映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評


【本音で語る新作映画レビュー】
シネマッシモでは、映画レビューはネタバレなしのヒントあり。映画を見る前と見た後と、2度読んで楽しめます。
映画評サイトもこのブログで4代目になりました。すべての映画好きを歓迎します!
(点数は100点が、★は5つが満点)
シネマッシモとは、シネマ(映画)とマッシモ(イタリア語でmax,最大)とを組み合わせた造語。
どうぞゆっくり楽しんでください \(^▽^)/

◎ 今週の気になる映画 ◎
「ジャスティス・リーグ」「火花」「ギフテッド」「光」etc.

菅田将暉

火花

火花
若手お笑い芸人の徳永は、中学時代からの友人と組んで“スパークス”としてデビューするが、まったく芽が出ない。営業先の熱海で、“あほんだら”というコンビを組む、4歳年上の先輩芸人・神谷と出会い、彼の常識外れの漫才に魅了される。徳永は、弟子にしてほしいと申し入れ、神谷はそれを了承し、二人の交流が始まった。拠点を大阪から東京に移し、再会した後も、毎日のように芸の議論を交わし才能を磨き合う徳永と神谷は、仕事はほとんどなくても充実した日々を送っていた。だが、いつしか二人の間に小さな意識の差が生まれ始める…。

お笑いコンビ、ピースの又吉直樹の芥川賞受賞作を映画化した青春ドラマ「火花」。漫才の世界で夢を追い続ける徳永と、強い信念を持つ先輩芸人・神谷の二人が、もがきながら歩み続ける日々を描く。お笑い芸人の現実を描いた作品には「ボクたちの交換日記」があるが、本作は相方とのぶつかり合いではなく、まったくタイプの違う芸人2人の、付かず離れずの不思議な関係性を描くのが面白い。笑いの世界を良く知る板尾創路が監督を務めるが、彼の過去作品が極めて個性的で、見る人を選ぶ作風だったため、鑑賞前は不安があったが、蓋を開けてみると、驚くほど誠実でオーソドックスな青春ストーリーに仕上がっていた。

何しろ、菅田将暉と桐谷健太の二人が、これ以上ないくらいハマリ役である。特に、超がつく売れっ子の菅田将暉は、さまざまな役柄を演じる多忙な俳優だが、演技はいつもハイレベルで、パフォーマンスが落ちないのがすごい。日常のすべてがボケとツッコミという芸人たちの会話や、ネタを探し、笑いを追求するストイックな姿勢、どんなに努力しても成功がすりぬける厳しい現実など、そこにはリアルすぎる葛藤や挫折がある、クライマックスに用意されているステージは、スパークスによる“逆のことを言う”漫才だ。この名シーンには、誰もが笑いながら泣いてしまうはず。漫才界から多くの人材が参加し、大御所のビートたけし(主題歌の作詞・作曲)まで動員した本作は、お笑いの世界に生きるすべての人々に向けた、ほろ苦くも切ない応援歌なのである。
【65点】
(原題「火花」)
(日本/板尾創路監督/菅田将暉、桐谷健太、木村文乃、他)
(ほろ苦度:★★★★☆)
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あゝ、荒野 後篇

写真集 あゝ、荒野
プロのボクサーとしてデビュー後、トレーニングに明け暮れる新宿新次とバリカン建二。復讐を誓った因縁の相手・裕二との対戦が決まった新次だったが、母から、兄貴分の建二の父が自分の父の自殺に関わっていることを知らされる。一方、建二は、心惹かれる女性と出会ったりもするが、父親との確執から逃れられずに孤独を抱えていた。建二は新次に特別な感情をいだくようになるが、二人は別々の道を行き、やがてリングで対戦することになる…。

寺山修司の長編小説を前後篇の2部作で描く人間ドラマの後篇「あゝ、荒野 後篇」。私はこれを前後編一気に見たので、1本の映画ととらえてしまったが、あくまでも前篇と後編の2本の作品だ。前篇のレビューはまだ作品の半分だけという意味で暫定の点数を付け、評価をしない状態で保留にしていたが、実は前篇が後篇よりはるかに素晴らしい。後篇は複数のエピソードと人間関係のつながりをまとめようと必死で(しかも、今一つまとめきれてないのが残念!)、物語そのものがトーンダウンしてしまっている。新次と建二は、逃れられない運命にからめとられるように、リングで戦うことになる。それは必死でつながろうとする愛の形ではあるが、新次と建二が戦わねばならない理由だけでもしっかりと掘り下げてほしかったところだ。

それでもこの5時間近い作品には、見所がたくさんある。まず菅田将暉とヤン・イクチュンの二人の役者が素晴らしいことだ。一人一人でも魅せる俳優たちだが、二人が揃うことによって不思議な化学反応が生まれている。さらに、かなり頑張って身体作りやトレーニングをしたであろうボクシングシーンの迫力がすごい。クライマックスで新次と建二は拳を交えることになるが、これは二人だけが分かる“会話”だと伝わり、ボクシング映画としては文句ない出来栄えである。もともといわゆる商業映画ではなく、一種のカルト・ムービーのような作品なのだから、すべてを収束する必要はないのかもしれない。“これでいいのか? つながったのか? これで生きていると言えるのか?”との問いかけが、残像のように残ることこそが、寺山修司作品の意匠なのだという気がする。現代に寺山がもしいたら、この意外性を楽しむことだろう。
【70点】(前篇90点+後篇50点÷2)
(原題「あゝ、荒野 後篇」)
(日本/岸善幸監督/菅田将暉、ヤン・イクチュン、木下あかり、他)
(死闘度:★★★★☆)
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あゝ、荒野 前篇

【Amazon.co.jp限定】「あゝ、荒野 (特装版) Blu-ray BOX」 (映画B2ポスター付)
2021年。かつて母に捨てられ、荒んだ暮らしを送っていた新次は、自分を裏切った昔の仲間でボクサーの裕二を恨み、復讐を誓っていた。一方、自分を暴力で支配しようとする父を捨てた健二は、吃音と赤面対人恐怖症に悩んでいた。新宿で偶然出会った二人は、元ボクサーの片目こと堀口から、ボクシングジムに誘われる。少年院上がりの不良の新次と床屋で働く心優しい健二。それぞれの思いを胸にボクシングを始めた二人は、奇妙な友情を育んでいく…。

生まれも育ちも違う二人の男がプロボクサーを目指す姿を2部作で描く青春ドラマの前編「あゝ、荒野 前篇」。原作は、劇作家、歌人、映画監督など、マルチな才能で時代をけん引した故・寺山修司の小説だ。寺山の聖地であった新宿を、拠り所のない荒野に見立てて、不思議な因縁で結ばれた人間たちが、もがきながら生きていく様を描いている。ボクシングが重要な要素ではあるが、無論、スポ根映画ではなく、ボクシングは、行き場のないエネルギーを肉体を痛めつけることで、昇華するための手段なのだ。この前篇では、新次と健二がボクシングを始めるいきさつや、現代を代表する事件や病巣である、東日本大震災、振り込め詐欺、自衛隊派遣、自殺願望やホームレスなどのエピソードが断片的に描かれる。それらが不思議な因縁でつながっていくのは、後篇を待たねばならない。

時代設定を近未来の2021年に変更しながらも、あまりにも昭和チックな演出は、原作者が活躍した時代へのオマージュだろう。ただ映画オリジナルの設定もいくつかあって、それらは現代を生きる登場人物の孤独をより際立たせる効果がある。群像劇なのだが、主軸となるのは新宿新次とバリカン健二。このキャラクターに、菅田将暉とヤン・イクチュンの二人をキャスティングできた時点で“勝ったも同然”という気がする。それほど二人の演技が素晴らしい。前編157分、後篇147分、合計で約5時間という大長編で、見る側にもパワーを要求する力作だが、どうかその長さだけでひるまないでほしい。後篇の怒涛の展開に備えて、リングでは血、ベッドでは汗にまみれる登場人物の心の荒野の景色を確認しておこう。
【50点】←前後編のため、暫定
(原題「あゝ、荒野 前篇」)
(日本/岸善幸監督/菅田将暉、ヤン・イクチュン、木下あかり、他)
(昭和度:★★★★☆)
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打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?

映画『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』オリジナル・サウンドトラック
夏休みの登校日。海辺の町に住む中学生の少年たちは、花火大会を前に「打ち上げ花火は横からみたら丸いのか?平べったいのか?」で盛り上がり、それを確かめるために灯台から花火を見る計画を立てていた。そんな中、典道と祐介は、クラスのアイドル的存在の美少女・なずなに遭遇。なずなは母親の再婚で転校することになっていて、典道は彼女に誘われ「かけおち」しようとするが、なずなは母親からあえなく連れ戻されてしまう。それを見ているだけでどうすることもできない典道は、もどかしさから「もしもあの時、俺が…」との気持ちで、海でみつけた不思議な玉を投げると、なぜか連れ戻される前に時間が巻き戻っていた…。

岩井俊二監督の初期の傑作であるテレビドラマを長編アニメーション化した「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」。“もしも、あの時、自分がこうしていたら…”をテーマに、繰り返される夏の1日を描く、ラブ・ファンタジーだ。1993年のオムニバスドラマ「if もしも」は人生の選択の分岐点をテーマに2つのラストの物語を順番に見せていくというユニークな企画で、岩井作品はその1つだった。人生の選択とは、実写でも、アニメでも、非常に奥深いテーマだが、今回のアニメ化の大きな変更点は小学生を中学生に変え、より恋愛要素を強くしたことだろう。オリジナルを知らなくても、しっかりと内容が伝わる上に、不思議な玉によって1日を繰り返し、さまざまな“もしも…”を描くというファンタジーには、アニメという手法は、よりふさわしいように思う。

思えば、大人になればなるほど“if もしも”を考えることが増える。それは今を悔やむことではなく、もしかしたらあったかもしれない人生に、自分の可能性を見出すことを知ると前向きに考えたい。オリジナルの作者でもある岩井監督曰く、「銀河鉄道の夜」がこの物語のモチーフなのだそうだ。みずみずしい夏の1日に写り込む、切なさや残酷さ、諦念の思いが“電車の中”にいるなずなと典道によって伝えられる様は、なるほど銀河鉄道である。花火の刹那の美、青春の危うさときらめきを、アニメーションの世界で見事に再構築している。
【70点】
(原題「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」)
(日本/総監督:新房昭之/(声)広瀬すず、菅田将暉、宮野真守、他)
(ファンタジー度:★★★★☆)
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銀魂

実写版 映画『銀魂』 オリジナル・サウンドトラック
江戸時代末期。宇宙からやってきた天人(あまんと)台頭と廃刀令により、侍は衰退の一途をたどっていた。そんな時代でも侍魂を忘れずにいる坂田銀時は、ひょんなことから出会った新八、神楽と共に、何でも屋の万事屋を営んでいる。そんな時、江戸の町では、謎の辻斬りが出没。やがて事件を巡り、新八の姉の妙や攘夷志士の生き残り・桂小太郎、江戸の治安を守る特殊警察・真選組らを巻き込みながら、予想もしない騒動が起こり始める…。

パラレルワルールドの江戸を舞台に、普段は無類の怠け者だが、いざとなると仲間のために命がけで戦うヒーロー、坂田銀時の活躍を描く「銀魂」。原作は空知英秋の大ヒットコミックで、過去に劇場版アニメはあったが、今回は初の実写映画化となる。何でもありの原作の奇想天外テイストに加え、福田雄一監督の持ち味である、ユルいギャグ、ボケとツッコミ、出版社や配給会社をクロスオーバーした、権利ギリギリの他アニメネタまで詰め込んで、まさにお祭り状態だ。物語は、原作の中でも人気が高い「紅桜篇」をベースにしたおなじみのストーリーである。

高層ビルが連立し、エイリアンが闊歩する江戸の町で、ユルく生きる銀時たちが、大金目当てにカブト狩りに興じる冒頭から、ギャグ満載だ。何しろ原作から抜け出したかのような実写版のキャラクター再現率が高いので、ビジュアル的な満足度はかなり高い。いつもはだらしないがキメる時はキメるというギャップが魅力の銀時、終始シリアスな高杉、真面目なのに可笑しい、でも美しい桂など、キャストの配役はかなり成功していると見た。個人的には、着ぐるみ感丸出しのエリザベスのキャラが気に入っている(途中、少しだけセリフもある!)。幕府転覆を企てる高杉率いる鬼兵隊とのバトルのクライマックスは、あえて狙ったのか、CGが白々しすぎて物足りないが、何よりも作り手が楽しんでいるのが伝わってくるのがいい。名付けて、オールスターキャストの銀魂コスプレ大会。お祭り騒ぎを、つい堪能してしまった。
【60点】
(原題「銀魂」)
(日本/福田雄一監督/小栗旬、菅田将暉、橋本環奈、他)
(キャラ祭り度:★★★★★)
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帝一の國

「帝一の國」オリジナルサウンドトラック
国内屈指の名門校・海帝高校に首席で入学した新1年生の赤場帝一は、将来、総理大臣になって自分の国を作るという野望を抱いていた。その夢を叶えるため、政財界に強いコネ持ちを、将来の入閣が確約されている生徒会長の座を目指すことに。2年後の生徒会長選挙を見据え、誰よりも早く動き出した帝一だったが、彼の前には800人の超エリート高校生たちというライバルがいた。やがて帝一は、想像を絶する罠と試練が待つ、壮絶な派閥闘争に巻き込まれていく…。

名門高校の生徒会長の座を巡る激しいバトルを描く学園闘争コメディ「帝一の國」。原作は古屋兎丸の大人気同名コミックだ。菅田将暉演じる主人公・帝一が野心の男なら、ライバルキャラたちは、策略、正義、支配、戦術と、それぞれの役割が分かりやすく描き分けられていて、戯画的演出とギャグのつるべうちで笑わせる。時代が昭和という設定なので、どこか浮世離れした雰囲気や、テクノロジーに頼らない戦略が、物語にフィットしているのだ。親の代からの因縁や腐れ縁、誤解に策略が交錯し、生徒会長選挙は余談を許さない。1年生の帝一は、まずは次期生徒会長になる2年生を見極めてその派閥に入るが、そこで、姑息なライバルに罠をしかけられたことで大ピンチに。そんな中、状況を一気にひっくりかえす奇策“マイムマイム事変”には大爆笑した。生徒会長になるためには、どんな汚いことも辞さないと心に決めている帝一が自分の国を作りたい本当の理由は、意外にもセンチメンタルなもの。原作に登場する、帝一の恋人の美美子を巡る恋愛バトルはバッサリと割愛されてしまったので、物語は、イケメン男子たちの学園闘争に絞られた印象だ。恋愛より野心と友情。負けるのではなく勝たせてやる懐の深さに、ピアノ曲・マリオネット(操り人形)のメロディーが不敵に響いた。
【65点】
(原題「帝一の國」)
(日本/永井聡監督/菅田将暉、野村周平、竹内涼真、他)
(カリカチュア度:★★★★★)
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キセキ あの日のソビト

キセキ ーあの日のソビトー 豪華版 [Blu-ray]
厳格な父の反対を押し切って音楽の道を選び、家を飛び出した兄のジン。一方、弟のヒデは父の期待に応え歯科大を目指して勉強していた。ジンのバンドのメジャーデビューが決まるが、商業主義的な音楽業界に失望し、ついに挫折してしまう。そんな時、ヒデと仲間たちの音楽を聞き、その才能を見抜いたジンは、弟ヒデに音楽の夢を託すことを決める。だが歯科医を目指しながら音楽もやりたいということを父に言い出せない。兄弟は、前代未聞の顔出しなしのCDデビューを思いつく…。

異色の4人組音楽グループGReeeeNとその代表曲の誕生秘話を描く「キセキ あの日のソビト」。名曲「キセキ」は誰もが一度は耳にしたことがある大ヒット曲。前向きで説得力のある歌詞と親しみやすいメロディーで多くの人々に愛されている名曲だ。ファンにはおなじみの誕生秘話なのだろうが、私などは、曲は知っていても、どれもが初めて知るエピソードばかりで、なかなか楽しめた。兄弟を演じるのは松坂桃李と菅田将暉という旬の若手人気俳優たちで、二人の演技が繊細で、スッと物語に入り込める。本作はこの二人ありきの作品といっても過言ではない。それにしても兄弟の父親は厳しい。イマドキこんなにも恐ろしい父親がいるだろうか?と首をかしげるが、その分、子どもたちをやさしく見守る母親の天然ぶりがほほえましく、いいバランスになっている。父親に、音楽をやるという決意を告げるシーンは緊張感があり、兄への、あるいは弟への複雑な感情がからむ兄弟げんかのシーンもまたリアルだった。ただ、派手なクライマックスが用意されているわけではないので、映画としては少し盛り上がりに欠ける印象も。それでもすべてを乗り越えて音楽の道へと進むと決めた彼らの凛とした表情が映り、名曲「キセキ」が流れる時、改めて、この曲の素晴らしさが伝わってくる。
【60点】
(原題「キセキ あの日のソビト」)
(日本/兼重淳監督/松坂桃李、菅田将暉、忽那汐里、他)
(さわやか度:★★★★☆)
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溺れるナイフ

溺れるナイフ コレクターズ・エディション(2枚組) [Blu-ray]
東京で人気のティーンモデルだった美少女・夏芽は、ある日突然、父親の郷里である浮雲町に引っ越してくる。刺激のない田舎町で夏芽は、自分が欲する「何か」から遠ざかってしまったと落ち込んでいた。だが、その土地一帯を取り仕切る神主一族の末裔で、跡取りである美しい少年・航一朗、コウと出会い、強烈に惹かれていく。気まぐれでエキセントリックなコウだったが、彼もまた、夏芽の美しさに惹かれ、二人は付き合うようになる。「一緒にいれば無敵!」とさえ思っていた二人だったが、火祭りの夜にある悲劇が起こり、二人の心は離れてしまう…。

10代の男女のヒリヒリするような恋愛を描く青春ラブストーリー「溺れるナイフ」。原作はジョージ朝倉の人気コミックだ。閉塞的な田舎町を舞台に、他人とは違う何かになろうともがきながら生きる、夏芽とコウが、一生に一度の激しい恋に落ちるのは、まさしく運命だ。東京のティーン誌の人気モデルだった夏芽は田舎町で、自分の将来への入り口が閉ざされてしまったと感じているが、独特の輝きを放つ美少年コウの中に未来への可能性を見ることになる。夏芽とコウは、刹那の恋に身を焦がすが、外部からの予想もしない悪意があり、大きな試練にさらされていく。物語も魅力的だが、何しろキャストがいい。夏芽を演じる小松菜奈の少女特有の危うい美貌と、傲慢なまでの美しさと孤独感を漂わせる若き演技派の菅田将暉の化学反応が素晴らしい。さらに上白石萌音や重岡大毅(意外なほど好演!)も上手さをみせる。あくまでも少女漫画原作のきらきらしたティーン映画なのだが、舞台は和歌山の熊野。神が宿るその特別な場所で、夏芽とコウの恋は、神話へと昇華していき、映画は唯一無二の作品になっている。インディーズ映画で経験を積んできた山戸結希監督は本作がメジャーデビューだそう。“壁ドン、顎クイ学園青春もの”とはまったく次元が異なる本作は、胸が苦しくなるほどのまっすぐな青春恋愛映画の秀作だ。
【70点】
(原題「溺れるナイフ」)
(日本/山戸結希監督/小松菜奈、菅田将暉、重岡大毅、他)
(熾烈度:★★★★☆)
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デスノート Light up the NEW world

デスノート Light up the NEW world [Blu-ray]
デスノートの力で世の中に野放しになっていた凶悪犯を破滅させたキラこと夜神月と、命をかけてキラを食い止めたLとの天才同士の死闘から10年。またしても死神がデスノートをばらまき、世界は大混乱に陥った。デスノート対策本部の、キラ事件に精通した三島ら捜査官たちが捜査に当たり、さらに世界的私立探偵にして“Lの正統な後継者”竜崎が加わる。地上には6冊のデスノートが存在する事が判明。その矢先にキラウィルスと呼ばれるコンピューターウィルスが世界中に拡散された。そのメッセージは「他の所有者に次ぐ。速やかに私に差し出せ」とデスノートの提出を呼びかけていた…。

大ヒット作「DEATH NOTE デスノート」シリーズの10年後を背景に、6冊のデスノートがばらまかれた地上での新たなバトルを描く「デスノート Light up the NEW world」。名前を書いた人間を死なせる事ができる死神のノート“デスノート”をめぐる天才同士の死闘は、彼ら亡き後も別の形で受け継がれた。ただ、それぞれの後継者や信奉者が登場する本作は、アクションに舵を切っていて、謎解きや人物造形はきわめて表層的だ。もちろん終盤に、ある人物の驚きの真実が隠されていて、それが大きな仕掛けになっている。だが、頭脳戦こそがデスノートの魅力だと思っているファンには、少々残念な内容だと言わざるをえない。キラやLは未来の世界を見据えて行動していたが、本作の主要キャラ3人は、キラやLを通して自分探しをしているように思えてならない。話が小さくなってしまっては、21世紀の今、続編を作る意味は薄くなるが、この物語が、まだまだ続くとしたら、本作の中途半端なストーリーテリングも、納得するしかなさそうだ。今回はおなじみの死神リューク以外にもベポ、アーマといった新しい死神が登場。そのビジュアルは、美しく個性的で引きこまれる。それにしても死神の世界にもトップがいて序列や競争があるとは。あちらの世界でも人間関係(死神だが…)が面倒そうだ。東出昌大、池松壮亮、菅田将暉といった旬の若手俳優が豪華競演するのが一番の見所である。
【55点】
(原題「デスノート Light up the NEW world」)
(日本/佐藤信介監督/東出昌大、池松壮亮、菅田将暉、他)
(頭脳戦度:★★☆☆☆)
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セトウツミ

セトウツミ 豪華版 [Blu-ray]
高校2年生の瀬戸と内海は、性格は正反対だが何となく気が合う友達同士。放課後はいつも河原でしゃべりながら一緒に過ごしている。くだらない会話、言葉遊び、気になる女の子の話、時にはちょっぴりシリアスなことも話す。そんな二人を見守る同級生の女の子、樫村に瀬戸は憧れているが、樫村は内海に好意を抱いていた…。

男子高校生がただしゃべるだけという異色の青春会話劇「セトウツミ」。原作は此元和津也による人気漫画だ。大きな事件は起こらない。激しいケンカなどのアクションもなければ、障害を乗り越える情熱的な恋愛もない。そんなユルい物語がめっぽう面白いのだから、映画というのは見てみないとわからないのだ。ストーリーらしいストーリーはないが、クールな性格でかぎりなくツッコミに近いボケ役の内海、天然キャラで限りなくボケに近いツッコミ役の瀬戸という脱力系コンビが最高にキャラ立ちしていて、魅せられる。しかも演じるのは、それぞれ池松壮亮と菅田将暉という、今、最も旬な若手演技派俳優たちなのだから、芝居もしっかりしていて、これまた魅力的だ。関西弁の独特のあたたかさや可笑しみも効いている。とりとめのないことをしゃべるだけだが、そのユルい会話のふしぶしに立ち現れるのが、青春期特有の不安、焦燥、そして希望である。ばかばかしくも楽しい時間や理由もなく無気力になる瞬間などが巧みに描かれ、放課後の河原がかけがえのない場所へと昇華していくのだ。主な登場人物は3人(瞬間的に現れては消えていく脇役はかなりいい味!)、ほぼ同じロケーション、上映時間はわずか75分。起承転結という約束事から解き放たれた、秀作青春映画である。
【80点】
(原題「セトウツミ」)
(日本/大森立嗣監督/池松壮亮、菅田将暉、中条あやみ、他)
(まったり度:★★★★☆)
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◆ペンネーム:渡まち子
◆映画ライター、映画評論家
◆こんなお仕事やってます:
新聞、雑誌、インターネットで、映画評、映画コラム、DVD紹介などを執筆。他にも、映画コメンテーターとしてラジオ出演、大学での公開講座や企業主催の映画セミナーなど、映画に関する幅広い仕事をこなしながら活動中です。
◆青山学院文学部史学科卒業。西洋史が専攻で、卒業論文はベネチア史。学んだことを生きている間に有効に活かせるのだろうか…と、かなり心配。
◆エトセトラ:
古今東西の映画をこよなく愛す、自他ともに認めるシネフィル(映画狂)です。時に苦言を呈すこともあるその映画批評の基本は、映画へのあふれる愛情と自負しています。どんなダメ映画でも必ずひとつはあるイイところを発見するのが得意技。大のサッカー好きで、欧州リーグからJリーグまでTPOに合わせて楽しんでます。
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