映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評


【本音で語る新作映画レビュー】
毎日のレビューは分かりやすく簡潔な寸評で、週1本の長文映画レビューでは作品をディープに掘り下げます。
映画評サイトもこのブログで4代目になりました。すべての映画好きを歓迎します!
(点数は100点が、★は5つが満点)
シネマッシモとは、シネマ(映画)とマッシモ(イタリア語でmax,最大)とを組み合わせた造語。
どうぞゆっくり楽しんでください \(^▽^)/

◎ 今週の気になる公開作品 ◎
「ファミリー・ツリー」「ダーク・シャドウ」「サニー」

綾瀬はるか

プリンセス トヨトミ

プリンセス トヨトミ DVDスタンダード・エディションプリンセス トヨトミ DVDスタンダード・エディション
荒唐無稽で壮大なホラ話系エンタテインメントだが、父と子の絆が謎解きの鍵。中井貴一の存在感が際立っている。

国家予算が正しく使われているかを調査する会計検査院調査官、松平元、鳥居忠子、旭ゲーンズブールの3人が大阪にやってくる。調査は順調に進むが、不審な社団法人「OJO(大阪城址整備機構)」の存在が浮かび上がる。やがて、大阪国総理大臣の真田幸一が現れ、400年に渡り封印されていた豊臣家の末裔に係わる秘密を語り始めた時、大阪の公共機関や商業活動など、あらゆる機能が停止する事態へと発展していく…。

関西を舞台に奇想天外な物語を生みだして大人気を博す万城目学のベストセラー小説が原作だ。東京と大阪、徳川と豊臣という対立構図以上に、現代の指導力欠如の政治構造の情けなさと、地下に潜った一枚岩の大阪男たちの団結力を比べたとき、こんなことがあってもいいんじゃないのかという気分になる。何しろ“鬼の松平”と呼ばれる調査官に「嘘をつかない男は手強い」と言わせる、普段はお好み焼屋の無口なおやじ、実は大阪国総理大臣を演じる中井貴一の、キモの座った存在感が素晴らしい。国家予算が豊臣の末裔を守ることにどう使われているかを描かないことや、個性豊かなはずの大阪女をまったく無視したストーリー、商店街の少年と少女の物語に魅力がないことなど、ツッコミどころは多い。だが、後半に大阪中の男たちが集結する場面は、不思議と胸が熱くなる。登場人物の名前に、豊臣、徳川両陣営の歴史上の人物を配するなど、歴史好きをニヤリとさせる仕掛けも楽しかった。大阪独立は昔からひそかに叫ばれる夢のプロジェクト。この映画への大阪人の率直な反応が知りたい。
【55点】
(原題「プリンセス トヨトミ」)
(日本/鈴木雅之監督/堤真一、綾瀬はるか、岡田将生、他)
(ありえない度:★★★★☆)
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プリンセス トヨトミ@ぴあ映画生活

ホッタラケの島 遥と魔法の鏡

ホッタラケの島 ~遥と魔法の鏡~ ファミリー・エディション [DVD]ホッタラケの島 ~遥と魔法の鏡~ ファミリー・エディション [DVD]
現代っ子にとって、動物が活躍する民話の世界は未来世界と同じくらいファンタジー・ワールド。中でも、きつねは人間のすぐそばで不思議な力をふるっているらしい。16歳の遥は、神社で、捨てられたおもちゃを運んでいるきつねのテオを目撃。あとを追って森の中に迷い込むうちに異世界“ホッタラケの島”にたどり着く。そこは人間たちが捨てて、ほったらかしにしたもので出来た世界だった。遥はここでテオと一緒に、母の形見の手鏡を探そうと決心する。

ものを大切にすることは、思い出を大切にすることだ。物語のキーとなるのは手鏡だが、それと同じくらい重要なアイテムが、ぬいぐるみの“コットン”。遥との再会の場となる、失くしたものの記憶を再現する「ホッタラケ・シアター」という設定が素晴らしく、これだけで物語がひとつ作れそうなほどだ。異界の入り口が水であったり、世界を変える道具が鏡であったりと、自分を照射する行為を意識して散りばめて、現代社会を問い直している。冒険の果てに待つ鏡の世界で、本当に大切なものを取り戻したヒロインは、現実世界で成長した姿をみせてくれるはずだ。日本製アニメらしいどこかウェットな感覚とポップな色彩の合体が、昔話がベースのこの冒険物語の魅力になっている。
【60点】
(日本/佐藤信介監督/(声)綾瀬はるか、戸田菜穂、大森南朋、他)
(ノスタルジック度:★★★☆☆)

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おっぱいバレー

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いきなり“おっぱい”である。胸部と球技にどんなコッ恥ずかしい関係があるのか気になるだろうが、これは意外にもさわやかな青春映画だ。1979年の北九州市の中学校。新任教師の美香子は、弱小男子バレー部の部員たちに「試合に勝ったら、おっぱいを見せる」約束をさせられて困りはてるが、部員たちは、がぜん張り切ってしまう。物事に取り組むときはモチベーションが何より大事。この映画のそれは少々問題あるものの、少年たちは、頑張ることによって大切な何かを学んでいく。それは教師として成長するヒロインも同じだ。そのことを説教臭くせず軽く楽しく描いたのが上手い。何より、こんなあられもないタイトルで公開してしまう配給会社の英断が、ナイス!だ。
【70点】
(日本/羽住英一郎監督/綾瀬はるか、青木崇高、仲村トオル他)
(エロティック度:★☆☆☆☆)

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ハッピーフライト

ハッピーフライト スタンダードクラス・エディション [DVD]ハッピーフライト スタンダードクラス・エディション [DVD]
矢口流にデフォルメした人物像がにぎやかな飛行機狂想曲。副操縦士やCA、整備士など飛行機にかかわる多くの人の力でホノルル便が出発するが、離陸後トラブルが発生する。ドジな綾瀬はるかは可愛いがあまりに誇張しすぎ。この演出ではまるで学生アルバイトだ。一方、お疲れ気味のグランドスタッフ役の田畑智子は秀逸。バードさんなど舞台裏の仕事が興味深い。終盤のサスペンスフルな展開を経て、ドタバタ劇は大団円に。ノリは軽いが、ゴージャスなシナトラの主題歌を聴けばきっとハッピーになる。
【65点】
(日本/矢口史靖監督/田辺誠一、時任三郎、綾瀬はるか、他)
(チームワーク度:★★★★☆)

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ICHI

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座頭市という有名なダークヒーローを大胆にも性別を女に設定し、いわば外伝の趣である。物語は盲目で“離れ瞽女(ごぜ)”の市の孤独で過酷な運命を描くアクション時代劇だ。逆手居合斬は瞬間の速さが勝負なのにスローの多用でスピードを削ぎ、とぼけた味が可愛い綾瀬が虚無的で無表情、現代劇そのままの芝居の窪塚、芸達者な大沢もこの役では技量が活きない。何もかもがちぐはくなのが理解できなかった。最先端のVFXを操る曽利監督ならではの殺陣は迫力よりも美しさを重視しているので、座頭市という枕詞をはずし綾瀬はるかのコスプレ映画として楽しむしかなさそうだ。
【45点】
(日本/曽利文彦監督/綾瀬はるか、大沢たかお、中村獅童、他)
(迫力度:★☆☆☆☆)

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僕の彼女はサイボーグ

僕の彼女はサイボーグ 通常版
強い女の子と気弱な男の子。前半は笑わせ、後半は怒涛の不幸。韓国映画界が得意とする世界だ。“彼女シリーズ”のジェヨン監督によるこの日本映画は、未来から来たサイボーグと青年の恋、そして彼らの切ない秘密を描くSFファンタジー。一見、純愛に見えるが、実はこの話、相当にキモい。オタクとナルシシズム、さらに大人のオモチャをブレンドしたようなオチに、体温が下がる思いだ。綾瀬はるかがキュートなのでファンには目の保養だが。
【35点】
(日本/クァク・ジェヨン監督/綾瀬はるか、小出恵介、桐谷健太、他)
(そこまでするか度:★★★★★)

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◆ペンネーム:渡まち子
◆映画ライター、映画評論家
◆こんなお仕事やってます:
新聞、雑誌、インターネットで、映画評、映画コラム、DVD紹介などを執筆。他にも、映画コメンテーターとしてラジオ出演、大学での公開講座や企業主催の映画セミナーなど、映画に関する幅広い仕事をこなしながら活動中です。
◆青山学院文学部史学科卒業。西洋史が専攻で、卒業論文はベネチア史。学んだことを生きている間に有効に活かせるのだろうか…と、かなり心配。
◆エトセトラ:
古今東西の映画をこよなく愛す、自他ともに認めるシネフィル(映画狂)です。時に苦言を呈すこともあるその映画批評の基本は、映画へのあふれる愛情と自負しています。どんなダメ映画でも必ずひとつはあるイイところを発見するのが得意技。大のサッカー好きで、欧州リーグからJリーグまでTPOに合わせて楽しんでます。
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