映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評


【本音で語る新作映画レビュー】
シネマッシモでは、映画レビューはネタバレなしのヒントあり。映画を見る前と見た後と、2度読んで楽しめます。
映画評サイトもこのブログで4代目になりました。すべての映画好きを歓迎します!
(点数は100点が、★は5つが満点)
シネマッシモとは、シネマ(映画)とマッシモ(イタリア語でmax,最大)とを組み合わせた造語。
どうぞゆっくり楽しんでください \(^▽^)/

◎ 今週の気になる映画 ◎
「アトミック・ブロンド」「バリー・シール」「あゝ、荒野 後篇」「我は神なり」etc.

有村架純

ナラタージュ

ナラタージュ (角川文庫)
映画の配給会社に勤める泉は、雨を見ながら過去を思い出していた。大学2年生になった泉は、高校時代の恩師・葉山から、電話で、演劇部の卒業公演に参加しないかと誘われる。葉山は、学校になじめず孤独だった泉を演劇部に入るように勧め、救ってくれた人物だった。葉山に好意を持っていた泉は、卒業式の日の葉山とのある思い出を封印してきたが、再会を機に抑えていた気持ちが募っていく…。

高校教師と生徒として出会った男女の、一生に一度の愛を描くラブストーリー「ナラタージュ」。原作は、2006年版“この恋愛小説がすごい”で1位に輝いた島本理生の小説である。タイトルのナラタージュとは、ナレーションとモンタージュを掛け合わせた言葉で、映画などで、ある人物の語りや回想によって過去を再現する手法だ。この映画では、社会人になった主人公・泉が、大学時代を回想し、さらに高校時代をも思い出すという二重の回想スタイルになっている。教師の葉山を慕う泉、精神状態が不安定な妻を捨てられない葉山、泉が葉山を想っていることを承知で付き合う小野の3人の、それぞれの心情を描いている。

泉は映画好きという設定で、劇中にいくつかの名作が登場するが、回想形式で物語を語るのは、スペイン映画「エル・スール」へのオマージュだろう。だが、本作が、成瀬巳喜男監督の名作「浮雲」をより強く意識しているのは明らかだ。どうしようもなく惹かれあう男女の腐れ縁を描いた傑作だが、「浮雲」には戦争という人の運命を狂わせる激動があった。では、本作は? 無論、戦争はなく、大震災のような天災もなく、ストーリーは、全体的にフラットで抑揚がない。これで2時間20分はあまりに長すぎる。相手を愛する気持ちも、自分勝手さも、中途半場では、登場人物に共感することも難しいだろう。ただ、優柔不断なダメ男を演じて脱アイドルを印象付けた松本潤、清純派からの脱皮を図って静かに熱演する有村架純は、共に新鮮だ。くすんだ色合いが独特の北陸ロケと印象的に使われる雨など、しっとりと美しい映像だけが心に残った。
【45点】
(原題「ナラタージュ」)
(日本/行定勲監督/松本潤、有村架純、坂口健太郎、他)
(共感度:★☆☆☆☆)
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関ヶ原

関ヶ原
天下人・豊臣秀吉の死後、豊臣家に忠誠心を持つ石田三成は、天下取りの野望を抱く徳川家康と対立する。互いに腹を探り合い、幾度かの対立の後、三成率いる西軍と、家康の東軍は、ついに1600年10月21日、天下分け目の合戦・関ヶ原の戦いで激突することになる…。

日本史上の歴史的な合戦を描く大作時代劇「関ヶ原」。原作は司馬遼太郎による大ベストセラーだ。映画の中で何度も描かれている関ケ原の戦いを、正面から描くのは、意外なことに本作が初めてなのだそう。この、わずか6時間の戦いで家康が勝利し、長きにわたった戦国時代に終止符を打って徳川の世となるのは周知の事実なので、結果に驚きはない。だが本作は、敗者側の石田三成を主人公に据えての物語。伊賀の忍びの初芽との秘めた恋や、家臣の島左近との友情などに重きが置かれ、三成の正義と家康の野望という対立の構図で描かれている。石田三成は、一般的には、傲慢、戦下手などのマイナスのイメージが強いのだが、原作者の司馬遼太郎は、彼を、近代人の始めの一人と高評価している。実際、歴史上の多くの人物には正反対の評価が残されているもので、その点も含め、史実や原作とは異なる部分は、エンターテインメントとして割り切るべきだろう。

映画そのものは、敗者や弱い者の側に肩入れしてしまう判官びいきの日本人気質に、石田三成のシンボルマーク“大一大万大吉(万民が一人のため、一人が万民のために尽くせば太平の世が訪れる)”を、強引に重ねた感がなくもない。三成と初芽の秘めた恋は、ヴィジュアルは華やかになるが、正直、必要ないとも思う。登場人物があまりに多く、セリフも膨大なので、歴史によほど詳しくないと、混乱してしまうのは、致し方ないところか。だが石田三成が敵である家康の館に逃げ込んだことや、関ケ原の命運を握っていたのが意外な人物たちだったことなど、一般的には有名でない史実も多いので、興味深く見ることはできるはずだ。演技派の岡田准一の石田三成は、正義感と愛にあふれる忠義の男として非常に魅力的で、映画の軸になっているし、大挙して登場する実力派俳優たちの演技合戦を存分に楽しむと良いだろう。あくまでもエンタメ作品として。
【55点】
(原題「関ヶ原」)
(日本/原田眞人監督/岡田准一、有村架純、役所広司、他)
(歴史秘話度:★★★★☆)
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3月のライオン 後編

映画『3月のライオン』オリジナルサウンドトラック
プロ棋士の桐山零が、川本家の3姉妹と出会い、家族同然に食卓を囲むようになって1年。零は、初めて感じる家庭のぬくもりに安らぎを感じる一方で、獅子王戦という厳しい戦いに挑もうとしていた。父親代わりの幸田は息子の暴力が原因でケガをし緊急入院、幸田の長女・香子はプロ棋士・後藤との不倫の恋を持て余すなど、幸田家は崩壊寸前。零の周囲の棋士たちにも、病や重圧など、さまざまな問題が降りかかる。川本家でも、3姉妹を捨てた父親が突然舞い戻り、とんでもない要求を突きつける。人を愛することを知った零は、強くなることで大切な人々を守ろうと決心するが…。

孤独な青年プロ棋士の成長と闘いを描いた、羽海野チカのベストセラー漫画を実写化した2部作の後編「3月のライオン 後編」。零が抱える孤独や闘うしかない運命と共に、零の周囲の人々の悩みや葛藤など、青春群像、人間ドラマとして充実した仕上がりとなった。後編では、はじめての安らぎを与えてくれた川本家の3姉妹を守りたいという、零の強い思いが全面に出ている。同時に、闘いしか知らなかった彼が、自分自身を見つめ直し、ライバルや先輩棋士たちと、初めて自分から深く関わっていく。羽海野チカの原作の持つ魅力はもちろんのこと、アクション映画を得意とする大友啓史監督のキレの良い演出が、青年棋士の心の成長という静かなドラマを、激しい戦いのドラマへと昇華させてくれた。零が学ぶことは、たとえ負けたとしても努力し続ける意味。そして強さの本質だ。主人公を演じる神木隆之介がラストシーンに見せる“背中の演技”には、毅然とした決意が感じられ、感動的である。ただ、川本家3姉妹だけは、考えた末に決めた“次の一手”で、困難な人生にひとつの答えを出したが、登場人物それぞれが抱える問題のほとんどが未解決。映画は、闘いの前編、愛の後編という位置付けだが、2部作後編は完結ではなく、新たな始まりへのスタートラインという印象が残る。桐山零のその後を見てみたくなった。
【70点】
(原題「3月のライオン 後編」)
(日本/大友啓史監督/神木隆之介、佐々木蔵之介、有村架純、他)
(成長度:★★★★☆)
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3月のライオン 後編|映画情報のぴあ映画生活

3月のライオン 前編

映画『3月のライオン』オリジナルサウンドトラック
中学生でプロ棋士としてデビューした17歳の桐山零は、東京の下町で一人で暮らしている。幼少期に両親を交通事故で失い、父の友人の棋士・幸田に引き取られたが、自分のせいで幸田家に亀裂が入り、家を出るしかなかったのだ。深い孤独を抱え、すがるように将棋に打ち込む零だったが、ある日、川向こうに住む川本家の三姉妹と出会う。零は、彼女たちのにぎやかな食卓に招かれ、次第の自分の居場所を見出していった。友人でライバルの棋士たち、先輩の棋士、さらに頂点に君臨する天才名人。さまざまな人生や悩みを抱える人々との交流が、零を新たな闘いの場へと導いていく…。

孤独な青年が将棋を通して成長していくヒューマン・ドラマ「3月のライオン 前編」。羽海野チカの大人気コミックを、2部作で実写化したドラマの前編だ。内向的な主人公・零には、家族も居場所もない。あるのは将棋だけだが、その将棋への情熱も、本当に将棋が好きなのか、それとも父の友人の棋士の家で生きるため、あるいは孤独を紛らわせるためだけのものなのか、零にはまだわからない。そんな零に、人生のぬくもりを教えてくれるのが、川本家の三姉妹だ。厳しい勝負の世界で共に生きる友人や先輩たちもまた、零にはかけがえのない人々である。もちろん、プロ棋士らがそれぞれ背負う人生も、簡単なものではない。成長著しい神木隆之介演じる零を中心に、さまざまなキャラクターが見事に描き分けられているのがいい。本作では、演じる俳優たちの新しい側面を見ることができるのも楽しみのひとつだ。零の才能の前にプロ棋士の夢を絶たれた幸田家の長女・香子を演じる有村架純は、今までにない闇と毒を秘めた激しい演技を見せるし、友人でライバルの二階堂役の染谷将太に至っては、最初は彼だとわからないほどのルックスの変貌ぶりだ。プロ棋士たちは、実在の棋士をモデルにしているケースも多いので、将棋ファンには特に楽しめるだろう。命がけの決闘ような闘いを繰り広げる対局シーンは将棋に詳しくなかったとしても手に汗を握るはずだ。零の壮絶な闘いは、後編へと続いていく。この前編は、一人の青年が、自分はどう生きていくべきかを模索しながら、厳しくも豊かな勝負の世界に身を投じる入り口のように思える。愛すること、守りたいものを知った主人公の戦いに注目したい。
【70点】
(原題「3月のライオン 前編」)
(日本/大友啓史監督/神木隆之介、有村架純、倉科カナ、他)
(孤独感度:★★★★☆)
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3月のライオン 前編|映画情報のぴあ映画生活

何者

何者 Blu-ray 豪華版
就活の情報交換のため集まった、大学生の拓人、光太郎、瑞月、理香、隆良の5人の22歳。演劇をやっていた拓人は冷静に分析するのが得意、バンドをやっていた天真爛漫な光太郎、地味だが実直な瑞月、海外ボランティア経験のある理香は意識高い系で、理香の同棲相手の隆良は社会の決めたルールには乗らないと就活を拒否している。それぞれが面接やSNSで発する言葉の奥に本心を隠しながら、共に励まし合っていた。だが、やがて内定をもらうものが現れると、抑えていた嫉妬や本音が噴出してくる…。

就職活動を通して5人の若者が自分自身をみつめていく「何者」。原作は直木賞を受賞した朝井リョウのベストセラー小説だ。言うまでもないが、就活のヒントや現実の就活をリアルに描く物語ではない。5人の登場人物は、ツイッターというごく短い言葉を発するSNSを通すことで、本音と建て前を使い分けながら、互いの距離感をはかっている。大学生で演劇サークルに所属していた拓人を中心に物語が展開するが、他人をいつも冷静に見ているはずの彼の分析や批判には、自分がどう見られたいかという願望が見え隠れする。では拓人自身の姿とは?面接で自分を表現する就活も、舞台の上で自分を表現する演劇も、“演じる”という共通点がある。どちらも、自分自身のことがわからないうちは表現することは不可能なのだ。天真爛漫な光太郎が「どうして拓人が内定をもらえないのか、本当にわからない」とつぶやくが、その答えを冷徹につきつけるのが、意識高い系の理香。これがこの就活心理ドラマの、一種のどんでん返しとなっている。スマホの小さな画面に向かって、わずか140文字で書く言葉に精一杯の思いを込める若者たちは、人と面と向かって話すことをどこかで恐れているのだろうか。それでもSNSの会話もまた彼らのリアルのひとつなのだ。佐藤健、有村架純、二階堂ふみ、菅田将暉、岡田将生、山田孝之ら、若手俳優のアンサンブルがうまく響き合っている。それにしても大学生活や社会人1年生ではなく、就活というごく短い間の青春模様に、人間ドラマのエッセンスを見出した原作者のまなざしの鋭さに感嘆する。
【75点】
(原題「何者」)
(日本/三浦大輔監督/佐藤健、有村架純、二階堂ふみ、他)
(リアル度:★★★★☆)
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何者|映画情報のぴあ映画生活

アイアムアヒーロー

【Amazon.co.jp限定】アイアムアヒーロー 豪華版(メーカー特典:劇場公開版B2ポスター)(2Lブロマイド) [Blu-ray]
漫画家アシスタントの鈴木英雄・35歳は、平凡で冴えない毎日を送っている。そんなある日、破局寸前の英雄の彼女が、人間を凶暴に変貌させる謎のウイルスに感染し、襲い掛かってくる。その感染は日本中に広がり、街は、人々が変貌を遂げた生命体ZQN(ゾキュン)であふれかえっていた。パニックに陥りながらも、英雄は趣味の射撃で所持する散弾銃を手に、標高が高いところでは感染しないという情報を頼りに、富士山に向かう。なりゆきでタクシーに乗り合わせた女子高生・比呂美、逃げ込んだショッピングモールで出会った勝気な元・看護師の藪と共に、決死のサバイバルを繰り広げるが…。

花沢健吾の人気コミックを実写化したパニックホラー「アイアムアヒーロー」。いわゆるゾンビ映画だが、ここまで本気のゾンビものは、邦画初ではなかろうか。堂々のR15指定の本作は、相手がゾンビとはいえ、銃撃戦や大虐殺など、血肉が飛び散る容赦ないグロ演出であふれていて、しばしば絶句する。さらに、韓国の閉鎖されたアウトレットモールで行った大規模ロケも気合十分。なんと世界3大ファンタスティック映画祭を制するという快挙を成し遂げてしまった。物語の主人公・英雄は、射撃が趣味で銃を所持しているが、ゾンビや卑怯な人間相手に引き金を引くことさえためらうヘタレ男。変わりたいという気持ちはあるのに、世界がこれほど激変しても、自分は変わることができないと嘆く英雄は、ヒーローからは最も遠いところにいる存在だ。だがそんなダメ男にも転機は必ずやってくる。そこまでの情けなさがハンパないだけに、ついに覚醒するその時のカタルシスもまたハンパないのだ。人間は噛まれるとゾキュン化するが、英雄とともにサバイバルする女子高生の比呂美は、歯のない赤ん坊に噛まれたことで半分人間、半分ゾキュンのハーフ・ゾキュンになる。異形でありながら人間性も残す彼女をとことん守る行為は、英雄にしかできない崇高なヒロイズムなのだ。
【65点】
(原題「アイアムアヒーロー」)
(日本/佐藤信介監督/大泉洋、 有村架純、吉沢悠、他)
(グロテスク度:★★★★☆)
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アイアムアヒーロー@ぴあ映画生活

僕だけがいない街

僕だけがいない街 プレミアムBOX [Blu-ray]
売れない漫画家である藤沼悟は、生活のためにピザ屋でアルバイトをしている。彼は、何か悪い事件や事故が起こると、それを回避するまで時空移動(タイムリープ)するリバイバルという謎の現象に見舞われていた。リバイバルは、原因が取り除かれるまでその時間が繰り返される。ある日、悟の母が何者かに殺され、リバイバルが起こるが、悟はまだ小学生だった18年前に戻ってしまい、同級生が被害者となった連続誘拐殺人事件に向き合うことになる…。

主人公が時間移動し自らの過去と向き合いながら未解決事件の謎を追う「僕だけがいない街」。原作は、三部けいによる大人気ミステリー漫画だ。時間が巻き戻りループするリバイバルや、現在と過去を行き来する現象など、主人公は、きわめて特殊な現象に見舞われている。設定そのものはSFチックだが、過去のパートでは、虐待を受けていた同級生の少女を懸命に助けようと奮闘するなど、人間ドラマの趣が強い。物語はミステリーなので、謎解きは明かせないが、後半、特に、未解決事件の犯人がわかるあたりからの展開は、かなり雑で乱暴だ。長い原作を約2時間にまとめているのが原因だろうが、犯人の行動と動機は、納得しがたく、ストーリー的にも矛盾があって、消化不良のイメージが残ってしまう。これが原作ものの難しさだろう。過去に戻ってからは、悟はほとんど小学生の姿だが、演じる子役たちがとても健気で、彼らの熱演につい引きこまれた。タイトルの意味は、ラストに分かる仕掛けで、これはなかなか切ない。
【60点】
(原題「僕だけがいない街」)
(日本/平川雄一朗監督/藤原竜也、有村架純、石田ゆり子、他)
(矛盾度:★★★★☆)
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僕だけがいない街@ぴあ映画生活

ビリギャル

映画 ビリギャル Blu-ray プレミアム・エディション
成績学年最下位の女子高生ギャルが、ある塾講師の励ましで慶應義塾大学合格を成し遂げた実話を元にした「ビリギャル」。合格すると分かっているので安心して見ていられる。

名古屋の女子高に通う工藤さやかは、まったく勉強せず、友達と朝まで遊びながら過ごすお気楽な毎日を送っていた。このままでは内部進学すら危ういと心配した母・ああちゃんは、さやかに塾へ通うことを提案。金髪パーマ、厚化粧、超ミニスカートというギャル全開の姿と、小学4年生程度の学力のさやかに、教師の坪田は面食らうが、すぐに彼女の素直な性格を見抜く。意気投合した二人は、ノリで慶應大学合格という無謀な目標を立て猛勉強を始めるが…。

原作は、塾講師・坪田信貴のベストセラー「学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話」。主演の有村架純の金髪のビジュアルが強烈なのだが、実際に金髪なのは夏休みの期間のみで、ほとんどは、ちょっと派手だがおしゃれ好きの普通の女子高生の姿だ。映画序盤は、さやかのギャル語と知識の欠如からくる珍問答で笑わせ、坪田先生のユニークな指導法に感心し、メキメキ実力をUPさせるさやかの姿に痛快な思いを抱くだろう。しかし、学問(受験)の道は甘くない。当然、何度も壁にブチあたるが、この点は、最終的に慶応大学に合格すると知っているので、ほとんどドキドキ感はない。どうやってその壁を乗り越えるかに興味が向くのだが、そこには、どんな生徒も決して見捨てない坪田先生の熱い思いがある。無論、少人数の塾だからこそやれる学習法だが、教師と生徒の絶対的な信頼関係こそが奇跡を生んだ原動力なのだ。主演の有村架純の可愛らしさ、ひたむきさ、どこかとぼけた味わいが好印象。目標をまず言葉にして宣言する“自己成就預言”のパワーを、思わず信じてしまった。サンボマスターのエンディングテーマ「可能性」にのってのエンドロールのパフォーマンスが、かなり盛り上がる。
【60点】
(原題「ビリギャル」)
(日本/土井裕泰監督/有村架純、伊藤淳史、野村周平、他)
(安心感度:★★★★☆)
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映画 ビリギャル@ぴあ映画生活

ストロボ・エッジ

ストロボ・エッジ Blu-ray 豪華版
高校生たちの切ない片想いを描いた青春ラブストーリー「ストロボ・エッジ」。フラれてもあきらめない。これぞ粘り勝ち(笑)。

恋愛経験のない高校1年生の仁菜子は、学校中の女子の人気を集める同級生・蓮を好きになってしまう。一見クールな蓮の秘めた優しさを知り、好きという気持ちを抑えられない仁菜子は、蓮に中学時代からつきあっている年上の恋人・麻由香がいることを知りながら告白する。仁菜子を振った蓮だったが、彼女のまっすぐな想いに触れるうちに心に変化が生まれていく…。

原作は咲坂伊緒の人気コミック。全10巻にもなる原作はかなり長尺で、それを2時間の映画にまとめるには、原作ファンに人気のエピソードを削る(あるいは変更する)などの苦労があったに違いない。恋に奥手な女の子が学校一の人気者の男子と恋に落ちるという、既視感満載の青春映画だが、同じ原作者の「アオハライド」とあまりに似ている。真っ直ぐなヒロイン、誰もが片思い、ヒロインが恋する男子は「君を守る」と言ってしまったために新しい恋に踏み出せない。ほとんど同じだ。もっとも原作はこの「ストロボ・エッジ」が先だそうで、これはもう作者の好みと思うしかない。物語で魅力的なのは、やはり「好き」という気持ちに忠実なヒロイン・仁菜子のピュアな性格だろう。あまり積極性はないようなおとなしい女の子だが蓮を好きという気持ちは誰にも負けていない。振られることを覚悟で告白し、友達のままでもいいと割り切っても気持ちが揺れる。ストイックというか打たれ強いというか、七転び八起きというか(笑)。大人の観客が見れば、気恥ずかしくもほろ苦い記憶を、同世代ならばストレートな共感を呼び起こすだろう。マンガの映画化には原作ファンは厳しいが“好きが積もっていく”感情を淡い光やサウンドで表現したラブストーリーには、たとえ傷ついても自分の気持ちに正直にぶつかっていく登場人物たちの、瞬間的な激しい光(ストロボ)が胸に突き刺さる(エッジ)青春の輝きがあった。
【50点】
(原題「ストロボ・エッジ」)
(日本/廣木隆一監督/福士蒼汰、有村架純、山田裕貴、他)
(ときめき度:★★★★☆)
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くるみ割り人形

くるみ割り人形 [Blu-ray]
バレエや童話などで有名な古典を実写アニメ化した力作「くるみ割り人形」。極彩色の3Dはまるで異世界。

ある雪の夜、少女クララは、大切にしていた“くるみ割り人形”をネズミの大群に奪われてしまう。ネズミを追ってクララが迷いこんだのは、人形の国。そこにはふたつ頭の白ネズミの女王に呪いをかけられ、眠ったままのお姫様がいた。人形とネズミの戦いに巻き込まれたクララは、“くるみ割り人形”に隠された悲しい秘密を知る…。

原作は、チャイコフスキーの不朽の名作バレエ「くるみ割り人形」とホフマンの童話「くるみ割り人形とねずみの王様」。演劇やバレエなどでは幾通りもの解釈が可能で、様々なアプローチがなされる作品として知られる。今回は、サンリオ創設者で現社長である辻伸太郎が自ら脚本を書き下ろし、カワイイ・カルチャーの第一人者のアーティスト、増田セバスチャンが初監督を務める。35年前に製作された作品をベースにするが、何しろ、実写アニメという1日たった3秒の撮影しかできないスタイル。おかげで、5年の歳月と7億円もの巨費がかかったというから驚きだ。物語は、人形とねずみの戦争や時のない村、世界で一番固いクルミなどが登場し、幻想的で複雑、善悪や美醜が入り乱れる摩訶不思議なものになった。基本はクララの成長物語で、自分の命を犠牲にしてでも守りたいものを見出すというもの。可愛らしいビジュアルの中に、邪悪なものやいびつな要素を盛り込むスタイルは、むしろ原作に近いといえるだろう。3Dで描かれるぐにゃりと歪んだ世界観は、夢と現実の関係は単純ではなく、混沌としたものだと言わんばかりだ。監督いわく、これは“ルーツ・オブ・カワイイ”だそう。なるほどそんな気がしてきた。
【65点】
(原題「くるみ割り人形」)
(日本/増田セバスチャン監督/(声)有村架純、松坂桃李、藤井隆、他)
(カラフル度:★★★★☆)
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◆ペンネーム:渡まち子
◆映画ライター、映画評論家
◆こんなお仕事やってます:
新聞、雑誌、インターネットで、映画評、映画コラム、DVD紹介などを執筆。他にも、映画コメンテーターとしてラジオ出演、大学での公開講座や企業主催の映画セミナーなど、映画に関する幅広い仕事をこなしながら活動中です。
◆青山学院文学部史学科卒業。西洋史が専攻で、卒業論文はベネチア史。学んだことを生きている間に有効に活かせるのだろうか…と、かなり心配。
◆エトセトラ:
古今東西の映画をこよなく愛す、自他ともに認めるシネフィル(映画狂)です。時に苦言を呈すこともあるその映画批評の基本は、映画へのあふれる愛情と自負しています。どんなダメ映画でも必ずひとつはあるイイところを発見するのが得意技。大のサッカー好きで、欧州リーグからJリーグまでTPOに合わせて楽しんでます。
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