されていた親善使節団をのせた軍艦エルトゥールル号が座礁して大破、和歌山県串本町沖で沈没する。乗組員500名以上が海に投げ出され、そのほとんどが命を落とすが、医師の田村と助手のハルら、地元住民が総出で救出活動にあたり、69名の命を助ける。1985年。イラン・イラク戦争中のイラン・テヘランでは、空爆が続き、日本政府は危機的状況を理由に在イラン日本人の救出を断念する。そんな中、トルコ政府は日本人のために救援機を差し向けることを決断する…。

日本とトルコの友好の絆を“1890年エルトゥールル号海難事故編”と“1985年テヘラン邦人救出編”の2部構成で描く「海難1890」。日本とトルコの間にこんな歴史秘話があったことを、私はこの映画で初めて知った。いわゆる美談という類の話だが、1890年、まだ外国人の姿さえ珍しい時代に貧しい村人が「人を助けたい」という思いだけで、救助活動を行う真摯な姿は感動的で胸を打つ。一方で、1985年のテヘランからの脱出劇は、近過去ということもあって、リアルでサスペンスフルだ。2015年は日本とトルコの友好125周年にあたる。日本・トルコ両国の全面協力で作られた本作は、人が人を思いやる気持ちには国境など関係ない、両国の交流は政治レベルより民間レベルが支えていて、それは今も続いているというメッセージが込められている。全面的に賛成だし、映画はもちろん、いい話だ。だがひとつだけひっかかるのは、イラン・イラク戦争の時、日本政府があっさりと邦人救出をあきらめたことに、ほとんど触れていない点だ。資料には、就航便がなかったことがその原因とあるが、政治的な理由があったにせよ、日本政府の対応に失望を感じるのは私だけではないはずだ。一方で、フセインの暴挙の前で、日本人に手を差し伸べてくれたトルコ政府の決断は、まさに英断。感謝の言葉しかない。忽那汐里とトルコ人俳優ケナン・エジェの両俳優が、1890年編と1985年編の両方に出演することで、大切なメッセージが時と場所を越えてつながったように感じられた。
【65点】
(原題「海難1890」)
(日本・トルコ/田中光敏監督/内野聖陽、忽那汐里、夏川結衣、他)
(美談度:★★★★☆)
チケットぴあ

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ←ランキング参加中です!

人気ブログランキング←この記事が気に入ったらポチッとクリックお願いします(^o^)
海難1890@ぴあ映画生活

オー!ファーザー

オー!ファーザー [Blu-ray]
4人の父親を持つ高校生が謎の拉致事件に巻き込まれるサスペンス・コメディ「オー!ファーザー」。このテンポの悪さはいったい何?!

高校生の由紀夫は、自分こそが父親だと自称する4人の男と同居している。風変りな生活だが、それでも4人の父は息子に精一杯の愛情を注いでいた。ある日、由紀夫はサラリーマン風の男が鞄をすり替えられるのを目撃し、それをきっかけに何者かに拉致されてしまう。不登校の同級生、地元のヤクザ、街を二分する知事選挙…。すべてが繋がっていた。由紀夫から助けを求められた4人の父親たちは、一致団結して息子の救出作戦を練るのだが…。

原作は次々に作品が映画化される伊坂幸太郎。井坂作品の映画を既見の人なら、バラバラだったエピソードがやがてひとつにつながっていく展開は容易に想像できるだろう。本作もそのセオリー通りに進むのだが、今回は何ともテンポが悪い。4人の父親が、それぞれ大学教師の悟、チョイ悪でギャンブラーの鷹、ケンカ指南もする体育教師の勲、女たらしの元ホストの葵と、キャラが立っているのはいいとしても、やっぱり仲良く暮らす父親4人という設定はあまりに突飛だ。事件の展開や救出作戦も、偶然に頼りすぎているし、何と言ってもクライマックスの救出劇がショボすぎていただけない。由紀夫のガールフレンド多美子のキャラにまったく魅力がないのも見ていてツラいところだ。要するにサスペンスとしてはほとんど見どころがないのだが、4人の父親たちが人生の先輩として、知識やケンカのコツ、女とのつきあいや世渡りのノウハウを教え、それが節々で活かされるのは、ちょっと楽しい。この作品は、風変りな家庭環境で育つ主人公が、大人の愛でちょっとだけ成長するお話なのだ。
【55点】
(原題「オー!ファーザー」)
(日本/藤井道人監督/岡田将生、忽那汐里、佐野史郎、他)
(父子愛度:★★★★☆)
チケットぴあ

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ←ランキング参加中です!
人気ブログランキング←この記事が気に入ったらポチッとクリックお願いします(^o^)
オー!ファーザー@ぴあ映画生活

ペタル ダンス

ペタル ダンス [Blu-ray]
女性たちの静かな旅を描くロード・ムービー「ペタル ダンス」。独特の演出だが長編映画としては少々キビしい。

大学からの友人である、ジンコと素子は、同じく大学時代の友人のミキが自殺を図ったことを知り、様子を確かめようとミキを訪ねることにする。ジンコは、勤め先の図書館で自殺に関する本を借りていた原木と偶然出会い、原木は運転手として旅に同行することに。目指すのはミキの住む北の果ての風の町。3人の、1泊2日の小さな旅が始まった…。

CMディレクターとして活躍する石川寛が「好きだ、」以来、7年ぶりに撮った長編作。主な登場人物は女性4人だが、監督は女優たちに脚本は渡さず、感じたように演じさせたという。どうりで散文的というか、とりとめがない空気感が常に漂っているのだが、その分、出演者の素の顔をカメラに収めることに成功している。小旅行を通して、自殺を図った友人の気持ちを思い、同時に自分自身を深く見つめなおしていく女性たち。大きな事件は何一つ起こらず、アクションらしいアクションもない。ジンコ、素子、ミキ、原木の4人が揃って海へ向かい、それぞれの気持ちやイメージを紙に書くシーンが印象的だが、それさえもまた結論にはならない。悩みながらも懸命に生きている若い女性のリアルな姿を切り取ったような物語で、近頃の、説明過多で分かりやすい作品ばかり見慣れた目には新鮮に写る作品だ。だが、宮崎あおい、忽那汐里、安藤サクラ、吹石一恵と、これだけ豪華で旬の若手女優を集めて、こんなにも地味で暗い映画を作ってしまう石川寛監督、どうやら迎合せず自分の作りたいものを作る人のようである。見終われば、彩度の低い寒々とした映像の美しさがじんわりと効いてきた。タイトルのペタル(petal)とは花びらのこと。どこに飛ぶかわからない、それでいて自由な風に乗る4枚の花びらといったところか。
【40点】
(原題「ペタル ダンス」)
(日本/石川寛監督/宮崎あおい、忽那汐里、安藤サクラ、吹石一恵、他)
(女性映画度:★★★★☆)
チケットぴあ

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ←ランキング参加中です!

人気ブログランキング←この記事が気に入ったらポチッとクリックお願いします(^o^)
ペタル ダンス@ぴあ映画生活

少女たちの羅針盤

少女たちの羅針盤 (2枚組) [DVD]少女たちの羅針盤 (2枚組) [DVD]
ミステリーとしては弱いが、みずみずしい青春映画として見ると楽しめる。福山市オールロケで、1000人以上の市民エキストラが参加。地域一体型の映画だ。

ネットシネマの主役に抜擢された新進女優の舞利亜は、撮影を行っている廃墟となったホテルの壁に「殺したな。証拠は残っている」という不気味な落書きを見つけて怯える。彼女が思い当たるのは4年前の事件。それは、4人のメンバーで結成された伝説の女子高校生劇団「羅針盤」の一人に起こった殺人事件だった…。

原作は「ばらのまち福山ミステリー文学新人賞」の第1回優秀作を受賞した水生大海のミステリー小説。現在と過去を行き来しながら、殺人事件の犯人であろう舞利亜がはたして誰なのかという謎の部分を隠しながら進んでいく。終盤の謎解きは強引にたたみかけるようで、あまりにも無理が多い。とはいえ、過去のパートは、悩みをかかえながらも演劇に打ち込む姿や、友情、淡い恋心、何よりまっすぐに、ひたむきに生きようとする少女たちの姿がストレートに描かれ、躍動感たっぷりだ。10代特有の揺れる気持ちを、成海璃子、忽那汐里らの美少女たちが好演。印象的なのは劇中劇で、その芝居の完成と結果に、少女たちが“ままならぬ人生”を学ぶという設定がビターな隠し味になっている。
【45点】
(原題「少女たちの羅針盤」)
(日本/長崎俊一監督/成海璃子、忽那汐里、森田彩華、他)
(青春映画度:★★★★☆)
チケットぴあ


にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ←ランキング参加中です!


人気ブログランキング←この記事が気に入ったらポチッとクリックお願いします(^o^)

少女たちの羅針盤@ぴあ映画生活
シネマッシモにようこそ
◇ シネマッシモについて ◇

このブログが気に入ったら、ポチッとクリックお願いします♪
にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ

映画レビュー用BRバナー
インフォメーション


映画ライター渡まち子が趣味で運営するセカンド・ブログ「映画の中に猫がいる」もよろしく!【猫目線】で語る映画評で、のんびり、まったり更新中です(笑)。 猫好きの方、映画好きの方、ぜひ遊びにきてください!
こちらからどうぞ!
おすすめ情報
作品検索はこちら
Google
WWW を検索
このブログ内を検索
コメント(承認済)
映画レビュー(長文)索引

    
    
    
    
    
    
    
  
    

A−Z
0−9
カテゴリ
お仕事受注
映画評やコラムの執筆、講演など、映画に関する仕事を承ります。連絡はメールでお気軽にどうぞ。

 メールはこちらから↓
cinemassimo555★jcom.home.ne.jp
(★を@に変更して下さい)

執筆やラジオ出演など、メールと電話で対応可能な場合は、全国から仕事を受注していますので、まずはお問合せください。
プロフィール
プロフィール more
◆ペンネーム:渡まち子
◆映画ライター、映画評論家
◆こんなお仕事やってます:
新聞、雑誌、インターネットで、映画評、映画コラム、DVD紹介などを執筆。他にも、映画コメンテーターとしてラジオ出演、大学での公開講座や企業主催の映画セミナーなど、映画に関する幅広い仕事をこなしながら活動中です。
◆青山学院文学部史学科卒業。西洋史が専攻で、卒業論文はベネチア史。学んだことを生きている間に有効に活かせるのだろうか…と、かなり心配。
◆エトセトラ:
古今東西の映画をこよなく愛す、自他ともに認めるシネフィル(映画狂)です。時に苦言を呈すこともあるその映画批評の基本は、映画へのあふれる愛情と自負しています。どんなダメ映画でも必ずひとつはあるイイところを発見するのが得意技。大のサッカー好きで、欧州リーグからJリーグまでTPOに合わせて楽しんでます。
おすすめ情報
おすすめ情報

おすすめ情報

楽天市場
おすすめ情報

Archives
当サイトはリンクフリーです
★相互リンクは設けておりませんが、当サイトはリンクフリーなので自由にリンクしてください。リンクの報告は基本的に不要です。
リンクについて

  ↑ 必ずお読みください。
タグクラウド
  • ライブドアブログ