映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評


【本音で語る新作映画レビュー】
シネマッシモでは、映画レビューはネタバレなしのヒントあり。映画を見る前と見た後と、2度読んで楽しめます。
映画評サイトもこのブログで4代目になりました。すべての映画好きを歓迎します!
(点数は100点が、★は5つが満点)
シネマッシモとは、シネマ(映画)とマッシモ(イタリア語でmax,最大)とを組み合わせた造語。
どうぞゆっくり楽しんでください \(^▽^)/

◎ 今週の気になる映画 ◎
「カフェ・ソサエティ」「ノーエスケイプ」「追憶」「赤毛のアン」etc.

西田敏行

遺体 明日への十日間

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震災発生後の遺体安置所での出来事を描くヒューマンドラマ「遺体 明日への十日間」。見ていてつらくなる内容だが、目をそらすわけにはいかない。

東日本大震災発生直後の岩手県釜石市。地区の民政委員で、定年前は葬儀関係の仕事をしていた相葉常夫は、廃校を利用した遺体安置所に次々に運ばれてくる遺体を見て、ボランティアとして働きたいと市長に直訴する。混乱状態で運ばれてくる無数の犠牲者に、立ちつくすしかない市職員や警察関係者たち。身元確認のための検死を行う医師も不眠不休で作業に当たる。そんな中、相葉は一人一人の遺体に優しく話しかけていた。戸惑うだけだった市職員たちは、「遺体には生きている人と同じように接しなさい」と言う相葉の言葉に応え、一人でも多くの遺体を遺族にかえすため、率先して動くようになる…。

原作は、大反響を呼んだ、石井光太の「遺体 震災、津波の果てに」。このルポルタージュに衝撃と深い感銘を受けた君塚良一監督がメガホンを取っている。東日本大震災については、多くのメディアがさまざまな角度から報道を行ったが、本作で描かれた遺体安置所のことは、この映画で初めて知った。未曾有の災害で自らも被災しつつ、犠牲になった人たちの尊厳を守りながら、一人でも多く、一刻も早く、家族と再会させるため尽力した人々がいたのだ。正直にいうと、内容はあまりにつらく、鑑賞には覚悟が必要である。無数の遺体は、美術スタッフによる作りものだと分かっていても、担架から垂れる手や土気色になった顔、泥で汚れた衣服は、見ているだけで、激しく胸が締め付けられた。遺族の方や被災した方にとってはなおのことだと推察する。スタッフ、キャストには、作品を映像化することに困難と葛藤があったに違いない。だが、実際にこのような光景の中に身を置いて懸命に尽くした遺体安置所のボランティアや、人手も資材もない中、棺や葬儀の準備をした葬儀社の方々の存在を私たちは知るべきなのだ。犠牲者を死体ではなく、ご遺体として接する心は、日本人の死生観だとされている。被災地の福島出身の西田敏行が入魂の演技を見せるが、作品内では一人が際立つことはなく“全員の物語”になっていることで、普遍性が生まれている。
【採点なし】
(スミマセン、とても点数で計れる内容ではないので、採点なししとします)
(原題「遺体 明日への十日間」)
(日本/君塚良一監督/西田敏行、緒形直人、勝地涼、他)
(衝撃度:★★★★★)
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アウトレイジ ビヨンド

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ヤクザ社会の壮絶な下剋上のその先を描く「アウトレイジ ビヨンド」。ヤクザ社会と政治の世界は実に良く似ている。

関東一円を取り仕切る巨大暴力団、山王会の抗争から5年。山王会は会長が交代し、今や政界にまで勢力を広げていた。巨大ヤクザ組織の壊滅を目論む刑事の片岡は、山王会と、関西の雄“花菱会”を対立させようと画策する。そんな中、遺恨のある木村に刺されて獄中で死んだはずの大友が生きていたという事実が発覚。突如、出所させられた大友に、明らかに何かを企む片岡が近付いた。やがて、騙し合いと裏切りの火種がくすぶり、関東VS関西の巨大抗争へと発展していく…。

北野武監督にとって初の続編となる本作は、前作のラストで刺されて死んだはずの主人公が、実は生きていたという、“まさか”とも“やはり”とも取れる展開からスタートする。静謐な作風の北野映画が、激しいセリフの応酬で観客を驚かせた前作同様、この続編でも膨大なセリフと怒号がすさまじい。何しろ、口調が荒い関西ヤクザが参戦するのだから、そのアウトレイジ(極悪非道)ぶりにも磨きがかかるというものだ。前会長を殺して会長の座を手に入れた加藤がトップに座る以上、そこには義理も人情もへったくれもない。山王会内部の新旧の摩擦、関東VS関西の腹の探り合い、それらを利用して対立を煽る警察。ヤクザに戻るつもりなどなかった大友だが、この果てしないバトルからは、もはや逃れられない運命だ。ところどころに絶妙な笑いが仕込まれてはいるが、例によって壮絶な暴力シーンが満載で思わず目をそむけたくなる“痛い”シーンも。だが、家族や女性など、男たちの背景をバッサリと切り捨て、暴力と欲望のせめぎあいをひたすら描く潔い演出のおかげで、ドライな生命力がみなぎった。前作で生き残ったのは、三浦友和、加瀬亮、小日向文世たち。本作で新たに参入したのは西田敏行、高橋克典ら。主役級の俳優たちの火花散るコラボに注目だが、それにしても、“仁義なき戦い”チックなあのラスト、さらなる続編、さらなる新キャラを期待してしまう。
【60点】
(原題「アウトレイジ ビヨンド」)
(日本/北野武監督/ビートたけし、西田敏行、三浦友和、他)
(怒号度:★★★★☆)
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ももへの手紙

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少女の心の成長を優しいタッチで描くアニメーション「ももへの手紙」。リアルとファンタジーのブレンド具合が絶妙。

11歳の少女・ももは、父を亡くし、母・いく子と二人で東京から瀬戸内の島に移り住む。ももは、仲直りできないまま逝ってしまった父への思いを胸に抱き、「ももへ」とだけ書かれた父の手紙の真意も分からず、悩んでいた。田舎暮らしになかなか馴染めないももだったが、ある日、屋根裏で一冊の古い本をみつける。その日から不思議なことが起こり始め、突然3人組の妖怪“見守り組”のイワ、カワ、マメが現れる。3人の妖怪には、実は大切な使命があるのだが…。

心無い言葉を投げかけたまま逝った父は書きかけの手紙を残した。何を伝えたかったのか。そして、3人組の妖怪が現れた。ももといく子のことを“空”へ伝える使命とは。この二つの謎は、リアルとファンタジーの対極をなすものだが、物語に自然に溶け込んで、自責の念を胸に秘めた少女の心の成長と、家族の絆という普遍的なテーマを明るい筆致で描いている。沖浦啓之監督は前作「人狼 JIN-ROH」から2作目の監督作となるが、タッチがまったく異なる作品ながら、クオリティは前作同様に非情に高い。動作や表情だけでなく、背景の細部まで作りこんだ絵作りや、練られたストーリー、キャラクター設定など、すべてが丁寧で、自然と好感を抱かせる。どこか頼りなげだった主人公ももの成長は若い世代に、悲しみや苦労を口に出さず娘を見守る母の優しさは大人世代にと、幅広い年齢層にアピールするところもさすがだ。一滴の小さな水滴から始まる導入部から、さまざまな水の形を描き、母を救うため暴風雨の中を爆走するクライマックスへ。その先には、興奮と感動が待っている。父、母、島の人々、そして愉快な妖怪たち。周囲のすべての愛を知ったももは、水のようになめらかに大人への階段を上るのだ。日本的なモチーフを現代の風景に巧みに盛り込んだハートウォーミングな良作で、国産アニメのレベルの高さを感じさせる。原由子のエンディングテーマが、優しい余韻を残してくれた。
【70点】
(原題「ももへの手紙」)
(日本/沖浦啓之監督/(声)美山加恋、優香、西田敏行、山寺宏一、他)
(ハートウォーミング度:★★★★☆)
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ステキな金縛り

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どんなチョイ役にも豪華キャストを配する、贅沢な三谷映画の新作「ステキな金縛り」。法廷ものとしては弱いが、人情劇として楽しめる。

失敗続きで後がない弁護士エミが担当したのは、ある資産家の妻殺しの被告人。だが彼は自分にはアリバイがあると主張する。寂れた宿で一晩中金縛りに遭っていたというのだ。被告の無実を証明できるのは、彼を金縛りにかけていた落武者だけ。宿まで出かけて行ったエミは、421年前に無念の死を遂げた更科六兵衛の幽霊に意図的に遭遇し、法廷で証言してほしいと強引に頼み込む。だがエミの相手である検事の小佐野は、一切の超常現象を信じないカタブツだった…。

法廷で証言するのが落武者の幽霊という、このアイデアだけで笑ってしまう。霊ということになると、見える人と見えない人がいるわけで、そのあたりの混乱の演出がこれまた笑える。加えて、幽霊の側にもいろいろとルールがあり、話はますますややこしい。さすがは構想10年。練られた脚本は笑いのツボを押さえていて、監督5作目となる三谷幸喜の手腕は相変わらず見事だ。だが、練りこんだ方向は緻密な法廷映画ではなかった。被告人である無実の男が「何だか、ないがしろにされてる気がするんですけど…」と思わずボヤくのも無理はなく、事件は落武者の幽霊中心に進んでいく。やがて無念の死を遂げた六兵衛の“歴史秘話”が語られ、登場人物それぞれの心の痛みや悲しみに話が及ぶあたりから、にわかに人情劇の様相を呈していくのだ。笑いから感動へ。三谷映画のセオリー通りである。本来、演劇的な閉じた空間の演出が得意な三谷幸喜が、慣れないカット割を多用し、ロケ撮影も取り入れるなど、演出にぎこちなさはある。だが、それでもここまで娯楽性を高め、感動物語に仕上がっているのは、エミと、著名な人権弁護士だった亡き父との絆が軸になっているからだ。J.スチュワート主演の「スミス都へ行く」が絶妙にからみ、大団円へとなだれ込む。こんな裁判があったら楽しい。…いや、やっぱり混乱の元だろうか。2時間22分と長尺だが、退屈とは無縁だ。
【70点】
(原題「ステキな金縛り ONCE IN A BLUE MOON」)
(日本/三谷幸喜監督/深津絵里、西田敏行、阿部寛、他)
(エンタテインメント度:★★★★★)
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はやぶさ/HAYABUSA

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無人小惑星探査機「はやぶさ」を支えたスタッフの苦労と情熱を忠実に映画化。長い旅を終えて燃え尽きる映像に感動する。

宇宙科学研究所(現・JAXA)で働くことになった女性研究生・恵は、様々な分野のエキスパートが集まるスタッフと共に、小惑星探査機「はやぶさ」のプロジェクトに携わる。2003年に飛び立った「はやぶさ」は、2005年に小惑星イトカワに到着するが、地球に帰還するまでの道のりで、多くのトラブルに見舞われる…。

「はやぶさ」を描く映画は複数作られるが、本作は、新しくスタッフに加わった女性研究者の視点からとらえたことと「はやぶさ」の心の声を子供に見立てたことで、素人には難しい宇宙開発という世界を極力わかりやすく描いているのがいい。姿勢制御装置の不具合や通信途絶、イオンエンジンの故障に燃料漏れと、遠い宇宙で次々に起こるトラブルを懸命に解決していくスタッフたちの努力には、胸が熱くなる。NASAでさえも成し得なかった、月以外の天体からサンプルを持ち帰る偉業の陰に、こんなにも多くの物語があったとは。対外協力室室長・的川泰宣氏を演じる西田敏行は、実在の人物の苦労話が良く似合うが、彼が演じる明るくて繊細、粘り強いキャラクターは映画の大きな魅力だ。ただ「はやぶさ」を見守る一般人のエピソードは少し煩わしい。そもそも2時間20分という長尺になったのは、これらのせいで、もう少し編集の潔さがあっても良かったのでは…とも思う。終盤、多くのトラブルを乗り越えて地球に戻ってきた「はやぶさ」が7年間の長い旅を終えて燃え尽きるシーンには、深い感動が。宇宙を舞台にしたプロジェクトXは、けなげな「はやぶさ」君の壮大な“おつかい”。見終わったら拍手を送りたくなった。
【60点】
(原題「はやぶさ/HAYABUSA」)
(日本/堤幸彦監督/竹内結子、西田敏行、高嶋政宏、他)
(不撓不屈度:★★★★★)



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星守る犬

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「泣けた本ランキング」第一位に選ばれた村上たかしの同名コミックの映画化は、現代社会が抱える冷え冷えとした問題を思うとやるせない。愛犬ハッピーがけなげで泣けてくる。

北海道のキャンプ場に止められたワゴン車の中で、死後半年経った50代の男の遺体と、死後1ヶ月の愛犬らしい犬の死体が見つかる。身元不明のこの男の人生に興味を持ったのは、本だけを友として生きる孤独な青年・京介だ。市役所の福祉課に勤める京介は、偶然現場で見つけたレシートをヒントに、男と犬の足取りを追う旅に出る…。

男は「おとうさん」、愛犬は「ハッピー」。死後半年と死後1ヶ月。この差にあったのは二人の分かち難い絆だ。とはいえ、そこには単なる人と動物の感動物語があるのではなく、不況、リストラ、熟年離婚からホームレスへというシリアスな問題が横たわり、その答えとして無縁死があった。東京から北海道への旅で残した、病を患い、家族や家も失ったおとうさんとハッピーの足跡は、出会った人々に温かい思い出を残すものなのだが、二人を待つ運命はあまりにも厳しい。せめてもの救いは、孤独な人生を歩む京介と、偶然彼と出会い共に旅をする少女・有希が、生きる意味を見つめ直し希望を手にすることだろう。印象的なタイトルは、何もしないでただやり過ごすだけの人生よりも、高望みをして生きる“星守る犬”の方がいいとの、京介の祖父は教えだ。おとうさんとハッピーの最期には、やるせない思いが残るが、せめてそこから絆の大切さを学びとりたい。登場人物たちがたどる場所が、東日本大震災で大きな被害を受けた土地であることが、なお一層、今を大切に生きてとのメッセージが伝わってきた。
【60点】
(原題「星守る犬」)
(日本/瀧本智行監督/西田敏行、玉山鉄二、川島海荷、他)
(やるせなさ度:★★★★☆)
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価格:2,953円(税込、送料別)

釣りバカ日誌20 ファイナル

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ハマちゃんとスーさんの名コンビによる人気シリーズもとうとうファイナルを迎える。一流企業の鈴木建設も近年の不況により業績悪化の一途をたどっていた。会長のスーさんこと鈴木一之助は責任を感じ、無期限の給料全額返還を宣言、周囲を驚かせる。そんなスーさんのために奮起した万年ヒラ社員・ハマちゃんこと浜田伝助は、得意の釣りの人脈から、大型受注に成功。会長賞で有給休暇をもらい、スーさんとともに憧れの北海道へと釣り旅行に出かける。

タイトルには20とあるが、正確にはスペシャル版を加えて22作目だ。ついにラストを迎えるのは、キャストの高齢化や健康状態よりも、ハマちゃんのようなお気楽社員を雇える社会ではなくなった世相を反映せざるを得なかったのかもしれない。物語の舞台は意外にも初めてとなる北海道だ。美しく雄大な大自然を舞台に、幻の魚イトウにチャレンジしたり、若者の恋を手助けしたりと、ハマちゃんは相変わらず大活躍する。だが、スーさんは、なんと病で倒れ危篤状態に。ファイナルでついに死人が…と心配した矢先、三途の川を前にして、お祭り騒ぎになるところがやっぱり釣りバカで、大いに笑わせる。このシリーズの良さは確信犯的なマンネリズムだ。ファイナルの割には、釣りの場面が少なすぎるのはちょっぴり不満だが、最後だからといってヘンに力まず、ユルいテイストの演出スタイルを貫いたことを評価したい。感動のフィナーレは、観客というより出演者の納会のようだった。ともあれ、長いシリーズを演じきったキャスト・スタッフにご苦労様でしたと言いたい。
【55点】
(日本/朝原雄三監督/西田敏行、三國連太郎、松坂慶子、他)
(感無量度:★★★★☆)

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火天の城

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地味な時代劇だが見応えがあるのは、合戦ではなく仕事への情熱を描いているから。この作品は、いわば戦国版プロジェクトXだ。織田信長から城郭要塞・安土城の建立を命じられた、知られざる名工・岡部又右衛門が、職人の意地と誇りをかけて巨大な城作りに挑んでいく。

ものづくりは今も昔も日本のお家芸だ。何事にも進取の精神に富む信長が見込んだ、天才だが無名の宮大工・又右衛門が、総棟梁に選ばれるプロセスが面白い。奈良や京都の名門のライバルたちと競うその様子は、熾烈なコンペ。設計図で説明し、模型でアピール、さらに信長が主張する吹き抜けの天守閣の致命的欠点を命懸けで指摘するプレゼンテーションの場面には思わず胸が熱くなる。そんな主人公を支える家族、やはり職人としての誇りを持つ男たちの熱意で城が作られていく様子がダイナミックだ。ひとつ腑に落ちないのは、水野美紀演じるうねの正体にまつわる唐突なエピソード。あまりにも物語の中で浮いていて違和感がある。映画のラストでは幻の名城と言われる安土城の幻想的な姿が映し出された。名もない民が死に物狂いで作った芸術品。だがそれも今は残っていないという事実を思うと、無常感が漂った。
【60点】
(日本/田中光敏監督/西田敏行、福田沙紀、椎名桔平、他)
(職人気質度:★★★★★)

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旭山動物園物語 ペンギンが空をとぶ

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赤字財政を抱えながら、さまざまな工夫で夢をかなえた旭山動物園の感動の実話だ。園長・滝沢は多くのスタッフと共に、個性的なアイデアと生き物への愛情で、動物園を立て直していく。飼育係のこだわりや行政との係わりなどは分かり易く描かれているが、新人飼育係の青年のトラウマの描写は中途半端。また動物愛護団体との対立は興味深いので、もっと掘り下げてほしかった。一方、動物の生態をそのまま見せる“行動展示”と、動物たちの愛らしい表情がすばらしく魅力的。園長役の西田敏行がハマリ役で、園長のおおらかさこそが動物園復活の原動力だったことが伝わってくる。
【60点】
(日本/マキノ雅彦監督/西田敏行、中村靖日、前田愛、他)
(動物好きにおすすめ度:★★★★☆)

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釣りバカ日誌19 ようこそ!鈴木建設御一行様

釣りバカ日誌19 ようこそ!鈴木建設御一行様 [DVD]釣りバカ日誌19 ようこそ!鈴木建設御一行様 [DVD]
ユルい雰囲気が心地よい人気シリーズの19作。健康診断で胃カメラを飲む苦行をこなしたハマちゃんは、無事に再検査をパスし、晴れて大分に社員旅行に出発。釣り優先で楽しく暮らす主人公と気のいい仲間たちの、愛すべき馴れ合いを味わおう。鈴木建設に入社したいと本気で思うサラリーマンが多いのもうなずける。今回は派遣社員の常盤貴子と大会社の御曹司の山本太郎という格差問題を“玉の輿”チックに解決してみせる。豊後水道の海はどこまでも美しく、安心して楽しめる内容だが、ある親子共演にちょっと驚いた。今後、レギュラーに加わるのか興味津々である。
【50点】
(日本/朝原雄三監督/西田敏行、三國連太郎、浅田美代子、他)
(ノーテンキ度:★★★★☆)

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◆映画ライター、映画評論家
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新聞、雑誌、インターネットで、映画評、映画コラム、DVD紹介などを執筆。他にも、映画コメンテーターとしてラジオ出演、大学での公開講座や企業主催の映画セミナーなど、映画に関する幅広い仕事をこなしながら活動中です。
◆青山学院文学部史学科卒業。西洋史が専攻で、卒業論文はベネチア史。学んだことを生きている間に有効に活かせるのだろうか…と、かなり心配。
◆エトセトラ:
古今東西の映画をこよなく愛す、自他ともに認めるシネフィル(映画狂)です。時に苦言を呈すこともあるその映画批評の基本は、映画へのあふれる愛情と自負しています。どんなダメ映画でも必ずひとつはあるイイところを発見するのが得意技。大のサッカー好きで、欧州リーグからJリーグまでTPOに合わせて楽しんでます。
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