映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評


【本音で語る新作映画レビュー】
シネマッシモでは、映画レビューはネタバレなしのヒントあり。映画を見る前と見た後と、2度読んで楽しめます。
映画評サイトもこのブログで4代目になりました。すべての映画好きを歓迎します!
(点数は100点が、★は5つが満点)
シネマッシモとは、シネマ(映画)とマッシモ(イタリア語でmax,最大)とを組み合わせた造語。
どうぞゆっくり楽しんでください \(^▽^)/

◎ 今週の気になる映画 ◎
「パッセンジャー」「キングコング 髑髏島の巨神」etc.

深田恭子

超高速!参勤交代 リターンズ

超高速! 参勤交代リターンズ [Blu-ray]
江戸時代。老中・松平信祝の策略で、5日以内の「参勤」という難題を突き付けられた東北の弱小貧乏藩・湯長谷藩は、知恵をしぼって参勤を成功させる。帰りの「交代」はのんびり…だったはずが、蟄居が解け、彼らへの復讐に燃える信祝の陰謀で再びピンチに。藩主の内藤政醇は、湯長谷で一揆が起きたという知らせに驚く。それは、信祝が尾張柳生を使って仕掛けた陰謀だった。行き以上の速さでなんとか湯長谷にたどり着くが、田畑は踏み荒らされ、すでに城は乗っ取られた後だった。城を無数の幕府軍が取り囲む中、湯長谷藩はわずか7人という絶体絶命に危機にさらされる…。

知恵をしぼっての奇策で参勤交代を活写しスマッシュヒットとなった時代劇「超高速!参勤交代」の続編「超高速!参勤交代 リターンズ」。行きは参勤、帰りは交代。知恵とチームワークと運が彼らのモットーだが、何よりの武器は、藩主の殿様・内藤政醇のあたたかい人柄だ。腹黒い老中に田舎大名とバカにされても、政醇は何よりも民の幸せと豊かな田畑を守ろうとする。これらのテイストは前作と変わらないが、続編である本作は、剣の達人同士の一騎打ちや、無謀な戦いに挑むヒロイックな合戦と、アクション場面が増加しているのが特徴だ。老中・松平信祝は、今回は尾張徳川家を担ぎ出して謀反まで企てているのだが、そこに、影の存在ではなく城の主となって表舞台で生きたいと願う尾張柳生たちの思惑も。金なし、人なし、時間なし!の大ピンチを乗り切るアイデアは、前作以上に無理があるのだが、今回は名奉行・大岡忠相という頼もしい助っ人がいる。勧善懲悪、ウェルメイドな娯楽時代劇には、権力に負けない小藩の気概が満ちていて痛快だ。
【65点】
(原題「超高速!参勤交代 リターンズ」)
(日本/本木克英監督/佐々木蔵之介、深田恭子、伊原剛志、他)
(無理難題度:★★★★★)
チケットぴあ

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ←ランキング参加中です!

人気ブログランキング←この記事が気に入ったらポチッとクリックお願いします(^o^)
超高速!参勤交代 リターンズ|映画情報のぴあ映画生活

ジョーカー・ゲーム

ジョーカー・ゲーム(Blu-ray 豪華版)
機密文書奪取を命じられたスパイの活躍を描くサスペンス・アクション「ジョーカー・ゲーム」。ラストがあまりに「ルパン」で笑ってしまった。

第二次世界大戦前夜。軍で上官の命に背いて極刑を言い渡された青年は、謎の将校によって命を救われる。秘密組織“D機関”の一員となり“嘉藤”の名で魔の都と呼ばれる都市へと派遣された彼の任務は、世界を揺るがす機密文書「ブラックノート」を奪取すること。各国のスパイが暗躍する中、ブラックノートを持つ米国大使グラハムに接近するが…。

原作は第30回吉川英治文学新人賞などを受賞した柳広司の同名小説。アジアの架空の国際都市を舞台に世界各国のスパイたちがしのぎを削る物語は、リアリティよりも荒唐無稽な面白さを目指したスパイ映画だ。日本ではあまり確立されていないこのジャンルに果敢に挑んだ意気込みが伝わることと、主演の亀梨和也の、意外にもハマッている姿に、思いがけず楽しめる。亀梨和也の、線は細いが、だからこそ有効なキレのあるアクションはなかなかのものだ。もっとも彼だけに焦点を当てて作られているだけに、他キャストの役割はかなりいいかげん。セクシー担当の深田恭子など、何しに出てきているのかわからないし、スパイ仲間の特技やキャラもほとんど説明などないに等しい。大勢登場する外国人キャストも無名俳優ばかりでは寂しすぎる。とはいえ、シンガポールなどで行った大掛かりなロケは、無国籍風な異国情緒を漂わせ、スケールの大きさを感じさせてくれた。真っ白いスーツに身を包む異能のスパイが主人公の原作はシリーズ化されているので、映画ももしや続くかも…とファンに期待させるラストだ。しかし、あの終わり方、あまりにも「ルパン」すぎ!だった。
【60点】
(原題「ジョーカー・ゲーム」)
(日本/入江悠監督/亀梨和也、深田恭子、伊勢谷友介、他)
(アクション度:★★★★☆)
チケットぴあ

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ←ランキング参加中です!

人気ブログランキング←この記事が気に入ったらポチッとクリックお願いします(^o^)
ジョーカー・ゲーム@ぴあ映画生活

超高速!参勤交代

超高速! 参勤交代 Blu-ray
幕府から無理難題の参勤交代を命じられた貧乏藩の奮闘を描く歴史エンタテインメント「超高速!参勤交代」。逆境に立ち向かう弱者応援ムービーにして痛快娯楽時代劇だ。

徳川吉宗の治める江戸時代。東北の小藩・湯長谷藩は、幕府から、通常でも8日かかる参勤交代をわずか5日で敢行せよと命じられる。湯長谷藩の金山を狙う老中・松平信祝の陰謀によるものだった。ただでさえ貧乏な上、時間も人手も足りない湯長谷藩だが、藩主・内藤政醇は、藩の威信を賭け、知恵者の家老・相馬兼嗣ら家臣と共に、実質4日間で参勤交代を果たす作戦を立て始める…。

優れた脚本に与えられる城戸賞を受賞した本作の脚本は、さすがに良くできていて、荒唐無稽な設定にコメディやアクション(殺陣)、ほんのりと恋までからませて、終始飽きさせない。幕府が大名の力を削ぐために作った参勤交代という制度、平和が保たれ、インフラが整備されるなどメリットも多かったそう。一方で、見栄と権威に彩られたバカバカしい儀式でもあり、湯長谷藩一行は、たった7人を大行列に見せるズルをしたり、道中の近道のため謎の抜け忍を雇ったりと、涙ぐましい工夫を施していく。中央の横暴に耐える地方という構図は、現代にも通じるもので、知力と体力の限りをつくして目標達成に向けて頑張るその姿は、まるでプロジェクトXのようだ。無論、事の発端が悪者の老中の陰謀なので、道中、さまざまな妨害が。のんき者の殿様が本気を出す終盤には、豪快なアクションシーンも用意されている。時代劇でおなじみの大名のミッション・参勤交代の決まり事や実態は、知っているようで知らなかったことばかりで、トリビア的な楽しみも見逃せない。主演の佐々木蔵之介が演じるお人よしだが民に愛される藩主をはじめ、きっぷのいい飯盛り女、知恵者の家老、冷静な藩士もいれば熱い剣豪に弓の名手、はたまた動物使いまでいて、キャラの楽しさが大きな魅力になっている。
【70点】
(原題「超高速!参勤交代」)
(日本/本木克英監督/佐々木蔵之介、深田恭子、伊原剛志、他)
(痛快度:★★★★☆)
チケットぴあ

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ←ランキング参加中です!

人気ブログランキング←この記事が気に入ったらポチッとクリックお願いします(^o^)
超高速!参勤交代@ぴあ映画生活

偉大なる、しゅららぼん

偉大なる、しゅららぼん プレミアム・エディション [Blu-ray]
琵琶湖のほとりを舞台に不思議な力を持つ一族とそのライバルが繰り広げる騒動を描く「偉大なる、しゅららぼん」。ユルい笑いと摩訶不思議な世界観を楽しみたい。

琵琶湖畔の街・石走のお城に住む日出一族は、先祖代々不思議な力を継承してきた。本家の跡取り息子で最強の力を持つ淡十郎のもとに、分家の涼介が修行のため居候することになる。涼介は淡十郎と同じ高校に入学するが、淡十郎とお揃いの真っ赤な学生服を着せられ、いつしか殿とお供の関係に。淡十郎は、同じ高校に通う、1300年にわたり日出家とライバル関係にある棗(なつめ)一族の跡取り息子・広海とは何かといがみあっていた。淡十郎が恋した美少女・速水沙月が広海に思いを寄せていることが分かると、この小さな失恋が、やがて両家の対立を深めるだけでなく、世界を滅ぼしかねない大騒動を巻き起こすことになる…。

タイトルからして不思議系の本作は、「鴨川ホルモー」や「プリンセス・トヨトミ」が映画化され、摩訶不思議な世界観が持ち味の万城目学の同名小説を原作とする“パワースポット・アドベンチャー”だ。ライバル同士の争いや思いもよらない敵との対峙を経て、琵琶湖を真っ二つに割る神がかり的激闘へとなだれ込む…と説明すると、一大アクション大作に聞こえてしまうが、実情は、マキメ・ワールドと呼ばれて親しまれるユルユルの笑いの世界で繰り広げられる若者の成長物語だ。日本最大のパワースポット琵琶湖には、数々の言い伝えがあるが、ここでは、日出家と棗家が不思議な力を持つ一族としていがみあっているという設定だ。とにかく登場するキャラが激しく立っている。浮世離れした殿の淡十郎、淡十郎の姉で最強の力を持つグレート清子、涼介の師匠でマイペースの濤子、物忘れが激しい船頭の源次郎にどこか怪しい校長先生と、奇怪なキャラが次々に登場し、飽きさせない。だが物語の根底のテーマは、不思議な力に対する葛藤と、本当の力とその意義を問うものだから、案外真面目な作品なのだ。終盤の、琵琶湖の底に眠る“あるもの”を探しに行くシークエンスは、怒涛のファンタジー世界。非日常とは、日常のすぐそばに同居するものなのかもしれない。濱田岳と岡田将生がW主演となるが、この二人の掛け合いの面白さが見所。琵琶湖周辺の彦根城や竹生島などのパワースポット系ロケ地も楽しみたい。エンドロールの後に明かされる“しゅららぼん”の意味には、激しく脱力だ。
【65点】
(原題「偉大なる、しゅららぼん」)
(日本/水落豊監督/濱田岳、岡田将生、深田恭子、他)
(摩訶不思議度:★★★★☆)
チケットぴあ

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ←ランキング参加中です!

人気ブログランキング←この記事が気に入ったらポチッとクリックお願いします(^o^)

偉大なる、しゅららぼん@ぴあ映画生活

ルームメイト

ルームメイト [Blu-ray]
ルームシェアした女性が恐ろしい素顔を持つことを知るサスペンス・スリラー「ルームメイト」。美女二人の競演が華やか。

派遣社員の春海は交通事故に遭い、頭を強く打って入院する。怪我を負って元気がない春海を優しく気遣ってくれたのは看護師の麗子だった。不思議なほど気が合った二人は春海の退院後、ルームシェアという形で一緒に暮らし始める。ずっと一緒にいたいと思うほど仲が良く、順調な生活に思えたが、ある日、春海は麗子の奇妙な行動を目にする。時折人が変わったようになる麗子におびえる春海だったが、やがて二人の周囲で不可解な事件が起こり始め、ついに殺人事件にまで発展。春海が麗子の中に別人格を感じた頃、麗子と見た目が瓜二つのマリが現れる…。

原作は今邑彩の同名小説だが、映画はオリジナルの展開を用意している。美貌の女性二人の心理戦が見ものなのだが、どうやら二重人格を思わせる相手の狂気にヒロインが翻弄され…という展開に、思いがけないどんでん返しが用意されている。目の前の女友達が豹変し、優しかった人格とは真逆の姿を見せる様を、深田恭子が怪演。おびえながらも健気に奮闘する北川景子は受けの演技に見えるが、実は北川演じる春海こそ攻めの演技を披露しているのだ。物語の終盤に明かされる驚愕の真実は、原作よりやや飛躍している感もあるが、美女二人のバトルは見応えたっぷり。謎解きの舞台のひとつである「アリアドネ」というクラブのセットが実に凝っていて、このミステリーのもうひとつの主役のようである。鏡を多用しさまざまに反射する薄暗い空間では、何が真実か分からないまま流血や暴力が繰り広げられる。アリアドネとはギリシャ神話に登場するクレタ王の娘の名。恋人が迷宮から脱出できるよう糸玉を渡して助けるが、この映画のヒロインははたして迷宮から出ることができたのだろうか。含みを持たせたラストは穏やかだが少し背筋が寒くなるものだ。初共演となる北川景子と深田恭子の女性陣の熱演に対し、男性陣の影が薄いのがちょっと残念だ。
【55点】
(原題「ルームメイト」)
(日本/古澤健監督/北川景子、深田恭子、高良健吾、他)
(心理バトル度:★★★★☆)
チケットぴあ

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ←ランキング参加中です!

人気ブログランキング←この記事が気に入ったらポチッとクリックお願いします(^o^)

ルームメイト@ぴあ映画生活

ワイルド7

ワイルド7 [Blu-ray]ワイルド7 [Blu-ray]
クチコミを見る
リアリティはさておき、アクションはダイナミックな犯罪劇「ワイルド7」。出演者全員が大型免許を取得したというバイク・アクションに注目だ。

逮捕も裁判もなしに、凶悪犯を処刑する権限を与えられた超法規的警察組織、通称“ワイルド7”。凶悪犯罪が後を絶たない現代日本で、警視庁内に極秘に設置されたその組織を構成するのは、いずれも重い犯罪歴の持ち主だ。彼らは罪を免除される代わりに、テロリストなどの凶悪犯を退治する任務が与えられている。ある日、いよいよ犯人を逮捕する寸前に、謎のスナイパーが現れ、犯人を射殺して走り去る。メンバーの一人、飛葉は、スナイパーを追うが見失い、追跡の際に迷い込んだクラブで美しい女性ユキと知り合う。2人は急速に親しくなっていくが、ユキにはある秘密があった…。

原作は、望月三起也による人気コミック。犯罪者が犯罪者を裁くという“目には目を、悪には悪を”というスタイルは、法では裁けない悪人を退治するには、権力者にとってこれほど好都合なやり方はない。だが致死率90パーセントのバイオテロを企て、現金2億ドルを要求する凶悪事件の裏側に潜んでいた陰謀は、警視庁や国家そのものを揺るがすものだ。監視社会の盲点と弱点によって仕組まれたその犯罪は、ワイルド7が極秘であることと激しく矛盾するし、7人が一枚岩で闘う心理描写も極めて浅い。飛葉以外のキャラクターの背景も、ごくあっさりと触れるのみだ。ドラマ性という点では欠点だらけだが、その分、本作は、バイク好きにはたまらないアクションであふれている。映画冒頭、大型トラックの中から改造バイクに乗ったメンバーたちが次々に飛び出す登場シーンは、バイクに詳しくなくても思わず興奮するはずだ。さらに邦画では特筆するほどの大量の銃弾が飛び交うガン・アクションとしてもド迫力。とりあえず、形だけはハリウッドに近付いたこの作品、クライマックスにみせる男同士の絆も含め、まずは日本のアクション・エンタテインメントの飛躍を評価したい。
【55点】
(原題「WILD SEVEN」)
(日本/羽住英一郎監督/瑛太、椎名桔平、中井貴一、他)
(男の子向け度:★★★★☆)
チケットぴあ


にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ←ランキング参加中です!

人気ブログランキング←この記事が気に入ったらポチッとクリックお願いします(^o^)

ワイルド7@ぴあ映画生活

夜明けの街で

夜明けの街で 特別版 [DVD]夜明けの街で 特別版 [DVD]
クチコミを見る
ラブストーリーとしてもミステリーとしても中途半端だが、従順な妻を演じる木村多江の最後の演技で救われている。

大手建設会社の課長・渡部は、理想的な家庭がありながら、どこか寂しげな表情の女性・秋葉と出会い恋に落ちる。家庭では、良き夫、良き父親を演じながらも、まだ自分がときめくような感情を持てることに喜びを感じて、秋葉との逢瀬を重ねる日々だった。ある日、秋葉は、かつて自分の家で起こった殺人事件について衝撃的な事実を語り始める…。

原作は、ミステリー作家・東野圭吾の初の本格的恋愛小説と話題のベストセラー。物語は、殺人犯かもしれない女と、そんな女との不倫というのっぴきならない状態に苦しみながらも快楽を覚える中年男の“純愛”だ。だが、秋葉の父の秘書が殺された過去の事件の謎解きは、終盤にバタバタと説明口調で明かされるだけで、さっぱり迫力がない。ではドロドロで官能的な不倫愛の物語かというと、そちらも綺麗事のようにあっさりしている。生真面目な中年男を、やがて離婚を決意するほどまでに変えてしまうファム・ファタールを演じるのは深田恭子。今までのガーリーなイメージを振り払うかのように、最近の出演作では、不倫する方、される方と、大人の恋愛の役に懸命に挑戦しているのだが、この作品では残念ながらミスキャストだ。一方で、静かな上手さを見せるのは、従順な妻・有美子を演じる木村多江。薄幸の女性を演じるとピタリとハマる彼女が、最後の最後に見せる意外な素顔こそが見所で、この映画のキャッチコピーである“甘い地獄”の意味を思い知る。
【50点】
(原題「夜明けの街で」)
(日本/若松節朗監督/岸谷五朗、深田恭子、木村多江、他)
(ミステリー度:★★☆☆☆)
夜明けの街で
夜明けの街で



にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ←ランキング参加中です!

人気ブログランキング←この記事が気に入ったらポチッとクリックお願いします(^o^)

夜明けの街で@ぴあ映画生活

セカンドバージン

セカンドバージン スペシャル・エディション [Blu-ray]セカンドバージン スペシャル・エディション [Blu-ray]
クチコミを見る
スキャンダラスな純愛で話題だったTVドラマの劇場版。ドラマファン向けのサービス映画のような内容だが、マレーシアの湿度とオリエンタルムードが気分を盛り上げる。

出版業界では名の知れた辣腕プロデューサー・るいは、17歳年下のネット証券会社社長の鈴木行(こう)と恋に落ちる。結婚し万理江という妻がいる行と、るいは、さまざまな試練を乗り越えて一緒に暮らし始めるが、ある日、行はるいの前から忽然と姿を消す。5年後、出張先のマレーシアで行と再会したるいだったが、行は彼女の目の前で銃弾に倒れてしまう。生死の境をさまよう行を献身的に看病するるいだったが…。

NHKらしからぬ大胆な描写の不倫愛を描いたドラマは、働く女性たちの支持を得て、大人気だった。その理由は、アラフォーのヒロイン・るいがいつも凛として前を向く強さがあるからだ。だが、この映画版はなんとも薄味で、TVドラマのダイジェストにちょこっとおまけをつけたかのよう。ドラマ未見のファンもそこそこ理解できる作りだが、ディープなドラマファンはこの内容では納得できないのではないか。マレーシアくんだりでも実現する妻との対決という修羅場は、あっさりと終了。姿を消した行の衝撃の真実もセリフだけでさらりと説明。時間の都合とはいえ、拍子抜けしてしまう。映画版では、るいと行の二人だけにしぼった展開で、濃くてエキセントリックな登場人物たちは登場しない。そもそも、コテコテでどろどろのメロドラマは期待できない作りなのだ。献身的なるいと行の秘めた愛だけでは、年の差不倫愛の純度の高さは伝わりにくい。ただ、マレーシアという湿度と熱気をはらんだ土地は、スキャンダラスな恋愛に“決着をつける”場所としては、ふさわしい舞台。鈴木京香がふと見せる恍惚の表情が、運命に自分なりの方法で立ち向かった大人の年輪と自信に思えた。
【45点】
(原題「セカンドバージン」)
(日本/黒崎博監督/鈴木京香、長谷川博己、深田恭子、他)
(純愛度:★★★★☆)



にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ←ランキング参加中です!

人気ブログランキング←この記事が気に入ったらポチッとクリックお願いします(^o^)

セカンドバージン@ぴあ映画生活

豆富小僧

豆富小僧 3D&2D ブルーレイセット(2枚組)【初回限定生産】 [Blu-ray]豆富小僧 3D&2D ブルーレイセット(2枚組)【初回限定生産】 [Blu-ray]
傑作「銀河鉄道の夜」の名匠・杉井ギサブローが総監督だけあって、絵柄はなんとも可愛らしく、見ているだけで癒される。ただし物語は大人が鑑賞するには少々キビしい。

人間と妖怪が共存していた遠い昔。お盆に豆腐を乗せて立っているだけの妖怪“豆富小僧”は、妖怪なのに人間を怖がらせることができず、父親の妖怪総大将の見越し入道に叱られてばかり。家出した豆富小僧はお目付役のダルマと共に、母親探しの旅に出るが、妖怪の敵・狸一族に騙され、お堂の中に閉じ込められてしまう。のんびりしている間に200年がたち、ようやく脱出したら、そこは現代の日本だった…。

原作は人気作家・京極夏彦の「豆腐小僧双六道中ふりだし」。ファミリー向け映画だけあって、京極特有の膨大な量の言葉遊びはないのはいいが、ストーリーはまったく練られておらず、自分探しという深いテーマも収束できていない。ユニークな妖怪・豆富小僧は母親を探して旅をするが、本当に探しているのは自分自身のアイデンティティーだ。豆腐を持ってただ立ちつくすだけという自分に存在意義ははたしてあるのか?というディープな問いがここにある。さらに現代の日本に来てみれば、そこは妖怪の存在を許さず、闇を恐れる気風も皆無。日本が近代化していくプロセスで失った自然や人情は今どこに?と同時に問いかける。…とまぁ、深読みは可能なのだが、何しろ映画は3Dに気を取られたのかストーリーが粗雑で、特に現代パートの母娘の関係性などあいまいすぎる。クライマックスの大バトルは見せ場だが、そのオトシマエはかなりご都合主義。ディズニーやピクサーといったハイ・クオリティーのストーリーを見慣れた映画ファンには脱力必至。ゆるキャラ的な可愛らしい絵で癒されるのが唯一の救いだ。
【50点】
(原題「豆富小僧」)
(日本/杉井ギサブロー監督/(声)深田恭子、武田鉄矢、松平健、他)
(癒し度:★★★☆☆)
チケットぴあ


にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ←ランキング参加中です!

人気ブログランキング←この記事が気に入ったらポチッとクリックお願いします(^o^)

豆富小僧@ぴあ映画生活

【送料無料】豆富小僧 DVD&ブルーレイセット

【送料無料】豆富小僧 DVD&ブルーレイセット
価格:2,944円(税込、送料別)

恋愛戯曲〜私と恋におちてください。〜

恋愛戯曲 私と恋におちてください(初回限定生産版) [DVD]恋愛戯曲 私と恋におちてください(初回限定生産版) [DVD]
人気舞台の映画化だが、恋愛映画というよりテレビ業界の内幕ものとして楽しめる。大手TV局制作のドラマの脚本を依頼された人気脚本家・谷山真由美は、深刻なスランプ状態。締切が迫っているのに台本は1行も書けていない。困ったTV局は、よりにもよって冴えないプロデューサーの向井を送り込む。脚本のためなら何でもすると懇願する向井に対し真由美は「私は恋をしないと恋愛ドラマが書けない。私と恋に落ちて!」と命令する。実はTV局側にはある思惑があるのだったが…。

もともとは同名の大ヒット舞台で、劇作家である鴻上尚史自らが監督して映画化となった。気が強くてワガママだがなぜか憎めない女性脚本家を、深田恭子が演じるが、今回彼女は一人三役。スランプで追いつめられた脚本家、劇中劇の中のおとなしくて地味な主婦、その主婦が書く脚本の中の奔放な女流作家の3役を演じている。劇中劇はあえてチープで飛躍する物語を設定し、現実の、真由美と向井のドラマのアウトラインが崩れないように見せているのは上手い。深キョンのベタな演技や、コミカルな役がいまひとつサマにならない椎名桔平も、ギリギリセーフといったところだ。だが、せっかくの映画化なのに、どうして物語をもっとアクティブにしないのか。限定空間の舞台と違い、映画は時間と空間を自由に操れる。ホテルに缶詰め状態で執筆する真由美のパートは狭い空間でも、2つの劇中劇はもっと大胆なストーリーにできたはず。舞台そのままのセットはあえて狙ったものらしいが、これでは映画にする意味をあまり感じない。逆に面白いのは、TV局内部の対立や力関係、さまざまな思惑の部分だ。制作、編成、営業がもつれあい、手柄を奪い合う構図。俳優やタレントのみならず、脚本家まで使い捨てと割り切り、消費して替え玉を用意する非情な態度。さらに、スポンサーにおもねる業界人たちの卑屈な様子を、痛烈に笑い飛ばす。そんな中、向井の“正体”とそれを知るある人物のイキな計らいには胸がすく思いだった。タイトルとは裏腹に、むしろラブストーリーが取ってつけたようにさえ見えるこの物語、業界ものとして見れば、なかなか味わい深い。
【55点】
(原題「恋愛戯曲〜私と恋におちてください。〜」)
(日本/鴻上尚史監督/深田恭子、椎名桔平、塚本高史、他)
(コミカル度:★★★☆☆)

人気ブログランキン  グ←この記事が気に入ったらポチッとクリックお願いします(^o^)
シネマッシモにようこそ
◇ シネマッシモについて ◇

このブログが気に入ったら、ポチッとクリックお願いします♪
にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ

映画レビュー用BRバナー
インフォメーション


映画ライター渡まち子が運営するセカンド・ブログ「映画の中に猫がいる」もよろしく!【猫目線】で語る映画評で、のんびり、まったり運営中です(笑)。 猫好きの方、映画好きの方、ぜひ遊びにきてください。相互リンクも募集中!
こちらからどうぞ!
おすすめ情報
作品検索はこちら
Google
WWW を検索
このブログ内を検索
コメント(承認済)
映画レビュー(長文)索引

    
    
    
    
    
    
    
  
    

A−Z
0−9
カテゴリ
お仕事受注
映画評やコラムの執筆、講演など、映画に関する仕事を承ります。連絡はメールでお気軽にどうぞ。

 メールはこちらから↓
cinemassimo555★jcom.home.ne.jp
(★を@に変更して下さい)

執筆やラジオ出演など、メールと電話で対応可能な場合は、全国から仕事を受注していますので、まずはお問合せください。
プロフィール
プロフィール more
◆ペンネーム:渡まち子
◆映画ライター、映画評論家
◆こんなお仕事やってます:
新聞、雑誌、インターネットで、映画評、映画コラム、DVD紹介などを執筆。他にも、映画コメンテーターとしてラジオ出演、大学での公開講座や企業主催の映画セミナーなど、映画に関する幅広い仕事をこなしながら活動中です。
◆青山学院文学部史学科卒業。西洋史が専攻で、卒業論文はベネチア史。学んだことを生きている間に有効に活かせるのだろうか…と、かなり心配。
◆エトセトラ:
古今東西の映画をこよなく愛す、自他ともに認めるシネフィル(映画狂)です。時に苦言を呈すこともあるその映画批評の基本は、映画へのあふれる愛情と自負しています。どんなダメ映画でも必ずひとつはあるイイところを発見するのが得意技。大のサッカー好きで、欧州リーグからJリーグまでTPOに合わせて楽しんでます。
震災には負けない!
リンクシェア・ジャパン 東北地方太平洋沖地震 義援金プロジェクト

犬・猫の総合情報サイト『PEPPY(ペピイ)』

icon icon
おすすめ情報
おすすめ情報

twitterやってます!
おすすめ情報

楽天市場
おすすめ情報

Archives
相互リンクについて
相互リンクについて

  ↑ 必ずお読みください。
いいね!もよろしく♪
Facebookをご利用の皆さん、このブログが気に入ったら、ぜひ「いいね!」ボタンをポチッと押してください。 渡まち子の励みになります!
タグクラウド
  • ライブドアブログ