映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評


【本音で語る新作映画レビュー】
シネマッシモでは、映画レビューはネタバレなしのヒントあり。映画を見る前と見た後と、2度読んで楽しめます。
映画評サイトもこのブログで4代目になりました。すべての映画好きを歓迎します!
(点数は100点が、★は5つが満点)
シネマッシモとは、シネマ(映画)とマッシモ(イタリア語でmax,最大)とを組み合わせた造語。
どうぞゆっくり楽しんでください \(^▽^)/

◎ 今週の気になる映画 ◎
「ドリーム」「亜人」「僕のワンダフルライフ」etc.

真田広之

ライフ

Life
世界各国から6人の宇宙飛行士がISS(国際宇宙ステーション)に集結し、火星で採取された地球外生命体の細胞を極秘調査することに。医者のデビッド、検疫官のミランダ、航空エンジニアのローリーらは、脳と筋肉だけで構成された神秘的な生命体の生態に驚愕する。だが、生命維持装置の誤作動から、その生命体は人間を敵とみなし、圧倒的な生命力で宇宙飛行士たちの命を脅かす。6人は逃げ場のない宇宙で追い詰められていくが…。

地球外生命体の恐怖を描くSFホラー「ライフ」。内容は、傑作SF「エイリアン」に激似で、宇宙空間という密室サバイバルという設定は「ゼロ・グラビティ」という風に、既視感はあるものの、それでも映像の面白さや豪華キャストが意外な順番で命を落とす様、ラストのどんでん返しまで、それなりに見所が用意されている。まず火星から採取した地球外生命体のビジュアルだが、最初は何とも愛らしい。柔らかいクリーム色で小さな身体をひらひらさせる様子は、ちょっと“氷の妖精”ことクリオネを思わせる。だが、カルビンと名付けられたこの生命体は、相手が自分に危害を加えると判断するやいなや、すさまじい勢いで反撃・攻撃するのだ。あっという間に進化し成長したカルビンの目的はただひとつ、生き延びること。そのためなら流血、殺人、なんのその!だ。シンプルかつ強烈な、生存という目的のためには手段は選ばない。その意味で「ライフ」というタイトルは的を得ているのだが、この自然ドキュメンタリーのような、平和的な題名に騙されてしまう観客がいるのでは…と心配でならない。PG12指定なので、スプラッタ描写もふんだんに登場する。

地球外生命体との遭遇は、即、脅威! このメッセージにはいろいろと言いたいことはあるが、そもそも勝手に採取して研究しようという、上から目線の人類側にも問題があるのかも。いずれにしても「エイリアン」へのオマージュたっぷりの本作、あっと驚くラストは、ちょっと予想がつくとはいえ、背筋が凍るはずだ。やはり本家の「エイリアン」は偉大なSF作品だったのだと改めて感じさせてくれる1本に仕上がっている。豪華キャストが揃う中、日本人のシステム・エンジニア役の真田広之が、しっかり存在感を示しているのが嬉しい。
【55点】
(原題「LIFE」)
(アメリカ/ダニエル・エスピノーサ監督/ジェイク・ギレンホール、レベッカ・ファーガソン、ライアン・レイノルズ、他)
(豪華キャスト度:★★★★☆)
チケットぴあ

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ←ランキング参加中です!

人気ブログランキング←この記事が気に入ったらポチッとクリックお願いします(^o^)

Mr.ホームズ 名探偵最後の事件

Mr.ホームズ 名探偵最後の事件 [Blu-ray]
93歳になった名探偵シャーロック・ホームズは、引退し、海辺の家で静かに暮らしている。しかし彼は、30年前の未解決事件のことが、ずっと気になっていた。その事件とは、子どもを亡くし正気を失った女性の調査依頼と、彼女が夫の殺害を計画しているという疑惑。だが、調査したホームズの失態で未解決となった上に、自身も探偵引退を余儀なくされたのだった。日本への旅行で事件解決のヒントを得たホームズは、家政婦の息子で、10歳になるロジャー少年に探偵の素質があることを見抜き、彼を助手に事件を再捜査していく…。

93歳になった名探偵シャーロック・ホームズが、30年前の未解決事件の謎に挑む「Mr.ホームズ 名探偵最後の事件」。原作は、ミッチ・カリンの小説だ。シャーロック・ホームズの物語は、幾度となく映像化されているが、晩年の、しかも悔恨を描く本作は、いわば番外編の趣である。それにしてもあのホームズが記憶も推理力も衰えた、ボケ老人…、失礼、93歳という高齢の老人とは!シャーロッキアンでなくても、少なからずショッキングな設定である。自分の失態、結果、引退へと追い込まれた事件の詳細を思い出そうとするが、記憶は混濁し、鍵を握る日本人ウメザキから過去のことを責められても「思い出せない」というばかり。真田広之演じるこのウメザキとの関係が、未解決事件の捜査にほとんど活きていないのが、ちょっと残念である。それでも、ホームズの老いを際立たせる効果は、確かにあった。過去と現在を行き来しながら物語は進むが、味わい深いのは、現代の方で、10歳の理知的な少年ロジャーを相棒に事件に挑む老ホームズはなんとも微笑ましいし、凸凹コンビのような2人の関係が実にあたたかい。孤独と死を現実のものとして受け止めたホームズが、真実を追求しながら最終的に知ったのは、深く傷ついた人間にそっと寄り添うことの意味なのだろう。本作はミステリーというより、人間ドラマとしての深みが勝った。隠れた秀作「ゴッド・アンド・モンスター」でも名優マッケランと組んだコンドン監督は、最晩年を迎えた人間の贖罪という共通したテーマを、本作でも丁寧に描いている。
【70点】
(原題「MR.HOLMES」)
(英・米/ビル・コンドン監督/イアン・マッケラン、ローラ・リニー、真田広之、他)
(ヒューマニズム度:★★★★☆)
チケットぴあ

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ←ランキング参加中です!

人気ブログランキング←この記事が気に入ったらポチッとクリックお願いします(^o^)
Mr.ホームズ 名探偵最後の事件@ぴあ映画生活

レイルウェイ 運命の旅路

レイルウェイ 運命の旅路 [Blu-ray]
第二次世界大戦を背景に英国人将校の壮絶な体験と献身的な妻の愛をつづるヒューマン・ドラマ「レイルウェイ 運命の旅路」。後日談を映像化せず淡々と語ったのはクレバーな演出だった。

第2次世界大戦で日本軍の捕虜となった、鉄道好きの青年将校エリックは、タイとビルマ間を走る“死の鉄道”タイメン鉄道の建設に従事し、過酷な労働を強いられ、非道な拷問を受ける。30年後、エリックは妻パトリシアと静かに暮らしながらも、戦争中の壮絶なトラウマに苦しんでいた。そんな時、自分を拷問した日本人通訳・永瀬が現在も生きていることを知る…。

原作は「エスクァイア」誌ノンフィクション大賞に輝いたエリック・ローマクスの自叙伝。戦争中に日本人が捕虜に対して行った強制労働や拷問の実態は、日本人にはつらい内容なのだが、学校の教科書には決して載らないこういう真実を教えてくれるのが映画の魅力であり役割のひとつでもある。鉄道マニアの青年将校だったエリックは、戦況を知るためにラジオを作るが、それが日本軍にバレて激しく拷問される。エリックの拷問現場に立ちあい通訳をしていた永瀬が、戦後、タイで戦争体験を伝える活動をしていると知ったエリックは、激しく動揺するが、悩んだ末に永瀬に会うことを決意する。終盤に描かれるこの2人が相対する“決闘”シーンは、緊張感がみなぎる迫真の場面だ。エリックは永瀬の非道と嘘を問い詰めるが、彼が最終的に下した決断は、キリスト教的な愛に基づく崇高な行為だった。戦争は単純な勝ち負けでは語れない。本作のテーマは赦しと贖罪。戦後、長く友情を育んだというエリックと永瀬のことを美談にして映像化せず、淡々と描いた演出が功を奏した。心に傷を負った人物を演じるコリン・ファースと真田広之の、共に抑えた熱演が素晴らしい。
【65点】
(原題「The Railway Man」)
(豪・英/ジョナサン・テプリツキー監督/コリン・ファース、ニコール・キッドマン、真田広之、他)
(歴史秘話度:★★★★☆)
チケットぴあ

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ←ランキング参加中です!

人気ブログランキング←この記事が気に入ったらポチッとクリックお願いします(^o^)

レイルウェイ 運命の旅路@ぴあ映画生活

47RONIN

47RONIN ブルーレイ(「47RONIN」メインキャスト・ポストカードセット(6枚セット)付き) [Blu-ray]
忠臣蔵の世界観をハリウッドが独自に解釈した娯楽アクション大作「47RONIN」。日本愛にあふれた珍作。

美しい赤穂の地。領主の浅野に助けられた混血児カイは、鬼と蔑まれながらも、浅野への忠誠と浅野の娘ミカへの恋心を秘めて、たくましく成長した。だが赤穂の領地を狙う吉良と妖術を操る謎の女ミヅキの策略によって、浅野は命を落とす。大石ら赤穂の侍たちは主君を失い、浪人となるが、1年後再び集まり主君の仇討ちを誓う。彼らは大軍を擁する吉良に対抗するため、奴隷に売られたカイを探し出して仲間に加えることに。彼らは次々に現れる怪物たちを退け、吉良への復讐に向かうが…。

赤穂浪士47人の吉良邸討ち入り事件“忠臣蔵”は、日本人ならば誰でも知る仇討ち話。この古典的な歴史にハリウッドが独自の解釈を施した本作は、主演に世界的スターのキアヌ・リーブスを迎えて異形のアクション・エンタテインメントに仕上がっている。主人公のカイは混血のはぐれ者。周囲からは鬼と蔑視されるが、寡黙にじっと耐え忍ぶ姿はある意味、侍そのものである。カイの侍らしさは、浅野家の武士を助けてもそのことは口には出さず、妖術で動けない家臣に代わって命を懸けて敵との戦いに挑むなど、犠牲の精神にも表れている。最初はカイを軽蔑していた家臣たちもやがては彼を認めていくのはそのためだ。CM界の俊英カール・リンシュは、おそらく忠臣蔵や日本の文化、精神風土に関して徹底的に調べ、すべて判った上で、換骨奪胎したのだろう。もしかしたらこれが、外国人が考える理想の武士道なのかもしれない。妖術や、クリーチャーの登場や、若く野心的な敵・吉良、浅野の娘ミカとカイの恋などの設定は、冒険ファンタジーそのものだ。主演はキアヌだが、国際的に活躍する真田広之、浅野忠信、菊地凛子が豪華共演。見たこともない壮大な冒険物語を活写する。仇討ちや死を美化する思想がそのままなのは不満だが、体面ばかり重んじる武士が異形のカイによって本物の忠義に目覚める展開は、外から見るサムライ・スピリットとして興味深い。忠臣蔵と思えば珍作だが、エキゾチックなファンタジー・アクションと見ればインパクト大の娯楽作だ。
【55点】
(原題「47RONIN」)
(アメリカ/カール・リンシュ監督/キアヌ・リーヴス、真田広之、柴咲コウ、他)
(ファンタジー度:★★★★☆)
チケットぴあ

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ←ランキング参加中です!

人気ブログランキング←この記事が気に入ったらポチッとクリックお願いします(^o^)

47RONIN@ぴあ映画生活

ウルヴァリン:SAMURAI

ウルヴァリン:SAMURAI 4枚組コレクターズ・エディション (初回生産限定) [Blu-ray]
「X-メン」シリーズの人気キャラ、ウルヴァリンを主人公にしたスピンオフ作品の第2弾「ウルヴァリン:SAMURAI」。ヘンな日本もアメコミの舞台と思うとなぜか許せる。

カナダの山奥で隠遁生活を送るウルヴァリンことローガンは、かつて命を救った日本人・矢志田の願いで日本を訪問する。再会後まもなく矢志田は死去するが、彼の孫のマリコが謎の組織から追われていることを知ったローガンは、混乱の中でマリコを助けて逃避行することに。いつしか二人は恋に落ちるが、ローガンは不老不死の力を奪うワナにはめられ、絶対絶命の危機に陥ってしまう…。

「X-メン」シリーズのウルヴァリンといえば、鋭いカギ爪と治癒能力がトレードマーク。それゆえに彼は、不老不死のミュータントのままあらゆる時代を生きねばならない。それは永遠の孤独に等しい悲しすぎる宿命だ。全編日本ロケという異例のアクション大作である本作の冒頭では、ウルヴァリンは原爆投下時の長崎にいて、日本兵の矢志田の命を救う。数十年後、大実業家となり、瀕死の状態の矢志田の“ウルヴァリンへの礼”とは、彼を苦しみから救う「死」を与えるというものだった。この提案と矢志田一族の複雑な思惑には、さまざまな罠がある。それは映画を見て確かめてもらうとして、本作で注目したいのは、やはり“日本”という要素を最大限に生かした点だろう。純和風の家屋に着物、鎧に剣術と古風な日本もあれば、パチンコやラブホテルのようなステレオタオプの日本文化も。さらにウルヴァリンを迎えに来た、矢志田家に仕える女性で、剣の達人ユキオのどこかアニメチックなビジュアルは現代日本のポップカルチャーそのものだ。アクションも高速で疾走する新幹線の上なのだから、過剰なほどの日本へのリスペクトといえるだろう。無論、ヒロインのマリコが和装の喪服姿でうろうろしたり、長崎の隠れ家まであっさりとたどり着いたりと、おかしな設定は数多い。真田広之演じるマリコの父親のキャラもワケが分からない。だが、これは超絶ヒーローのウルヴァリンの物語。多少の矛盾が何だというのだ!という太っ腹な気持ちも必要だ。本作で一番重要なテーマは、不老不死のウルヴァリンが、力を失うことで初めて“限りある命”を自覚するところにある。命の尊さを知る不死身のヒーローだからこそ、彼は孤高のSAMURAIになっていくのだ。ハリウッドが得意とするド迫力のヒーロー映画に和のテイストがドッキングした、ハイブリッドなアクション映画は、日本人の私たちこそ、その魅力を最大限に堪能できる。
【65点】
(原題「The Wolverine 」)
(アメリカ/ジェームズ・マンゴールド監督/ヒュー・ジャックマン、真田広之、TAO、他)
(和風テイスト度:★★★★★)
チケットぴあ

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ←ランキング参加中です!

人気ブログランキング←この記事が気に入ったらポチッとクリックお願いします(^o^)

ウルヴァリン:SAMURAI@ぴあ映画生活

最終目的地

最終目的地 [Blu-ray]最終目的地 [Blu-ray] [Blu-ray]
南米の辺境の豪邸に暮らす人々の人間模様を描く「最終目的地」。国際的なキャストの中で、真田広之が潤滑油のような役割を自然体で演じている。

アメリカの大学院生オマーは、たった1冊の著書を残して自殺した作家ユルス・グントの伝記執筆のため、遺族に伝記公認の許可を得る目的で、南米ウルグアイの辺境の地にやってくる。その豪邸には、作家の未亡人キャロライン、愛人アーデンとその娘、作家の兄アダムとそのパートナーの男性ピートという、奇妙な家族が暮らしていた。オマーという“侵入者”の滞在によって、彼らは皆、それぞれの人生を見つめ直していく…。

国際的なキャスト、異国情緒、ノスタルジー、のっぴきならない人間関係。ジェームズ・アイボリーらしい静かで格調高い文芸ドラマだ。原作はアメリカ人作家ピーター・キャメロンの同名小説。物語は、閉鎖的な小さな世界で、人生をあきらめたかのように暮らす人々の群像劇である。劇的な事件は何も起こらず、けだるい午睡のような空気の中で、深みのあるセリフが静かに語られる。妻、愛人、兄らを結び付けているのは、自殺した作家ユルスの“不在”で、故郷を喪失して、身動きできなくなってしまった彼らの呪縛をゆっくりと解くのがオマーの役割だ。オマーという“よそ者”が、図らずも彼らに、本当はどこに行きたいのか、あるいは誰と行くべきなのかを問い、人生の最終目的地へと向かわせることになる。そこにナチスの迫害を逃れてドイツから南米に渡ったユダヤ系の先代のホームビデオや、母親が残した宝石類などが、人々が“動き出す”きっかけとしてミステリアスな味付けを加えている。アイヴォリー監督とは「上海の伯爵夫人」で組んだ真田広之は、今回は名優アンソニー・ホプキンスのゲイの恋人という難役。停滞とも平和ともつかない世界の潤滑油のような役割を、不思議な優しさとユーモアを漂わせつつ、自然体で演じて、国際派俳優として見事な存在感だった。新しい何かを手に入れるためには、今持っている古い何かを捨てねばならない。互いに惹かれあうアーデンとオマーだけでなく、誰もが自分の居場所をみつけるラストには、愛憎入り乱れる人間関係の不可思議と共に、柔らかな希望も。人生の機微を知る大人のための物語だ。
【65点】
(原題「THE CITY OF YOUR FINAL DESTINATION」)
(アメリカ/ジェームズ・アイヴォリー監督/アンソニー・ホプキンス、ローラ・リニー、真田広之、他)
(優雅度:★★★★☆)
チケットぴあ

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ←ランキング参加中です!


人気ブログランキング←この記事が気に入ったらポチッとクリックお願いします(^o^)
最終目的地@ぴあ映画生活

ラッシュアワー3

ラッシュアワー3 プレミアム・エディション [DVD]ラッシュアワー3 プレミアム・エディション [DVD]
お騒がせ刑事コンビのシリーズ3作目は、内容はややマンネリながら、舞台はパリという華やかさ。エッフェル塔での激闘など、ジャッキー本人によるアクションの頑張りには頭が下がるが、今回は悪役の真田広之の方が動きにキレがある。物語的には、これではたして事件解決と言えるのか?との疑問は残るが、もはや固い事は言いっこなしか。お約束の楽しいNG集でアクションシーンの苦労がしのばれる。
【60点】
(原題「RUSH HOUR 3」)
(アメリカ/ブレット・ラトナー監督/ジャッキー・チェン、クリス・タッカー、真田広之、他)
(マンネリ度:★★★☆☆)

人気ブログランキング用バナー

←この記事が気に入ったら、ポチッとクリックしてもらえると嬉しいです\(^o^)/

サンシャイン2057

サンシャイン2057 [DVD]サンシャイン2057 [DVD]
太陽の消滅を防ぐため宇宙船に乗ったクルーたちのドラマを描く異色SF。船長カネダ役で真田広之が出演している。ダニー・ボイルの映画に出るなんてシブい!しかし、今からたったの50年後には太陽さえ瀕死なのか?と思うと気が滅入る。目が疲れる映像に注意。
【60点】
(原題「SUNSHINE」)
(イギリス/ダニー・ボイル監督/キリアン・マーフィ、ミシェル・ヨー、真田広之、他)
(眼性疲労度:★★★★☆)

人気ブログランキング用バナー

←この記事が気に入ったら、ポチッとクリックしてもらえると嬉しいです\(^o^)/

たそがれ清兵衛

たそがれ清兵衛 [DVD]たそがれ清兵衛 [DVD]
◆プチレビュー◆
これは日本映画の良心。山形県の庄内弁が柔らかで魅力的。お勧めでがんす。

明治維新目前の江戸末期。庄内、海坂藩の下級武士、井口清兵衛は、幼子と老婆を抱え、薄給を内職で補うわびしいやもめ暮らし。金もなく酒にもつきあわず、夕方になると自宅に直行する彼を、同僚は“たそがれ清兵衛”と陰で呼んでいた。そんな彼がひょんなことから剣の腕を買われ、藩内の対立分子を斬る命令を受けてしまう…。

時代劇は一種の様式(スタイル)だ。そこには必ずヒーローがいて、華麗な活躍やラストのカタルシスが用意されている。いい意味でのワンパターンの安心感もあり、それゆえ数々の名作、人気作が多い。日本映画を代表する監督である山田洋次監督が初めて手がけた本格時代劇の本作は、その意味では異色といえる作品だ。

真田広之扮する清兵衛は生活に追われる貧乏侍で、みなりも質素を通り越し薄汚く、風呂にも入らないので、上司から叱られたりしている。暮らしぶりもわびしさそのもので、内職で虫籠を作り、せんべい布団や粗末な食事も痛々しい。それでも、幼い娘を愛しみ、ちょっとボケた老母をいたわりながら平穏に暮らしている。清兵衛は基本的に出世には無関心で、家族で幸せに暮らすことが喜びのマイホーム主義者なのだ。

日頃ぱっとしない人物がここ一番という所でスペシャルな活躍を見せるのは、見ていて胸がすく思いだが、この清兵衛も実は剣の達人。幼なじみで密かに恋心を抱いている朋江(宮沢りえ)の危機を救う場面は痛快だ。しかし、この事件が災いし、藩命ではたし合いをするハメになる。もちろん清兵衛は望まない決闘だが、下級武士はいわば一介のサラリーマン、上司の命令を断れるわけがない。

江戸末期、明治維新の光明はもう目の前に迫っている。そんな時代の波を前にしても愚かな跡目争いを繰り広げる藩は、まるで会社が倒産寸前の不祥事に、社長や重役たちが右往左往する現代社会そのものに見える。城の詰所できっちり働く侍たちは、明日会社が潰れるとしても律儀に働くサラリーマンが透けて見えるよう。悲しい習性と宮仕えの不条理さは昔から変わらないし、上層部のワリを食うのはいつの時代も現場で働く者たちなのだ。

時代考証に1年以上かけ、細部にこだわり抜いただけあって、全編がリアリティ。決闘に臨む清兵衛の身支度を手伝うため走ってきた朋江の髪もちゃんと乱れている。清兵衛の髪を整える場面は濃厚なラブシーンにも似て、愛しい人を死地に送らねばならない朋江の声にならない思いが伝わるよう。武家の女性らしい凛々しさと黎明期特有の新しい価値観の持ち主の朋江は、日本女性の美を体言する存在に思えた。

特筆すべきは殺陣シーンの迫力。敵役を演じるのは前衛舞踏家の田中泯で、これが映画初出演となる。図らずも命のやりとりをする男たちの恐怖やむなしさが見事だ。宮使えの辛さを知る2人が心を通わせる会話と殺陣の緊張感の対比が、独特の“間”を生みだしている。解釈も見る人によりいろいろだろう決着の付け方もいい。

ささやかな希望、哀しみ、そして勇気。実際の侍家業はしんどいものである。リアルさが魅力のこの物語は、清兵衛の娘の遠い日の思い出として綴られている。回想形式は嫌いではないし、それはそれで効果的なのだが、観客と物語の間に距離感が生まれるのが難点。個人的には、通常のスタイルで、より生々しく侍魂のてん末を描いてほしかった気も。

藩命とはいえ命がけの決闘はおそらく主人公の人生のハイライト。しかしそれは愛するもののために闘っただけで、やがて忘れられる歴史の些細なひとコマにすぎない。ヒューマニズムが全体ににじむわりには説教臭さがないのがいい所だ。そのくせ、最後には涙なのだからかなわない。名もない下級武士の心意気をしみじみと描いて清々しい感動を生むドラマは、今後の時代劇の道しるべになりそうな予感だ。

原作は、故藤沢周平の短編「たそがれ清兵衛」「祝い人助八」「竹光始末」の3編。

□2002年 日本映画
□監督:山田洋次
□出演:真田広之、宮沢りえ、丹波哲郎、他

人気ブログランキング用バナー

←この記事が気に入ったら、ポチッとクリックしてもらえると嬉しいです\(^o^)/

シネマッシモにようこそ
◇ シネマッシモについて ◇

このブログが気に入ったら、ポチッとクリックお願いします♪
にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ

映画レビュー用BRバナー
インフォメーション


映画ライター渡まち子が運営するセカンド・ブログ「映画の中に猫がいる」もよろしく!【猫目線】で語る映画評で、のんびり、まったり運営中です(笑)。 猫好きの方、映画好きの方、ぜひ遊びにきてください。相互リンクも募集中!
こちらからどうぞ!
おすすめ情報
作品検索はこちら
Google
WWW を検索
このブログ内を検索
コメント(承認済)
映画レビュー(長文)索引

    
    
    
    
    
    
    
  
    

A−Z
0−9
カテゴリ
お仕事受注
映画評やコラムの執筆、講演など、映画に関する仕事を承ります。連絡はメールでお気軽にどうぞ。

 メールはこちらから↓
cinemassimo555★jcom.home.ne.jp
(★を@に変更して下さい)

執筆やラジオ出演など、メールと電話で対応可能な場合は、全国から仕事を受注していますので、まずはお問合せください。
プロフィール
プロフィール more
◆ペンネーム:渡まち子
◆映画ライター、映画評論家
◆こんなお仕事やってます:
新聞、雑誌、インターネットで、映画評、映画コラム、DVD紹介などを執筆。他にも、映画コメンテーターとしてラジオ出演、大学での公開講座や企業主催の映画セミナーなど、映画に関する幅広い仕事をこなしながら活動中です。
◆青山学院文学部史学科卒業。西洋史が専攻で、卒業論文はベネチア史。学んだことを生きている間に有効に活かせるのだろうか…と、かなり心配。
◆エトセトラ:
古今東西の映画をこよなく愛す、自他ともに認めるシネフィル(映画狂)です。時に苦言を呈すこともあるその映画批評の基本は、映画へのあふれる愛情と自負しています。どんなダメ映画でも必ずひとつはあるイイところを発見するのが得意技。大のサッカー好きで、欧州リーグからJリーグまでTPOに合わせて楽しんでます。
おすすめ情報
おすすめ情報

おすすめ情報

楽天市場
おすすめ情報

Archives
相互リンクについて
相互リンクについて

  ↑ 必ずお読みください。
タグクラウド
  • ライブドアブログ