映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評


【本音で語る新作映画レビュー】
シネマッシモでは、映画レビューはネタバレなしのヒントあり。映画を見る前と見た後と、2度読んで楽しめます。
映画評サイトもこのブログで4代目になりました。すべての映画好きを歓迎します!
(点数は100点が、★は5つが満点)
シネマッシモとは、シネマ(映画)とマッシモ(イタリア語でmax,最大)とを組み合わせた造語。
どうぞゆっくり楽しんでください \(^▽^)/

◎ 今週の気になる映画 ◎
「ジャッキー」「ムーンライト」「はじまりへの旅」etc.

映画

モン・ロワ 愛を巡るそれぞれの理由

スキー場での事故によって膝(ヒザ)に重症を負った弁護士のトニー。彼女はリハビリのために入院し治療に励むが、そこで医師から「心の痛みと身体(とりわけ膝)の傷みは連動する」と言われ、かつて愛した夫ジョルジオとの波乱に満ちた関係を思い出す。10年前、レストラン経営者でいつも女性を引き連れていた華やかなジョルジオと再会したトニーは、憧れの存在だった彼に大胆にアプローチし、激しく愛し合うように。結婚し子どもを授かって幸せの絶頂を迎えるが、かつての恋人との関係を断ち切れないなど、ジョルジオの度重なる不実な態度にトニーの心はズタズタになっていく…。

事故で負傷した女性弁護士がリハビリに励みながら、元夫との激しい愛をふり返っていくドラマ「モン・ロワ 愛を巡るそれぞれの理由」。夫の度重なる裏切りに遭った妻の苦悩を描くが、それを膝の大怪我のリハビリをしている現在から、回想する形で描く手法が興味深い。医学的なことはわからないが、体をいたわることで心も癒されるというのはよく聞く話だ。傷みをこらえてリハビリする合間に思い出す10年は、ダメ男を愛してしまったがゆえに、何度も傷つけられ、それでも彼との関係が断ち切れなかった波乱万丈の日々で、心の傷はまだ完全に癒されてはいなかったのだ。元カノとの関係、無責任な債務不履行、浮気にクスリと、まるでダメ人間の見本のようなジョルジオを、自立し教養もあるトニーはなぜ許すのか。答えは、恋愛至上主義のフランス映画らしく、劇中に登場する「それが愛」というセリフが代弁している。この盲目的ともいえる愛には、正直、共感する部分はほとんどなかったが、社会から隔離された施設でリハビリすることで心の平穏を取り戻し、文字通り、再び自分の足でしっかりと歩き出して再生する姿には好感が持てる。注目の女性監督マイウェンは、トニーを被害者のようには描かず、映画は、欠点だらけのダメ男・ジョルジオのことも決して責めない。トニーが本当に強い女性だからこそ、傷ついたその日々は人生の糧となっているのだから。エマニュエル・ベルコは、いわゆる美人ではないが、揺れ動き、傷つき、それでも立ち直ろうする激しさと柔軟さを併せ持つヒロインを体当たりで演じて好演だ。
【65点】
(原題「MON ROI/MY KING」)
(フランス/マイウェン監督/ヴァンサン・カッセル、エマニュエル・ベルコ、 ルイ・ガレル、他)
(恋は盲目度:★★★★☆)
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サクラダ リセット 前篇

サクラダリセット(角川文庫)【全7冊 合本版】
住民の多くが特別な能力を持つ咲良田市。高校生のケイは記憶をすべて保持する能力を、同級生のハルキは世界を最大3日分巻き戻せるリセットの能力を持つ。彼らの持つ力は「管理局」と呼ばれる公的機関によって慎重に監視・制御されていた。だがケイとハルキには、かつてリセットの影響を受けて命を落とした同級生・相麻菫を救えなかったという過去があった。ある日、ケイが所属する高校の奉仕クラブに「写真に入る能力」を奪われた老人から能力を取り戻してほしいという依頼が舞い込む。さらに未来を知る力を持つ“魔女”と呼ばれる老女と出会う。ケイは、一見関連がないように見えたそれらから、菫を蘇らせる可能性に気付くのだが…。

特殊な力を持つ高校生たちが、その力によって死んでしまった同級生を救おうと奮闘する青春ミステリーを2部作で描く前篇「サクラダ リセット 前篇」。原作は河野裕の同名小説シリーズだ。特殊能力を持つ者の力や葛藤を描くのは「X-MEN」シリーズや「SPEC」シリーズと共通するが、本作の主人公ケイは、世界を救ったり破壊したりの、大きなコトを成し遂げようとするわけではない。自分の能力を静かに受け止め、それを持つことを許すサクラダという街を愛している繊細な少年だ。そのため、特殊能力というSF的要素はあるものの、スケール感は小さいし、青春学園ドラマとしての魅力が全面に出ている。ケイたちは、死んでしまった同級生・菫を蘇らせるため、さまざまな能力を組み合わせながら作戦を練るのだが、それはほとんど裏技のようで、説明されれば「なるほど」とは思うが、何だか都合が良すぎる気も。さらに、2部構成で描く前篇なので、状況説明や登場人物たちの能力の説明が多く、物語はさほど進まないし、サクラダや能力に対する決まり事、能力を組み合わせる構成などがややこしく、ストーリーがモタついてしまっているのが気になる。そんなモヤモヤの解決は、ひとまず後篇までお預けということだ。周囲が記憶を失くしても、自分だけがすべてを覚えている孤独と悲しみを背負うケイを演じる野村周平の、終始憂いを含んだ表情が印象的だ。
【50点】
(原題「サクラダ リセット 前篇」)
(日本/深川栄洋監督/野村周平、黒島結菜、平祐奈、他)
(煩雑度:★★★★☆)
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PとJK

「PとJK」オリジナル・サウンドトラック
高校1年生のカコは、なりゆきで大学生と偽って合コンに参加し、年上のイケメン青年、功太と出会う。互いに好意を持つが、カコが16歳とわかると功太は途端につれない態度に。実は彼は警察官で、立場上、未成年のカコと軽々しくつきあうわけにはいかないのだ。だがある事件をきっかけに、功太はカコのまっすぐな想いを受け止めようと決心し、二人が一緒にいるために結婚しようと決める。カコの両親を説得し、高校卒業までは結婚していることを隠し通す、通い婚がはじまった。最初は甘い日々を満喫する2人だったが、警察官と女子高生という立場の違いからすれ違いが生じ、さらには大事件に巻き込まれてしまう…。

現職警察官と現役女子高生の秘密の結婚を描く青春ラブストーリー「PとJK」。原作は三次マキによる人気コミックで、Pはポリス(警察官)、JKは女子高生の意味だ。主演の亀梨和也も土屋太鳳も、役柄に対して年齢的に少々無理があるのだが、そこは美男美女カップルということでスルーしよう。何しろ、会って数時間で「結婚しよう!」の、思わずのけぞる展開の前では、多少の年齢の無理など些細な問題だ。功太には、殉職した父親の過去にまつわるトラウマがあり、命や誰かを守ることに対する意識が強い。そんな功太の強い思いをまだ10代のカコは受け止めきれず、すれ違いが生じてしまうのだが、それぞれの方法で成長や理解を深めて、歩み寄っていくというストーリーだ。全編を北海道でロケしており、とりわけ異国情緒あふれる函館の美しい街並みが非常に絵になる。警察官の亀梨、女子高生の土屋の、制服コスプレもファンには楽しいだろう。意外な拾いものは、家庭でDVを受ける不良少年・大神を繊細に演じる高杉真宙の存在感だ。主演二人の秘密結婚の恋愛模様より、むしろ功太と大神少年の触れ合いの方が心にしみる。
【45点】
(原題「PとJK」)
(日本/廣木隆一監督/亀梨和也、土屋太鳳、高杉真宙、他)
(コスプレ度:★★★★★)
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キングコング:髑髏島の巨神

Kong: Skull Island - Original Motion Picture Soundtrack
未知の生物の存在を確認するため、学者やカメラマン、軍人などで構成された調査遠征隊が、太平洋の謎の孤島、髑髏島に潜入する。そこに姿を現したのは、巨大で凶暴なキングコングだった。隊を率いるため高額で雇われた元特殊部隊のコンラッドは、ここが決して人間が足を踏み入れてはならない場所だと理解する。だが島にはコング以外にも、想像を絶する巨大で凶暴な生物が生息していた。調査隊や軍人たちがなす術もなく命を奪われていく中、コングと島の驚くべき秘密が明らかになる…。

映画史上最も有名で人気のモンスター・キャラクターのキングコングを新たな解釈で描くアドベンチャー大作「キングコング:髑髏島の巨神」。1984年生まれでまだ若いジョーダン・ヴォート=ロバーツ監督は、新しいキングコングを作るにあたってベトナム戦争映画の名作にして怪作「地獄の黙示録」を徹底的に意識している。時代はまだテクノロジーがそれほど発達していない70年代、ベトナム戦争で喪失感を抱えた軍人たち、島に突入する手段はヘリコプターの編成。ジャングルや川をつたってたどり着くのは、原住民と暮らす元軍人がいる奇妙なコミュニティーだ。トム・ヒドルストン演じる主人公の名前コンラッドは「地獄の黙示録」の原作「闇の奥」の作者と同じという念の入れようである。今にもマーロン・ブランドが暗闇からぬっと現れそうだが、そこに登場するのは、体長30メートルの巨大な“守護神”キングコングだ。本作ではコングの誕生の秘密を描き、コングは果たして人間の敵か味方かという謎が軸となる。コンラッドや他数名は、コングの存在が髑髏島のバランスを保っていることに気付くが、部下を殺されたパッカード大佐は復讐に燃え、事態は、人間とコング、そして巨大生物たちとの三つ巴の死闘になっていく。ここでさく裂するのは監督のオタク魂だ。日本のアニメやゲーム、特撮映画に多大な影響を受けたと公言するだけあって、ベトナム戦争映画、サバイバル映画から一気に怪獣映画へと舵を切り、これから続くモンスターバース(人類と怪獣たちとの闘いを描くシリーズ)への火ぶたが切って落とされるという仕掛けだ。これには、怪獣文化を有する日本人ならずとも熱くなる。コングと宿敵スカル・クローラーのガチのバトルもすごいが、弱くてちっちゃい人間の分際で(?)、コングにガンを飛ばし勝負を挑むサミュエル・L・ジャクソンの無謀な闘志に、シビレつつも笑いが出てしまった。1時間58分、大暴れで大騒ぎだが、大いに楽しませてくれるモンスター・エンターテインメント大作。ぜひスクリーンの大画面で見てほしい。
【75点】
(原題「KONG:SKULL ISLAND」)
(アメリカ/ジョーダン・ヴォート=ロバーツ監督/トム・ヒドルストン、ブリー・ラーソン、サミュエル・L・ジャクソン、他)
(サバイバル度:★★★★☆)
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ひるなかの流星

ひるなかの流星―映画化スペシャル (SHUEISHA Girls Remix)
田舎育ちの女子高生・与謝野すずめは、両親の海外赴任を機に東京の叔父のもとに預けられることになる。転校先の高校の担任教師・獅子尾は、上京初日に困っていたすずめを救ってくれたのをきっかけに、いつもすずめを助けてくれる存在で、すずめは彼に生まれて初めての恋心を抱く。獅子尾はすずめのまっすぐな気持ちを受け止めつつも、教師という立場から踏み出せずにいた。一方、クラスメイトで隣の席に座る馬村大輝は、女嫌いだったはずが、すずめのわけ隔てない性格と明るさに惹かれ、彼女が獅子尾に恋していることを承知で、惹かれていく…。

東京の高校に転校した田舎育ちの女子高生が、担任教師と同級生の間で揺れ動く姿を描く青春ラブストーリー「ひるなかの流星」。原作は、やまもり三香の大ヒットコミックで、初恋のバイブルと呼ばれている人気漫画だそうだ。天然でピュア、前向きなヒロイン・すずめは、恋愛初心者。優しく大人の担任教師への初恋、不愛想だがまっすぐな同級生の間で、揺れ動き、最終的にすずめはどっちを選ぶのか?!というのが大筋だ。「俺物語!!」でフレッシュな演技をみせた永野芽郁は、人気急上昇の若手女優で、これから小悪魔系の悪役(?)を含めて様々な役柄を披露してくれる注目株。本作では、自分の思いに正直に、恋を受け止めて、成長する少女を演じている。ちょっと意地悪な美少女とはケンカを経て親友になるが、それもすずめの天真爛漫さがなせるわざだ。モテ期のヒロインの三角関係ラブロマンスは、10代の女の子には夢のような展開で、妄想満足度はかなり高そう。とってつけたような不幸やシリアスに邪魔をするライバルなどは登場せず、難病や記憶喪失もなし。少々めんどくさい性格だが、マイペースなヒロインの明るい恋物語は、素朴だが好感が持てた。
【50点】
(原題「ひるなかの流星」)
(日本/新城毅彦監督/永野芽郁、三浦翔平、白濱亜嵐、他)
(モテ期度:★★★★★)
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パッセンジャー

Passengers (2016) - Blu-ray/UltraViolet
近未来。新たな居住地を目指す“人類移住プロジェクト”として、5000人の乗客(パッセンジャー)を乗せた豪華宇宙船アヴァロン号が地球を出発する。到着までの120年間を冬眠装置で眠るはずが、エンジニアのジムと作家のオーロラだけが予定よりも90年も早く目覚めてしまう。絶望と孤独の中、何とか生き延びようとする二人は、次第に惹かれあっていくが、予期せぬ困難が彼らの前に立ちはだかる…。

宇宙空間を舞台に目的地到着より前に目覚めてしまった男女の運命を描くSFアドベンチャー「パッセンジャー」。宇宙空間での孤独とサバイバルを描いた作品には「オデッセイ」や「月に囚われた男」などがあって、なかなかの秀作が多い。前2作がひとりぼっちだったのに対し、本作はふたりぼっち、しかも男女。当然生まれるのはロマンスということになる。物語は、最初に目覚めたジムの、ある行為と秘密が重大なキーポイントになっていて、命がけのサバイバルや壮絶な心理戦になってもおかしくない設定なのだが、見終わってみれば単なるラブ・ストーリーに仕上がっていて、ちょっと力が抜けた。だが、そんな内容でもほぼ強引に楽しませるのは、これが第一級のスター映画だからである。オスカー女優で売れっ子の美女ジェニファー・ローレンスと、どこか間が抜けたルックスながらナイスガイのクリス・プラットという旬の二人の共演は、華やかでスクリーン映えする。膨大な製作費のほとんどがこの二人のギャラだというのもあながち嘘ではなさそうだ。ツッコミどころの多いストーリーはあくまでも薄味だが、宇宙船内のクールで壮麗なデザイン、無重力プールやバーテンダー・ロボの役割など、そう遠くない未来の姿を思わせる設定が楽しかった。
【50点】
(原題「PASSENGERS」)
(アメリカ/モルテン・ティルドゥム監督/ジェニファー・ローレンス、クリス・プラット、マイケル・シーン、他)
(ラブストーリー度:★★★★★)
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コスメティックウォーズ



一人前の経営コンサルタントになりたいと願う茜は、上司で恋人の坂本から、老舗化粧品会社に産業スパイとして潜入するよう命じられる。美容部員から本社の商品開発部へ異動することになった彼女は、坂本から、モデルチェンジするロングセラー商品の機密情報を入手するように指示される。不愛想だが仕事熱心な担当研究員・中野渡や、懸命に化粧品開発に打ち込む社員たちと過ごすうちに、茜の中で変化が生まれるが…。

化粧品業界の裏側に切り込んだヒューマン・ドラマ「コスメティックウォーズ」。化粧品業界と聞けば、華やかなイメージだが、商品開発の現場は、地道な研究と膨大なデータ収集の積み重ねで、まるで学術研究の場のよう。それでも研究員たちはより良い商品を作り出そうと日々努力を惜しまない。産業スパイが複数いて互いに監視するほど、その商品価値は高く、化粧品業界がいかに熾烈な競争の場かが見て取れる。映画は、産業スパイとなった主人公が、仕事熱心な社員たちと関わるうちに、まるで詐欺師や盗人まがいの行為に手を染める自分自身に疑問を持ち、変化していくというもの。とはいえ、ドラマはあくまでもライト感覚で、キャッチコピーにある“女の戦い”というほどのドロドロ感は感じられない軽さだ。全面協力しているALBIONアルビオン化粧品のPR映画のような趣も多々感じられ、いちいち微苦笑が出てしまう。そもそも一流の経営コンサルタントになりたいのに、素人レベルの腕しかないスパもどきで貴重な時間を費やすのが理解しがたいし、ドラマのディテールがあまりに荒いので、緊張感はまるでない。題材は面白いのに、結局のところ、着地点が安易すぎてがっかりしてしまったが、働くことへのプライドを失っていない点と、出演者がほぼスッピンで演技したという気合だけが救いだった。
【40点】
(原題「コスメティックウォーズ」)
(日本/鈴木浩介監督/大政絢、奥菜恵、高岡早紀、他)
(スポンサーPR度:★★★★★)
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フレンチ・ラン



革命記念日前日、パリ市街地で爆弾テロが発生する。捜査を担当することになった、CIA捜査官ブライアーは、容疑者に浮上したスリの若者マイケルをとりあえず確保する。マイケルの無実を確信したブライアーは、マイケルのずば抜けたスリのテクニックを見込んで、捜査に協力するように持ち掛ける。はみ出し者のCIA捜査官とスリという“ありえない”コンビは、次に予告された新たなテロを阻止するために真犯人に迫っていくが…。

爆弾テロの危機に瀕したパリを舞台にCIA捜査官とスリの若者がタッグを組んで街を守るために奔走するサスペンス・アクション「フレンチ・ラン」。かつてイラクで命令を無視して行動した過去があるCIA捜査官ブライアーは一匹狼。一方、無実の罪で逮捕された若者マイケルは天才スリ。二人のはみ出し者がコンビを組む本作は、典型的なバディ・ムービーだ。立場が正反対の二人の共通点は、パリで捜査するに当たり、共に異邦人であること。ルールに囚われない一匹オオカミとはいえ、CIAに所属するブライアーにとっては、アメリカの情報機関が海外で活動する際の限界もあって、自由に動けないこともある。そんな難関を、スルリとすり抜けて見せる小悪党のマイケルは、ブライアーにとって手足のような存在となる。二人が大規模テロを阻止するべくパリ中を走り回る様はとにかくスピーディーで、もちろんお約束の絆も生まれる。注目したいのは、この映画が、フランスの、ひいてはヨーロッパの現状を、しっかりと照射していることだ。テロの脅威にさらされた大都会、移民問題、右派と左派の対立。毎日のようにニュースで流れるリアルが映画の中に映り込んでいる。もちろん、本作はあくまでも娯楽作で、堅苦しさなどは皆無なので安心して鑑賞してほしい。「マンデラ 自由への道」での演技で知名度を上げたイドリス・エルバが、身体をはったアクションを披露して楽しませてくれる小品だ。
【65点】
(原題「THE TAKE」)
(英・仏・米/ジェームズ・ワトキンス監督/イドリス・エルバ、リチャード・マッデン、シャルロット・ルボン、他)
(現代性度:★★★★☆)
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エイミー、エイミー、エイミー! こじらせシングルライフの抜け出し方

Trainwreck (Blu-ray+ DVD + DIGITAL HD with UltraViolet)
幼い頃、離婚した父親から、一夫一婦制を全否定されてきたエイミーは、その影響で真剣な恋愛ができず、男性とは一夜限りのつきあいと割り切って自由奔放に生きている。NYでゴシップ雑誌のライターをしている彼女は、取材でスポーツ外科医のアーロンと出会う。今までの男性とは違う真面目で誠実なアーロンとのつきあいで、それまでの恋愛観や人生を見つめ直そうとするエイミーだが、過去の自分が邪魔をして、アーロンとの間に亀裂が入ってしまう…。

恋愛恐怖症のヒロインが本当の恋を知って人生を見つめ直す恋愛コメディー「エイミー、エイミー、エイミー! こじらせシングルライフの抜け出し方」。主演のエイミー・シューマーは、日本での知名度は低いが、全米ではトップクラスの人気のコメディエンヌだ。女優の他に、脚本や製作もこなす知的なエンターテイナーとしても知られている。特別な美人ではないが親しみやすいルックスと、下ネタも含む本音トークが嫌味や下品にならない明るいキャラで、ファンだけでなく、業界内でも大人気なのだ。それはこの決して上品とはいえないラブコメに出演する、豪華俳優の顔ぶれを見てもわかる。女癖の悪い父親に共感するエイミーと違い、結婚し子どもを育てる出来のいい妹役はブリー・ラーソン、エイミーの鬼上司にティルダ・スウィントンとオスカー俳優が並ぶ。その他にもスポーツ界から、本人役でレブロン・ジェームズが出演するのを筆頭に、カメオ出演も超豪華だ。そんなエイミー・シューマーが演じるヒロインは、いろいろとこじらせていて恋愛に臆病になっている。トイレでの女子トークや、決してお泊りしない(させない)ルールで爆笑させ、随所に登場する映画ネタでシネフィルの心をくすぐる。下世話な下ネタも、どこかとぼけた天然のエイミーが言うと可愛らしいから不思議だ。しかもこの映画、ただのおバカコメディーではない。安定的な恋愛ができない女性と、ピュアで真面目な男性が、互いのダメな部分も含めて本当に理解し合い愛を育む物語は、実にいい話で、胸を熱くさせてくれる。クライマックスの、文字通り身体をはったシークエンスは、ありえない!と思いつつ、拍手を送ってしまった。いかにもB級ラブコメ風のタイトルに惑わされてはいけない。なかなかの拾い物の佳作なのである。
【70点】
(原題「TRAINWRECK」)
(アメリカ/ジャド・アパトー監督/エイミー・シューマー、ビル・ヘイダー、ブリー・ラーソン、他)
(女子あるある度:★★★★☆)
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わたしは、ダニエル・ブレイク

I, Daniel Blake (English Edition)
イングランド北東部にある町ニューカッスルに住む、59歳の大工のダニエル・ブレイクは、心臓の病気で医者から仕事を続けることを止められる。国の援助の手続きをしようとするが、複雑な制度に翻弄され支援を受けられない。そんなある日、二人の子どもを抱えるシングルマザーのケイティと知り合い、思わず彼女を助ける。それをきっかけにケイティや子どもたちと交流し、貧しい中でも助け合うことで、疑似家族のような絆が生まれていく。だが、彼らにはさらなる試練が降りかかり、厳しい現実に追い詰められていく…。

社会の片隅で懸命に生きる人々の現実を描くヒューマン・ドラマ「わたしは、ダニエル・ブレイク」。イギリスの巨匠ケン・ローチ監督は、一貫して貧しい労働者階級の現実に焦点を当ててきた。本作は、どこにでもいる一人の実直な初老の男性ダニエルが、国の援助を受けられずに追いつめられていく様を描くが、融通がきかないお役所的な手続きや、フードバンクでのエピソードなど、多くは、実話からヒントを得ているそう。弱者に冷たい官僚的システムに翻弄され耐え難い屈辱を味わっても、ダニエルは尊厳を失わない。そればかりか、本当は自分が助けが必要なのに、より困窮しているケイティ親子を助けるのだから、彼の善意に感動してしまう。弱者が生きられない社会に怒りがこみ上げ、引退宣言を撤回して再びメガホンを手にしたローチ監督だが、決して声高なメッセージなどは発していない。ダニエルとケイティのリアルな日常を丁寧に積み上げ、彼らが観客にとって身近な存在であること、失業や貧困などの問題は、誰にでも起こりうることなのだと訴えることで、静かに問題提起しているのだ。ケイティの子どもたちに木で作った飾りをプレゼントする心優しいダニエルは、人を助けるのに迷いはない。だが、プライドからか、自分が助けられることに無意識のうちに抵抗している。それをケイティの幼い子どもが「お願い、あなたを助けさせて」と訴える場面は、名もない庶民の善意を信じるローチ監督の真骨頂で、涙がこぼれそうだった。だからこそ、ラストの切なさが胸にせまってくる。タイトルは、ダニエルが壁に書く言葉からとられているが、これは全世界の労働者の叫びにほかならない。主人公を演じるデイヴ・ジョーンズは、英国では有名なコメディアンで俳優業は本職ではないが、真面目で不器用、どこかユーモラスなあたたかいダニエルを魅力的に演じている。ケン・ローチに二度目のカンヌ国際映画祭パルムドール(最高賞)をもたらした本作は、これまでのキャリアの延長線上にありながら、頂点ともいえる、底辺で生きる人々への力強い応援歌だった。
【75点】
(原題「I, DANIEL BLAKE」)
(英・仏・ベルギー/ケン・ローチ監督/デイヴ・ジョーンズ、ヘイリー・スクワイアーズ、ディラン・フィリップ・マキアナン、他)
(問題提起度:★★★★★)
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◆ペンネーム:渡まち子
◆映画ライター、映画評論家
◆こんなお仕事やってます:
新聞、雑誌、インターネットで、映画評、映画コラム、DVD紹介などを執筆。他にも、映画コメンテーターとしてラジオ出演、大学での公開講座や企業主催の映画セミナーなど、映画に関する幅広い仕事をこなしながら活動中です。
◆青山学院文学部史学科卒業。西洋史が専攻で、卒業論文はベネチア史。学んだことを生きている間に有効に活かせるのだろうか…と、かなり心配。
◆エトセトラ:
古今東西の映画をこよなく愛す、自他ともに認めるシネフィル(映画狂)です。時に苦言を呈すこともあるその映画批評の基本は、映画へのあふれる愛情と自負しています。どんなダメ映画でも必ずひとつはあるイイところを発見するのが得意技。大のサッカー好きで、欧州リーグからJリーグまでTPOに合わせて楽しんでます。
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