映画通信シネマッシモ


映画通信シネマッシモは、2018年4月をもって、終了しました。

ブログ終了にあたり、たくさんのあたたかいコメントをお寄せいただき、本当にありがとうございました。
皆さまの映画ライフに少しでもお役に立てたならこれほど嬉しいことはありません。
長い間のご愛顧に心より感謝いたします。

竹野内豊

シン・ゴジラ

シン・ゴジラ Blu-ray特別版3枚組
現代日本に初めてゴジラが現れた時、日本人はどう立ち向かうのか?
(配給会社の意向により、詳細なストーリーは記載していません。ご了承ください)

日本発のゴジラとして初めてフルCGで作られたゴジラ映画の最新作「シン・ゴジラ」。脚本・総監督を務める「エヴァンゲリオン」の庵野秀明監督は、音楽で過去のゴジラにリスペクトを配しながら、完全オリジナルで描かれる物語でゴジラという存在の意義を再定義している。最初に登場するゴジラのビジュアルの意外性(?)に椅子から転げ落ちそうになったが、そこをグッとこらえて見続けていると、ゴジラは瞬く間に変化し、黒い皮脂の内側に赤くただれたような光を内包する恐ろしい姿に変貌。都市を破壊し、人々のかけがえのない生活をなぎ倒して、非情に進むゴジラに、誰もがあの東日本大震災を思い起こすはずだ。本作のゴジラとは、人間に対し何のシンパシーも持たない、未曽有の災害や恐怖の象徴に他ならない。だからこそ「シン・ゴジラ」は怪獣映画である前に、危機管理と有事のシミュレーション劇にしてポリティカル・ムービーなのである。圧倒的な量の専門用語がすさまじいスピードで繰り出される会話劇は、防衛のための武力行使か、国民の人命尊重かの決断を迫り、日米の、あるいは官僚同士のかけひきを高速のカット割りで描いていく。それでいて、日本の未来を信じて突き進むヒロイズムも忘れていないところが泣かせるのだ。300人を超える豪華キャストが次々に現れてはあっさりと消えていく。あまりにもエヴァ的な演出に既視感を感じる。感傷的なドラマや恋愛劇はいっさいないので、一瞬も気を抜けない。エヴァに通じる作家性に貫かれた終末映画となったこの「シン・ゴジラ」には、賛否があるだろう。だが私はこの力作映画に“賛”だ。長谷川博己演じる矢口の「この国はまだ大丈夫だ」の希望の言葉に、不覚にも涙ぐんでしまった。現代日本に現れたゴジラは、真か、新か、あるいは神か。私は日本への「信」だと思いたい。
【85点】
(原題「シン・ゴジラ」)
(日本/脚本・総監督:庵野秀明、監督・特技監督:樋口真嗣/長谷川博己、竹野内豊、石原さとみ、他)
(大人向け怪獣映画度:★★★★★)
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人生の約束

人生の約束 (豪華版)(本編Blu-ray+特典DVD)
東京のIT関連企業のCEO中原祐馬は、会社拡大しか興味がなく、一緒に会社を作った親友の航平とも、彼を追い出す形で絶縁していた。その航平から何度も無言の電話あり不安になった祐馬は、彼の故郷・富山県新湊へ向かう。だが着いたときには親友は病でこの世を去っていた。祐馬は、航平が新湊曳山まつりをめぐって地元のために奔走していたことを知る。同じ頃、祐馬の会社が不正取引の疑いで強制捜査を受ける。会社や仲間などすべてを失って一人になった祐馬は、亡き友への思いから他の町に譲渡された曳山を取り戻そうと決心するが…。
「池中玄太80キロ」などテレビドラマ界の巨匠として知られる石橋冠の映画初監督作「人生の約束」。富山県射水市の新湊曳山まつりを題材に、会社拡大しか関心がなかった主人公が、かつての親友の死をきっかけに人生を見つめ直していく物語だ。地方都市を舞台に、自分を見失った男が、その土地の人々の暮らしや人柄に触れて、再生していく。ストーリーそのものは手垢がついたものだが、石橋冠の演出はすべてがストレートで奇をてらったところがない。初映画監督に臨む巨匠を慕う俳優陣の好演もある。さらに雄大な立山連峰をバックに、360年もの歴史を誇る勇壮な祭りとくれば、もうテッパンの作りだ。

新湊曳山まつりでは、祭に参加し曳山をひくことを“つながる”と表現するのだそう。この作品は明らかにシニア層向け。だが、劇中に登場する「つながりたい」という気持ちは、世代を問わず不思議なほど現代の世相にフィットする。勇壮な祭りのクライマックス、主人公が渾身の力で祭りに対峙し、提灯山にいっせいに灯がともる瞬間の美しさが心に残った。派手さはないが、丁寧であたたかい作品に仕上がっている。
【60点】
(原題「人生の約束」)
(日本/石橋冠監督/竹野内豊、江口洋介、松坂桃李、他)
(再生度:★★★★☆)
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at Home アットホーム

at Home [Blu-ray]
犯罪で生計を立てる擬似家族の絆を描く「at Home アットホーム」。坂口健太郎、ますます加瀬亮に似てきたなぁ。

いたって平凡な森山家はいつも幸せそうな家族。だが彼らには血縁はなく、父・和彦は空き巣、母・皐月は結婚詐欺師、長男の淳は偽造職人、まだ幼い妹と弟も、家族が犯罪に手を染めていることを知っている。暗い過去を持つ5人は力を合わせて生きているが、詐欺を見破られた皐月が、ターゲットにした男に監禁され、身代金まで要求されてしまう…。

原作は本多孝好の同名小説。本多孝好といえば「ストレイヤーズ・クロニクル」があまりにトホホな出来栄えだったので、正直、心配したが、これは、まずまずの作りになっている。擬似家族を描いた作品は過去にもあったが、それぞれが振り返りたくない暗い過去を背負った一家は、犯罪に手を染めながらそれなりに楽しく暮らしているというのが本作のユニークなところだ。もっとも、空き巣の父親と結婚詐欺の母親の稼ぎで生計が成り立つのか??学校はどうなってる??などのツッコミどころは多いのだが。ともあれ、一緒に暮らすうちに血縁以上の本物の家族になった彼らが犯罪に巻き込まれ、かけがえのない家族を守ろうとする展開は、サスペンスというより人間ドラマ。しかし、一家の運命を急転させる重要なキャラクターを演じるのが、ウーマンラッシュアワーの村本大輔とは。あまりに演技が拙いのでガックリくる。反対に坂口健太郎はいい味を出していた。彼が演じる長男は偽造職人だが、師匠から学んだ“偽造の心得”は、本物に近づくことではなく、いかに自然であるかということ。彼らの生き様ともリンクして、なかなか奥深い。終盤は拉致された母親の救出劇から一気に人情ものへ。出来すぎなのだが、希望をこめたラストにホッと胸をなでおろした。
【60点】
(原題「at Home アット・ホーム」)
(日本/蝶野博監督/竹野内豊、松雪泰子、坂口健太郎、他)
(家族愛度:★★★★☆)
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大木家のたのしい旅行 新婚地獄篇

大木家のたのしい旅行 新婚地獄篇 【DVD 】大木家のたのしい旅行 新婚地獄篇 【DVD 】
大木信義と妻の咲は、長い同棲生活の末に、なし崩し的に結婚し、新婚なのにすでに倦怠期のように口げんかばかりしている。そんな時、近所のスーパーの怪しげな占い師から、1泊2日の新婚“地獄”旅行(温泉付き)を強引に勧められ、つい申し込んでしまう。スーパーの屋上にある汚いバスタブが地獄の入り口。2人はさまざまな人と出会い、奇妙な地獄の世界を体験することになるのだが…。

原作は、数々の賞に輝く人気劇作家・前田司郎の小説。奇妙奇天烈な地獄の住人やその世界観は、まったく脈絡がない。地獄の造形も確信犯的にチープだ。“青い人”たちが地獄にいる理由にはホロリときたが、全編にあまりにも舞台チックなギャグが配されていてとまどう。何より、情熱を取り戻すために地獄へ行くというその動機付けが、映画の終盤までつかめないので、感情移入が難しいのだ。だが、地獄へ行くきっかけが炊飯ジャーということからも分かるように、日常と非日常は地続きになっていて、目的地は関係ないのかもしれない。つまりこれは、恋人同士という不確定な関係の男女が、夫婦という“確かな家族”になるまでの軌跡を描く物語なのである。小劇場の芝居が好きな人は大いにハマるだろう。あいにく私ははじける笑いとは無縁だったものの、樹木希林や片桐はいり、荒川良々など濃すぎる脇キャラの怪演は大いに楽しんだ。
【45点】
(原題「大木家のたのしい旅行 新婚地獄篇」)
(日本/本田隆一監督/竹野内豊、水川あさみ、樹木希林、他)
(シュール度:★★★★☆)
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太平洋の奇跡 フォックスと呼ばれた男

太平洋の奇跡 −フォックスと呼ばれた男− スタンダードエディション [DVD]太平洋の奇跡 −フォックスと呼ばれた男− スタンダードエディション [DVD]
物語は、いわゆる戦争秘話なのだが、この映画では、米軍からも恐れられた日本人将校を描きながら、彼の何がすごかったのかが伝わりにくい。表情が乏しい竹野内豊のキャスティングがさらに映画を表層的なものにしている。1944年、太平洋戦争末期のサイパン島。日本人将校・大場栄大尉は、アメリカ軍から“フォックス”と呼ばれ、恐れられていた。わずか47人の兵力になり、加えて多くの民間人を守りながら、ジャングルで神出鬼没の戦いを続ける大尉。米軍のルイス大尉は日本文化に造詣が深いため、対日本軍の作戦の先頭にたっていたが、明らかに劣勢なのに、米軍を翻弄し続ける大場大尉に対して、いつしか人間としての尊敬の念を抱いていく…。

激戦の地サイパンの日本軍は圧倒的な米軍の兵力の前で、玉砕か自決かの選択肢しかないほど、悲壮感に満ちている。そんな中、この知られざる英雄・大場栄大尉は、生に執着する自分を発見したことから、生きて戦うことを決意し、残った兵士や民間人を連れながら、サイパン島中部にそびえるタッポーチョ山に潜んで米軍への抵抗を続けることになる。敵からも尊敬の念を込めて“フォックス”と呼ばれていた大場大尉だが、もともとは地理の教師。地形を読むことに長けていたのが、生き残った最大の要因だ。大場大尉には、土地を“読む”力があり、最終的に名誉ある降伏という形で民間人の命を守る判断力があった。だが、歴史を正確に描きたいとの思いから、1本の作品の中で、米軍のパートをチェリン・グラック監督が、日本軍のパートを平山秀幸監督が演出するという構成は、果たして効果的だったのか?と首をかしげたくなる。戦争映画というのは、視点を1点に決め決してグラつかせないのが成功の秘訣だと思うが、これでは双方に気を使いすぎているようにしか思えないのだ。小隊の中には戦場で精神のバランスを崩す兵士や、極限状態で泣き崩れる兵士もいるのだが、肝心の主人公・大場大尉の中に、本来、家庭を愛する平凡な男が、いきなり戦場で寄せ集めの部下を率いて戦う矛盾や苦悩がまったく見えないのも人間描写として浅いとしか言えない。強烈な個性を持たない軍人をリアルと見るか、映画の主人公として魅力がないと感じるかで、この映画の評価は分かれそうだ。この物語の本当の主役は、玉砕の地サイパン島そのものかもしれない。亜熱帯のジャングルの木々の葉の間からこぼれる陽射しは明るいのに、映像は薄暗くダークな色彩でまとめられていて、うっそうとした湿度と、その冷え冷えとしたトーンが戦争の悲劇を最も際立たせていた。
【50点】
(原題「太平洋の奇跡 フォックスと呼ばれた男」)
(日本/平山秀幸監督/竹野内豊、ショーン・マクゴーウァン、井上真央、他)
(盛り上がり度:★☆☆☆☆)

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さまよう刃

さまよう刃 [DVD]さまよう刃 [DVD]
法律への不信と不満。重いテーマを扱った問題作だ。むごい事件によって大切な一人娘を失くした長峰は、娘を凌辱して殺した少年たちの名を知る。少年法によって現在の日本の法律では犯人を極刑にできないと考えた長峰は、自ら犯人を追い復讐することを決意。刑事の織部は長峰を追いながらも法と正義の狭間で悩んでいた。

「警察が守るのは市民ではなく法律のほうなのか」。このセリフが太い軸となって物語を貫いている。法律とはいったい何のためにあるのかと、深く考えさせられるはずだ。犯人の命を狙う主人公の長峰、長峰を追う刑事たち、逃げながらさらに罪を重ねる少年。それぞれの立場によって法の意味は変わってくる。被害者の家族の底知れない絶望が、寺尾聰の熱演によって痛いほど伝わってきて胸が苦しくなるほどだ。だがそれに対する竹野内豊があまりに迫力不足でバランスが悪いのが残念。長峰が最後に取った行動とその結末は衝撃的なものだが、欧米の映画では考えられない弱さも感じる。怒りより哀しみが勝る日本人特有の決着の付け方で主人公の価値観を暗黙のうちに正当化したと言えば言い過ぎだろうか。良心のかけらもない若者を生みだす社会構造に触れない物語には不満だが、法の秩序にわずかに期待して終わるのは、人間性を信じる余韻となろう。ベテラン刑事役の伊東四朗の演技が味がある。
【65点】
(日本/益子昌一監督/寺尾聰、竹野内豊、伊東四朗、他)
(理不尽度:★★★★☆)

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あの空をおぼえてる

あの空をおぼえてる スタンダード・エディション
テーマは愛する者の喪失と家族の再生。娘の絵里奈を事故で亡くし立ち直れない父親と、両親を元気付けようと奮闘する息子の繊細な思いを描く。在りし日の絵里奈の明るさが過剰すぎて白々しさが漂うのが難点。冨樫森監督は子供を描くのが上手いのに、死という重い設定が演出の腕を鈍らせたか。オルフェウスの挿話も活きてない。何より展開が冗長でテンポが悪い。唯一、新しい命を宿した母親が強くあろうと懸命な姿に説得力があった。
【45点】
(原題「WENNY HAS WINGS」)
(日本/冨樫森監督/竹野内豊、水野美紀、広田亮平、小日向文世、他)
(泣ける度:★★☆☆☆)

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