映画通信シネマッシモ


映画通信シネマッシモは、2018年4月をもって、終了しました。

ブログ終了にあたり、たくさんのあたたかいコメントをお寄せいただき、本当にありがとうございました。
皆さまの映画ライフに少しでもお役に立てたならこれほど嬉しいことはありません。
長い間のご愛顧に心より感謝いたします。

濱田岳

本能寺ホテル

本能寺ホテル Blu-rayスペシャル・エディション
流れに身を任せて生きてきたOL繭子は、会社の倒産をきっかけに恋人の恭一と結婚することになり、彼の実家の京都へと向かう。京都の路地裏にたたずむレトロな宿・本能寺ホテルに宿泊することになるが、そのホテルのエレベーターに乗ると不思議な世界へ迷い込み、気が付けばなぜか1582年の本能寺へとたどり着いていた。繭子は現代と1582年を行き来しながら、織田信長や森蘭丸と交流し、次第に信長の人間性に惹かれていく…。

平凡なOLが天下統一目前の織田信長と出会い、今もなお多くの謎に包まれた歴史の大事件“本能寺の変”に遭遇する歴史ミステリー「本能寺ホテル」。過去とつながる不思議なホテルに滞在したヒロインは、戦国時代と現代を行き来するが、タイムスリップものの常として、未来から来た人物が過去を変えていいのか?という命題にぶつかってしまう。最初は暴君だと思った信長の、人間的な魅力を知った繭子は、信長に本能寺で起こる出来事を伝えていいものかと悩むが、それに対する信長の対応が、これまた人間の大きさを表していて、その後に起こった秀吉の中国大返しがなぜ可能だったのかという疑問の答えに結びつく展開はなかなかうまい。信長が好きだったというお菓子・金平糖や、これを持てば天下人になれるという茶入など、歴史の面白アイテムが散りばめられているのも楽しい。特にやりたいこと、なりたいものもなく漠然と生きてきた繭子が、本能寺の変直前の信長に会うという強烈な体験によって、内面が変化し成長するところが一番の見所…と言いたいところなのだが、このヒロイン、まるでキャラが立っておらず魅力に乏しいのだ。歴史に詳しい、もしくはまったくの歴史オンチなら、話もコミカルになっただろう。また、自分の意見もさしてない性格なのに、突如、信長にタンカを切ってみたりと、性格に統一性が見られない。つまりこの主人公に感情移入できないのだ。むろん演じる綾瀬はるかのせいではなく、脚本に問題があるのだろう。少々安易な成長物語に仕上がってはいるが、現代のパートでは、京都巡りの趣もあるので、ライト感覚の歴史ものご当地映画として楽しみたい。
【50点】
(原題「本能寺ホテル」)
(日本/鈴木雅之監督/綾瀬はるか、堤真一、濱田岳、他)
(成長物語度:★★★☆☆)
チケットぴあ

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ←ランキング参加中です!

人気ブログランキング←この記事が気に入ったらポチッとクリックお願いします(^o^)
本能寺ホテル|映画情報のぴあ映画生活

ヒメアノール

ヒメアノ~ル 豪華版 [Blu-ray]
ビル清掃会社で働く岡田は、何も起こらない普通の生活に焦燥感を抱いていた。同僚の安藤に、安藤が想いを寄せる女性・ユカとの恋のキューピッド役を頼まれた岡田は、彼女が働くカフェに出向くが、そこでユカが森田という男からストーキングを受けていることを知る。森田は岡田の同級生で、高校時代に過酷なイジメを受けた過去があった。ユカの周辺で次々に暴力や殺人などの凶行に及ぶ森田と、安藤に内緒でユカと恋仲になってしまった岡田。二人の運命が交錯する時がやってくる…。

平凡な日常とそこに潜む狂気を描く異色のドラマ「ヒメアノール」(正しくはヒメアノ〜ルの表記)。原作は、過激な内容で話題になった古谷実の人気コミックだ。タイトルのヒメアノールとはごく小さなトカゲのことで、強者のエサとなる弱者を意味する。ジャニーズのV6の森田剛が、かつてイジメを受けたのが原因で心を病んだ殺人者という屈折した難役を演じるが、これが見事にハマッている。実は私は、映画における森田剛についてはほとんど知らず「人間失格」に出ていたかな…という程度の認識だったのだが、本作での彼の存在感はすさまじいものだ。堂々のR15指定作というだけあって、情け容赦ない暴力シーンに森田(原作コミック、映画劇中の役名も同じだったりする)がキレキレの演技で凶行に及ぶ様は、俳優として一級の演技で圧倒される。岡田のドラマは、片思いやコンプレックス、小さな秘密や将来への不安など、どこにでもある青春恋愛物語だ。だがそのすぐ傍らに、森田による無機質な狂気に突き動かされた殺人という暴走劇があって、二つが同時進行している。最終的に二つの物語が交錯するという構成は、先読み不能で一瞬も目が離せない。森田はイジメを受けた過去があるとはいえ、勝手な思い込みでストーカーと化し、気に入らない人間の命を平気で奪うロクデナシだ。だが岡田や安藤、ユカらが善人かというと、そうは言い切れない。彼らの心の隅っこにも“森田はいる”のである。本作のタイトルが映画のはじめではなく中盤に突然挿入されるのは、日常と非日常の2つの相異なる世界は、実は表裏一体でいつでも混じり合うのだという強烈なメッセージに思えた。暴力や流血が多いので見る人を選ぶ作品だが、一見の価値があるのは間違いない。
【70点】
(原題「ヒメアノール」)
(日本/吉田恵輔監督/森田剛、濱田岳、佐津川愛美、他)
(バイオレンス度:★★★★☆)
チケットぴあ

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ←ランキング参加中です!

人気ブログランキング←この記事が気に入ったらポチッとクリックお願いします(^o^)
ヒメアノ〜ル|映画情報のぴあ映画生活

みなさん、さようなら

みなさん、さようなら [Blu-ray]みなさん、さようなら [Blu-ray] [Blu-ray]
一生団地から出ないと決めた青年の孤独と成長を描く「みなさん、さようなら」。団地という閉じた世界で時代の変遷を描く演出が上手い。

悟は12歳の春に「僕は団地の中だけで一生生きていく!」と心に決める。団地の中をパトロールしながら、自分が決めたスケジュール通りに毎日を過ごす日々は、それなりに充実したものだった。悟は、団地内のケーキ屋に就職し、同級生の早紀と恋をして婚約。だが、友達は、一人、また一人と団地を出ていき、ついにあれほど優しかった早紀や悟の良き話相手で、同級生の美少女・松島まで悟の前から去っていく。すっかりさびれた団地に一人取り残された悟は、偶然知り合った、ブラジル人の少女マリアを守るために命懸けの戦いに挑むことになるのだが…。

原作は、第一回パピルス新人賞を受賞した、久保寺健彦の同名小説。団地内引きこもりというシュールな設定ながら、笑いあり涙あり、恋ありアクションありで、退屈させない。12歳の悟が「一生出ない」と決めた団地は、1980年代は、まっ白でピカピカ、アーケードには食料品店、理髪店、衣料品店、郵便局に病院まで何でも揃っていて、“ヨーロッパの街並みのよう”に美しく活況を呈していた。独立した世界である団地の姿は、時代の流れと共に変化する。少しずつ汚れ、荒廃する団地は、実はそこに住む人間たちの変化そのものだが、悟は団地を愛し、団地に住む人々を守ると決めていた。そこには、悟が団地を出ない理由とも重なる、小学校でのある重大な事件が関係してくる。そこにあるのは、どこかコミカルな悟の日常に突き刺さったまま忘れることができない、決定的な悪意なのだ。そんな悪と、再び対峙するのが、いつのまにか怪しげな外国人ばかりになった団地で、義理の父親から日常的な暴力を受けているブラジル人の少女マリアとの出会いだ。悟が本当のヒーローになるこのシークエンスは、それまで団地内で培ってきたノウハウが炸裂し、主人公の成長と新たな旅立ちのスタートラインとなっている。個性派俳優の濱田岳が童顔を活かして、12歳から30歳までの主人公をひょうひょうと熱演。特にラストシーンで振り返るさりげない表情がいい。彼の顔が見えると、中村義洋作品だなぁと思うほど、フィットしていた。
【65点】
(原題「みなさん、さようなら」)
(日本/中村義洋監督/濱田岳、倉科カナ、永山絢斗、他)
(成長物語度:★★★★★)
チケットぴあ

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ←ランキング参加中です!

人気ブログランキング←この記事が気に入ったらポチッとクリックお願いします(^o^)
みなさん、さようなら@ぴあ映画生活

ポテチ

ポテチ〔初回限定仕様〕 [Blu-ray]ポテチ〔初回限定仕様〕 [Blu-ray]
クチコミを見る
宮城県仙台市。空き巣を生業とする青年・今村は、同じ年、同じ日、同じ街で生まれたプロ野球のスター選手・尾崎の家に侵入する。今村の恋人・若葉は、さっさと金目のものを見つけて帰ろうと促すが、今村はなぜかテレビを見るばかりで動こうとしない。すると部屋に若い女性から、尾崎に助けを求める電話がかかってくる。ほっておけない今村は、その若い女性が待つ喫茶店へと向かうが…。

原作は、仙台市を拠点に活躍する人気作家・伊坂幸太郎の「フィッシュストーリー」に収録された同名中編小説。伊坂作品を過去にも多く映像化した中村義洋監督が、これまた伊坂作品には欠かせない俳優の濱田岳を主演に作った中編映画だ。空き巣の今村、おかしな縁で彼の恋人になった若葉、今村の先輩でクールな黒澤の3人を軸に、どこか奇妙な物語が展開する。何の関係もなさそうな物事、人物が、不思議な縁でつながっていくのは、伊坂作品でおなじみのモチーフだ。空き巣という悪事から始まり、無邪気な悪意、さらに出生の秘密までがからみ、筋書きは飽きさせない。若葉と今村の母・弓子のやりとりは唐突で、不自然に感じるのだが、クライマックスの野球の試合での、周到な“奇跡”へとつながる語り口は、絶妙だ。実は私は、伊坂幸太郎原作の映画は、根底にあるアンモラルな設定がどうにも性に合わないのだが、いつものスタッフ、キャストで、たった8日間で撮影されたというこの小品には、好感を持った。おそらく、無駄に冗長な映画ばかりが多い最近では珍しく、さっぱりとした味わいに仕上がっているからだろう。野球場のシーンでは、地元のボランティアのエキストラの方々が200名以上集まったという。多くの人に支えられた作品なのだ。
【50点】
(原題「ポテチ」)
(日本/中村義洋監督/濱田岳、木村文乃、大森南朋、他)
(さらり度:★★★★☆)
チケットぴあ

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ←ランキング参加中です!

人気ブログランキング←この記事が気に入ったらポチッとクリックお願いします(^o^)
ポテチ@ぴあ映画生活

アヒルと鴨のコインロッカー

アヒルと鴨のコインロッカー [DVD]アヒルと鴨のコインロッカー [DVD]
ミステリアスな友情物語は、コメディ調の前半と異なり悲劇的な種明かしが仕込まれている。油断すると感動してしまいそうになるが「見なかったことにして」は解決策として疑問。ただ、神の声“ディラン”が誘う切なさは十分に表現されているし、伊坂幸太郎の原作の質の高さがうかがえる映画になった。
【60点】
(日本/中村義洋監督/濱田岳、瑛太、関めぐみ、松田龍平、他)
(やるせなさ度:★★★★☆)

人気ブログランキング用バナー

←この記事が気に入ったら、ポチッとクリックしてもらえると嬉しいです\(^o^)/

おすすめ情報
最新コメント
作品検索はこちら
Google
WWW を検索
このブログ内を検索
映画レビュー(長文)索引

    
    
    
    
    
    
    
  
    

A−Z
0−9
おすすめ情報
おすすめ情報

おすすめ情報

楽天市場
おすすめ情報

  • ライブドアブログ