聯合艦隊司令長官 山本五十六 -太平洋戦争70年目の真実- [Blu-ray]
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最も戦争に反対しながら開戦の口火を切ることになった指揮官の苦悩を描く「聯合艦隊司令長官 山本五十六 ―太平洋戦争70年目の真実―」。運命の皮肉というしかない。
1939年、海軍次官の山本五十六は、圧倒的な軍事力を持つ米国との戦いを避けるため、日独伊三国軍事同盟に強く反対の立場を貫く。だが、第二次世界大戦が勃発し、1941年、ついに対米開戦となる。連合艦隊司令長官に任命された山本が、早期終戦を目指し、練った策が真珠湾攻撃だった。奇策は効を奏するが、目的の空母撃破には失敗。山本は意に反して悪化する戦況へと巻き込まれていく…。
古くは名優・三船敏郎が演じた山本五十六の半生を、現代の名優・役所広司が重厚に演じて感動を呼ぶ戦争大作だ。だが戦闘の場面は意外なほど少ない。映画の本意は、激戦の模様を再現することではなく、誰よりも開戦に反対しながら、陣頭指揮を取る司令長官にならざるをえなかった軍人の苦悩と、それでも失わなかった温かい人間性を描くことだ。山本と彼の周囲のわずかな理解者だけが、戦況を冷静に見極めているが、無謀な精神論や好戦ムードの中、日本は戦争へとなだれこんでいく。山本は自分がこうむる理不尽を叫びたい気持ちを押し殺して、軍人として職務をまっとうする覚悟があり、それが終始、固い表情から伺える。そんな彼が唯一、心安らぐのが、甘いものを食べるときだ。山本は、故郷・長岡の名物である水饅頭にさらに砂糖をふりかけて食べるほどの甘党。この姿はちょっと意外だったが、それ以外は、本作で描かれる山本五十六という人物に一瞬のスキもない。世界情勢を見極める視野の広さ、部下に慕われる人徳、良き家庭人。戦闘ではなく人間を掘り下げるという、異色のアプローチだけに、主人公の弱さや欠点も少しは描いても良かったのでは。とはいえ、主役の役所広司をはじめ、柳葉敏郎や阿部寛など、共演者は皆、好演。苦渋の連続だった、真珠湾攻撃とミッドウェー海戦、ブーゲンビル島上空での非業の死まで、骨太なドラマとして仕上がっている。
【65点】
(原題「聯合艦隊司令長官 山本五十六 ―太平洋戦争70年目の真実―」)
(日本/成島出監督/役所広司、玉木宏、柄本明、他)
(シニア向け度:★★★★☆)
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