映画通信シネマッシモ


映画通信シネマッシモは、2018年4月をもって、終了しました。

ブログ終了にあたり、たくさんのあたたかいコメントをお寄せいただき、本当にありがとうございました。
皆さまの映画ライフに少しでもお役に立てたならこれほど嬉しいことはありません。
長い間のご愛顧に心より感謝いたします。

石橋杏奈

勝手にふるえてろ

勝手にふるえてろ (文春文庫)
24歳のOLヨシカは、10年もの間、中学時代の同級生で初恋の相手イチに片思い中。ずっと彼氏がいなかったヨシカだが、会社の同期のニに突然告白され、人生初の経験に舞い上がる。だが、正直、ニはまったくタイプではなく、ノリきれない。そんなある日、ボヤ騒ぎを起こしたヨシカは、死ぬ前にもう一度イチに会いたいと、ありえない嘘をついて同窓会を計画。ついに憧れのイチと再会するのだが…。

中学時代から片想い中の同級生と突然告白してきた会社の同期との間で揺れ動きながら暴走するヒロインの恋の行く末を描く異色のラブコメディー「勝手にふるえてろ」。原作は、19歳で芥川賞作家となった綿矢りさの同名小説だ。ヒロインのヨシカは脳内では夢見がちな暴走女子。リアルではひねくれで自分勝手なこじらせ女子。絶滅危惧種をこよなく愛するヨシカが、どうやって現実に目を向け、理想やプライドから自分自身を解放するのかという、成長物語である。

ニはヨシカにとってはまったくタイプではないのだが、それでも確かに存在するのに対し、10年片想い中のイチはいわばヨシカの脳内で理想化された幻のような王子様だ。主な登場人物はこの3人だが、ヨシカの周囲には個性的な人ばかりが集まっていて、彼らを見ているだけでも面白い。物語にはある仕掛けがあって、それが判明する時、ヨシカのこじらせっぷりの根深さが伝わる仕組みだ。ずっと彼氏がいない役には可愛すぎる松岡茉優が、めんどくさいヒロインを大量のモノローグや、時には歌まで交えて熱演。ロックバンド黒猫チェルシーのボーカリストで監督や俳優としても活躍する渡辺大知が、空気が読めず暑苦しいニを好演している。ぶざまでかっこ悪くても、傷ついても傷つけても、それでも一歩踏み出すこと。そこから人生は動き出すのだ。イタい笑いたっぷりのラブストーリーだが、同時に個性的な味わいの人生讃歌と見た。
【60点】
(原題「勝手にふるえてろ」)
(日本/大九明子監督/松岡茉優、渡辺大知、石橋杏奈、他)
(めんどくさい度:★★★★★)
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泥棒役者

映画「泥棒役者」オリジナル・サウンドトラック
金庫破りの名人の泥棒だった過去がある溶接工員の青年・はじめは、今は足を洗い、真面目に働きながら、優しい恋人と、ささやかながら幸せな日々を送っている。そんなはじめの前に、昔の泥棒仲間の則夫が現れ、恋人に過去をバラすと脅されて渋々盗みを手伝うことになる。絵本作家・前園俊太郎が住む豪邸に忍び込んだ2人だったが、はじめはそこで、家主の前園や女性編集者、セールスマンなどから、編集者や絵本作家、屋敷の主人など、別人に間違えられてしまう。その場限りの嘘で各人物に成りきりながら、それらしく振舞ってごまかすはじめだったが…。

「小野寺の弟・小野寺の姉」の西田征史監督が2006年に作・演出した舞台を、自ら映画用に脚本化したコメディー「泥棒役者」。元泥棒で人が良すぎる青年が、忍び込んだ豪邸で次々に別人に間違えられ、泥棒であることを隠すために、間違えられた役柄を役者のように演じていくハメになる様を描く。偶然に偶然が重なり、嘘を隠すためにさらに嘘を重ねる。綱渡りのような展開は、最初は笑いを誘い、少しずつ嘘にほころびが生じ始めると、それぞれの人物の事情が明らかに。泥棒が逃げ切れるのか?というスリルもさることながら、登場人物たちに芽生えた奇妙な絆が見所だ。

元が舞台というだけあって、物語のほとんどが絵本作家の家の中だけで展開する、ワンシチュエーション・コメディーなので、俳優の演技力やせりふの掛け合い、脚本の面白さが問われるが、これがなかなかよく練られた脚本で飽きさせない。主人公はじめを演じる丸山隆平(関ジャニ∞)は、少しとぼけた天然の魅力で好演しているし、市村正親や高畑充希ら、実力ある豪華キャストが脇を固めている。勘違いやすれ違いを経て、はじめが変化していくプロセスは、喜劇であると同時に成長物語でもあるのだ。劇中に登場する絵本「タマとミキ」の“秘密”が、すべての人々に希望を届けてくれる。クセもの8人のすったもんだは、時にご都合主義があっても、いつしか心がほっこりあたたまるものだ。うまくいかないこともある人生だけど「まだ終わってないニャー」!。そうそう、エンドロールの後、監督ゆかりの“あの人たち”に会えるので、最後まで席を立たずに見てほしい。
【60点】
(原題「泥棒役者」)
(日本/西田征史監督/丸山隆平、市村正親、石橋杏奈、他)
(コミカル度:★★★★☆)
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きみの友だち

きみの友だち [DVD]きみの友だち [DVD]
静かだが1本筋が通った青春映画の秀作。孤独な少女二人の友情を軸に、喪失感と共に今を生きるヒロインの成長を描いていく。現在と過去を行き来しながら、いくつかの独立した話をつなげるが、ヒロイックな人物ではなく、陰にいるタイプをスケッチするのがこの作品の個性だ。大勢の友だちに囲まれるより、本当に大切な友を忘れない。たとえ彼女がこの世から消えてしまっても。雲の写真の個展に、そっと加えられる二人の写真が感動的だ。
【70点】
(日本/廣木隆一監督/石橋杏奈、北浦愛、吉高由里子、他)
(繊細度:★★★★☆)

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