真夏の方程式 Blu-rayスペシャル・エディション
「ガリレオ」シリーズ劇場版第2弾「真夏の方程式」。謎解きミステリーよりも人間ドラマの比重が高い。

美しい海をたたえる玻璃ヶ浦。そこで行われた海底鉱物資源の開発計画の説明会に招かれた物理学者の湯川学は、“緑岩荘“という旅館に滞在する。川畑夫妻が経営するその旅館で、列車の中で出会った、夫妻の甥の少年・恭平と再会。恭平は湯川に興味津々だ。一方、旅館の一人娘の成実は開発計画の反対運動にのめりこんでいた。翌朝、緑岩荘に宿泊していた元刑事の塚原の遺体が岩場で発見される。こんな場所で死ぬはずはないと疑問を持つ恭平。秘密を抱える川畑夫妻。やがて塚原と家族の思わぬ因縁、そして一家の秘密が解き明かされていく…。

原作はベストセラー作家、東野圭吾の同名大ヒット小説。今回は、クールなガリレオ・湯川が少年とともにひと夏を過ごす。美しい海とは対照的に、描かれる事件の背景は暗く悲しいものだ。この対比の構図が象徴するように、今回の事件は、緻密な謎解きの妙というより、互いを愛するあまり秘密を胸に抱いて生きる家族と、そうとは知らずに事件に関わってしまう無垢な少年の人間ドラマの趣が強い。子供嫌いなはずの湯川は、なぜか恭平とはウマが合い、行動をともにするが、そこで湯川が科学の面白さと有益さを教えていく図は、擬似親子のようでほほえましい。だがそれは結果として、恭平少年に科学の恐ろしさをも学ばせることになるのだ。本作では、開発か環境保護かで揺れる現実社会を投影した設定が盛り込まれていて興味深いが、そこで住民、とりわけ環境保護活動に不自然なほどのめりこんでいる旅館の娘の成実に、科学技術と自然がどう共存してきたかを解き「すべてを知った上で結論を出せ」と諭す。理論派の湯川らしい持論だが、これが、最終的に、殺人事件の謎を解いた後の人々への問いかけに繋がっていくのが見事だ。前作に引き続き、福山雅治がクールなたたずまいで主人公を好演。夏休み、海、花火、少年。夏を彩るアイテムが散りばめられ、ほろ苦く切ない余韻を残す物語になった。
【65点】
(原題「真夏の方程式」)
(日本/西谷弘監督/福山雅治、吉高由里子、北村一輝、他)
(切なさ度:★★★★☆)
チケットぴあ

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