映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評


【本音で語る新作映画レビュー】
シネマッシモでは、映画レビューはネタバレなしのヒントあり。映画を見る前と見た後と、2度読んで楽しめます。
映画評サイトもこのブログで4代目になりました。すべての映画好きを歓迎します!
(点数は100点が、★は5つが満点)
シネマッシモとは、シネマ(映画)とマッシモ(イタリア語でmax,最大)とを組み合わせた造語。
どうぞゆっくり楽しんでください \(^▽^)/

◎ 今週の気になる映画 ◎
「スター・ウォーズ/最後のジェダイ」「ユダヤ人を救った動物園」etc.

本田翼

鋼の錬金術師



幼い頃から天才的な錬金術の才能をみせる兄・エドワード(エド)は、弟・アルフォンス(アル)と共に、亡き母を生き返らせようと、人体錬成という錬金術最大のタブーを行う。しかし錬金術は失敗し、その代償としてエドは左脚を、アルは体全体を喪失してしまう。瀕死のエドは、とっさに自らの右腕と引き替えにアルの魂を錬成し、近くにあった鎧に定着させた。数年後、エドは失った右腕と左脚に鋼鉄の義肢、オートメイル(機械鎧)を装着し、国家錬金術師となる。アルの失った体を取り戻す手がかり“賢者の石”を探す旅を続けるエドは、人々から“鋼の錬金術師”と呼ばれていた。一方、固い絆で結ばれるエドとアルを、謎のホムンクルス(人造人間)たちが狙っていた…。

天才錬金術師が弟の体を取り戻そうと奮闘するファンタジー・アクション「鋼の錬金術師」。原作は、荒川弘の大ヒットコミックで、通称ハガレンと呼ばれている、世界的ベストセラーだ。錬金術とは、物質の構成や形状を変化させ、新たなものに作り替えること。魔法のように思えるが、厳正な科学に基づいている。一番の特徴は、等価交換というルールだ。何かを得ようとすれば同等の代価が必要というもので、作品全体を貫いているこの等価交換という概念が、ハガレンに、単なるヒーローものやアクションものとは一線を画す深みをもたらしている。

人気コミックの実写化は、映画界の大きな潮流で日本映画もまたその流れに乗っている。しかし、ファンの目は厳しく、かなりハードルは高い。特にこのハガレンは、登場人物の名前や舞台は欧米風(イタリア・ロケ敢行)なのに、日本人俳優と日本語のせりふという作りなので、どうしても違和感を覚えてしまう。しかし、これを否定してしまっては、本作は成り立たないので、ここは慣れるしかない。VFXを駆使したアクションシーンはなかなかの出来栄えで、さすがは日本でも指折りのCGの使い手の曽利文彦監督だ。特に冒頭のド派手なシークエンスは興奮必至だが、個人的には、真理の扉にまつわる、静かな“スペクタクルシーン”のスピリチュアルな美しさを評価したい。もっとも、兄弟の絆、仲間との友情、それぞれが抱える葛藤や心の闇、さらには人間の定義など、描く内容が多すぎて、せりふが説明調に傾いたのは残念なところだ。原作は壮大な広がりを持つストーリーで、映画で描かれたのはその一部。どうやらエドとアルの旅はまだ続くようだ。
【60点】
(原題「鋼の錬金術師」)
(日本/曽利文彦監督/山田涼介、本田翼、ディーン・フジオカ、他)
(スペクタクル度:★★★★☆)
チケットぴあ

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ←ランキング参加中です!

人気ブログランキング←この記事が気に入ったらポチッとクリックお願いします(^o^)

少女

少女 Blu-ray特別版
夏休み、高校2年生の由紀は、親友の死を目撃したという転校生の話を聞き、人が死ぬ瞬間を見たいという強い思いにかられて小児科病棟でボランティアを始める。由紀の親友の敦子もまた、由紀には内緒で老人ホームのボランティアをしていた。陰湿なイジメを受け生きる気力をなくしている敦子は、人が死ぬ瞬間を目撃すれば、再び生きる希望がわくのではないかと思っていたのだ。やがて彼女たちの周囲にいる人々の点と点が結びつき、思いがけない結果を生んでいく…。

心に闇を抱え死の瞬間を目撃したいと切望する2人の女子高生の夏休みを描く「少女」。原作は、「告白」をはじめ、多くの作品が映画化されている湊かなえの同名小説だ。中心になるのは、読書好きでいつも小説を書いている由紀と、剣道の大会で失敗して以来イジメを受けている敦子の2人。彼女たちは親友なのだが、過去のある出来事からぎこちない関係になっている。二人の周囲にいる人々が、思いがけない形でからみあう演出は、少しずつ全体像が見えてくるジグソーパズルのようだ。敦子のために小説を書く由紀、由紀の小説を盗んで文学賞を取る国語教師、転校生は敦子を恐喝の共犯者にし、ボランティア先では余命僅かな少年が最後の願いを胸に秘める。認知症を患う由紀の祖母が言う“因果応報”が、すべての悪意を巧妙に結び付けていく。大人でも子どもでもない独特の時間を生き、自分勝手で危うい、それでいて繊細で可能性に満ちているのが17歳。死に魅入られてしまうのは、狭い世間しか知らない若さゆえなのだが、共にトラウマを抱える由紀と敦子は、死の瞬間を見るために訪れた小児病棟や老人ホームで、逆に生の大切さを学んでいくという展開に、希望が込められている。ただ、遺書として登場する多分に演劇的な演出は、物語の中で浮いていて、しっくりこなかった。暗闇の中をひとりぼっちで綱渡りしていると思い込んでいた世界が、本当は多くの人々と一緒にいる広い空間だと気づいたとき、彼女たちを覆う闇がはれる。これはミステリーというより、少女たちのサバイバル劇なのだ。終始冷ややかな表情の本田翼と、生気のない顔の山本美月の二人の美少女が、今までのイメージを覆す暗い役で熱演。ほっこりとした癒し系の作品が多かった三島有紀子監督だが、本作では繊細かつ冷徹な演出が光っていた。
【60点】
(原題「少女」)
(日本/三島有紀子監督/本田翼、山本美月、真剣佑、他)
(陰湿度:★★★★☆)
チケットぴあ

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ←ランキング参加中です!

人気ブログランキング←この記事が気に入ったらポチッとクリックお願いします(^o^)
少女|映画情報のぴあ映画生活

起終点駅 ターミナル

起終点駅 ターミナル [DVD]
北海道・旭川の地方裁判所判事だった鷲田完治は、妻子ある身でありながら、愛した恋人を失ってしまう。それから25年、完治は自らを罰するかのように、判事の職も家族も捨てて、釧路の地で国選弁護人しか引き受けない弁護士として、孤独の中に生きてきた。そんなある日、弁護を担当した25歳の椎名敦子が完治のもとを訪ね、ある人を探してほしいと頼み込む。家族に見放され一人で生きてきた敦子との出会いにより完治の止まっていた時間が動き始め、敦子もまた完治に心を開いていく…。

直木賞作家・桜木紫乃の短編小説を映画化したヒューマン・ドラマ「起終点駅 ターミナル」は、過去にとらわれ、孤独に生きてきた男の再生の物語だ。愛した女性が自分の重荷になるのを嫌い、目の前で命を絶つという衝撃は、完治を打ちのめし、その後の25年間はずっと、贖罪の日々を送っている。死んだも同然の完治の前に現われ、複雑な事情を抱えた敦子もまた、誰からも見捨てられ死んだような目をして孤独に生きてきた。55歳の初老の男性と25歳の若い女性の関係は、淡い恋愛感情があったとしても、むしろ互いをいたわる親愛の関係だ。北海道・釧路の荒涼とした景色の中、ふとしたきっかけで敦子に料理を振る舞うことになった完治が作る“北国の御馳走”がいい。人間関係を避け孤独に生きる主人公もまた、一緒に食事をする相手がいることによって心がほぐれていくと雄弁に物語っていた。佐藤浩市はベテランらしく表情だけで背負った哀しみを表し、さすがの演技力なだけに、相手役の本田翼の力量不足がかえって目立ってしまったのは残念。これはいったいいつの時代?と思わず首をかしげたくなるほど、古色蒼然としたドラマだが、時の流れに取り残された男の再生の物語には、その方がむしろしっくりくるかもしれない。
【60点】
(原題「起終点駅 ターミナル」)
(日本/篠原哲雄監督/佐藤浩市、本田翼、尾野真千子、他)
(寒々しさ度:★★★★☆)
チケットぴあ

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ←ランキング参加中です!

人気ブログランキング←この記事が気に入ったらポチッとクリックお願いします(^o^)
起終点駅 ターミナル@ぴあ映画生活

アオハライド

アオハライド Blu-ray 豪華版(特典DVD付2枚組)
初恋の相手と高校で再会したことから始まる恋模様を描く青春映画「アオハライド」。恋愛もいいが友情が魅力的。

双葉と洸は、中学時代、お互いに想いを残しながら離れ離れになってしまったが、高校で思いがけず再会する。だが、どこか以前とは違ってしまった洸に対し、双葉はとまどいを覚える。それでも双葉は洸が時折みせる不器用な優しさに触れ、再び彼に惹かれていく自分に気付くのだったが…。

原作は咲坂伊緒の大ベストセラーコミック。少女マンガの実写映画化が相次ぐが、本作で一番印象的なのは、瑞々しさが感じられるタイトルかもしれない。アオハライドとは、青春(アオハル)とride(乗る)を組み合わせた造語で、どんなに傷ついても前を向きながら青春に乗っていくという意味だそうだ。ストーリーは、青春グラフィティーとしてテッパンの作りで、互いを想いあう男女の恋愛と、彼らを取り巻く友情の物語、ライバルや恋の三角関係と、どれも既視感があるものの、これらがないと学園恋愛モノとは言えないという設定ばかり。特に女の子の描き方がいい。双葉の親友になるのはクールな美人で一匹狼タイプの修子とブリッ子キャラだが友達思いの悠里。どこか少年っぽく恋愛ベタの双葉とこの2人のキャラがメリハリがあっていい。さらに洸と似た境遇で洸を慕う唯を演じる高畑充希が、独占欲の強い不幸キャラを面白いテイストで演じている。文化祭、お祭り、修学旅行とこれまた典型的な行事シークエンスが続くが、修学旅行先である長崎ロケは本作の大きな魅力のひとつになった。少女マンガ原作の実写映画化で実績がある、三木孝浩監督らしく、現役アオハライダーにはドキドキの、元アオハライダーの大人には懐かしい胸のときめきを思い出させる直球の作品に仕上がった。しかしな〜、売れっ子の東出昌大、なぜか高校生役が続くが、そろそろ無理だと思うゾ。
【65点】
(原題「アオハライド」)
(日本/三木孝浩監督/本田翼、東出昌大、新川優愛、他)
(直球度:★★★★☆)
チケットぴあ

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ←ランキング参加中です!

人気ブログランキング←この記事が気に入ったらポチッとクリックお願いします(^o^)
アオハライド@ぴあ映画生活
シネマッシモにようこそ
◇ シネマッシモについて ◇

このブログが気に入ったら、ポチッとクリックお願いします♪
にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ

映画レビュー用BRバナー
インフォメーション


映画ライター渡まち子が運営するセカンド・ブログ「映画の中に猫がいる」もよろしく!【猫目線】で語る映画評で、のんびり、まったり運営中です(笑)。 猫好きの方、映画好きの方、ぜひ遊びにきてください。相互リンクも募集中!
こちらからどうぞ!
おすすめ情報
作品検索はこちら
Google
WWW を検索
このブログ内を検索
コメント(承認済)
映画レビュー(長文)索引

    
    
    
    
    
    
    
  
    

A−Z
0−9
カテゴリ
お仕事受注
映画評やコラムの執筆、講演など、映画に関する仕事を承ります。連絡はメールでお気軽にどうぞ。

 メールはこちらから↓
cinemassimo555★jcom.home.ne.jp
(★を@に変更して下さい)

執筆やラジオ出演など、メールと電話で対応可能な場合は、全国から仕事を受注していますので、まずはお問合せください。
プロフィール
プロフィール more
◆ペンネーム:渡まち子
◆映画ライター、映画評論家
◆こんなお仕事やってます:
新聞、雑誌、インターネットで、映画評、映画コラム、DVD紹介などを執筆。他にも、映画コメンテーターとしてラジオ出演、大学での公開講座や企業主催の映画セミナーなど、映画に関する幅広い仕事をこなしながら活動中です。
◆青山学院文学部史学科卒業。西洋史が専攻で、卒業論文はベネチア史。学んだことを生きている間に有効に活かせるのだろうか…と、かなり心配。
◆エトセトラ:
古今東西の映画をこよなく愛す、自他ともに認めるシネフィル(映画狂)です。時に苦言を呈すこともあるその映画批評の基本は、映画へのあふれる愛情と自負しています。どんなダメ映画でも必ずひとつはあるイイところを発見するのが得意技。大のサッカー好きで、欧州リーグからJリーグまでTPOに合わせて楽しんでます。
おすすめ情報
おすすめ情報

おすすめ情報

楽天市場
おすすめ情報

Archives
相互リンクについて
相互リンクについて

  ↑ 必ずお読みください。
タグクラウド
  • ライブドアブログ