映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評


【本音で語る新作映画レビュー】
シネマッシモでは、映画レビューはネタバレなしのヒントあり。映画を見る前と見た後と、2度読んで楽しめます。
映画評サイトもこのブログで4代目になりました。すべての映画好きを歓迎します!
(点数は100点が、★は5つが満点)
シネマッシモとは、シネマ(映画)とマッシモ(イタリア語でmax,最大)とを組み合わせた造語。
どうぞゆっくり楽しんでください \(^▽^)/

◎ 今週の気になる映画 ◎
「フィフティ・シェイズ・ダーカー」「ハクソー・リッジ」「結婚」「ありがとう、トニ・エルドマン」etc.

星野源

夜は短し歩けよ乙女

夜は短し歩けよ乙女 オフィシャルガイド
京都。大学のクラブの後輩である“黒髪の乙女”に想いを寄せる“先輩”は、なるべく彼女の目にとまる作戦(頭文字をとってナカメ作戦)を実行し彼女の気を引こうとしている。ある夜、酒豪の乙女は飲み歩き、先輩は、春の先斗町、夏の古本市、秋の学園祭と彼女の姿を追い求めるが、季節はどんどん過ぎていくばかりで乙女との距離はいっこうに縮まらない。さらに先輩は、仲間たちや不思議な老人による珍事件に巻き込まれていく…。

京都を舞台に、大学の後輩の黒髪の乙女に恋する先輩の恋模様を摩訶不思議な世界観で描くアニメーション「夜は短し歩けよ乙女」。原作は「四畳半神話大系」の森見登美彦の同名小説だ。何しろ「MIND GAME(マインド・ゲーム)」の奇才監督・湯浅政明の13年ぶりの新作アニメというだけでワクワクしてしまうが、期待通りの“自由な”作品である。酒好きの乙女が京都の街を飲み歩くが、彼女に恋する先輩はことごとくタイミングが合わない。奇妙なエロおやじ、個性的な大学生、謎の老人と、次々にヘンテコな登場人物が現れるが、乙女は、時に愛あるパンチを繰り出しつつも、すべての人に優しく礼儀正しい。時間や空間の概念が覆される物語もさることながら、のっぺりとしたイラストのような絵柄とカラフルな色彩のビジュアルが非常に新鮮だ。形も色も動きさえも、自由すぎるほど変幻自在に変わるそのテイストは、リアルとは対極にある。今やアニメーションは、いかに実写に近づくかを目指して奮闘している感があるが、本作は、アニメーションの特権である自由奔放さを爆発させている。このマジカルな心地よさは、酒豪の乙女が際限なく飲む酒に酔いしれるかのような、酩酊感とでも言おうか。ゲリラ演劇のミュージカルパートにいたっては、完全に酔いが回って幻覚を見ているような気さえする。そして恋する男女の運命には、最高の着地点を用意しているのだ。先輩の声を担当する星野源が、膨大なセリフをまくしたて、存在感を示す一方、他のキャストは実力派の声優たちで手堅い作りだ。93分、稀有な映像体験が味わえる逸品である。
【75点】
(原題「夜は短し歩けよ乙女」)
(日本/湯浅政明監督/(声)星野源、花澤香菜、神谷浩史、他)
(酩酊感度:★★★★★)
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箱入り息子の恋

箱入り息子の恋 (ポプラ文庫 日本文学)箱入り息子の恋 (ポプラ文庫 日本文学) [文庫]
恋愛初心者の主人公が代理見合いから一途な恋に落ちる「箱入り息子の恋」。真面目だからこそ滑稽で切ない恋愛に思わず泣けた。

役所勤めの健太郎は、自宅と職場をただ往復するだけの日々を送る、内気な35歳。出世欲もなければ、女性と付き合った経験もなく、唯一の趣味はペットのカエルだけという息子を心配した両親は“代理見合い”で、美しい女性・菜穂子とお見合いをするチャンスを作る。実は彼女は目が見えない上、菜穂子の父親は健太郎をダメ男だと一蹴。だが、互いに好意を持った二人は、菜穂子の母親の応援もあり、不器用ながら交際が始まる。だが二人の行く手には思いがけない障害が待ち構えていた…。

親同士が婚活する“代理見合い”というシステムを初めて知ったが、これはそんな少し過保護な両親を持つ、内気な男女の純愛ストーリーだ。几帳面で真面目だが見た目が地味で冴えない健太郎は世間でいう負け組で、会社社長の菜穂子の父親は頭から否定する。だが視覚障害を持つ菜穂子は、人を外見で判断しない。というより出来ない。このハンデをメリットに捉えなおす感覚がまず素晴らしい。内気な二人は初めての恋に落ち、特に健太郎は「好き」という感情を一気に爆発させ、ポジティヴに変化していく。恋はいつだって人を激変させるのだ。しかし、菜穂子の父が二人の交際を知って激怒、口論の最中に健太郎は車に轢かれてしまう。見も心も傷ついてしまった健太郎だが、彼はもう以前の彼ではない。職場の女性の思いがけない応援もあり、走って絶叫して心をかき乱しながら行動する健太郎は、明らかに一人前の男になっていた。たとえすべてが無様でも、だ。そもそも初デートが牛丼の吉野家というところから、この主人公の不器用な性格がわかるのだが、この牛丼が実に“いい味”を出している。目が見えない菜穂子に丁寧に食べ方を教え、二人で美味しそうに食べる。牛丼とは、なんと甘くて切ない食べ物か。そしてついに数々の苦難を乗り越えて、健太郎と菜穂子はバルコニーで対峙することに。こんなにも不恰好で愛おしい“ロミオとジュリエット”は、なかなかお目にかかれない。ミュージシャンで、俳優としても活躍する星野源は、これが初主演作で、好演だ。過保護な親、代理見合い、障害を持った相手との恋や人生。映画の底辺には意外にも社会派テイストが流れているが、基本は初恋と家族の物語。一生懸命とは実にかっこいいということを再確認させてくれる佳作だ。
【75点】
(原題「箱入り息子の恋」)
(日本/市井昌秀監督/星野源、夏帆、平泉成、他)
(純愛度:★★★★★)
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聖☆おにいさん

聖☆おにいさん(完全生産限定版) [Blu-ray]
目覚めた人ブッダと神の子イエスの聖人コンビのおかしな日常を描くアニメ「聖☆おにいさん」。宗教に関する逸話の盛り込み方が上手い。

新しモノ好きの浪費家イエスと、自分とお金に厳しくシルクスクリーンでTシャツを作るのが大好きなブッダ。世紀末という大仕事を無事に終えた二人は、東京・立川のアパートをシェアし、日本の四季を堪能しながら下界でバカンスを過ごしていた。そんな二人は素性を隠しながらも、ついつい神パワーを発揮し、大家の松田さんや近所の子供たち、ハッスル通り商店街の面々に怪しまれながら、あちこちでセイントな奇跡を起こしてしまう…。

原作は、第13回手塚治虫文化賞短編賞に輝いた中村光の同名人気コミック。浪費家のイエスが長髪とヒゲ、いばらの冠がトレードマークなら、節約家のブッダは螺髪と額の白毫、長い耳たぶがトレードマーク。キャラもルックスも正反対ながら、共に聖人の二人は、人呼んで“聖職系男子”だ。Tシャツとジーンズ姿でマイペースで過ごす彼らの日常はユーモラスだが、あちこちに宗教がらみの逸話や設定がギャグとしてアレンジされていて、なかなか楽しい。特にブッダお手製のTシャツにプリントされたさりげない文字には、ウケた。基本的に短いギャグをつなぐ構成なので、大きな事件や1本の筋は見当たらず、長編映画にするには少々キビしい内容なのだが、イエスとブッダという誰もが知る神様を庶民感覚で親しみやすく描き、小ネタでユルく笑わせる演出は、原作漫画のテイストをしっかり継承するもので、あえて狙ったものだろう。アニメーション制作は「黒執事」「青の祓魔師」などで人気のA-1 Pictures。ビジュアルは、ラフなタッチで描かれた人物とは対照的に、日本の四季を丁寧に描きこんだ背景の美しさが印象的だ。声を担当するのは森山未來と星野源。星野源が歌う主題歌「ギャグ」がこれまたいい感じで、妙に癒される。
【55点】
(原題「聖☆おにいさん」)
(日本/高雄統子監督/(声)森山未來、星野源、鈴木れい子、他)
(ほんわか度:★★★★☆)
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◆ペンネーム:渡まち子
◆映画ライター、映画評論家
◆こんなお仕事やってます:
新聞、雑誌、インターネットで、映画評、映画コラム、DVD紹介などを執筆。他にも、映画コメンテーターとしてラジオ出演、大学での公開講座や企業主催の映画セミナーなど、映画に関する幅広い仕事をこなしながら活動中です。
◆青山学院文学部史学科卒業。西洋史が専攻で、卒業論文はベネチア史。学んだことを生きている間に有効に活かせるのだろうか…と、かなり心配。
◆エトセトラ:
古今東西の映画をこよなく愛す、自他ともに認めるシネフィル(映画狂)です。時に苦言を呈すこともあるその映画批評の基本は、映画へのあふれる愛情と自負しています。どんなダメ映画でも必ずひとつはあるイイところを発見するのが得意技。大のサッカー好きで、欧州リーグからJリーグまでTPOに合わせて楽しんでます。
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