映画通信シネマッシモ


映画通信シネマッシモは、2018年4月をもって、終了しました。

ブログ終了にあたり、たくさんのあたたかいコメントをお寄せいただき、本当にありがとうございました。
皆さまの映画ライフに少しでもお役に立てたならこれほど嬉しいことはありません。
長い間のご愛顧に心より感謝いたします。

松坂桃李

くるみ割り人形

くるみ割り人形 [Blu-ray]
バレエや童話などで有名な古典を実写アニメ化した力作「くるみ割り人形」。極彩色の3Dはまるで異世界。

ある雪の夜、少女クララは、大切にしていた“くるみ割り人形”をネズミの大群に奪われてしまう。ネズミを追ってクララが迷いこんだのは、人形の国。そこにはふたつ頭の白ネズミの女王に呪いをかけられ、眠ったままのお姫様がいた。人形とネズミの戦いに巻き込まれたクララは、“くるみ割り人形”に隠された悲しい秘密を知る…。

原作は、チャイコフスキーの不朽の名作バレエ「くるみ割り人形」とホフマンの童話「くるみ割り人形とねずみの王様」。演劇やバレエなどでは幾通りもの解釈が可能で、様々なアプローチがなされる作品として知られる。今回は、サンリオ創設者で現社長である辻伸太郎が自ら脚本を書き下ろし、カワイイ・カルチャーの第一人者のアーティスト、増田セバスチャンが初監督を務める。35年前に製作された作品をベースにするが、何しろ、実写アニメという1日たった3秒の撮影しかできないスタイル。おかげで、5年の歳月と7億円もの巨費がかかったというから驚きだ。物語は、人形とねずみの戦争や時のない村、世界で一番固いクルミなどが登場し、幻想的で複雑、善悪や美醜が入り乱れる摩訶不思議なものになった。基本はクララの成長物語で、自分の命を犠牲にしてでも守りたいものを見出すというもの。可愛らしいビジュアルの中に、邪悪なものやいびつな要素を盛り込むスタイルは、むしろ原作に近いといえるだろう。3Dで描かれるぐにゃりと歪んだ世界観は、夢と現実の関係は単純ではなく、混沌としたものだと言わんばかりだ。監督いわく、これは“ルーツ・オブ・カワイイ”だそう。なるほどそんな気がしてきた。
【65点】
(原題「くるみ割り人形」)
(日本/増田セバスチャン監督/(声)有村架純、松坂桃李、藤井隆、他)
(カラフル度:★★★★☆)
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くるみ割り人形@ぴあ映画生活

万能鑑定士Q モナ・リザの瞳

万能鑑定士Q ―モナ・リザの瞳- Blu-ray スペシャルエディション
天才的な鑑定眼を持つヒロインがモナ・リザに隠された謎に迫るミステリー「万能鑑定士Q モナ・リザの瞳」。モナ・リザも思わず苦笑する出来栄えで、激しく脱力。

40年ぶりに再来日する名画モナ・リザ。ルーブル美術館は警備強化のため鑑定士を募る。天才的な鑑定眼を持ち鑑定事務所「万能鑑定士Q」を営む凛田莉子は、ルーブルでの試験の末、見事に選ばれる。もう一人の合格者の鑑定家・美沙とともに、真贋鑑定の訓練のため、厳しい合宿に臨むが、モナ・リザの瞳の隠された謎の文字をみつけてしまった莉子は、その鑑識眼が狂い、心身ともに追いつめられていく…。

原作は松岡圭祐原作の「万能鑑定士Q」シリーズ。主人公の凛田莉子は、驚異的な鑑定眼とロジカル・シンキング(論理的思考)、さらに天才的な記憶力を持つスーパーヒロインだ。何しろ“万能”である。不可能などない!ということで、名探偵コナンのごとき洞察力とコナンを凌駕するご都合主義で、事件を解決する。名画モナ・リザにはさまざまな説や憶測、さらには実際に起こった盗難事件などがあり、本作ではその瞳に仕込まれた文字を見たものは、精神に異常をきたすという噂の通り、莉子の鑑定眼も狂っていくという展開だ。そこにはモナ・リザをめぐるある陰謀が隠されているのだが、一応ミステリーなので詳細は伏せる。でも、でも!そもそも、あの世界的美術館であるルーブルが、どーしてわざわざ外部鑑定士によって警備強化を図るのか?? しかも鑑定士に選ばれてから合宿訓練ってどういうことだ?! あまりに不自然な最初の設定からして、本作のズッコケぶりが推察される。莉子の相棒(?)の雑誌記者・小笠原の無能っぷりもまたハンパない。見どころは、雑学的ウンチクと、モナ・リザをめぐるさまざまなマメ知識、邦画初となるルーブル美術館でのロケ。このレベルの作品でロケが認められたのはトホホなのだが、ともあれ、これだけは“本物”を堪能できる。
【30点】
(原題「万能鑑定士Q モナ・リザの瞳」)
(日本/佐藤信介監督/綾瀬はるか、松坂桃李、初音映莉、他)
(謎解き度:★☆☆☆☆)
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ガッチャマン

ガッチャマン(本編ディスク+特典DVDディスク) [Blu-ray]
タツノコプロが制作した人気テレビアニメを実写映画化した「ガッチャマン」。すべてが迫力不足だが、Gスーツはかっこいい。

21世紀初頭。謎の侵略者で圧倒的な力を持つ組織ギャラクターが人類に宣戦布告し、瞬く間に地球は壊滅状態に陥る。ギャラクターの攻撃から地球を守るため、ISO(国際科学技術庁)の南部博士は“石”という特殊な結晶体の力を引き出せる数少ない適合者を集め、幼い頃から過酷な訓練を強制する。健、ジョー、ジュン、甚平、竜の5人は、石を操る力を持つ“ガッチャマン”として、地球を守るべく戦いに身を投じるが…。

1970年代にTV放送され人気を博したアニメ「科学忍者隊ガッチャマン」。この伝説的アニメを実写映画化したのが本作だ。最新VFXと、旬の若手俳優の起用、さらに昨今流行の“悩めるヒーロー”の要素を組み合わせて、現代に蘇ったガッチャマンというわけである。…だが、しかし!夏映画てんこもりのこの時期、桁違いのスケールと物量でスクリーンを席巻中のハリウッドSF大作と比べてみると、なんともおそまつなVFXで脱力してしまう。ガッチャマンはもともと、子供向けアニメにしては、内容が公害や戦争などシリアスなテーマを扱った異色アニメだったが、実写版ではそんな社会派のメッセージよりも、適合者として強制的にエージェントになり、戦うことを強いられた若者たちの苦悩に焦点を当てている。ギャラクターの謎の首領であるベルク・カッツェの正体、ギャラクターから離脱しISOに亡命してきたイリヤの秘密などについては明かさないが、後半にはガッチャマンたちの絆を揺るがす謎が仕掛けられている。アクションも切れ味が悪く、とくにガッチャマンの紅一点のジュン役の剛力彩芽の動きの悪さは酷い。すべてにおいて迫力不足なのだが、ただ1点感心するのは、5人のヒーローたちがまとうパワードスーツのクールなフォルムだ。機能美を感じさせるこのスーツにかかった総額は2000万円だというから、かなりのこだわりよう。闇の中にすっくと立つビジュアルは美しかった。長いエンドロールの後に、ワンシーンが用意されているので、最後まで席を立たずに鑑賞しよう。
【50点】
(原題「Gatchaman ガッチャマン」)
(日本/佐藤東弥監督/松坂桃李、綾野剛、剛力彩芽、他)
(迫力度:★★☆☆☆)
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今日、恋をはじめます

今日、恋をはじめます ブルーレイ豪華版 [Blu-ray]今日、恋をはじめます ブルーレイ豪華版 [Blu-ray] [Blu-ray]
少女まんががそのまま動いているような純愛映画「今日、恋をはじめます」。女の子が妄想するラブストーリーの定番。

日比野つばきは、真面目がとりえのイケてない女子高生。そんなつばきは入学式の日、成績もルックスもズバ抜けたS系イケメン、椿京汰の隣の席になる。チャラ男・京汰はつばきを“昭和女”とバカにした上に、いきなり彼女のファーストキスを奪い、こいつを俺の彼女にすると宣言。つばきは猛烈に反発しながらも、京汰の隠された一面を見て、次第に惹かれていく。ある暗い過去から女性不信の京汰もまた、いつもまっすぐなつばきが徐々に気になり始める…。

原作は水波風南(みなみかなん)の人気少女まんが。少女まんがの理想を、夢を形にすることだと定義するならば、本作は直球ド真ん中の作品だ。演じる俳優も武井咲と松坂桃李と、旬の若手俳優を起用し、ポップな色彩と軽やかなサウンドで実に華やかだ。正反対の男女が最悪の出会いから最高の恋に至る。ディテールの違いはあっても「君に届け」や「僕等がいた」などの人気少女まんがはすべてこのパターンを踏襲する。結婚するまでバージンであるべきという古風な信念はいくらなんでも…な気がするが、つばきというヒロインが激変するためには、極端な設定が必要なのだ。一方、京汰の、恋は遊びで決して本気にはならないという決心の裏には、母親の存在がある。地味でダサい私にもいつかきっとすてきな王子様が…という女子の希望的観測はこの作品ですべて叶えられるが、現実に戻った時に必要なものを描いていることは見落とさないでほしい。それは親のいいなりだったつばきが自分の本当にやりたいことを見つけ、一歩踏み出すということだ。設定は安易だが、青春映画の定番である自分探しは悪くない。コロコロと鈴の鳴るような武井咲の声は、今まで映画に不似あいだと思ってきたが、少女漫画の世界観の中では不思議とフィットする。出会い、惹かれあい、障害や試練を乗り越え、恋を成就する美男美女。いつの時代もこういう物語は求められているのだ。
【40点】
(原題「今日、恋をはじめます」)
(日本/古澤健監督/武井咲、松坂桃李、他)
(セオリー度:★★★★☆)
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ツナグ

ツナグ(本編BD1枚+特典ディスクDVD1枚) [Blu-ray]ツナグ(本編BD1枚+特典ディスクDVD1枚) [Blu-ray] [Blu-ray]
死者と生者を再会させる案内人が見た3つの物語を描くファンタジー・ドラマ「ツナグ」。これは見習い“ツナグ”の成長物語だ。

“ツナグ”とは、生きている人が死者と会いたいという望みをかなえるために、両者を引き合わせる使者のこと。平凡な男子高校生・歩美は、祖母からその役目を引き継ぐ途中の見習いのツナグだ。「金ならある」と横柄な態度で死んだ母ツルとの再会を望む中年男性・畠田。ケンカをしたまま事故で死んだ親友・御園に尋ねたいことがある女子高生・嵐。そして失踪した恋人キラリの安否を確かめたいサラリーマンの土谷。生者と死者との再会は、はたして両者にとって幸福なのか。再会することによって生者の人生は変わるのか。歩美は再会を仲介する過程でさまざまな疑問を抱くことになる…。

原作は辻村深月の同名小説。物語はファンタジーなのだが、ツナグが、まだ見習いで、ツナグになるかどうかも決めかねているという設定は上手い。見習いツナグの迷いは、ツナグの役割やその結果が不幸につながりはしないかと案じながら映画を見守る観客の不安に重なるのだ。3組の再会の物語は、幸福なものもあれば、そうでないものも。ツナグにはいくつかのルールがあり、死者と生者の再会は一度だけだ。生者が希望しても死者が拒絶する可能性もある。だが、3つの物語で、それぞれが会えるということは、本当に相手を大切に思っているという証だということは見逃せない。主人公の歩美は、実は両親を不可解な出来事で亡くしているのだが、彼の中での死生観が3つの再会に立ち会うことで徐々に変わっていき、ツナグの役目を通して、ずっと疑問だった両親の死の真相へと辿り着くことに。この物語は特殊なプロットではあるが、ティーンエイジャーが心の迷いを経て生きる方向を見定める普遍的な成長物語として見ることができる。ツナグにコンタクトを取れる人間の共通点は説明されないし、そもそも物語そのものが甘すぎる感は否めないのだが、ストーリーの根底に控えめな善意が流れていることが好感度を上げている。単独主演は初となる松坂桃李の初々しさと、名女優・樹木希林の余裕が演技の相乗効果となり、祖母と孫、ツナグの先輩と後継者という関係性に、味わいを与えていた。
【60点】
(原題「ツナグ」)
(日本/平川雄一朗監督/松坂桃李、樹木希林、佐藤隆太、他)
(絆度:★★★★★)
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ドットハック セカイの向こうに

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「.hack(ドットハック)」シリーズ初の劇場映画版は、3D映画「ドットハック セカイの向こうに」。ゲーム未体験の観客も十分に楽しめる。

西暦2024年、福岡・柳川で暮らす14歳の少女そらは、幼なじみの智彦やその友人の田中らから勧められて、世界規模で流行しているオンラインゲーム「THE WORLD(ザ・ワールド)」に初めて参加する。バーチャル世界の冒険に次第に魅力を感じ始めるそらだったが、ある不思議な少女に出会ったことから、現実世界でデジタルハザードらしき異変が起こり始める…。

「.hack(ドットハック)」は、ゲーム、アニメ、コミックなどメディアミックスで展開するオリジナルコンテンツプロジェクトだ。少しだけ先の未来、世界が当たり前のようにネットでつながるそこでは、虚構と現実の2つの世界がダイナミックに交錯している。ゲームではバーチャル世界が中心だが、映画版はリアルのキャラの心情が丁寧に描かれる青春ストーリーが中心なので、ドットハック・シリーズ初心者でも十分に楽しめるはずだ。現実とは違うキャラクター(アバター)になる二面性、バーチャル世界でこそ分かるかけがえのないリアル、次第に解放される自分を見出すヒロインの変化や、自分では気付かなかった恋心など、思春期特有の成長物語がみずみずしい。日常が丁寧だからこそ、バーチャルの壮大な“冒険”に胸が躍るのだ。北原白秋の生地としても知られる水郷・柳川の風景が美しいが、この街を象徴する水路は、考えようによっては、オンラインのネットワークに重なって見える。ザ・ワールドの美しい景観、世界を救う鍵となる謎の少女アユラの世界など、映像はため息が出るほど壮麗。3Dは作りこまれて見応えがあるが、柔らかい色調と練られた立体感は、目にも優しいので疲れをまったく感じさせないのが嬉しい。アニメーション制作は、サイバーコネクトツー映像制作チーム「sai−サイ−」。パステル・カラーが中心のビジュアルが、少年少女の、ゆるやかにつながっていたいと願う思いにフィットしていた。
【70点】
(原題「ドットハック セカイの向こうに」)
(日本/松山洋監督/(声)桜庭ななみ、松坂桃李、田中圭、他)
(みずみずしさ度:★★★★☆)
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