映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評


【本音で語る新作映画レビュー】
シネマッシモでは、映画レビューはネタバレなしのヒントあり。映画を見る前と見た後と、2度読んで楽しめます。
映画評サイトもこのブログで4代目になりました。すべての映画好きを歓迎します!
(点数は100点が、★は5つが満点)
シネマッシモとは、シネマ(映画)とマッシモ(イタリア語でmax,最大)とを組み合わせた造語。
どうぞゆっくり楽しんでください \(^▽^)/

◎ 今週の気になる映画 ◎
「ザ・マミー」「君の膵臓をたべたい」「ファウンダー」etc.

藤原竜也

22年目の告白 私が殺人犯です

22年目の告白-私が殺人犯です-
1995年、5人の命が奪われる凄惨な連続殺人事件が発生。新米刑事の牧村は、あと一歩のところまで犯人を追い詰めながら取り逃がし、敬愛する上司まで殺されてしまう。それから22年後。突如、事件の犯人を名乗る男・曾根崎雅人が告白本を手にし、盛大な記者会見を開いて、自分こそが犯人だと名乗り出る。不敵な笑みを浮かべる彼は、時効が成立し法では裁けないことを知って、世間やマスコミの前に姿を現したのだった。この美しくも大胆な犯人に、ネットは熱狂し、賛否両論を巻き起こす。マスコミを引き連れて被害者遺族に謝罪するかと思えば、事件を執念深く追う牧村刑事を挑発する曽根崎。だが彼の行動は、日本中を巻き込む新たな事件の始まりだった…。

未解決のまま時効を迎えた連続殺人事件の犯人が世間に現れたことで新たな事件が巻き起こる「22年目の告白 私が殺人犯です」。オリジナルは韓国映画の秀作サスペンス「殺人の告白」だ。オリジナル既見のファンには、前半の、犯人である曾根崎の言動の真意については察しがつくだろうが、この日本版リメイクは、その先にもうひとつのどんでん返しを用意している。1995年といえば、阪神・淡路大震災や地下鉄サリン事件が発生した年。ギラギラした怒りや恨みが際立った韓国版に対し、日本版には深い哀しみと嘆きが漂うのは、国民性もさることながら、理不尽な大惨事が続発した1995年を背景にしたことと無縁ではないだろう。謎解きの詳細は映画を見て確かめてもらうとして、なかなか意欲的なリメイクであることは認めるが、終盤の展開は、どうも納得できない。自分への罰、あるいは歪んだ虚栄心、はたまた心の奥底のトラウマが判断を狂わせたと考えるべきなのか。ともあれ、時効への法制度の変化の意味や、天災、人災、戦争、テロなどが人間の心をいかに深く蝕むかを改めて考えさせられた。藤原竜也、伊藤英明、両名の抑制のきいた熱演には、思わず感服したが、個人的には韓国映画の衝撃に軍配をあげたい。
【60点】
(原題「22年目の告白 私が殺人犯です」)
(日本/入江悠監督/藤原竜也、伊藤英明、野村周平、他)
(どんでん返し度:★★★★★)
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22年目の告白−私が殺人犯です−|映画情報のぴあ映画生活

僕だけがいない街

僕だけがいない街 プレミアムBOX [Blu-ray]
売れない漫画家である藤沼悟は、生活のためにピザ屋でアルバイトをしている。彼は、何か悪い事件や事故が起こると、それを回避するまで時空移動(タイムリープ)するリバイバルという謎の現象に見舞われていた。リバイバルは、原因が取り除かれるまでその時間が繰り返される。ある日、悟の母が何者かに殺され、リバイバルが起こるが、悟はまだ小学生だった18年前に戻ってしまい、同級生が被害者となった連続誘拐殺人事件に向き合うことになる…。

主人公が時間移動し自らの過去と向き合いながら未解決事件の謎を追う「僕だけがいない街」。原作は、三部けいによる大人気ミステリー漫画だ。時間が巻き戻りループするリバイバルや、現在と過去を行き来する現象など、主人公は、きわめて特殊な現象に見舞われている。設定そのものはSFチックだが、過去のパートでは、虐待を受けていた同級生の少女を懸命に助けようと奮闘するなど、人間ドラマの趣が強い。物語はミステリーなので、謎解きは明かせないが、後半、特に、未解決事件の犯人がわかるあたりからの展開は、かなり雑で乱暴だ。長い原作を約2時間にまとめているのが原因だろうが、犯人の行動と動機は、納得しがたく、ストーリー的にも矛盾があって、消化不良のイメージが残ってしまう。これが原作ものの難しさだろう。過去に戻ってからは、悟はほとんど小学生の姿だが、演じる子役たちがとても健気で、彼らの熱演につい引きこまれた。タイトルの意味は、ラストに分かる仕掛けで、これはなかなか切ない。
【60点】
(原題「僕だけがいない街」)
(日本/平川雄一朗監督/藤原竜也、有村架純、石田ゆり子、他)
(矛盾度:★★★★☆)
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映画 ST赤と白の捜査ファイル

【早期購入特典あり】ST赤と白の捜査ファイル Blu-ray BOX (赤と白のクリアファイル特典付)
異色刑事ドラマの劇場版「映画 ST赤と白の捜査ファイル」。赤城と百合根VS生意気な子供という構図が楽しい。

天才ハッカーによる囚人脱獄事件が発生。犯人の鏑木が焼死体で発見される。殺人の容疑者として逮捕されたのは、なんと警視庁科学特捜班“ST”のリーダー、赤城左門。赤城はあっさり罪を認め、リーダー逮捕によりSTは解散となった。だが赤城の脱獄により彼を追跡するため再びSTが招集されることに。一方、赤城の無実を信じる百合根は、独自の捜査で、世界中のあらゆるパスコードを突破できるサイバーウイルス“フギン”が事件の鍵であることを突き止める…。

原作は、今野敏の小説「ST 警視庁科学特捜班」シリーズ。それをベースにしたテレビドラマの劇場版だが、キャッチコピーにある通り、超・早い映画化だ。いわゆる警察バディもので、それぞれ特殊能力を持つ科学捜査班のメンバーの個性、とりわけオレ様キャラの赤城と“良識派”キャップの百合根の夫婦漫才的な掛け合いの面白さがウリ。初の劇場版では、全員の見せ場をバランスよく配しているが、特に物言わぬ黒崎は、アクションをたっぷり披露している。全体的にユルい作りであることは否めないが、特徴的なタイポグラフィーが効いていて、随所にカウントダウンが示されるので、ダレることはない。謎のウイルスを巡りその黒幕と目的を追ってSTが活躍するストーリーだが、本作で描きたいのは謎解きよりもSTのメンバーの強い絆だ。殺人容疑をかけられた赤城の真の目的を知れば、ファンなら胸が熱くなるはず。映画としては、正直、TVのスペシャル版のレベルで同窓会的なノリではあるが、サービス精神満載なので、ドラマファンには見逃せない1本だ。
【55点】
(原題「映画 ST赤と白の捜査ファイル」)
(日本/佐藤東弥監督/藤原竜也、岡田将生、志田未来、他)
(仲間の絆度:★★★★☆)
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MONSTERZ モンスターズ

MONSTERZ モンスターズ [Blu-ray]
特殊能力を持つ者同士のバトルを描くサイキックアクション「MONSTERZ モンスターズ」。罪のない人がこうまで死んでいいものか?!

見るだけで他人を意のままに操れる男。彼はその能力ゆえに父を殺した過去があり、今では必要な時にだけ力を発揮するだけで、孤独の中で息をひそめて生きていた。だがある時、唯一その力が通用しない男・田中終一と出会う。終一もまた、どんな大怪我でも数日で回復する驚異的な治癒能力と強靭な肉体を持つ特殊能力の持ち主だった。男は自分の思い通りにならい終一に怒りを燃やし、終一の大切な人を死に追いやったことから、2人は激しく対立する…。

韓国映画「超能力者」を「リング」の中田秀夫監督がリメイクした本作は、特殊能力を持つ主人公たちを、他者とは違う哀しみを抱えたアウトサイダーとして描く…と言いたいところだが、オリジナル同様、つっこみどころが満載で、葛藤や哀愁は極めて薄味だ。そもそも、お互いに関わらなければいいものを、本作では男が執拗に終一を追い回すため、罪のない人たちの死体の山が築かれていくという、はた迷惑な展開なのだ。終一は終一で、自分に対して理不尽なマネばかりする男にどこかで共感を抱いているのだから、お話にならない。特殊能力を持つ者同士なら、別の解決法があるはずで、X-MENを見習いなさい!と言いたくなるのは私だけではないだろう。遺伝子工学に精通している捜査官や男の母親の存在など、脇役を活かしきれてないのも何とも惜しい。脚本も映像も全体的に大雑把な作りの中で、見どころは、ホラーの旗手・中田監督ならではの、ゾンビ映画風モブ・シーンの迫力だ。これが初共演となる藤原、山田の演技バトルもかなり濃密で見ものだった。
【50点】
(原題「MONSTERZ モンスターズ」)
(日本/中田秀夫監督/藤原竜也、山田孝之、石原さとみ、他)
(演技合戦度:★★★★☆)
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神様のカルテ2

神様のカルテ2 Blu-ray スペシャル・エディション(2枚組)
救急医療病院に勤務する若き医師と彼をとりまく人々を描く「神様のカルテ2」。前回同様、きわめて薄味。

美しい自然に囲まれた信州・松本。医師としても人間としても一回り成長した栗原一止(いちと)は、相変わらず救急医療病院・本庄病院で激務をこなしながら、妻の榛名の出産を心待ちにしていた。そんなある日、本庄病院に一止の大学時代の同期、辰也が赴任してくる。再会を喜ぶ一止だったが、勤務時間が終了するとすぐに帰宅し、時間外の呼び出しにも全く応じない辰也の、医師としての態度が理解できず、ついに衝突してしまう。実は辰也には他人には言えない事情があり、内科部長・貫田はどうやらそのことを察しているようだった。だがその貫田が過労で倒れ、末期の悪性リンパ腫であることが発覚し、一止は動揺する…。

原作は、自身が医師でもある作家・夏川草介の同名小説。嵐の櫻井翔と宮崎あおいが夫婦を演じてヒットを記録した作品の続編となる。前作は、主人公の一止の視点で語るドラマで説明的描写も多かったが、2作目である本作では、一止と榛名、一止の同期の辰也とその妻、一止の上司である貫田と彼の妻の3組の夫婦の、それぞれの事情を対比させた物語になっている。主人公とその妻は、例によって浮世離れしたキャラで、それが過酷な医療現場の実態と好対照になるという構図だ。前作同様、地方の救急医療現場という“医療の底辺”の実態は表層的で、現場を知る人から「こんなに甘いモンじゃない!」との嘆きが聞こえてきそう。それはさておき、今回の続編のテーマは、医師の仕事の難しさと家族の意義を問うもの。かつて“医学部の良心”と呼ばれていたエリート内科医・辰也の変貌にその葛藤が込められていて、それを知った一止がこれから父親になる自分の立ち位置を改めて見つめ直すのだが、残念ながらそのあたりの描写はきわめて浅い。余命僅かになって初めて夫婦の時間を持つことができた本庄病院の精神的支柱・貫田医師とその妻の描写も同じく浅いのだが、そこは名優の柄本明、飄々としながらも医療に人生を捧げた壮絶な人生を、静かに熱演し説得力を持たせていた。糖尿病患者と彼の意外な正体のエピソードはリアリティゼロだし、御嶽荘の新しい住人・屋久杉くんの存在も効いていない。屋上での“仕掛け”も、感動的だが少々やりすぎ。ディテールに不満は多いものの、松本の美しい風土と移ろう季節の中に登場人物たちの成長を重ねた物語は、さわやかな後味を残すものだった。
【55点】
(原題「神様のカルテ2」)
(日本/深川栄洋監督/櫻井翔、櫻井翔、藤原竜也、他)
(リアル度:★★★☆☆)
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藁の楯 わらのたて

藁の楯 わらのたて(Amazon.co.jp限定映像特典ディスク付)(初回限定生産) [Blu-ray]
正義を自問しながら懸賞金10億円の凶悪犯を守るSPを描くクライム・サスペンス「藁の楯 わらのたて」。国内外で大規模なロケを敢行した気合の入った映像が見ものだ。

政財界を牛耳る大物・蜷川の、7歳になる孫娘が惨殺される。容疑者は8年前にも少女への暴行殺人事件を起こし逮捕され、出所したばかりの清丸国秀。蜷川は事件の3ヶ月後、大手新聞3紙に「清丸国秀を殺してください。御礼として10億円お支払いします」という前代未聞の全面広告を掲載。日本中が殺気立つ中、身の危険を感じた清丸は自ら福岡県警に自首してきた。人間を殺して大金を得る。そんな常軌を逸した行動を許せば警察の威信にかかわる。かくして清丸を東京の警視庁まで移送する為に、生え抜きのSPである銘苅ら、精鋭5名が配置された。いつ、どこで、誰が襲撃してくるかわからない極限の緊張状態の中、護送が始まる…。

原作は「ビー・バップ・ハイスクール」シリーズで知られる漫画家の木内一裕の小説家としてのデビュー作。公に殺人を依頼するという荒唐無稽な設定ながら、SPたちの良心と本能のせめぎあいの中、リストラや不況で金銭的に追い詰められた人間、犯人に恨みを持つ人物など、すべての人間が、敵になって襲いかかるという異様な設定が緊張感を生む。さらに、外部すべてが敵、内部にも敵がいるかもしれないとの緊迫感が心理戦の様相も呈していく。人間のクズを命がけで守らねばならないという矛盾をかかえるSPの銘苅や白岩は、それぞれ心に傷を抱える人間。倫理観が欠如した容疑者・清丸の言動は彼らの苦悩をあざわらうかのようだ。“望まない旅”は、あらゆる人間の深層心理をむき出しにしていく。この護送作戦には多くの策略が隠されているのだが、人の護衛が使命のSPがどう行動するかクライマックスまで予測不能だ。あらゆる共感を拒む凶悪犯・清丸を怪演するのが若手実力派の藤原竜也。清丸のキャラ造詣が少々平坦なのは不満だが、銘苅役の大沢たかおと1対1で対峙するシークエンスは、演技派同士の意地がぶつかりあうようで迫力がある。それにしてもこのSPたち、精鋭のはずなのに、どうにも脇が甘い。犯人は何度も取り逃がすわ、見知らぬ人物には接触するわで、別の意味でハラハラさせられた。公務員の意識と我が国の危機管理は大丈夫なのかと心配になる。それはさておき、日本では撮影許可が下りない新幹線の映像のため、台湾まで出向いて映像を作り上げた三池崇史監督のこだわりが感じられる力作アクションサスペンスとなった。
【65点】
(原題「藁の楯 わらのたて」)
(日本/三池崇史監督/大沢たかお、松嶋菜々子、藤原竜也、他)
(正義度:★★☆☆☆)
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I'M FLASH!

I'M FLASH! [Blu-ray]I'M FLASH! [Blu-ray]
生と死の狭間で出会った二人の男の運命を描く「I'M FLASH」。常に死を意識した作品を撮る豊田利晃が、アクションも交え、珍しく生への渇望を見せる。

新興宗教“ライフイズビューティフル”の若き教祖・吉野ルイ。端正なルックスとカリスマ性で、マスコミにも注目される彼だが、ルイ自身は、インチキまがいのTVショーやセレブ並に贅沢な暮らしにうんざりしていた。ある夜ルイは、謎の美女・流美とドライブに出かけて事故を起こし、流美は植物状態になってしまう。ルイの母と姉は、スキャンダルを避けるために、3人のボディガードをつけて、ルイを教団の施設がある南海の孤島に避難させる。ボディガードの一人の新野風は、ゆがんだ一族とルイの言動に興味を持ち始めるが、ルイが教団を辞める決意を固めた時、新野たちに新たな指令が下った…。

「青い春」「ナイン・ソウルズ」「空中庭園」「蘇りの血」など異色作を連発する豊田利晃。“映画界の異端児”の新作は、藤原竜也と松田龍平の初共演で描く、生と死の境界線にある一瞬の閃光(FLASH)の物語だ。役割は藤原が教祖様、つまりは神。松田がボディガードあるいは殺し屋、つまりは悪魔といったところか。冒頭、ルイが事故を起こすシークエンスが描かれるが、バイクの少年は即死、同乗の女性は植物状態なのに、ルイは無傷。なんといっても神なのだから死なないのは当たり前なのだが、神自身が教団を離れるという“死”を望んでも、ギリギリのところでやっぱり生きようとしてしまうから、もうこれは業というしかない。新野はルイに興味をひかれるが、悪魔の役割を担う以上、ルイを殺すしかないのだ。ルイに家族はいびつを絵に描いたようで、教団の実質的支配者の母は、血縁者を教祖に仕立て、不要となれば容赦なく切り捨てる。姉は母の手先だし、兄は性転換して時折戻ってきては金をせびる有様。設定は、生と死の構図といい、デフォルメされたキャラといい、大げさな法螺話のように薄っぺらだ。だが、ここでふと気付く。この薄っぺらな感じがインチキくさい新興宗教のムードにぴったりフィットしているのだ。息をすることができない水中でのみ、初めて開放されるかのようなルイが、ラストに戦うのもまた海中。物語の救済は、最後に思わぬ形で表されるが、宗教の素地が基本的にない私などには、水へと帰るのは、この主人公には案外ハッピーエンドのような気がする。
【55点】
(原題「I'M FLASH!」)
(日本/豊田利晃監督/藤原竜也、松田龍平、水原希子、他)
(救済度:★★☆☆☆)
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おかえり、はやぶさ

おかえり、はやぶさ (3D/2D)Blu-rayおかえり、はやぶさ (3D/2D)Blu-ray
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宇宙への夢と家族ドラマをからませた「おかえり、はやぶさ」。もはや見慣れた素材なので新鮮味は薄いが、あたたかさが持ち味になっている。

小惑星イトカワのサンプルを採取して地球に帰還するという、最高難易度のミッションのため、2003年5月9日、小惑星探査機「はやぶさ」が打ち上げられた。JAXAのエンジニア助手の大橋も、仲間と共にこのプロジェクトに加わり、日々、奔走する。彼には、火星探査機のぞみのプロジェクトの失敗を悔む父との確執と、父の分まで“はやぶさ”のプロジェクトを成功に導きたいという思いがあった。だがはやぶさは、4個のメインエンジンの停止、通信の遮断など、数々のトラブルに見舞われる…。

各社が競作して「はやぶさ」を描くというユニークな試みの、最終作品がこれ。はやぶさの科学的な説明や、打ち上げまでの道のり、宇宙での困難を地球にいるスタッフがどう乗り越えたかのストーリーはすっかり見慣れてしまったので鮮度が落ちた感は否めない。だが、本作には別の魅力がある。まず、伝統的にホームドラマを得意とする松竹らしい、家族の物語を中心にすえた作りだということ。さらに3Dで“はやぶさ”の歩みを体感できるということだ。三浦友和扮する、過去にプロジェクトで苦労した父、現在はやぶさに携わる息子や彼と同世代のJAXAの理学博士、宇宙が大好きな小学生と、異なる世代の視点を盛り込んでいるのも特徴だろう。科学や宇宙という難しいテーマを出来るだけ身近に感じられるようにとの配慮が見える。何より、困難に立ち向かい決してあきらめなかった人々のドラマは、その輝かしい成功の結果を知っているからなお、何度みても誇らしい気持ちにさせてくれる。
【60点】
(原題「おかえり、はやぶさ」)
(本木克英/監督/藤原竜也、杏、三浦友和、他)
(家族ドラマ度:★★★★☆)
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カイジ2〜人生奪回ゲーム〜

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命懸けのギャンブルを描く「カイジ2〜人生奪回ゲーム〜」は、原作者の福本伸行自身が脚本を手掛けている。ゲームのネーミングが「沼」というのが象徴的だ。

多額の借金を命懸けのゲームに勝利することで帳消しにした伊藤カイジだが、1年もたたないうちに再び借金まみれになってしまう。地下からの脱却と仲間の希望を背負って、再逆転に挑むのは、当たれば10億円以上を稼げるが難攻不落と呼ばれるモンスターマシーン“沼”だ。裏カジノの若き支配人・一条は、カイジと同じく帝愛グループの死のゲームから生還した人物で、カイジには激しいライバル心を燃やしていた。一発逆転を狙って裏カジノに通う坂崎、帝愛グループから父を殺され復讐の時を伺いながら裏カジノで働く石田裕美、さらに、かつてカイジの行く手を阻んだ利根川が、それぞれの思惑からカイジの仲間となるが…。

大人気ギャンブル漫画を原作とする「カイジ」の続編では、新たなゲームに挑まざるを得ないカイジの挑戦を描く。今回は原作者自身によるオリジナルゲームが登場しているのが売りだが、地下から脱出するための“地獄チンチロ”はイカサマも含めて単純すぎて感心しないし、本物のライオンまで登場する三択“姫と奴隷”も主人公が基本的に他者を信頼するキャラであることから先は読める。だがメインとなる巨大モンスターマシーン、通称“人喰い沼”を攻略するプランは、リアリティには少々欠けるが、かなり大がかりで面白い。帝愛グループから信頼される一条が、挑戦者を決して勝たせず、ゲームに引きずり込む泥沼のような巨大パチンコ“沼”の弱点を、ささいなことから見抜くプロセスは痛快だ。何度も絶対絶命の危機に見舞われる演出は少々くどいのだが、カイジを救うのは、またしても仲間との絆と信頼だ。この話、設定は荒唐無稽だが、根っこの部分は非常にまっとうで前向きなのである。今回のキーパーソンは、吉高由里子演じる石田裕美。前作ともつながる彼女は敵か味方かわからない謎めいたキャラだが、ラストに彼女がカイジに向かってつぶやくひと言は、彼女自身を歪んだ世界から解放して“人生を奪回”するもので、ほっとする。
【55点】
(原題「カイジ2〜人生奪回ゲーム〜」)
(日本/佐藤東弥監督/藤原竜也、香川照之、吉高由里子、他)
(信頼度:★★★★☆)
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カイジ2 〜人生奪回ゲーム〜@ぴあ映画生活

映画レビュー「パレード」

パレード [Blu-ray]パレード [Blu-ray]
◆プチレビュー◆
都市生活に巣食うモラトリアムという透明の闇。若手実力派俳優5人のキャスティングが絶妙だ。 【70点】

 都内のマンションでルームシェアする、直輝、未来、琴美、良介。彼らは色恋抜きの関係を保ち、怠惰で平和な毎日を送っていた。そこに男娼のサトルが加わり小さな変化が起こる。一方、街では連続暴行事件が発生していて…。

 久しぶりに行定勲監督の才能を実感した。秀作「GO」に次ぐ出来だと思っている。もちろん吉田修一の同名小説で“怖い”と評判の原作の力は大きいが、登場人物それぞれの視点から描かれる一人称の物語5話からなる小説とは違い、映画は5人の関係性を俯瞰して淡々とみつめる。その距離感がリアルなのだ。若者のユルい共同生活には、表層的な付き合いで充足する人間関係の歪みや、日常性さえ持つ犯罪への麻痺感覚が透けて見える。

 映画会社勤務で几帳面な直樹は28歳。深酒気味で自称イラストレーターの未来は24歳。23歳の琴美は恋愛依存症のフリーター。21歳の大学生・良介は先輩の彼女に恋している。何も接点がない彼らが一緒に暮らしている理由は映画ではバッサリと省略されていて、それは、いつ誰がここを出て行っても、すぐに代わりはみつかるという相対性に繋がっている。

 「ここはチャットや掲示板のようなもの。嫌なら出て行けばいいし、居たければ笑っていればいい」と説明する琴美に対し、「うわべだけのつきあいなんだね」と一言で看破する男娼のサトル。彼だけは、マンションに転がり込む経緯を明確に描くのがポイントだ。一番年下のサトルは、実は誰よりも世慣れた少年で、皆が封印した感情の最もダークで傷みやすい部分に直に触れてくるトリックスターなのだ。このナイーヴな破壊者もまた、場の空気を読みながら部屋に居つくのだが、無意識のうちに秩序崩壊を加速させていくことになる。

 物語は5人それぞれの心の闇を描きながら、街で発生する連続暴行事件にもゆっくりと迫っていく。終盤に、ある人物による恐ろしい行為が明らかになるが、その衝撃を上回るのが、そのことを誰もが知っているのに口にしないという事実だ。若者たちは、つながっているようでまったくつながっていない。彼らが和むリビングは、6人目の登場人物でモンスターのような存在。そこでは、驚きや怒り、まして裁きや許しなど御法度だ。薄ら寒い平和を突き崩したいという衝動は、暴力という形をとった“健全な”エモーションにさえ思える。

 言いたいことや言わねばならないことを話すのではない。言ってもかまわないことだけを話す。それが彼らの暗黙のルールだ。本当の自分を決して見せない関係性は、ぬくぬくと快適なだけに、そこが透明の闇だとは気付かない。いや、気付いていても気付かないふりをしているだけなのか。未来が持っていたレイプシーンだけを編集したビデオテープに、サトルが「趣味悪いなぁ」と言いながら、上からどうでもいい番組を録画するのが象徴的だ。どれほど上書きしても一番下にある醜悪な映像は残像のように残っている。他人を少し見下して軽蔑しているのに、その他人に合わせて自らを装った後、空虚な自分への嫌悪感が残るように。そして、浅く淡白な人間関係が快適だと感じる時、私たちはそのリビングに自分の姿を見てしまう。なるほど怖い話だ。

(シネマッシモ評価:★5つが満点)ブラック度:★★★★☆

□2010年 日本映画 原題「パレード」
□監督:行定勲
□出演:藤原竜也、香里奈、貫地谷しほり、林遣都、小出恵介、他


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プロフィール
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◆ペンネーム:渡まち子
◆映画ライター、映画評論家
◆こんなお仕事やってます:
新聞、雑誌、インターネットで、映画評、映画コラム、DVD紹介などを執筆。他にも、映画コメンテーターとしてラジオ出演、大学での公開講座や企業主催の映画セミナーなど、映画に関する幅広い仕事をこなしながら活動中です。
◆青山学院文学部史学科卒業。西洋史が専攻で、卒業論文はベネチア史。学んだことを生きている間に有効に活かせるのだろうか…と、かなり心配。
◆エトセトラ:
古今東西の映画をこよなく愛す、自他ともに認めるシネフィル(映画狂)です。時に苦言を呈すこともあるその映画批評の基本は、映画へのあふれる愛情と自負しています。どんなダメ映画でも必ずひとつはあるイイところを発見するのが得意技。大のサッカー好きで、欧州リーグからJリーグまでTPOに合わせて楽しんでます。
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