映画通信シネマッシモ


【本音で語る新作映画レビュー】
シネマッシモでは、映画レビューはネタバレなしのヒントあり。映画を見る前と見た後と、2度読んで楽しめます。
映画評サイトもこのブログで4代目になりました。すべての映画好きを歓迎します!
(点数は100点が、★は5つが満点)
シネマッシモとは、シネマ(映画)とマッシモ(イタリア語でmax,最大)とを組み合わせた造語。
どうぞゆっくり楽しんでください \(^▽^)/

溝端淳平

祈りの幕が下りる時

映画「祈りの幕が下りる時」オリジナル・サウンドトラック
東京葛飾区のアパートで女性が殺害される事件が発生し、現場のアパートの住人・越川睦夫が行方不明になる。松宮ら警視庁捜査一課の刑事たちが事件を調べるが捜査は難航。やがて捜査線上に、被害者の女性と学生時代に同級生だった舞台演出家の浅居博美の存在が浮上するが、彼女には完璧なアリバイがあった。そんな中、松宮は近くで発見された身元不明の焼死体との関連性を疑う。さらに日本橋を囲む12の橋の名が記された遺留品に注目した松宮は、そのことを先輩刑事で従兄弟の加賀恭一郎に知らせると加賀は激しく動揺する。それは、かつて孤独死した加賀の母とつながるものだった…。

類まれな推理力で難事件を解決する刑事・加賀恭一郎を主人公にした「新参者」シリーズの完結編「祈りの幕が下りる時」。謎めいた殺人事件の容疑者である美しい女性演出家の過去を調べると、加賀の亡き母の失踪という最大の謎へつながり、あまりにも悲しく切ないドラマが浮かび上がる。東野圭吾の人気ミステリーシリーズである「新参者」の主人公・加賀は、事件をただ解決するだけでなく、事件によって心が傷ついた人たちに寄り添い傷を癒そうとする。そのことがこのシリーズを重厚なドラマにしているが、今回の事件は加賀自身の過去に深くかかわっていて、彼は自分自身の葛藤、不和だった父や失踪した母ら、家族の真相と向き合うことになるのだ。

ミステリーなので詳細は明かせないが、加賀の心の旅路ともいえる物語は完結編にふさわしい内容だ。クールで冷静な今までの加賀ではなく、人間味、とりわけ家族のわだかまりと再生へとつながっていく展開は「マザコンだからな」と自虐する加賀でなくても、心を揺さぶられるはず。映画がはじまってから加賀が登場するまでずいぶん待たされること、松嶋菜々子扮する演出家の事件と加賀の母の失踪事件のつながりがサクサクと紐解かれていくことなど、不満はあるが、二組の親子には共に究極の親子愛が。やはり、このシリーズの完結編は、悲しみや哀切を背負った犯罪を解決してきた加賀自身を癒すものでなければならない。さて名物のたい焼きだが、果たして加賀は食べることができるのか?! ファンなら気になるその“難事件の答え”は映画を見て確かめてほしい。
【60点】
(原題「祈りの幕が下りる時」)
(日本/福澤克雄監督/阿部寛、松嶋菜々子、溝端淳平、他)
(親子愛度:★★★★★)


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麒麟の翼〜劇場版・新参者〜

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東野圭吾のミステリー小説“加賀恭一郎シリーズ”の映画化「麒麟の翼〜劇場版・新参者〜」。ダイイングメッセージは父からの愛だった。

東京・日本橋で男性が殺害される。被害者・青柳武明はナイフで胸を刺された状態で8分間も歩き、日本橋の翼のある麒麟(きりん)の像の下で、息絶えた。一方、容疑者の青年・八島冬樹は、現場から逃亡する際、車に轢かれて意識不明になってしまう。捜査に当たる日本橋署の切れ者刑事・加賀恭一郎は、事件を調べるうちに、関係者それぞれの家族や恋人、知られざる一面に近付いていく…。

「事件によって心が傷つけられた人がいるなら、その人だって被害者だ。そういう被害者を救う手立てを探し出すのも、刑事の役目です」。東野圭吾の作品群の中でも人気シリーズの主人公・加賀恭一郎が、なぜ多くのファンから愛されているのかが、この名セリフで瞬時に分かる。彼は単に事件を解決するだけでなく、関係者それぞれの思いに深く関わっていく。今回の事件では、いじめ、派遣切り、恋人の思いや親子の絆などが描かれる。ミステリーなのでストーリーを詳しくは明かせないのだが、物語には、麒麟の像の由来や、七福神など、魅力的で謎めいたアイテムが散りばめられていて、なかなか楽しい。だが、“泣ける”と評判のその謎には、実は疑問を感じる。なぜなら被害者が伝えようとしたメッセージは、彼が“生きているうちに”直接伝えるべきものだからだ。映画では“間違った教育”が重要な要素となるので、二重の意味で興味深い点ではある。容疑者・冬樹の恋人・香織のキャラクター造形にも首をひねる。都会で肩を寄せ合って生きる恋人同士が直面する現実は、なるほどやるせないが、冬樹を信じる強い言葉があるかと思えば、直後にはたちまち疑心暗鬼に。事件の動機と解明は、彼女とは離れた部分で進んでいくのだが、香織というキャラクターがブレずにいてくれれば、もっと物語に共感できただろう。阿部寛と中井貴一。共に、近年、日本映画で最も頻繁に“顔を見る”役者が共演しているのが何ともゴージャスだ。事件の性質上、2人が顔を会わせるシーンはないのだが、子を思う父の姿を静かに熱演した中井貴一の存在感が印象的だった。
【60点】
(原題「麒麟の翼〜劇場版・新参者〜」)
(日本/土井裕泰監督/阿部寛、黒木メイサ、溝端淳平、他)
(親子愛度:★★★★☆)
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麒麟の翼@ぴあ映画生活

高校デビュー

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良くも悪くも過剰に“漫画的”な映画だ。ハイ・テンションのヒロインに、いろんな意味で、圧倒されてしまう。演じるのは映画初出演の大野いと。演技はつたないが、絶妙のボケっぷりで笑わせる。

中学時代、ソフトボールに明け暮れた晴菜は、高校入学を期に、恋をしようと決意する。だが、晴菜のがんばりとは裏腹に、さっぱり彼氏ができない。アセッた晴菜は偶然出会った学校一のイケメンのヨウに、自分をモテるように変えてほしいと、コーチを頼むことに。過去に恋愛で傷ついた経験があるヨウは、最初は断るが「絶対に俺を好きになるな!」との条件付きでコーチを引き受ける。さまざまなシチュエーションの“モテレッスン”を繰り返す晴菜だったが、いつしかヨウに惹かれてる自分に気づいてしまい…。

原作は、河原和音の同名人気少女漫画。それを「ハンサム★スーツ」のスタッフが映像化するのだから、漫画チックなのは当たり前なのだが、それにしてもこのヒロインはブッ飛んでいる。とはいえ、体育会系だけあって、何事にも一生懸命な彼女はなぜだか憎めない。男子に好かれる可愛い女の子を目指しているのに、いつも勘違いばかりしてしまう彼女は、完全な天然キャラ。自分らしくあることこそが魅力なのに、恋に恋する彼女には自分の良ささえ見えていない。むしろモテコーチを引き受けたヨウのほうが晴菜の良さをパーフェクトに理解していて、いずれ彼が晴菜に惹かれていくのは火を見るより明らかだ。もちろん晴菜もヨウが好きになるのだが、そこにはお決まりの障害“恋のライバル”が登場する。自分が傷ついても誰かを好きになることを学ぶのが、ティーンエイジャーの恋のレッスン。まぁ、この映画の場合、そんなシリアスな空気は皆無で、ひたすら笑わせ、ポップな映像で女子のときめきを活写して楽しんでしまおうというわけだ。生活観をまるで無視した設定といい、誇張したセリフといい、見ているこちらが少女漫画の中に放り込まれたかのような錯覚を起こしてしまった。
【50点】
(原題「高校デビュー」)
(日本/英勉監督/溝端淳平、大野いと、他)
(恋せよ乙女度:★★★★★)
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高校デビュー@ぴあ映画生活

君が踊る、夏

君が踊る、夏【DVD】君が踊る、夏【DVD】
挫折しながらも追いかける夢。好きな人を思い続ける気持ち。高知よさこい祭りの高揚感。それらをミックスして、病と闘う少女の実話を単なる難病ものだけに終わらせず、さわやかな青春映画に仕上げている。高知出身の新平は、東京でプロのカメラマンを目指して厳しい修行の日々を送っていた。5年ぶりに帰郷した新平のもとに、別れた恋人の香織が会いに来て「一緒によさこい祭りに出てほしい」と懇願する。難病を患う香織の幼い妹・さくらの生きる支えがよさこい祭りなのだ。最初はとまどったが、新平は、かつてのチーム「いちむじん」を再結成し、踊りの練習を始める…。

「いちむじん」とは土佐の言葉で“一生懸命”の意味だと言う。発病して5年以上生存した例がないという悪性腫瘍の病を抱える少女が、よさこい祭りを生きる支えに、奇跡的に5年以上闘病を続けているという部分が実話。だが映画は安易な難病ものではなく、悩みながら生きる主人公・新平が、故郷の祭りを通して自分らしい生き方を模索する物語になっている。重要なファクターであるよさこい祭りは、全国的に有名だが、その“前に進む”スピリットがストーリーと自然に重なっていくところが上手い。伝統だけにとらわれず、現代的な味付けがなされているよさこいの踊りは、パワフルでとても魅力的だ。数十名で構成されるグループの振付はチームワークが最も大切。誤解やわだかまりを乗り越えて、先頭で旗をふる“纏(まとい)”を務める新平の誇らしげな表情がいい。初めて化粧をした香織の、パッと花が開いたような笑顔にも魅了された。いよいよ祭りの本番が近づいたその時、東京から、新平の写真がコンクールの最終選考に残り、受賞式に出席しないと受賞が取り消されてしまうとの連絡が入る。その授賞式は祭り当日と同じ日だった。少女との約束、故郷への思い、恋と友情、何より祭りへの情熱から、自分にとって何が一番大切かを知った新平が、どんな答を出すかは、映画を見て確かめてほしい。クライマックス、鮮やかな衣装で華麗に着飾った人々が、パワフルな鳴子踊りを披露する場面は圧巻だ。懸命に踊りの練習を重ねたという若手俳優たちが気迫溢れる素晴らしいパフォーマンスを見せる。よさこいで一番大切なのは笑顔。この言葉が心に残った。
【60点】
(原題「君が踊る、夏」)
(日本/香月秀之監督/溝端淳平、木南晴夏、五十嵐隼士、他)
(さわやか度:★★★★☆)


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君が踊る、夏@ぴあ映画生活

NECK ネック

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人気覆面作家・舞城王太郎原案の本作は、さまざまなジャンルがごちゃ混ぜになった、名付けて胸キュン・ホラー・青春ムービー。美人だが、変わり者の理科系大学院生の杉奈は、お化けを作る研究に没頭中。そんな杉奈に一目惚れしたフツーの大学生・首藤は勇気を振り絞って告白、彼女から深夜の研究室に呼び出される。デートかと期待したのに、大きな木箱“ネックマシーン”に入れられて、実験台にされるハメに。その後、ホラー作家やその編集者が入り乱れて、お化けを作リ出す“ネック(首)プロジェクト”が始動する…。

怖がる気持ちがお化けを作る。このつかみは面白い。だが、文壇の中でも激しく評価が分かれる異色作家・舞城王太郎の原案だけに、後半は若者ウケしそうなハチャメチャな物語が炸裂し、正直、ストーリーがよくわからなくなる。この展開の破綻具合は、小劇場などのキッチュな舞台のノリに似ているのだが、これをポップでおちゃめと感じることができれば楽しめるだろう。物語が転がる度に顔を出すのは、子供時代の思い込みやトラウマ。想像力が恐怖を生み出すというテーマは、いつしか、精神的に消化できてないわだかまりを解消する内容に変化していく。“胸キュン・ホラー”とのキャッチだが、恋愛度数は極めて低い。ドタバタの果てにちょっとだけラブの予感があるという感じなので、人気若手俳優・溝端淳平の甘〜い恋愛映画を期待すると肩透かしをクラうので要注意だ。特別出演のはずの栗山千秋演じる編集者・英子が、クールなのに妄想癖があるという曲者キャラで、最も存在感があって面白い。誰よりも大胆な彼女こそが影の主役、ラストのトンデモな展開がその証拠だ。それにしても相武紗季ちゃん、見た目は可愛いが、なんて演技が拙いんだろう。この作品では物語全体がドタバタなので、そのヘタっぷりが奇妙にフィットしている。いわゆる怪我の功名というヤツかもしれない。
【40点】
(原題「NECK」)
(日本/白川士監督/相武紗季、溝端淳平、栗山千明、他)
(ハチャメチャ度:★★★★☆)

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赤い糸

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大人気ケータイ小説の映画化だが、TVドラマとの連動というメディア・ミックスの試みがユニークだ。メイとアツシは運命的に惹かれあうが、ある悲しい過去によって引き裂かれる。不幸の連打と扇情的な試練はケータイ小説の必須アイテムだが、本作ではドラッグとDVが中心だ。この現代的な問題と、親の代の因果という古臭い要素を組み合わせた点は面白い。物語は飛躍が多く心理描写も浅いものだが、見過ごせないのはメイの友人のサラの描写だ。片思いの少年に告白さえしていないのに、いきなり自殺未遂。さらに部分的な記憶喪失になる展開に唖然。イヤなことに対して、自分が消える、もしくは頭から抹消というのが10代の思考回路なら、かなりヤバいのでは。
【40点】
(日本/村上正典監督/南沢奈央、溝端淳平、木村了、他)
(スピーディ度:★★★★☆)

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