映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評


【本音で語る新作映画レビュー】
シネマッシモでは、映画レビューはネタバレなしのヒントあり。映画を見る前と見た後と、2度読んで楽しめます。
映画評サイトもこのブログで4代目になりました。すべての映画好きを歓迎します!
(点数は100点が、★は5つが満点)
シネマッシモとは、シネマ(映画)とマッシモ(イタリア語でmax,最大)とを組み合わせた造語。
どうぞゆっくり楽しんでください \(^▽^)/

◎ 今週の気になる映画 ◎
「アトミック・ブロンド」「バリー・シール」「あゝ、荒野 後篇」「我は神なり」etc.

村上虹郎

二度めの夏、二度と会えない君

二度めの夏、二度と会えない君 feat.Primember(TYPE-C/DVD付き)
自分のバンドを作り文化祭で歌うことを夢見る高校3年生の森山燐は、篠原智が通う青葉北高に転校してくる。彼女の情熱に共感した智は、一緒にバンドを組み、ライブを成功させる。しかし燐は重い病を抱えており、智たちと最高の時間を過ごした後に倒れてしまう。燐が亡くなる直前に、自分の思いを告白した智だったが、そのことで彼女を激しく動揺させてしまう。もしやり直せるなら…。そう思ったある日、智は燐と出会った半年前にタイムリープしていた…。

不治の病を患う転校生と彼女に思いを寄せる男子高校生の青春ラブストーリー「二度めの夏、二度と会えない君」。原作は赤城大空による同名のライトノベルだ。タイムリープものはタイムスリップ映画のサブジャンルとして人気があり、「バタフライ・エフェクト」や「恋はデジャ・ブ」「うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー」など、なかなかの佳作が揃っている。中でも青春ものとは相性が良く「時をかける少女」や「サマータイムマシン・ブルース」、最近では「君の名は。」「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」などがあり、どれも“もしもあの時…だったら”というほろ苦い思いを描いた作品群だ。本作もまたそんな青春のみずみずしさ、切なさをテーマにしている。

燐に告白したことですべてを台無しにしたと深く後悔する智は、不思議な力で彼女と出会った半年前にタイムリープし、燐が笑顔のままその一生を終えられるよう、今度は絶対に彼女に“告白しない”と心に決める。同じ夏、同じライブ、同じ恋。それでも微妙に違う二度めの夏。タイムリープという設定はファンタジーなのだが、かけがえのない青春のはかなさと愛おしさは本物なのだ。ストーリーは、よく言えば素直、悪く言えばご都合主義だし、村上虹郎以外の若手俳優は演技もほぼ素人。だがそれらすべてを払拭するのが、ガールズバンド「たんこぶちん」のMADOKAこと吉田円佳の素晴らしい歌声である。音楽の力が映画を輝かせていた。
【60点】
(原題「二度めの夏、二度と会えない君」)
(日本/中西健二監督/村上虹郎、吉田円佳、加藤玲奈、他)
(音楽映画度:★★★★☆)
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武曲 MUKOKU

武曲 (文春文庫)
鎌倉。矢田部研吾は剣道5段の腕前を持ちながら、剣道の師である父にまつわる、ある出来事によって、生きる気力を失い、酒におぼれ自堕落な日々を送っていた。そんなある時、研吾のもう一人の師匠である光邑師範が、研吾を立ち直らせるため、一人の少年を送り込む。ラップの作詞に夢中な高校生・羽田融は、本人も知らない“天性の剣士”の素質を持っていた。二人は、剣道八段の光邑師範の教えを受け、人間として、剣士として精進していくが…。

古都・鎌倉を舞台に、年齢も境遇も違う二人の男が剣士として高め合い、命懸けでぶつかりあう姿を描く「武曲 MUKOKU」。原作は芥川賞作家・藤沢周の小説「武曲」だ。研吾は厳しすぎる父親が敷いたレールに反発し、かつては“殺人剣の使い手”だった父に対して屈折した愛憎の思いを抱え、もがいている。父とのある事件がきっかけで、進むべき道を見失って剣を捨てた研吾の宿命の相手が、ラップに夢中な高校生という設定がまず意外性がある。どこから見てもイマドキの少年の融だが、実は彼は、過去に台風の洪水で死にかけた経験があり、その臨死体験以来、死に魅入られているのだ。研吾は、融の中に、父と同じ“天性の剣士”を見るが、それ以上に、死を感じながら闘う魂の叫びに共鳴したに違いない。描かれるのは現代の剣道だが、これはまさに時代劇の剣士そのものだ。息詰まるほどの緊張感の中で、自分の、そして相手の心の闇を垣間見て、弱さを克服するには命懸けで戦うしかないことを知るのである。綾野剛の鍛え上げた肉体と狂気のまなざしが素晴らしい。一方で、まだ若い俳優・村上虹郎が演じる融の、思春期特有のナイーブさや傲慢さ、りりしさなどにも魅了される。夜の闇の中、豪雨にうたれながらの死闘は、圧巻だ。剣豪という言葉が、現代劇でこれほどフィットするとは。父と子。剣士と剣士。生と死。闘うことでしか生きられない男たちの異様な気迫が、鮮烈な光のようにスクリーンに焼き付けられている。
【70点】
(原題「武曲 MUKOKU」)
(日本/熊切和嘉監督/綾野剛、村上虹郎、前田敦子、他)
(迫力度:★★★★☆)
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忘れないと誓ったぼくがいた

忘れないと誓ったぼくがいた [Blu-ray]
出会った人間の記憶から消えてしまう不思議な少女との恋愛を描くファンタジー「忘れないと誓ったぼくがいた」。SFかと思ったら青春映画だった。

大学受験を控えた高校生タカシは、織部あずさという美少女と出会い恋に落ちる。デートを重ねる2人だったが、ある日あずさは「私と出会った人は必ずその記憶を数時間後に失ってしまう」と奇妙な告白をする。最初は、そんなバカげた話を信じようとしないタカシだったが、ふとしたときに、あずさのことを忘れていることに気付く。タカシは彼女と会った日の出来事やデートの約束などを細かくメモに残し、自分だけは絶対にあずさのことを忘れないと、奮闘するのだが…。

原作は人気作家・平山瑞穂の小説。ヒロインの美少女あずさは、出会った人は全員、自分の記憶を失ってしまうという悲しい運命を背負っている。なぜあずさが忘れられるのかの説明はないし、家族や友人などが彼女を忘れてしまっているのにあずさはどうやって生きているのかなどのディティールはかなり大雑把だ。ではこの映画のテーマは、というと、好きになった人のことを、いつも、いつまでも覚えていようとする少年との純愛ということになろうか。人々の記憶から消えるというどこかSFチックな設定だが、描かれるのはごく平凡な毎日。思えば人間というのは「忘れる」ことからは逃れられない生き物だ。どれほどときめいた恋もいつか日常の中に埋没していく。タカシとあずさは、そんな大人になる運命に必死に抗っているように見える。タカシの思いを受け止めたあずさが最後にとる行動は、何とも切ないものだ。人々の記憶から消えるというアイデアひとつで成り立っているような青春映画で、細部のツメは限りなく甘い。主演の2人の演技も固さが目立つ。それでも時間が経っても記憶の底に留まる感情は誰の胸にもあるだろう。見終わってタイトルの“忘れないと誓ったぼくがいた”の意味をかみしめた。
【50点】
(原題「忘れないと誓ったぼくがいた」)
(日本/堀江慶監督/村上虹郎、早見あかり、西川喜一、他)
(ファンタジック度:★★★★☆)
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2つ目の窓

2つ目の窓 [Blu-ray]
奄美大島を舞台に独特の死生観を描く青春映画「2つ目の窓」。命の循環という深淵なテーマと奄美大島の野性的な自然が呼応している。

奄美大島に住む16歳の界人は、奄美に古代から伝わる八月踊りの満月の夜に、海岸で男の溺死体を見つける。衝撃を受けその場を走り去る彼の姿を、同級生で界人を慕う杏子が見ていた。杏子の母・イサは、島民の相談役で祭祀を司るユタ神様だが病で死期が迫っている。一方、界人は母・岬の女としての部分に嫌悪感をぬぐえず、衝動的に東京に住む父の元を訪れる。杏子と界人は互いに惹かれ合いながらも、今はただ寄り添うだけだった。島に嵐が近づいた夜、界人から激しくなじられた岬が行方不明になる事件が起こる…。

むせ返るような緑の奈良から、どこまでも青い海が広がる奄美大島へ。日本国内より国際的評価の方が高い河瀬直美監督のルーツは、実はこの島にあるという。自己投影したストーリーテリングは、河瀬監督の特徴なのだが、難解と敬遠されがちだった過去作に比べ、本作は10代の少年少女の成長と恋という青春映画の枠組みをとっているので、かなり分かりやすい。自然と神と人間が共存する土着信仰が根強い島では、若い恋人たちが結ばれるのも、生命の象徴のような海の中。私たち人間も、神羅万象の一部にすぎないというメッセージには共感できる。だが、冒頭の山羊の喉をかき切るシーンは唐突だし、ガジュマルの樹の伐採や「神もまた死ぬ」という欧米では物議を醸しそうなセリフも、さらりと流すだけ。それでも登場人物の心象風景が自然と重なる、幻想的な映像は美しく、死と生を見つめ続ける河瀬監督の姿勢は、どの作品でも一貫していてブレない。こういう作家性が、今の映画界では希少なのだ。ただ「2つ目の窓」というタイトルはさっぱりワケがわからない。人生の次のステップに進んだときに開く扉という意味なのかもしれないが、英題「Still the Water」の方がずっとフィットしているように思う。
【65点】
(原題「2つ目の窓」)
(日本・仏・西/河瀬直美監督/村上虹郎、吉永淳、杉本哲太、他)
(みずみずしさ度:★★★★☆)
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◆ペンネーム:渡まち子
◆映画ライター、映画評論家
◆こんなお仕事やってます:
新聞、雑誌、インターネットで、映画評、映画コラム、DVD紹介などを執筆。他にも、映画コメンテーターとしてラジオ出演、大学での公開講座や企業主催の映画セミナーなど、映画に関する幅広い仕事をこなしながら活動中です。
◆青山学院文学部史学科卒業。西洋史が専攻で、卒業論文はベネチア史。学んだことを生きている間に有効に活かせるのだろうか…と、かなり心配。
◆エトセトラ:
古今東西の映画をこよなく愛す、自他ともに認めるシネフィル(映画狂)です。時に苦言を呈すこともあるその映画批評の基本は、映画へのあふれる愛情と自負しています。どんなダメ映画でも必ずひとつはあるイイところを発見するのが得意技。大のサッカー好きで、欧州リーグからJリーグまでTPOに合わせて楽しんでます。
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