映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評


【本音で語る新作映画レビュー】
シネマッシモでは、映画レビューはネタバレなしのヒントあり。映画を見る前と見た後と、2度読んで楽しめます。
映画評サイトもこのブログで4代目になりました。すべての映画好きを歓迎します!
(点数は100点が、★は5つが満点)
シネマッシモとは、シネマ(映画)とマッシモ(イタリア語でmax,最大)とを組み合わせた造語。
どうぞゆっくり楽しんでください \(^▽^)/

◎ 今週の気になる映画 ◎
「カフェ・ソサエティ」「ノーエスケイプ」「追憶」「赤毛のアン」etc.

長澤まさみ

グッドモーニングショー

「グッドモーニングショー」オリジナル・サウンドトラック
朝のワイドショー「グッドモーニングショー」のメインキャスター澄田真吾は、付き合っていると勝手に勘違いしているアシスタントの小川圭子から生放送中に自分たちの交際を公表しようと迫られアセる。さらにプロデューサーの石山からは番組の打ち切りを告げられ落ち込んでしまう。そんな時、都内のカフェで爆弾を持って人質をとる立てこもり事件が発生。犯人はなぜか澄田を交渉役に指名した。落ち目のキャスターの澄田が、にわかに全国的に注目され、防弾チョッキ姿で犯人に向き合って説得するという前代未聞の生放送が始まった…。

ワイドショー番組のメインキャスターの災難だらけの1日を描くコメディータッチのヒューマン・ドラマ「グッドモーニングショー」。「踊る大捜査線」シリーズなどで脚本を手掛けた君塚良一が監督を務めるが、業界の第一線で活躍してきた人だけに、テレビ局の裏事情をわかりやすい面白さで活写している。時間に追われる生放送、番組構成の優先順位、情報番組と報道番組の上下関係と確執、数字に一喜一憂する視聴率競争に視聴者の生の声などなど、どれも業界人なら「あるある」だろうし、テレビ業界を知らない人なら「へぇ〜」と感心することばかりだ。主人公の澄田は、かつて報道番組のエースキャスターだった過去を持つ。彼が報道番組から遠ざかった理由、澄田家の家庭の問題、根拠のない不倫関係まで、すべてが立てこもり事件とうまく関連付けられていて、飽きさせない。澄田の防弾チョッキに仕込まれたスタッフ手作りの隠しカメラの映像がこれまた面白い。生放送中に社会への不満を持つ人物が事件を起こし、テレビ局の面々が翻弄されつつ巧妙に利用しながら、自らの仕事をこなしていくという展開は、米映画「マネー・モンスター」にそっくりだ。緊張感や社会派ドラマとしてのメッセージ性は遠く及ばないが、本作にはユーモアと人情味があり、エンタメ映画として、いい意味での軽さがある作品に仕上がっている。ワイドショーといえば、時に下世話な内容でネタを追い、大衆におもねるイメージがある。それでも番組作りのスタッフたちは、情熱やプライドを持って取り組んでいるという、テレビ業界人の誇りもチラリ。主演の中井貴一をはじめ、勘違い女子がサマになっている長澤まさみや、生真面目なアシスタント役の志田未来ら、キャストは皆好演。楽しく笑ったその後に、テレビや情報とは、私たちにとっていったい何だろうと、ちょっと考えてみたくなる。
【65点】
(原題「グッドモーニングショー」)
(日本/君塚良一監督/中井貴一、長澤まさみ、志田未来、他)
(エンタメ度:★★★★☆)
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グッドモーニングショー|映画情報のぴあ映画生活

海街diary

海街diary Blu-rayスペシャル・エディション
鎌倉で暮らす4姉妹の心の交流を描くヒューマン・ドラマ「海街diary」。静かな家族ドラマを華やかなキャスティングで魅せる手腕に感心。

鎌倉の古い一軒家で暮らす3姉妹。父は15年前に家族を捨て、母も再婚して家を出ていた。ある日、3姉妹のもとに疎遠だった父親の訃報が届く。父の葬儀に出席した3人は、腹違いの妹・すずと初めて出会う。身寄りがなくなり今後の生活に不安があるのに気丈にふるまう中学生のすずに、長女の幸は、鎌倉で一緒に暮らさないかと提案。それぞれの思いを抱えた4姉妹の生活がスタートするが…。

原作は、数々の賞を受賞した吉田秋生の同名コミック。長女・幸はしっかり者、次女・佳乃は自由奔放、三女・千佳はマイペース。そこに腹違いの四女・すずが加わる。今の日本映画界を代表するかのような女優たちが演じる、個性あふれる4姉妹のアンサンブルが何よりも良い。是枝裕和監督自身が言うように、原作のテイストを尊重しつつ原作にはこだわらず、そして小津安二郎を意識したという物語は、静かで淡々としているが、滋味あふれるものだ。姉3人は、自分たちを捨てた父母をどう受け止めるか、そしてすずは自分という存在をどう肯定していくか。それぞれの心のわだかまりを、食べ物や飲み物で表現する演出が秀逸で好感が持てる。美しい四季を切り取った映像、登場人物の心情に丁寧に寄り添うセリフ、衣食住のディテールの細やかさ。一貫して家族のあり方を描いてきた是枝監督らしさが光る本作は、4姉妹ものということで現代版「細雪」にも思える。「そして父になる」の次は“そして家族になる”ストーリー。死や別れの先にある生の愛しさが、残像のように残る秀作だ。
【80点】
(原題「海街diary」)
(日本/是枝裕和監督/綾瀬はるか、長澤まさみ、夏帆、他)
(人間賛歌度:★★★★★)
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海街diary@ぴあ映画生活

WOOD JOB!(ウッジョブ) 神去なあなあ日常

WOOD JOB! ~神去なあなあ日常~ Blu-ray 豪華大木エディション
都会育ちの青年が林業を通して成長していく青春コメディ「WOOD JOB!(ウッジョブ) 神去なあなあ日常」。矢口監督は相変わらず目のつけどころがいい。

毎日お気楽に過ごしていた18歳の勇気は、彼女にフラれ大学受験にも失敗。進路も将来の見通しも何もない彼は、軽い気持ちで1年間の林業研修プログラムに参加することになる。携帯の電波も通じないド田舎の村での暮らし、凶暴で粗野な先輩ヨキのしごき、命の危険にさらされる過酷な林業の現場に、もう耐えられないと逃げ出そうとするが、気の強い美女・直紀と出会い恋してしまい、村にとどまることに。やがて勇気は底抜けに明るい村の人々や100年先を見据える壮大な林業の魅力に触れて、少しずつ変化していく…。

原作は三浦しをんのベストセラー小説「神去なあなあ日常」。村の名前“神去(かむさり)”とは神と住む村の意味らしい。さらに“なあなあ”とは「ゆっくり行こう」「まあ落ち着け」などを意味する方言だそう。いったいどんな物語なのかと気になる本作は、林業をテーマにした異色の青春エンタテインメントだ。男子のシンクロや航空業界、ロボットと、マニアックな専門職を取り上げてきた矢口史靖監督らしい、爆笑と感動のエピソードが、明るいタッチで描かれている。一般には林業を深く知る人は少なく、都会っ子の主人公の目はそのまま観客の視点となる。厳しい山の環境や慣れない過酷な作業に心身ともに折れそうになる勇気が、やがて村人の人情や林業の魅力に目覚めて成長するプロセスは、ウェルメイドな展開ながら見ていて清々しい。林業という切り口は新しいが、映画の作りとしては極めてオーソドックスなこの映画、実に魅力的でにくめないのだ。山での不思議な体験や、クライマックスの「!」な奇祭まで、サービス精神もたっぷり。山の厳しさや林業の実態は本当はもっとシビアで別次元のものだろう。だが自分の居場所を自分で決めた主人公の心の成長は確かなものだ。だからこそ本作の清涼感は格別なのである。
【65点】
(原題「WOOD JOB! 神去なあなあ日常」)
(日本/矢口史靖監督/染谷将太、長澤まさみ、伊藤英明、他)
(ウェルメイド度:★★★★☆)
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WOOD JOB!(ウッジョブ)〜神去なあなあ日常〜@ぴあ映画生活

潔く柔く きよくやわく

潔く柔く (2枚組 本編BD+特典DVD) [Blu-ray]
過去にとらわれる男女が新しい恋に踏み出す姿を描く「潔く柔く きよくやわく」。どこかで見たことがある設定ばかりだが、後味は悪くない。

瀬戸カンナは、10代の頃に、幼馴染のハルタを事故で失ってしまう。カンナは、ハルタが自分に恋心を抱いていた事実に気付かなかったことに責任を感じ、大人になっても恋愛に踏み出せないでいた。ある日、仕事先で赤沢禄(ロク)に出会い、ズケズケとものを言う彼にとまどい憤慨するが、実はロクも幼い頃に喪失の罪悪感を抱えていたことを知る。カンナとロクはやがて互いに惹かれあっていくのだが…。

原作はいくえみ綾の大ベストセラーコミック。何でも“いくえみ男子”という言葉があるほど、この原作者が描く男子キャラは人気があるらしい。イケメン、傷ついた過去、ぶっきらぼうな中に隠された優しさ。女子なら誰でもツボにはまるのも頷ける男子像だ。物語は不幸を内包する男女の切ない恋愛もので、ひとつひとつの設定は既視感がある。カンナは恋愛と友情の狭間にいたハルタの自分への恋心を知らず、他の男子とのデートの最中にハルタを事故で亡くしたことで、罪悪感を感じている。一方、悩みなど何もなさそうに見えるロクもまた、実は小学生の頃、同級生の女の子と一緒に事故に遭い、自分だけ生き残ってしまったというつらい過去があった。そんな二人が最悪の出会いから、互いに惹かれあい、やがて最愛の人へと変わるという、これまた恋愛映画のセオリー通りの展開は、女子の心を否が応でもときめかせるものである。長澤まさみを始め、主要キャストが、15歳という少々無理な年齢から大人になるまでを一人で演じる。見る前はいくらなんでも無理があると感じたのだが“自然”とまではいかなくても、思ったよりOKだったのは、映画全体を包むまっすぐな純愛ムードのおかげだろうか。実際キャストは皆好演で、特に最近では悪役やおバカな役など、個性的で多彩な役柄に挑んでいる岡田将生が、表面は明るくふるまうが、心に重荷を抱えた難しい役柄を上手く演じている。最初は“イヤなヤツ”だったロクがやがて好青年に変わる頃、映画には胸キュンのラストが待っているのだ。
【55点】
(原題「潔く柔く」)
(日本/新城毅彦監督/長澤まさみ、岡田将生、波瑠、他)
(切なさ度:★★★★☆)
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潔く柔く@ぴあ映画生活

日本列島 いきものたちの物語

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四季折々の日本の自然の中で生きる野生動物を追ったネイチャー・ドキュメンタリー「日本列島 いきものたちの物語」。生真面目だが丁寧な作品で好感が持てる。

北は北海道から南は沖縄、さらに小笠原諸島まで、日本列島に数万種いるという野生動物にスポットを当て、いきものたちのドラマをつづっていく。そこにとらえられているのは、ヒグマ、キタキツネ、サル、シカ、アザラシなど、愛らしい動物たちの家族の絆、そして懸命に生きるけなげな姿だ。特に、子育てを含む家族愛は、本作の重要なテーマとなっていてる。

南北に長い日本列島の自然環境は、大きな差異があり、世界遺産を含む美しい映像にはメリハリがあって見応えたっぷりだ。南国の激しい嵐にさらされるサルがいる一方で、北国に住むサルは極寒の冬を耐えねばならない。元気一杯のイノシシ母子、森の王ヒグマの兄弟の成長、キタキツネのカップルに、色鮮やかな海の生物たち。それらを丹念にカメラに収めたのは、岩合光昭、嶋田忠、中村征夫ら日本を代表する動物カメラマンたちだ。決定的瞬間のために、いったい何時間待っていたのだろう。計算できない野生を記録するために費やす時間と労力、忍耐力には頭が下がる。「生きて、食べて、子孫を残して、死ぬ」という究極にシンプルな生存スタイルは、時に人間のそれよりもずっと純粋で力強い。印象的だったのは、鹿児島県屋久島に暮らすサルとシカの異種間の不思議な絆だ。彼らの姿に人間は学ぶことが多い。ナレーションは、嵐の相葉雅紀、長澤まさみ、ゴリ、黒木瞳ら豪華なメンバー。エンドロールに映し出されるカメラマンたちの真剣な表情がとてもいい。日本の自然はこんなにも美しいのだということを、改めて教えてくれる作品だ。
【60点】
(原題「日本列島 いきものたちの物語」)
(日本/出田恵三監督/(ナビゲーター)相葉雅紀、長澤まさみ、ゴリ、黒木瞳、他)
(日本って美しい度:★★★★☆)
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日本列島 いきものたちの物語@ぴあ映画生活

モテキ

モテキ Blu-ray豪華版(2枚組)モテキ Blu-ray豪華版(2枚組)
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サブカル系草食男子のモテ期を描く人気ドラマの劇場版。J-POPを上手くからめて活写する恋愛コメディは、遊び心とノリが勝負だ。

金なし、夢なし、恋人なしの31歳・藤本幸世は、突然訪れた夢のような“モテ期”から1年後、派遣社員から、ニュースサイトの正社員になっていた。しかし相変わらず女性とは縁がない。そんな幸世に再び怒涛の“モテ期”が訪れる。彼の前に現れたのは、年下の雑誌編集者・美由紀、美由紀の親友で清楚系OLの留未子、ガールズバーのハデかわ嬢・愛、毒舌のSキャラ先輩・素子という全くタイプの異なる4人の美女たち。セカンド・モテキに暴走・妄想する幸世だったが、本命の美由紀には彼氏がいることを知りショックを受ける…。

原作者の久保ミツロウ自ら書き下ろした劇場版のオリジナル・ストーリーは、セカンド・モテキでも美女4人という恵まれすぎた環境にありながら、気弱で優柔不断な主人公が、自分自身をコントロールできずに迷走する様をJ-POPにのせて描いていく。今回の“お題”は、障害を乗り越えてでもゲットしたい本命とは? ということ。大好きな人と結ばれるためには、自分や別の誰かを傷つけずにはいられないことを学ぶヘタレ男子の姿は、切実で滑稽で、ちょっぴりイタくて愛おしい。サブカル・ネタ全開のストーリーはあくまでも軽いノリだが、アイドルソングへの冷静な分析や、「(500)日のサマー」を思わせるダンスシーンなど、演出は意外にもセンスがある。何といっても、冒頭の、ゴージャスな祭りよろしくハジケまくるタイトルバックが最高に楽しめる。この軽さ、何も残らない後味、何の指針も示さない大人。まさに“今”の気分である。ポップミュージックがBGM以上の役割を果たすこの映画、変種の音楽映画として楽しむのも一興だ。
【55点】
(原題「モテキ」)
(日本/大根仁監督/森山未來、長澤まさみ、仲里依沙、真木よう子、麻生久美子、他)
(音楽映画度:★★★☆☆)



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モテキ@ぴあ映画生活

映画レビュー「コクリコ坂から」

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◆プチレビュー◆
ファンタジックな要素を排したストーリーは、ジブリとしては新機軸。ビビッドな色彩が目を引く。 【60点】

 1963年、横浜。高校2年生の少女・海(通称・メル)は、海で行方不明になった父の無事を祈りながら、祖母の下宿屋を切り盛りしていた。由緒ある校舎取り壊し反対運動の中、海は高3で新聞部部長の俊と出会い、惹かれていく…。

 原作は高橋千鶴(作画)と佐山哲郎(原作)による知る人ぞ知る少女漫画だ。時代は1963年。価値観が激変した戦後を抜け、新しいものだけがもてはやされる高度成長期の扉が開かれようとしている。そんな中で出会った若く一途な男女の物語は、往年の日活青春映画のよう。海と俊の淡い恋、建物の取り壊しを巡る紛争、異母兄妹かもしれない海と俊の出生の秘密という試練が描かれる。

 本作が、ジブリ作品の中で特異なのは、ファンタジーや大冒険がないことだ。魔法もなければ、飛ぶシーンもない。現実的なストーリーは、明らかに大人向けなのだが、すべてが淡々とテンポよく進んでいく展開には物足りなさも感じるだろう。とはいえ、日常のディテールは丁寧だ。女性中心で暮らす古い洋館・コクリコ荘の風情やおいしそうな食事には目を奪われる。一方、男の巣窟である文化部部室、通称カルチェラタンのごちゃごちゃした感じもまた楽しい。取り壊しを阻止するため、女子たちによる大掃除でみるみる古い建物が美しくなるくだりは、すこぶる爽快。これが宮崎吾朗流の“魔法”なのだ。

 一方で「ゲド戦記」でもカンに障った説教臭いセリフには苦笑する。だが今回は、プチ学園紛争を背景に「古いものを壊すのは過去の記憶を捨てること」「人が生きて死んでいった記憶をないがしろにするな」という熱い言葉を、討論会という形で処理したのは、上手かった。若者が自分たちの力で何かを変えることが出来ると信じたのが60年代だ。それはやがて、カルチェラタンの存続を理事長に直談判し、出生の真実を確かめる“冒険”へとつながっていく。

 コクリコとは仏語でヒナゲシの意味。花言葉のひとつに“思いやり”がある。戦争に翻弄された両親の時代と、変化の中で生きる子供の時代がつながり、思いを受け継ぐ。その役目を担うのが、互いを思い合う海と俊だ。彼らは現代の大人たちの若き姿である。物語は、懸命に生きた人々に支えられた“今”を見据えているのだ。海は毎日信号旗をあげる。旗の意味は「安全な航海を祈る」。彼女の立つ位置からは見えないが、旗に答える俊がいた。海と俊がコクリコ坂を自転車で走り抜ける躍動感が、そのまま二人が信じた未来の輝きだ。

(シネマッシモ評価:★5つが満点)ノスタルジック度:★★★★★

□2011年 日本映画 原題「コクリコ坂から」
□監督:宮崎吾朗
□出演:(声)岡田准一、長澤まさみ、風間俊介、他
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コクリコ坂から@ぴあ映画生活

岳 -ガク-

岳 -ガク- DVD通常版岳 -ガク- DVD通常版
山岳救助ボランティアの主人公はどこまでも前向き。雄大な日本アルプスの風景が美しい。

世界中の山に登り、山の厳しさを知りつくした上で山を愛する島崎三歩は、山岳救助ボランティアとして登山者の人命を守ってきた。春になり、長野県警山岳救助隊に新人女性隊員の椎名久美が配属される。彼女は、隊長の野田や三歩の指導の下、厳しい訓練を積んで成長していくが、実際の救助では自分の未熟さや自然の猛威にさらされ、自信を失ってしまう…。

原作は石塚真一による人気コミック「岳 みんなの山」。山岳映画はロケの厳しさで知られるが、苦労の割には予算の関係からか報われないことが多いのが日本映画の悲しさだ。そこは役者の技量で埋めるしかないのだが、残念ながら本作は人間描写が浅く、クライマックスに久美があるショッキングな決断を下す場面も、迫力とは無縁。救助の究極の厳しさがさっぱり伝わってこない。ストーリーは表層的だが、三歩が決して登山者を責めない姿勢は印象的だ。自分のミスで遭難した人に対しても「よく頑張った」と励ますのは、山を嫌いにならないでほしいとの願いと、いつかまた必ず山で会おうという約束の気持ちが込められている。生きること。それが山に決して捨ててはいけないものとは?の問いに答える映画のメッセージだ。
【50点】
(原題「岳 -ガク-」)
(日本/片山修監督/小栗旬、長澤まさみ、佐々木蔵之介、他)
(ベタ度:★★★★☆)
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岳 -ガク-@ぴあ映画生活

曲がれ!スプーン

曲がれ!スプーン [DVD]曲がれ!スプーン [DVD]
劇団ヨーロッパ企画の戯曲「冬のユリゲラー」を原作とするだけあって、舞台風の演出が目立つが、テンポの良い笑いで魅せる楽しいコメディだ。超常現象番組の新米ADである桜井米は、上司から本物のエスパーを探せと命令され、全国を飛び回る日々。彼女自身は超能力を信じているが、インチキ超能力者ばかりが現われ、落ち込んでしまう。あきらめかけた時、喫茶店「カフェ・ド・念力」に辿り着くが、そこは本物のエスパーたちが密かに集まる場所だった。

主人公の米(よね)と、史上最弱のエスパーたちは、本来は“敵”同士。なぜなら、エスパーたちは米が担当する超能力番組が大嫌いなのだ。だが彼らには共通項がある。女性は総じて現実的だが、米は子供時代の不思議な体験を大切にしている、夢見がちな女の子。一方、エスパーたちは、自分たちの能力をひた隠しにして地味に生きているが、年に一度、“同業者”同士で力を披露し合うことが楽しみ。米もエスパーたちも、世間一般から見れば、ちょっぴりハミダシ者というわけだ。どこか間(マ)が抜けたエスパーたちは、自分の力をくだらないことばかりに使っているのに何だか楽しそうである。そんなお人好しの彼らが、本当は、正体を知られてはいけないのに、米のため、ある“不思議”を演出する終盤がハートフルだ。特に、ラストに米が超能力を逆利用するくだりは、実に洒落ている。心優しきエスパーを演じる小劇場界の役者たちの達者な演技が味わえるが、いつも悲劇のヒロインばかりの長澤まさみがコメディに初挑戦、その必死さが初々しい。これをきっかけに彼女がコメディの魅力と演技に目覚めてくれれば…と期待している。見終われば、ダメもとでスプーン曲げに挑戦したくなった。
【55点】
(日本/本広克行監督/長澤まさみ、三宅弘城、諏訪雅、他)
(キュート度:★★★★☆)

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群青 愛が沈んだ海の色

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長澤まさみのどんよりとした表情で、この女優の定番である死と病の“泣き”の方向がつかめてしまう。沖縄の離島で暮らす、最愛の妻を病で失った父と、やはり幼馴染の恋人を海の事故で失った娘の、愛の喪失と再生を描く物語だ。少し大人っぽくなった長澤まさみに出会えるが、内容が情けないほど陳腐で、沖縄版「タッチ」のようなストーリーに鮮度は皆無。父と一也はまったく漁師(ウミンチュ)に見えず、幼馴染の3人の友情も愛情も伝わらない。終盤、ヒロインが心の病から立ち直る展開の説得力のなさにはあきれるばかりだ。再生こそがこの物語のテーマなのに、そこが雑でどうするのか。複雑な歴史を持つ沖縄の地の精神風土はもっと力強く魅力的なはず。タイトルである海の群青色の美しさだけが慰めだった。
【20点】
(日本/中川陽介監督/長澤まさみ、佐々木蔵之介、福士誠治、他)
(マンネリ度:★★★★☆)

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◆ペンネーム:渡まち子
◆映画ライター、映画評論家
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新聞、雑誌、インターネットで、映画評、映画コラム、DVD紹介などを執筆。他にも、映画コメンテーターとしてラジオ出演、大学での公開講座や企業主催の映画セミナーなど、映画に関する幅広い仕事をこなしながら活動中です。
◆青山学院文学部史学科卒業。西洋史が専攻で、卒業論文はベネチア史。学んだことを生きている間に有効に活かせるのだろうか…と、かなり心配。
◆エトセトラ:
古今東西の映画をこよなく愛す、自他ともに認めるシネフィル(映画狂)です。時に苦言を呈すこともあるその映画批評の基本は、映画へのあふれる愛情と自負しています。どんなダメ映画でも必ずひとつはあるイイところを発見するのが得意技。大のサッカー好きで、欧州リーグからJリーグまでTPOに合わせて楽しんでます。
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