映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評


【本音で語る新作映画レビュー】
毎日のレビューは分かりやすく簡潔な寸評で、週1本の長文映画レビューでは作品をディープに掘り下げます。
映画評サイトもこのブログで4代目になりました。すべての映画好きを歓迎します!
(点数は100点が、★は5つが満点)
シネマッシモとは、シネマ(映画)とマッシモ(イタリア語でmax,最大)とを組み合わせた造語。
どうぞゆっくり楽しんでください \(^▽^)/

◎ 今週の気になる公開作品 ◎
「ファミリー・ツリー」「ダーク・シャドウ」「サニー」

成海璃子

少女たちの羅針盤

少女たちの羅針盤 (2枚組) [DVD]少女たちの羅針盤 (2枚組) [DVD]
ミステリーとしては弱いが、みずみずしい青春映画として見ると楽しめる。福山市オールロケで、1000人以上の市民エキストラが参加。地域一体型の映画だ。

ネットシネマの主役に抜擢された新進女優の舞利亜は、撮影を行っている廃墟となったホテルの壁に「殺したな。証拠は残っている」という不気味な落書きを見つけて怯える。彼女が思い当たるのは4年前の事件。それは、4人のメンバーで結成された伝説の女子高校生劇団「羅針盤」の一人に起こった殺人事件だった…。

原作は「ばらのまち福山ミステリー文学新人賞」の第1回優秀作を受賞した水生大海のミステリー小説。現在と過去を行き来しながら、殺人事件の犯人であろう舞利亜がはたして誰なのかという謎の部分を隠しながら進んでいく。終盤の謎解きは強引にたたみかけるようで、あまりにも無理が多い。とはいえ、過去のパートは、悩みをかかえながらも演劇に打ち込む姿や、友情、淡い恋心、何よりまっすぐに、ひたむきに生きようとする少女たちの姿がストレートに描かれ、躍動感たっぷりだ。10代特有の揺れる気持ちを、成海璃子、忽那汐里らの美少女たちが好演。印象的なのは劇中劇で、その芝居の完成と結果に、少女たちが“ままならぬ人生”を学ぶという設定がビターな隠し味になっている。
【45点】
(原題「少女たちの羅針盤」)
(日本/長崎俊一監督/成海璃子、忽那汐里、森田彩華、他)
(青春映画度:★★★★☆)
チケットぴあ


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少女たちの羅針盤@ぴあ映画生活

書道ガールズ!!わたしたちの甲子園

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“書道パフォーマンス”が町興しに一役買ったという痛快な実話は、高校生が書道を通して自分たちが住む町への愛情を再確認し、成長していくプロセスがさわやかだ。愛媛県四国中央市は紙の生産高日本一を誇る町だが、不況のため商店街は閑散として元気がない。そんなある日、四国中央高校の書道部の部長・里子と部員たちが見たのは、音楽に合わせて巨大な半紙に文字を書く臨時顧問・池澤の姿だった。その様子に衝撃を受けた部員たちは、町を活気付けようと「書道パフォーマンス甲子園」を開催しようと思いつく…。

書道の静のイメージを覆すダイナミックな書道パフォーマンスは、縦横10メートルはあろうかという巨大な紙に、書だけでなく絵やメッセージなどを、複数の人間で書き込んでいく集団アートパフォーマンス。単に字や絵が上手いというだけでなく、みんなで力を合わせて仕上げる作品はチームワークが重要な要素だ。この書道パフォーマンスそのものがとても魅力的で、書道という古風な芸術に、現代的な空気を送り込む。紙の質は最高だが、肝心の紙が売れずに工房を閉めねばならない職人の無念や、量販店のあおりをうけて閉店し他県へ引っ越していく個人商店の店主の諦念、さらには池澤の秘めた挫折感まで、説得力のあるエピソードを丁寧に積み重ねていき、地方の実態をリアル、かつ愛情を込めて浮び上がらせる。ヒロインの里子は、書道の才能はあるが、書の師である父の支配下にあるような自分を解放できずスランプ状態。頑なな態度で周囲と衝突するのだが、自分が本当に楽しめる書を、仲間との書道パフォーマンスの中に見つけていく。自分が何を求めているかを手探りで求め、自我を確立する様子は、セオリー通りだが、その素直な描写は好感度が高いものだ。

クライマックス、四国中央高校の呼びかけに賛同した他校と競い合う大会は、皆、個性的な衣装と音楽でパフォーマンスを披露し、その楽しさと素晴らしさに見入ってしまう。里子たちの描く書は、いったいどんな形をとるのかは映画を見てぜひ確かめてほしい。町のどこからでも見える工場の煙突は、おそらく環境のためには問題ありの存在。だが同時にそれは雇用を生む現実のランドマークでもある。こんな清濁併せ持った世界を彼女たちが知る日も近いだろう。懸命に頑張る10代の少女たちが、たまらなくまぶしかった。
【75点】
(原題「書道ガールズ!!わたしたちの甲子園」)
(日本/猪股隆一監督/成海璃子、山下リオ、高畑充希、他)
(ひたむき度:★★★★☆)

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武士道シックスティーン

武士道シックスティーン [DVD]武士道シックスティーン [DVD]
女の子だってやるときはやる!剣道を通して友情や人生を学んでいく二人の少女の青春物語は、若手実力派女優二人の演技合戦が魅力だ。剣道の中学チャンピオンの磯山香織は、大会で無名選手の甲本早苗にリズムを崩され敗戦を喫してしまう。甲本を倒すため同じ高校に進学するが、その選手は両親の離婚で名前は西荻に変わっていた。しかも彼女は“剣道は楽しむため”がモットーのお気楽少女で、強引に試合を申し込んでも逃げてばかり。拍子抜けしながらも悔しさが忘れられない香織は、早苗を鍛え直そうとするのだが…。

成海璃子と北乃きい。10代女優のエース的存在の二人はまったく個性が異なる。本作で演じる役も同様で、剣道一筋の香織は勝つことだけを目標にし、言葉は男言葉、弱い選手を見下し、昼休みには宮本武蔵の「五輪書」を読みふける。硬派というより女子高生として浮いた存在だ。一方、早苗は、無心で竹刀を握るものの、勝ちたいというより負けたくない気持ちが高じて逃げ足だけは絶妙で、フットワークが軽い。そんな二人が互いの影響で化学反応を起こし、変わっていくプロセスがいい。早苗の提案で剣道からしばし離れ、ケーキバイキングやゲーセン、プリクラを体験。可愛いサンダルをおそろいで履く二人のコミカルなシークエンスは、まるでデートのようで見ていて微笑ましい。香織は、武道は勝負だけではないことを悟り、早苗は真剣勝負の醍醐味に目覚めていく。剣道部の顧問が言う「折れる心」は香織だけが学ぶことではなく、早苗にも必要な生きるための極意だ。10代のまっすぐな少女たちが、剣道を通して、家庭の問題や友情に向き合い、剛と柔を学びながら成長する姿は、好感度大。何より、武士道という古風なスピリットをミニスカートの制服を着た美少女たちが体現するギャップが面白い。剣道については私は素人だが、すさまじい大声と一瞬の静の動作の美しさに驚いた。女の子の友情を“男らしく”描いたこの映画、女子高生なのに恋愛度が低いのはちょっぴり物足りないが、メン!ドウ!という掛け声もすがすがしいさわやかな作品になった。
【65点】
(原題「武士道シックスティーン」)
(日本/古厩智之監督/成海璃子、北乃きい、石黒英雄、他)
(闘魂度:★★★★☆)


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武士道シックスティーン@ぴあ映画生活
【25%OFF】[DVD] 武士道シックスティーン

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価格:3,701円(税込、送料別)

山形スクリーム

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多彩な才能の持ち主・竹中直人は、俳優業ではハイ・テンションだが、監督としては叙情的な作品を作っていて、そのギャップが面白かったのだが、今回は俳優イメージとピッタリ重なるホラー・コメディである。東京から山形にやって来た歴史研究会の女子高生たちを、蘇った落ち武者が襲い、さらにヒロインの美香代が亡霊の一人からコクられてしまうという非常事態に。果たして平家の落ち武者の怨念を鎮めることができるのか。

ホラーはゾンビ系、ギャグはナンセンス系、「ブレードランナー」のセリフの唐突な引用など、節操のなさは狙ったものなのだろう。正調な笑いやむろん感動はない。と言うより、求めてはいけない。個性的なキャスティングを含め、ツッコミを入れて楽しむのが正しい作法だ。作り手もそれを望んでいるに違いない。
【45点】
(日本/竹中直人監督/成海璃子、AKIRA、マイコ、他)
(奇想天外度:★★★★☆)

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罪とか罰とか

罪とか罰とか [DVD]罪とか罰とか [DVD]
毒たっぷりのコメディで、キャラの性格設定は意図的にいいかげんだ。それなのにバラバラのパーツが最後にピタリとハマるパズルのような几帳面さがあり、そのバランスに面白さがある。売れないグラビア・アイドルのアヤメは、なりゆきの仕事で一日警察署長をやることになるが、そこで元カレの春樹と再会。殺人事件や誘拐事件の解決を迫られる。監督のケラリーノ・サンドロヴィッチは演劇界の人だけあって、笑いの質が奇想天外で、小劇場の舞台風。これにノレるかどうかが評価の分かれ目になろう。コメディ初挑戦の演技派美少女・成海璃子のぶっきらぼうなしゃべりが魅力的だ。
【60点】
(日本/ケラリーノ・サンドロヴィッチ監督/成海璃子、永山絢斗、段田安則、他)
(ブラック度:★★★☆☆)

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イキガミ

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不気味な管理社会を舞台に、生きる輝きを描いた秀作だ。近未来の日本で、国家公務員の藤本は、3人の若者に政府発行の死亡予告証・逝紙(イキガミ)を届けるが、彼らの最後の24時間を知ることで生と死の意味を問い直していく。国家が法のもとに人の命を奪うのが絵空事に思えないのは、イキガミが、戦争中の召集令状・赤紙と不思議なほど重なるためだ。3話が絡み合わないことで、残されたものの強い思いが共通であることと、主人公の感情の推移が強調され、演出の上手さを感じる。監視カメラの映像の挿入も見事に効いていた。盲目の妹を救うエピソードは過剰に感傷的なのに最も心に残るのは、主人公が死に様ではなく生き様にこだわり、ついに行動を起こすから。安易に恋愛描写に頼らず、しっかりと物語を語って感動を呼んだ滝本監督の手腕は高く鋭い。若手俳優の好演で期待を上回る魅力的な映画になっている。
【80点】
(日本/瀧本智行監督/松田翔太、塚本高史、成海璃子、他)
(感動度:★★★★☆)

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きみにしか聞こえない

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不思議なラブストーリーは人気作家の乙一の原作。拾った携帯電話のおかげで強い絆で結ばれた少女と青年の運命を描く。成海璃子の繊細な演技は相変わらずで、本当にこの若手女優は上手い。孤独な人間が少しずつ心を開いていく様子や、消費社会への警鐘などもひかえめな演出で好感度大。
【60点】
(日本/荻島達也監督/出演:成海璃子、小出恵介、片瀬那奈、八千草薫、他)
(ファンタジック度:★★★☆☆)

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映画レビュー「あしたの私のつくり方」

あしたの私のつくり方 [DVD]あしたの私のつくり方 [DVD]
◆プチレビュー◆
思春期の女の子という生き物は、ほんとに“苦労”が多いのだ。あの頃を思い出す大人が見ると、胸がキュンとなる青春映画である。 【85点】

高校生の寿梨(ジュリ)は学校でも家庭でも周りに気を使い、目立たないように暮らしている。彼女はある日、小学校の同級生で、イジメにあっていた日南子(カナコ)に、突如、匿名でメールを打つことを思い立つ。今は遠くに引っ越した日南子宛てのそのメールには「ヒナとコトリの物語」と題したストーリーがつづられていた…。

静かだが独特の感性で多くのファンを持つ市川準監督。1948年生まれのこの名匠が、ティーンエイジャーの少女たちの心の揺れをこんなにもみずみずしく描いてくれることにまず驚く。誰もが通過してきた甘ずっぱくもビミョーな思春期の世界へと観客を誘うのは、若手実力派の成海璃子だ。箸が転んでも可笑しい年頃の女の子は、コロコロと気持ちが変わり、笑っているかと思えば、些細なことでドン底までヘコむ。まことにメリハリのある毎日を送らねばならない。そんな日々に欠かせないのが他人と密接に関わる携帯というツールだ。

「ヒナとコトリの物語」には、学校で人気者になるためのノウハウが細かく書かれている。奇数人のグループを見つけて合流する、登下校時はさりげなく真ん中をキープする、カラオケは密室で仲良くなれるチャンスなので絶対参加!などなど。このルール、本当に存在するんじゃないのか?と思うほどリアルで具体的だ。10代の女の子たちにとって、人から好かれることは最優先事項。いや、好かれるというより嫌われたくないから、自分ではなく他人に合わせてしまう。そして、この映画のヒロインのように、本当の自分を見失っていることに気付いた特別な人間は、気の毒なほど悩んでしまうのだ。

偽りの自分ではなく本当の自分で生きる。実は、大人にとっても簡単なことじゃない。実際、今、巣(ス)の自分で勝負している人がどれだけいるだろう?他人に合わせることを大人になることとすり変えて生きているのが、大部分の人間の姿じゃないのか。このことに気付くことさえなく毎日をやり過ごしている人々も大勢いる。少女たちはそんな大人の世界をまだ知らない。だからこそ、本当の自分と偽りの自分の間で悩む彼女たちがいとおしい。自分なりの方法で“私らしく生きること”を選び、まっすぐに前を向く彼女たちを応援せずにはいられない。なぜなら私たちは皆、「大人になったヒナとコトリ」なのだから。

(シネマッシモ評価:★5つが満点)大人の女性必見度:★★★★☆

□2007年 日本映画 
□監督:市川準
□出演:成海璃子、前田敦子、石原真理子、田口トモロヲ、他

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神童

神童 [DVD]神童 [DVD]
ピアノの天才少女と音大受験を控えた青年の出会いから始まる音楽ドラマ。神童というほどスゴい場面は数えるほどで、むしろ少女の成長を描く青春ものだ。本格的なクラシック演奏を前面にだしたストーリーの日本映画は珍しい。売れっ子の成海璃子が主演。
【60点】
(日本/萩生田宏治監督/成海璃子、松山ケンイチ、手塚理美、他)
(青春度:★★★★)

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◆青山学院文学部史学科卒業。西洋史が専攻で、卒業論文はベネチア史。学んだことを生きている間に有効に活かせるのだろうか…と、かなり心配。
◆エトセトラ:
古今東西の映画をこよなく愛す、自他ともに認めるシネフィル(映画狂)です。時に苦言を呈すこともあるその映画批評の基本は、映画へのあふれる愛情と自負しています。どんなダメ映画でも必ずひとつはあるイイところを発見するのが得意技。大のサッカー好きで、欧州リーグからJリーグまでTPOに合わせて楽しんでます。
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